ダンガンロンパシンフォニア〜ボクの愛と希望の法廷〜 作:パルティアン
【裁判再開】
「えっと、ここまでの情報を纏めると、優は黒幕の手紙に乗った結果殺された可能性が高いんだよな?」
「ああ、そうなるな。」
「とすると手紙の内容を踏まえるとその犯行時刻は男子たちの夜会の終わった11時ごろから手紙に書かれた午前0時までの約1時間の間が犯行時刻、と考えるのが可能性が高そうですわね。」
「なればその1時間の間にアリバイがない人を探せばいい、ってことでござるな!」
「ならばまず俺と伊達はない。というより眠ってしまっていた以上証明ができない。」
「…私もだ。部屋にいたが1人である以上証明はできない。」
「アタシらはあるぞ!パジャマパーティーしてたからな!」
「まあ間に各々多少抜けはしましたが一連の犯行をすべてこなせるほどの時間ではありませんでしたわね。」
「ということは大雑把に分けると男連中にはアリバイがなく、女性陣にはアリバイがある、ということになるがよろしいか?」
「うん、そういうことに…、なるね。」
あれ、でもなんだ?この頭の中に残る違和感は…?
「では犯人を男子と仮定してもう一度一連の犯行の流れを整理してみましょうか。」
よし、この議論の中でボクの違和感を探してみるか…!
議論開始
キダ「まず犯人は手紙で呼び出した深見さんを」
キダ「『特殊警棒』とスタンガンで気絶させましたわね」
ハヤセ「そんで気ぃ失った優を」
ハヤセ「『トイレ』に連れ込んで」
ハヤセ「そこで絞め殺したんだ」
ダテ「凶器は『ホース』でござったな」
カナヤ「殺害した後は死体を『エレベーター』に運び、」
カナヤ「死体が自殺に見えるよう細工を施した」
カブラギ「…一連の犯行を終えた後は」
カブラギ「警棒とスタンガンを隠したのだろうか?」
ダテ「警棒はジムの『男子更衣室』で発見したでござるよ」
キダ「なぜ警棒だけを…?」
カナヤ「念のための護身用に」
カナヤ「『スタンガン』は残しておいた、というところだろう」
そうか、アリバイの情報とあの情報に矛盾があったから引っかかっていたんだ!
【用具入れ)→『トイレ』
「それに賛成さ!」
「それだっ!!!」
「うわっ!なんだよ?ビックリするじゃねえか!」
「ああ、ごめんよ。ボクの中でアリバイに関してずっと何か引っかかっていたんだけどその正体が分かったんだ。」
「…引っかかる?…一体何がだ?」
「ボクの中で引っかかっていたのはね、」
選択肢セレクト
1.殺害現場
2.発見現場
3.男子更衣室
4.優クンの部屋
→1.
「これだ!」
「殺害現場さ。」
「トイレに何かあったのか?」
「何かあった、というより現場そのものの性質がね。」
「たしか深見殿の実際に殺された現場は女子トイレの用具入れ、という話でござったな。…む?」
「何か変じゃね?」
「ああ、妙だ。犯人が男子だとすればなぜ女子トイレを犯行現場に選んだ?」
「普通なら男子トイレを選びますわよね。夜時間とは言えもし万が一誰かに見られでもしたら不信感を抱かせてしまいますわ。」
「ってことは犯人は女子?」
「ですがアリバイがありますわ。」
「それに先も申した通り、深見殿を気絶させるのに使われた特殊警棒は某がジムの男子更衣室で見つけたもの。なれば男連中以外証拠の隠滅ができないのではないか?」
「いや、そうとも限らないよ。ある手段を使えばね。」
「手段?」
「そのためには一つ使わなきゃならないものがあるんだけどね。」
女子でも証拠隠滅を可能にするために用意しなければならないもの、それは…!
閃きアナグラム
Q.女子が男子更衣室に入るために用意しなければならないものは?
