ダンガンロンパシンフォニア〜ボクの愛と希望の法廷〜   作:パルティアン

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CHAPTER4 学級裁判 閉廷

事件の真相は分かった…!親友を生かすために親友に自分を殺させるなんてそんな悲劇はここで完全に終わらせる!

 

 

 

クライマックス再現

 

ACT1

 

「事件の始まりはある意味では2日前のことだった。」

 

「4階のくらやみハウスが事件を呼び寄せることを危惧した鷹岡クンがそこを改造することを提案したんだ。」

 

「そしてその手伝いに参加したのが伊逹クンと鏑木クン、そしてクロの3人だったんだ。」

 

 

ACT2

 

「途中までは普通に改造を行っていただけだったんだ。」

 

「4人で協力して改造を進めていった流れの中でクロもドッキリグッズを倉庫から持ち出したんだろう。」

 

 

ACT3

 

「すべてが変わってしまったのは昨日のことだ。」

 

「モノトラの動機発表によってクロが生き残った場合あと1人だけ共にこのホテルを脱出できるという状況になった。」

 

「これによって鷹岡クンの思考はくらやみハウスで殺人を起こさせないことではなく、くらやみハウスを利用して親友であるクロを脱出させることにシフトしていたんだ。」

 

「そしてその目的を達成するための計画を立てた鷹岡クンはクロにその実行の打診をして、クロの了承を得ることとなったんだ。」

 

 

ACT4

 

「そうと決まれば後は殺人の準備だ。」

 

「殺人しやすい状況を整えるためにまず鷹岡クンはホラーハウスの入り口に魔術師の人形を設置することをプレオープン直前の午前中になって提案した。」

 

「人形を設置し終えた鷹岡クンは続いて凶器を準備することにした。」

 

「モノトラの許可を取って博物館のバックヤードのカギを借りたんだ。」

 

「そして本物の水晶玉を持ち出した。その時に凶器をごまかすためのレプリカのガラス玉も同時に持ち出したんだ。」

 

「その後、その2つの水晶玉を人形の付近に設置した。つまりもうこの時点で現場への凶器の持ち込みは完了していたわけだね。」

 

 

ACT5

 

「プレオープンの時間になって、ホラーハウスに入る直前、鷹岡クンとクロは説明と共に身体チェックを行った。」

 

「こうすることによってクロも鷹岡クンも凶器となりうるものを持っていないとみんなの前で証明して見せたんだ。」

 

「クジをうまく操作してクロは列の一番後ろでホラーハウスに入ることに成功した。」

 

「こうしてホラーハウスの中でのある程度の行動の自由を手に入れたクロは入口の付近で水晶玉とレプリカを入れ替えて凶器を確保したんだ。」

 

 

ACT6

 

「そのまま列は事件の起こったスロープへと差し掛かる。」

 

「もともと設置されていた仕掛けである生首が動いたその瞬間、クロは手に持った水晶玉を投げた。」

 

「球形のものを投げることに長けたクロの放った水晶玉はクロの狙い通り鷹岡クンの後頭部に直撃し、その命を奪ったんだ。」

 

「ここで一つクロにとっての不測の事態が発生した。」

 

「鷹岡クンの命を奪った水晶玉はそのまま地面に落ちる前に速瀬さんの足に当たってしまった。」

 

「更にその水晶玉はその後ろに並んでいたボク達の足を薙ぎ払い、将棋倒しの事故まで起こした。」

 

「この2つの出来事が凶器を特定するヒントになったんだ。」

 

「この出来事の重大さに気づかなかったクロは自分の手元まで転がってきた水晶玉を回収して暗幕の裏に隠した。」

 

「更に水晶玉を入れた部分を接着剤で留めることによって最初からそこは留められていたように見せかけた。」

 

「こうして付近には凶器は存在しないように演出したんだ。」

 

 

「そして、ここまでの計画を立ててまで鷹岡クンが救いたいと思い、そして正確な投擲能力を要するこの計画を実行することのできる能力を持っていたクロは、雷門竜クン、キミしかありえない!!」

 

 

 

「…っ!」

「マジでおめーがやったのかよ…!」

「…顔を見る限りどうやら深見の推理は当たっていたみたいだな。」

「どうしてこんなことに…!」

 

みんなの様子は信じられない、いや、信じたくない、でも雷門クンの様子から信じるしかない、と言った感じだった。その渦中にいる当の雷門クンは先ほどから一言も発さない。

 

「…とりあえず投票しよっか。そうしないとこの裁判は終わらないのだから。」

 

真理ちゃんの提案に従いボク達はボタンに手を伸ばす。そして30秒ほどしたころにモニターが下りてきて投票結果を表示した。

 

 

