ダンガンロンパシンフォニア〜ボクの愛と希望の法廷〜   作:パルティアン

33 / 44
CHAPTER4 非日常編-捜査-

殺人現場の方に戻ると真理ちゃんは既に検死を終えたようで、今は速瀬さんの足の様子を診察していた。そう言えば・・・。

 

 

『いってええええ!』

 

 

死体が発見される直前、速瀬さんは大声で叫んでいた。そして電気が付いた後彼女は足を押さえてうずくまっていた。もしかして彼女のケガは事件と関係があるのだろうか?2人に話を聞いておく必要があるだろう。

 

「速瀬さん、大丈夫?」

「あー、メチャクチャ痛え。」

「それはそうだよね・・・。真理ちゃん、彼女の足の状態は?」

「うーん、あまり芳しくはないね。それが何かは分からないけれどかなり重たいものがぶつかったと考えていい。レントゲンが撮れるわけじゃないから正確なことは言えないが、恐らくだけど骨折しているんじゃないかな。」

「マジかぁ・・・。」

「何があったの?」

「そん時は暗かったし、アタシにもよく分かんねえんだ。鷹岡の死体が見つかる直前によ、足に重てえもんがドンって落っこちて来やがってよ。痛くてのたうち回ってたら電気が付いて筋次の奴の死体が見つかったって訳だ。」

「じゃあ何が落ちてきたのかも見てないんだね?」

「ああ、そんな余裕もなかった。」

 

死体が発見される直前に起こった速瀬さんの足のケガ。事件に関係ないとは考えにくいな・・・。覚えておいた方が良いかもしれない。

 

 

 

コトダマゲット!

【速瀬のケガ)

鷹岡の死体が発見される直前、速瀬の足に何かが直撃した。

かなり重いものがぶつかったようで、津田によると骨折している可能性が高いとのこと。

何がぶつかったのかは不明。

 

 

 

「よし、とりあえずはこんなところかな。と言っても移動したりとかは難しいだろうし、裁判場に向かうときはボクが肩を貸そう。」

「え、いいよ。アタシよりちっちゃいのに潰れちまうだろ?」

「おいおい、ボクを誰だと思ってるんだい?“超高校級の医者”だぜ?患者の1人や2人運んでみせるさ。」

「おお、じゃあ頼むぜ。」

 

速瀬さんの手当が終わったところで真理ちゃんには検死の話を聞いておこう。

 

「真理ちゃん、検死はどうだった?」

「そうだね。まあ一言で言えば大したものは見つからなかった。」

「というのは?」

「モノトラファイルに書いてある情報と大して変わらない、ってことさ。まあ強いて言うのであれば鷹岡クンの傷の状態が分かったかな。」

「聞かせてもらうね。」

「鷹岡クンの傷について分かったことは大きく分けて2つ。1つは傷の位置と角度から見て彼は後頭部の斜め上から殴打されたのだ、ということ。もう1つは彼を殺害した凶器は球形のものだ、ということだね。」

「球形?」

「そう。壺とか大きいハンマーとか、曲面を持った鈍器で殺害されたと考えられるね。まあ、そうなると犯人はどうやってそんな大きいものを持ち込んだのか、という話にはなってしまうけどね。」

 

つまり鷹岡クンの傷はかなり大きな鈍器で付けられたものだということ。真理ちゃんの言うとおり、そんなものを犯人はどうやって持ち込んだのか。これはこの事件の肝になりそうだぞ・・・!

 

 

 

コトダマゲット!

【鷹岡の傷)

傷の位置と角度から見て後頭部の斜め上から殴打されたものと思われる。

傷の形は球形で、犯行には曲面を持った大きな凶器を使ったものと考えられる。

 

 

 

「死体をもっと調べたいのならあそこだよ。探偵の視点からの方が分かることもあるだろう。」

「うん、そうしてみるよ。」

 

真理ちゃんに促されて鷹岡クンの死体に近づく。

あれだけ明るくみんなを支えてくれていた鷹岡クンがこうして物言わぬ死体になってしまっているのを目の当たりにするとやるせない思いが湧いてくる。手を合わせてからしゃがみ込み、死体を調べる。

確かに死体の傷は真理ちゃんの言う通りのようだ。そして他には特に目立った外傷は見られない。

念のため鷹岡クンの持ち物を調べる。と言っても彼は非常に薄着なので調べるところと言ってもズボンのポケットくらいしかないわけだけど。右のポケットに手を突っ込んでみると指先に何か固いものが当たる感触があった。何かと思って引っ張り出してみるとそれはカギだった。でもこれは何のカギだろう?職員宿泊棟の個室のカギは電子ロックでそのキーは電子しおりに内蔵されている。夜時間になるとカギがかかる部屋はこのホテル内にはいくらでもあるけれどそのカギを同行する権限はボク達にはない。それは鷹岡クンも同様のはずだ。だとするとこのカギは一体…?