〔だ〕〔ん〕〔し〕〔の〕〔で〕〔ん〕〔し〕〔し〕〔お〕〔り〕
→男子の電子しおり
「これだ!」
「男子の電子しおりさえあればね。」
「なるほど、確かに本人しか使えないというルールはないから手元にあれば女子でも使えるな。」
「しかしそんな都合よく男子の電子しおりなんて女子の手元に転がり込んでくるでしょうか?」
「それなら問題ないよ。まさに目の前にあったはずだからね。」
犯人が女子だったとしても犯人の手元に都合よく転がり込んできた男子の電子しおり、それは…!
証拠提出
【深見の電子しおり)
「これで証明するよ!」
「今まさに目の前に死んでいる男子がいたんだからねそれを拝借してしまえばいいというものさ。」
「深見殿の電子しおり、か…。」
「確かにそれを使えば女子にも犯行が…」
「調律が必要ですわね。」
「確かに電子しおり自体はあったのでしょうが、それは現実問題として取ることが可能な手段だったのですか?」
「話を聞こうか。」
反論ショーダウン
「確かに犯人の目の前には」
「死亡した深見さんがいた」
「つまりその電子生徒手帳も手に入れるのは容易だった」
「そこまでは理解できます」
「しかしその行動は」
「モノトラが受け入れるものなのでしょうか?」
-発展-
「受け入れるってどういうこと?」
「コロシアイが起ころうとしてるんだ」
「止める理由はないと思うけど」
「校則の問題がありますわ」
「校則によれば」
「他人との電子しおりの【貸し借り】は禁止」
「つまり深見さんの電子しおりを借りれば」
「【犯人も死ぬ】ということになりますわ」
なるほどね、でもそれはもう一度校則を読み返した方がいいんじゃないかな?
【校則11)→【貸し借り】
「その言葉、メスを入れる!」
「実はそうでもないのさ。伊達クン、もう一度校則を確認してみてくれるかい?」
「わたくしの解釈は間違っていないはずですが…。えっと…?『生徒間の電子しおりの貸し出しを禁じる。』…?貸し出し…?」
「その通り。この校則で禁止しているのはあくまで電子しおりを生徒同士で貸与すること。勝手に拝借する分には何の問題もないのさ。」
「ちなみに意識のないヤツが勝手に持ってかれるのを“貸し出した”と拝借すのは無理があるんで今回そっちは不問にしたんだぜ。」
「なるほどね。」
「確かに一応手段としては女性にも可能であることは理解しましたわ。ですが現状のアリバイを踏まえると結局犯人は男性と考える方がいいような気がしますわ。」
「だがよだったらなんで犯人は女子トイレで優を殺したんだよ?普通男子トイレじゃねえか?」
「そこなんですよね…。」
妙だ。不可解すぎる。確かにアリバイがないのは男子だ。だけど犯人の行動の中には逆に女性でなければ説明がつかない行動があり、手段もある。なんでこんな不可解な現象が起きているんだ…?犯人は一体何者なんだ…?
『ここでちょっと考え方を逆転させてみよっか。』
逆転…。そう言えば大地クンの事件の時優クンがそんなことを言ってたっけな…。逆転、逆転か…。
…!まさか…!ボク達はこれまでとんでもない思い違いをしていたんじゃ…!