 

投票結果→ライモンリュウ

 

 

 

【学級裁判閉廷】

 

「さてさて、4度目の学級裁判、その結果はーー!大!正!かーい!!なんと、親友の殺人計画に乗っかって親友を殺害し、このホテルを脱出しようとした犯人は、そう、意外や意外、雷門竜クンだったのでしたー!!」

「……。」

 

ボク達の推理が正しいと証明されたその後も雷門クンの口から言葉が紡がれることはない。

 

「だんまりもいいがきちんと話してもらわねば納得はできんぞ。俺たちは2人の計画によってこうしてまた命がけの学級裁判をする羽目になっているのだからな。」

「………ああ、そうだな。お前らには理由を知る権利があるな。」

「とりあえず、鷹岡殿が雷門殿を外に出すための殺人計画を立て、それに従って鷹岡殿を殺害した、ここまでは間違いないでござるか?」

「ああ、合ってるぜ。」

「だがよ、合ってたとしても納得はできねえよ…。筋次が自分を殺してでも竜を外に出したいって思ったのと同じように竜も筋次のことは大事な友達だって思ってたんじゃねえのかよ…?それとも竜にとって筋次はそんなに大事じゃなかったってのかよ…?」

「それは違え!」

「うお!?」

 

速瀬さんの絞り出すような言葉に思わぬ強い反論が返ってくる。

 

「アイツはオレにとって親友だ。殺しちまった後に言われても信じられねえだろうがその気持ちはこうなった今でも変わらねえ。」

「…ならばなぜ殺した?…少なくともためらいはあったはずだろう?」

「まあ、な…。」

 

伏し目がちに今度は雷門クンの方が言葉を絞り出す。

 

「鷹岡にこの計画を持ち掛けられたのはお前らが思っている通り、動機が発表された日のことだったよ。」

 

ぽつりぽつりとその日のことを話し出す。

 

「最初は何の冗談かと思ったんだ。オレを外に出すために自分を殺させるなんてふざけたことを言い出すような奴じゃなかったからな。だがそう言おうとして言葉に詰まった。アイツの顔がそんな冗談を言っているような雰囲気じゃなかったから。ああ、これはマジなんだと思った。」

「されば何故鷹岡殿はそんな計画を?」

「オレもそこは気になってな、聞いてみたんだ。アイツからはちゃんと外に出て親に謝りてえって話も聞いてたしな。」

 

そこまで聞いてたのか…。いや、ボクが知っているくらいだ。親友の雷門クンが知っていても何らおかしくはない。

 

「で、何と帰ってきたんだ?」

「ああ、それがな。どうやら、アイツはオレの独り言を聞いていたらしい。」

「独り言?」

「ああ。前の事件でよ、動機としてビデオが配られたのは覚えてるだろ?」

「ああ、あの忌々しいタブレット端末か。」

「その時によ、オレは見ちまったんだ。兄貴の身に何かあったらしいって動画をよ。」

 

お兄さんと言えば彼が本来のポジションを離れて今のポジションでバスケを続ける理由、そして彼はお兄さんが戻ってくればすぐに今のポジションを明け渡すつもりでいる。そんな彼にとって大きな存在だ。きっとその動機ビデオを見たときの雷門クンの動揺は尋常なものではなかったに違いない。

 

「動揺したオレはどうやら動画のことを口に出していたらしい。もちろん、独り言でな。でもそいつを鷹岡には聞かれちまってた。」

「まさか筋次の奴、竜にアニキの様子を確認させるためだけにこの事件を起こしたってのか!?」

「それは妙な話だ。今雷門クンが言っていた通り、鷹岡クンにも外に出たい理由があったんだろう?だとしたらキミを味方につけて共犯者として殺人を犯す方が圧倒的に効率がいいし、計画の成功率もあがるだろう。」

「確かに雷門殿を外に出したいと思った理由は分かっても鷹岡殿自身を殺させる理由にはならんでござるな。」

「そこはアイツがいいヤツすぎるんだ。いや、もちろん、こんな事件を起こしといてこんなこと言っても説得力はねえだろうし、どんな理由があったって他の誰かを殺していい理由にはならねえんだがよ。」

「…そうだな。…それにこんな計画を立てておいて鷹岡がいいヤツすぎるということもないと思うのだが。」

「みんなにゃそう見えちまうよな。だがアイツはいろいろ葛藤した末に自分自身を殺させる計画を立てたらしい。」

 

 

『いろいろ考えたんだがよ、どうにも他の連中を殺して竜の字を外に出すってのはオイラの性には合わねえってことに気づいたんだ。新しい学級裁判を起こそうってのにこんなこと言うのもなんだが寝覚めがわりい。だからよ、竜の字。オイラを殺せ。』