 

 

 

コトダマゲット!

【謎のカギ)

鷹岡のポケットの中から発見された。

どこの錠に対して使うものかは不明。

 

 

 

 

死体から分かるのはこんなところか。そう思って立ち上がるとボクの頭の少し上に生首がぶら下がっていたのが目に入った。

 

「うわっ!びっくりしたぁ。」

 

おそらくホラーハウスに設置されていたギミックなのだろう。そうだとわかっていてもいきなり目の前に出てこられるのは心臓に悪いな…。

 

「ん?こんなところに血が…。」

 

手に取って見回してみるとちょうど生首のおでこの部分に血液と思しき液体が付着していた。

 

「うーん、でもこれ血か…?」

 

だけどその液体には何か違和感がある。血液特有の錆臭さがないというか何というか。だけどそもそもその真下には頭が血塗れの鷹岡クンが倒れているのだ。鼻がマヒしてしまっているだけかもしれない。でもこの違和感と死体との位置関係、念のため覚えておこう。

 

 

 

コトダマゲット!

【生首)

天井からぶら下げられている。

そのおでこの部分には血液と思しき液体が付着しているがどこか違和感がある。

ぶら下がっている場所の下に鷹岡の死体が倒れている。

 

 

 

死体周辺で調べられそうなのはこんなところかな。

生首の方も気にはなるけどそれ以上に気になるのは鷹岡クンが持っていたこのカギだ。ボク達に自室の部屋以外にどうこうできるカギはない。だけどかと言ってこのカギが全く事件に関係ないとは考えにくい。だとするとあのカギはどこのものなのか。これはホテルについて一番詳しいヤツに聞いた方が早いだろう。

 

「モノトラ!」

 

どこにいるのか分からないのでとりあえず適当な方向を向いてその名を呼ぶとすぐにヤツは現れた。

 

「なんだ?」

「ちょっとこれについて教えてほしいんだけど。」

 

そう言いつつ先ほど鷹岡クンの死体から手に入れたカギをモノトラに見せる。するとモノトラは心当たりのあるような反応を見せた。

 

「そいつは博物館のバックヤードのカギだぜ。普段はカギがかかってるだろ?」

「バックヤードの?またどうして鷹岡クンがそんなものを?」

「昨日アイツが借りに来たからだぜ。」

「なんで?」

「お化け屋敷に使えるものがあるかもしれねーから、とか言ってたな。ま、オレの知ったことじゃねーんだぜ。」

 

そう言えば鏑木クンが言ってた気がする。ホラーハウスの入り口のところの魔術師の人形に持たせる水晶玉は博物館の本物を使ったって。そのために借りたカギか…。モノトラの許可が取れたっていうのはカギのことだったのか…。

 

 

 

コトダマゲット!

【モノトラの証言)

博物館のバックヤードには普段はカギがかかっている。

そのカギを昨日鷹岡が借りに来た。ホラーハウスに使うものを探していたとのこと。

 

 

 

さて、鷹岡クンの持っていたカギの正体は分かった。それならば次に行くべきところは決まった。

次に向かったのは同じフロアの博物館。ここにはホラーハウスに使われたものに関係するヒントがある。

目的のバックヤードに入るとすぐに大きな木の箱が目に入った。その箱の底には紫色の小さなクッションが敷かれている。サイズ感的にこの箱が本物の水晶玉が入っていた箱だろう。空っぽであるところを見た感じ、鷹岡クンがここから水晶玉を持ち出したのは間違いないだろう。

他のラックも調べてみたが特にその他に持ち出されたものはなかったので早々に捜査を切り上げて博物館の方を調べてみることにした。

そこでふと思い出したことがあった。

 

 

『・・・鷹岡はこの人形にバックヤードにしまわれている本物の水晶玉を使うと言っていたのだが・・・。』

 

 

鏑木クンは入口の魔術師の人形に使う予定だったのは本物の方の水晶玉だったと言った。だけど実際にその場で見たのは…。

 

「うーん、やっぱりこっちも持ち出されているよなぁ。」

 

ガラスでできたレプリカの方だった。鷹岡クンが持ち出した本物の水晶はかなりの貴重品だった。そのため代わりにガラス玉で作られたレプリカだった。そして本物とレプリカ、両方の水晶玉が博物館から持ち出されているのにもかかわらず現場から発見されたのはレプリカの水晶玉のみ。この矛盾が示すものは一体何なのだろう?