「…一つだけ、可能性があるよ。」
「どういうことだよ!」
「今の状況としてはこうだ。ボク達の中でアリバイがないのは男子、それにも関わらず犯行現場は女子トイレと矛盾した状況が生まれている。一見男子にしかできないと思われた偽装工作も校則の穴を突くことで女子にも可能なものだ。じゃあ犯人は男子と女子のどちらなのか。じゃあここで考え方を逆転させよう。これまでボク達はなぜわざわざ男子が殺人のために女子トイレに入ったのか、に目を向けていた。しかし現状その理由は見えてこない。じゃあ逆に殺人のために女子トイレに入る男子とは何者か、を考えてみよう。」
「うーん、世の中にいそうなのはヘンタイだよな?」
「だが生き延びることを目的とするならそんな不審な行動はどんな変態でも取らないだろう。」
「女子トイレにしかないものがある、とかではいかがですか?」
「うーむ、そこまで設備に差はないように思うがなぁ…。」
「あ!分かった!ほんとは女なんだ!周りが勝手に勘違いしてるだけでよ!」
「マハさん、それだよ。」
「やっぱりな!」
「今までボク達は大きな勘違いをしていたんだ。ボク達の中で1人ほんとは女の子である人を男子だと勘違いしていたんだよ。」
「マジかよ!それって誰なんだよ…!」
「その人はね…、」
「…いい、そこからは自分で話す。」
「!!」
まさかここで乗ってくるとは。ここまで全員に悟らせないように隠してきたんだ。それにも関わらずこの場面でのカミングアウトに抵抗がないなんて、何という度胸だ。
「まさか鏑木殿、お主女子でござったか…!?」
「ずっと隠してたってのかよ!」
「…隠していたつもりはなかったんだ。…ただ言いそびれていただけで。」
「そんなの信じられると思って?」
「…そうは思っていない。…だがここで津田の推理に任せて自分の口で言わなければ不義理だとそう思っただけだ。」
「だがそのカミングアウトによって唯一すべての条件を満たすのが鏑木、お前1人になったんだぞ?」
「…だとしても、だ。…ここで私のプライドを優先して黙ったり否定したことで誤った結末に向かうのはあってはならないことだからな。」
「されど実際アリバイがなくてかつ女性用のトイレを使うのもある意味普通のこと、という鏑木殿しか現状犯人はあり得ぬぞ…?」
「…そう思われても致し方ないな。」
「認める、ということですか?」
「…いや、そんなつもりはない。…実際私は殺していない。」
「だけどよ、そんなの信じられねえよ…!」
「…私は誓って私情での殺しはしない。」
「私情の?まるでそうでなければ人を平気で殺すみたいな言い方だね?」
「…実際その通りだろう。」
「才能を思い出したのか?」
「…ああ、1週間ほど前に。…いや、正確には知った、と言った方が正しいか。」
「知った?」
「…ああ。…まずは今一度自己紹介をしよう。…私は鏑木麗、“超高校級のスナイパー”だ。」
《超高校級のスナイパー 鏑木麗(カブラギレイ)》
「…つい最近まで、私はこの肩書について忘れていた。…というより今でもその実感があまりない。」
「実感がない、というのは?」
「…あくまで私は3度目の事件、その動機となったあのビデオを見たことで自分の肩書について知ったに過ぎない。」
「もしやここ数日射撃演習場に入り浸っていたのは…。」
「…私の肩書が真実か、知りたかったからだ。…どの銃器を用いてもある程度手に馴染んだのだから事実だったのだろうがな。」
「その証言の全てを証明できるのか?」
「どういうことだよ?」
「こいつが問われているのはただ今回の事件の犯人か、ということだけではない。黒幕の内通者かどうか、それも問われている。もしこいつがそうならここまで才能を言わなかったのも忘れていたのではなく意図的に隠していた可能性が出て来る。」
「その議論は不毛だよ。何たって証拠がない。今から再捜査できるわけじゃないんだ。むしろ今はこの事件そのものについて議論すべきだ。」
「すまない、それもそうだ。話が逸れた。」
「とすると重要になってくるのは今問題になっているこの事件、その一連の流れを実行できたのが鏑木さんだけなのか、言い換えるとこの事件の犯人は鏑木さんか否か、ですわね。」
「ちなみに結弦さんの意見は?」
「わたくしは鏑木さんが犯人だと思っています。ここまでの犯人の行動、それを行ったとして一番自然なのは鏑木さんですから。」
「アタシもそう思うぜ。そうじゃねえなら何で小十郎とか秀征が女子トイレに入ったんだ、って話だしな。」
「その点は駆け引きの可能性だって十分にある。あくまで一番自然だ、というだけで犯人だと決まったわけではないだろう。」
「それを言い出したらキリがないでござるよ。なれば様々な状況から合理的に判断するべきでござる。そしてその結論は鏑木殿、間違ってはおるまい?」
「自分から話題を振っておいてなんだけど、結論は急ぐべきじゃない。ボクが言ったのもあくまで一つの可能性に過ぎないんだからね。」
「…だがこのままでは話は平行線だ。」
「平行線、ね…!それならこいつを使うときだぜ!!」
現状の打開策に迷っているといつもの大きなカギをモノトラが取り出した。
モノトラがカギをひねると証言台が動き出し、そしてまさに今のボク達の議論の状態、平行に証言台が並び直った。
議論スクラム
〈鏑木麗は黒幕の内通者にして犯人か?〉
犯人だ! 犯人じゃない!