 

 

「アイツはそんなことを言ってやがった。」

「んなバカな…。」

「そりゃオレだって反対したさ。親友を殺すなんてありえねえ。それこそそうやってここを出たって今度はオレの寝覚めがわりい。兄貴は心配だがそのためだけにここまで一緒に乗り越えてきた仲間は殺せねえ。そう言ってその話はそこで終わりにするつもりだったんだ。」

 

そう言った雷門クンは苦しそうに顔を歪める。

 

「だがよ、そう言った時アイツはオレにトラパッドを見せてきた。そこに映っていたのはアイツの家族や仲間が死んだかのような映像だった。続けてアイツはこう言った。」

 

 

『もうオイラにゃ帰る場所がねえんだ。だからせめて最後に残ったこの命だけはオイラが好きなように使いたい。いや、まどろっこしいな。竜の字、お前さんのために使わせてくれ。』

 

 

「オレにはアイツの最後の願いを無碍にすることはできなかった。」

「だからって殺すことは…!」

「ああ、だよな。でもその時頭を過っちまったんだ。この提案に乗れば兄貴の無事を確認できる、って。」

「…。」

「一度過ったらもうそれが頭を離れることはなかった。気づいたらオレは分かったって返事してた。」

 

彼は体の前に持ってきた指先を見つめながら話す。まるで今もなおその手にあの水晶玉を持ち続けているかのように。

 

「分かってるさ。どれだけ言葉を重ねたところでオレが鷹岡を殺した事実は変わらねえってことは。オレが人殺しだってことも、その人殺しのオレが今度はその報いを受ける番だってことも。でも、オレからのみんなへのけじめとして聞いといてほしかったんだ。」

 

そこまでを言うと雷門クンは手をだらんと下ろし、正規の抜けた目でモノトラに視線を移す。

 

「時間を取らせて悪かったな。もういい、十分だ。話したいことは全部話した。もう、終わらせてくれ。」

「ほいきた!それじゃあお待ちかねのおしおきタイムと行くぜ!それでは!超高校級のバスケットボール選手、雷門竜のために!スペシャルなおしおきを用意したぜ!!」

「悪かったな。金谷の言った通りだ。4階を調査しておいてよかった。あと深見、オレと鷹岡、どっちも負けたぜ。壁は厚かった。」

「そっか。」

 

その言葉の後、鷹岡クンと雷門クン、2人による悲劇に幕を下ろす木槌がモノトラによって振り下ろされた。

 

 

 

ライモンクンがクロにきまりました。

おしおきをかいしします。

 

 

 

大きなアリーナ。そこには観客として大量のモノトラが詰めかけている。

 

そのアリーナの中心にバチンという音と共に明かりが灯る。

 

そのスポットライトの中心に立っているのはバスケットボールで高校生としてはこれ以上ないほどの名声を手にした男。

 

そしてその横には大量のボールが入ったかごが置かれている。

 

続いてアリーナのヴィジョンにも明かりが灯りこれから行われることが何かを示していた。

 

 

超高校級のバスケットボール選手・雷門竜のおしおき

《スプラッタ・ヤンガー・ブラザー》

 

 

ウイーンという機械音と共にゆっくりと天井から大きな影が下りてくる。

 

その正体はバスケットゴール。彼がその生涯の中で幾度となく目にしてきた栄光の終着点。

 

アリーナのヴィジョンに文字が映る。

 

そこに書かれていたのは『30本連続で3ポイントシュートを決めたら脱出!!』という文言。

 

そしてその下には控えめに『1本でも失敗したら即処刑』と脅しつけるような言葉が付け加えられていた。

 

しかしそんな文言にも怯むことなく、むしろ不敵に笑いながら挑戦者は1つ目のボールを取る。

 

ブザーが響く。

 

それと同時にシュートを始め、軽々と連続でシュートを決めていく。

 

10本、11本、あと少しで半分。

 

14本目を決めて15球目を掴んだその時、ジャキンという金属音が響く。

 

それはバスケットボールには本来あろうはずがないもの。そのボールからは太い棘が生えて雷門の両の掌を刺し貫く。

 

それでも彼が止まることはない。少しペースは落ちたものの、彼は変わらずシュートを決めていく。

 

そして20本目を迎えるころ、その棘は凶悪さを増し、ボールから射出され始めた。

 

吹っ飛んだ棘は掌だけでなく体中の至る所に刺さり、すでに彼の足元には血溜まりができていた。

 

それでも彼はシュートの手を止めない。

 

どれだけ傷だらけになろうともそのプライドにかけてゴールへ向かってボールを放ち続ける。

 

そしてついに迎えた30本目。

 