 

 

 

コトダマゲット!

【2つの水晶玉)

博物館には2つの水晶玉が存在している。1つは本物の水晶玉。もう1つは貴重品である本物の水晶玉の代わりに展示されていたガラス製のレプリカの水晶玉。

それぞれのありかで捜査をしたところその両方共が持ち出されていた。

 

【消えた本物の水晶玉)

博物館から持ち出されたのは本物とレプリカの2種類の水晶玉であったはずだが現場から発見されたのはレプリカの水晶玉の方だけであった。

本物がどこに消えたのかに関しては目下捜索中である。

 

 

 

よし、これで博物館で得られる情報はこんなところだろう。

後調べておきたいのは…。

 

「深見。」

 

次の捜査場所を思案していると後ろから金谷クンに声をかけられた。

 

「どうしたの?」

「少し調べたいところがある。お前の意見も欲しい。」

「どこ?」

「倉庫だ。恐らく鷹岡をはじめとする改造メンバーはあそこから資材や道具を持って行ったはずだ。となるとそこに何かしらのヒントが隠されているはずだ。」

 

確かに水晶玉とかは博物館にしかないだろうけどそのほかのペンキや他の資材を手に入れるなら倉庫と考えるのが一番だ。あそこを調べてみる価値は十分にあるだろう。

倉庫に入るとどのあたりに資材が置いてあったのかは一目でわかった。倉庫の奥の一角に木の板やペンキ、工具などのまさに改造を行うのにうってつけなものが置かれていた。

その中でもひときわ目を引いたのが『ドッキリセット』と書かれたそこそこ大きい段ボールの箱。工具箱からカッターを取り出して開けてみるといろいろなものが入っていることが分かった。

箱を開けてみてぎょっとしたのがゴム製の生首。見た感じがホラーハウスの天井に吊り下げられていたものと近いのでここに少し装飾を施すことでホラーハウスにふさわしい見た目にしたのだろう。それに付随しているのが同様の素材でできていると思われる腕。多分こちらはホラーハウスの途中の通路で壁から飛び出してきた腕に使われていたものだろう。関節がボールジョイントになっていて自由に手の形を変えられるようだ。

そして最後に目に入ったのは血糊。要はこれらの首や腕、場合によっては自身につけることによってまるで出血しているかのように見せかけるためのものだろう。コロシアイが行われている今の状況下では悪趣味極まりないとしか言いようがないけれど。

結局のところこの箱に入っていたのは中身を組み合わせることによって誰かを驚かせるというイタズラをするためのおもちゃのようだ。結果的にあの4人はそれをホラーハウスを作るために使ったようだけど。

 

 

 

コトダマゲット!

【ドッキリグッズ)

倉庫に保管されていた誰かにいたずらを仕掛けるためのおもちゃ。

段ボールに入ったセットになっていて中身はゴム製の生首、腕、血糊とその他さまざまなものが入っている。

 

 

 

「金谷クン、何かあった?」

「いや、特にはなかったな。お前の見つけたドッキリグッズの箱がせいぜいだ。」

「まあそうはうまくはいかないよね。」

 

何か決定的な証拠を手に入れることはできないままボクたちは倉庫を後にすることになった。

ボクは一度現場に戻ることにした。すると今度は木田さんが真理ちゃんの診察を受けていた。

 

「あれ、木田さんもケガ?」

「ああ。と言ってもマハさんよりかははるかに軽い軽めの捻挫だけどね。」

「どうしたの?」

「深見さんも覚えていらっしゃるでしょう?鷹岡さんの死体が発見される直前、皆さんがスロープの前後で転倒事故を起こしたのを。あの時に足をくじいてしまったみたいで。」

 

そういえばそんなこともあったっけ。

 

「アレはなんだったんだろうね?」

「うーん、そういえばボクが転んだのは速瀬さんの悲鳴が聞こえてきた直後だったな。」

「そういえばそうだったかも。」

「彼女の悲鳴が聞こえてきた直後に足に何かが当たってバランスを崩しちゃったんだ。」

「ボクもだ。」

「わたくしもでしたわ。」

「うーん、それは妙だね。ボク1人なら痛みで飛び上がった速瀬サンの足でも当たったのかなとでも考えるんだけど他のみんなもそうだとするとそこに何かありそうだね…。」

「死体発見直後に起こった将棋倒しの事故、気になるね。」

 

 

 

コトダマゲット!