その30球目から飛び出した棘にも耐えて最後の1本を放とうとしたその瞬間。

 

指が舞った。

 

それは彼が正確にシュートを撃ち続けるために何よりも丁寧にケアし続けた、彼にとって最も大切なバスケ道具。

 

それがくるくると回りながら彼の顔の横をすり抜けて床に落ちた。

 

彼が放ったはずのボールはガッと音を立てて床に刺さった。そしてそのボールには棘に続いて鋭い刃がギラギラと冷たく光っていた。

 

ヴィジョンを振り返ると『FAILED!!』の文字。

 

そしてその結末を感じ取ったその瞬間、どこからともなく先ほどまで際限なく彼を苦しめ続けた棘付きのボールが無数に飛んできた。

 

そしてその無数の棘が一瞬で彼の全身を刺し貫いた。

 

それまで何があっても膝をつくことすらなかった雷門竜の躰はゆっくりとアリーナの血溜まりの中に倒れ伏した。

 

その瞳は昏く深く、ボールを吸い込んだらそのまま離すことはないような暗闇を湛えていた。

 

 

 

「エクストリィーーーム!!!これこそが絶望の醍醐味だぜ!!!」

 

4度目の処刑が今、終わった。誰にも弱みを見せず、みんなのために先頭に立ち続けた2人が最悪の形でそれを発露したその悲劇が。誰も気づいてあげることのできなかった2人の心の叫びがボク達の心にやっと届き、痛いくらいに木霊し続ける。

その痛みを受け止めるためにボク達は一言も言葉を発することができないでいた。

 

「なんだよぉ。オマエラ全員黙りこくっちまってよぉ。仲間外れは寂しいぜ?」

「…そもそもお前は某達の仲間でも何でもないでござるよ。用事が済んだのならさっさとここから失せるがいいでござる。」

 

あの優しい伊達クンから出たとは思えないほど冷たく突き放すような言葉。でもそんな言葉を発した伊達クンの気持ちは痛いほどわかる。モノトラが何を言って来ようといちいち奴の相手をしていられるような気分ではない。

ボク達は今、雷門クンの苦しみ、鷹岡クンの痛みを心で噛みしめている。

どれほどの時間がたったのだろうか、気づいたらモノトラはいなくなっていて裁判場にはすでにボク達だけが取り残されていた。

 

「…帰ろっか。」

 

話を切り出したのは真理ちゃんだった。

 

「そろそろ戻って寝ないとボク達の方が保たなくなる。それだけは絶対に避けるべきだ。続きは自分の部屋のベッドの中でやろう。」

「…一理、ありますわね。」

「その通りだな。こうして立ち尽くしても状況は好転しない。」

「…さすがにここ数日はいろいろありすぎて疲れた。…早く部屋に戻って眠らせてもらうとしよう。」

 

真理ちゃんの言葉に引き上げられるように重たく垂れ下がった頭を持ち上げてボク達はエレベーターへと向かう。

後悔は消えない。むしろこれまでの中で一番重たくボク達の心の底に溜まって渦巻いている。でもその後悔を抱えて僕たちは前に進む。人数は初めの半分以下に減ってしまったけれど必ずこのコロシアイの黒幕を倒して外に出られる日が来ると信じて。

 

 

 

CHAPTER4 別れの曲と言う勿れ  END

 

TO BE CONTINUED…

 

                    ・

                    ・

                    ・

 

【生存者】

超高校級の探偵          深見優(フカミユウ)

超高校級のレーサー        速瀬マハ(ハヤセマハ)

超高校級の外交官         金谷秀征(カナヤシュウセイ)

超高校級の医者          津田真理奈(ツダマリナ)

超高校級の歴史学者        伊達小十郎(ダテコジュウロウ)

超高校級の???         鏑木麗(カブラギレイ)

超高校級のバイオリニスト     木田結弦(キダユヅル)

 

残り7人




どうも、お久しぶりでございます。生活環境が大きく変わりましていろいろ体制を整えていたら前の投稿から2か月ほどたっておりました。ですがどうにか無事4章の完結を迎えることができました。
次回からは5章、自分としても早くたどり着きたいと思っていた章ですので、気長に待っていただければと思います。
それではまた次回お会いしましょう!

前作の反省を生かして早々に推しのアンケートをしてみたいと思います!

  • 深見優
  • 速瀬マハ
  • 雷文竜
  • 金谷秀征
  • 羽月翔子
  • 津田真理奈
  • 伊達小十郎
  • 鷹岡筋次
  • 言村香奈
  • 美作奏
  • 鏑木麗
  • 泊直哉
  • クレイグ・ホワイトバーチ
  • 靏蒔由衣
  • 大地真英
  • 木田結弦
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