【将棋倒しの事故)

鷹岡の死体が発見される直前、全員の足に何かがぶつかって全員が転倒する事故が起こった。

みんなの足に何が当たったのかは不明。

 

 

 

「そうだ、優クンに一度確認しておきたいことがあったんだ。」

「どうしたの?」

「やっぱり今回の事件は例の動機が原因なのかね?」

 

動機、か。

 

「今回の動機、と申しますとあれですか?あのこの中の誰かを殺して学級裁判を生き残ることができたのならば残っているメンバーの中から任意の1人を自身とともに脱出させることができるっていう。」

「そうそう、それそれ。」

「まああれが原因になったと考えるのが妥当だろうね。」

「ですがここに残っているメンバー同士の中に人を殺してまで誰かを助けたいなんて関係性の人がいるとは考えられませんわ。」

「さあ、どうだか?」

「まあボクと真理ちゃんはこのホテルに来る前からの知り合いだしね。」

「そう言えばそうでしたわね。ならば貴方方のどちらかが?」

「冗談。」

「それならもうちょっと殺しやすそうな人を狙うかな。身体能力はあまり高くなさそうな木田さんとか。」

「笑えないジョークですわね。」

「冗談はさておき、ここまでの約2週間である程度仲のいい人とそうでもない人というのはできている。その比較的仲のいい人を助けるために殺人事件を起こした、と考えることができるくらいにはもうボクたちはこのホテルでの生活を送ってきてしまっているのも事実だよ。」

「ここで議論するのもナンセンスな話題だ、ということですわね。」

「うん。裁判場に着いてからでいいんじゃないかな。」

「ですが動機のことは頭の片隅にでも留めておきますわ。」

「それがいいね。」

 

 

 

コトダマゲット!

【今回の動機)

今回モノトラが提示した動機は今回卒業を勝ち取ることができた者はだれか1人を自分とともに卒業させることができるというものだった。

 

 

 

キーン、コーン… カーン、コーン…

 

「そろそろ捜査は終わりにして謎解きの時間と洒落込むんだぜ!オマエラ全員赤い扉の前に集合だ!」

 

 

 

「…時間、か。」

「ボクは速瀬さんに肩を貸して行くから先に行っててくれるかい?」

「わかった。木田さんは?」

「誰かの力を借りなければならないほどではありませんがゆっくり行こうと思います。お先にどうぞ。」

 

赤い扉の中に入ると3人以外の人は既に集合していた。こうやって見回してみるとまだ来ていない人がいるとは言え人数が減ったことを痛感させられる。鷹岡クンは体が大きかったから特にかもしれないけれど。

そうこうしているうちにゆっくり歩いてきた木田さんと真理ちゃんに抱えられた速瀬さんがやってきた。

 

「おう、待たせちまってわりいな!」

「お、おおう。」

「大丈夫でござるか…?」

「痛えのは痛えけどやらねえわけにはいかねえからな!」

 

かわるがわる速瀬さんの足の状態を気遣う言葉が飛び交う中にモノトラがやってくる。

 

「よしよし、何人かケガ人はいるようだがとりあえず全員揃ったみてーだな!」

 

そう言うとエレベーターへとボク達を誘導していく。檻のような金網がガラガラと閉まり地下へ向かってエレベーターが動き出す。

鷹岡クンはいつもボク達を支えてくれていた。みんなの兄貴分だった。そんな彼を殺した人がいる。それが犯人自身のためか、それとも他の人を助けたいためかはわからないけれど。でも動機がどちらにせよボクたちは負けるわけにはいかない。真実を見つけ、必ず仲間全員でここを出るんだ…!

 

                  ・

                  ・

                  ・

 

【生存者】

超高校級の探偵          深見優(フカミユウ)

超高校級のレーサー        速瀬マハ(ハヤセマハ)

超高校級のバスケットボール選手  雷文竜(ライモンリュウ)

超高校級の外交官         金谷秀征(カナヤシュウセイ)

超高校級の医者          津田真理奈(ツダマリナ)

超高校級の歴史学者        伊達小十郎(ダテコジュウロウ)

超高校級の???         鏑木麗(カブラギレイ)

超高校級のバイオリニスト     木田結弦(キダユヅル)

 

残り8人




さてさて証拠が出そろいました!次回からは4度目の学級裁判、いろいろ謎だらけな状態ではありますが、真実は見つけられるのでしょうか…?どうか見届けていただけると幸いです!それではまた次回お会いしましょう!

前作の反省を生かして早々に推しのアンケートをしてみたいと思います!

  • 深見優
  • 速瀬マハ
  • 雷文竜
  • 金谷秀征
  • 羽月翔子
  • 津田真理奈
  • 伊達小十郎
  • 鷹岡筋次
  • 言村香奈
  • 美作奏
  • 鏑木麗
  • 泊直哉
  • クレイグ・ホワイトバーチ
  • 靏蒔由衣
  • 大地真英
  • 木田結弦
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。