速瀬 金谷
伊達 津田
木田 金谷
ハヤセ「実際麗には【アリバイ】がねえじゃねえか!」
「金谷クン!」
カナヤ「【アリバイ】がないのは俺や伊達も一緒だ」
キダ「ですが貴方方には【女子トイレ】に入る理由はないでしょう?」
「ボクが!」
ツダ「別に校則で【女子トイレ】に入ることを禁止されてるわけではないよ」
ダテ「されど女性の鏑木殿が入るのが【自然】でござるよ」
「ボクが!」
ツダ「それなら男子更衣室に入るのは男子2人の方が【自然】じゃないか」
キダ「鏑木さんは女性であることを【隠していた】じゃありませんか」
「麗さん!」
カブラギ「…言いそびれていただけで【隠していた】つもりはない」
ダテ「それに深見殿の【電子しおり】を使えば男子更衣室にも入れたでござる!」
「金谷クン!」
カナヤ「男だと勘違いされてるなら自分の【電子しおり】で女子更衣室に入ればいい」
ハヤセ「みんなの【証言】を聞いても麗しかありえねえだろ!?」
「麗さん!」
カブラギ「…まだ検証しなければならない【証言】や証拠はあるはずだ」
CROUTCH BIND
SET!
「これがボク達の答えだ!」
「そう、まだ色々謎のままの証拠がそこそこ残っているんだ。わざわざそれを放置してまで結論を早まる必要はないと思うけど。」
「それもそう、ですわね。」
「確かにちっと焦ってたかもな…。」
「で、何を検証していくんだ?」
「…先ほどまでの会話の流れで少々気になる発言があった。…そこを少し詰めていきたい。」
「気になる発言、でござるか?」
「…ああ。…本当に些細な一言ではあるんだがな。」
「で、誰だい?そんな妙なことを言ったのは?」
「…
「モノトラ、ですか?」
「…ああ。」
「だがモノトラがこの裁判で口を挟んだのは大きく分けて3回だ。冒頭の裁判の説明、校則11についての補足、そして変形裁判場の起動時だ。そのどれが気になった?」
恐らく彼女が気になったとすればきっとあの発言だろう。
選択肢セレクト
1.裁判の説明
2.校則11の補足
3.変形裁判場
→2.
「これだ!」
「それなら校則11について補足した時の発言だろう?」
「…その通りだ。」
「別に普通の補足だったと思うぜ?何が気になったんだよ?」
「…それが何とはなしに引っかかっただけで具体的にこう、というのは思いつかないんだ。」
「だぁーっ!それじゃ何にもなんねえだろ!!」
「それなら一度その時の発言を思い出してみるでござるよ。」
「確かあの時モノトラは『ちなみに意識のないヤツが勝手に持ってかれるのを“貸し出した”と拝借すのは無理があるんで今回そっちは不問にしたんだぜ。』と言っていたな。」
「そのどこに引っかかったのか、ということですわね。」
あれ?確かにこれまでの推理通りだとすると何か変だ…。一体どこが…?
選択肢セレクト
1.意識のないヤツが
2.勝手に持ってかれる
3.貸し出した
4.不問にした
→1.
「これだ!」
「…!そうか…!分かった…!」
「…何?」
「これまでの議論でボク達は犯人は優クンを殺害してエレベーターでの偽装工作を終えた後に優クンの電子生徒手帳を持ち出して男子更衣室に入って特殊警棒を置いていった、と導き出した。」
「そうでござるな。」
「だけどそれが本当ならば1つ、モノトラの発言と状況が矛盾する箇所があるんだ。」
「それは?」
「それは“意識のないヤツが”って部分さ。普通死んだ人間をそんな表現しないだろ?」
「まあ普通なら状況そのまんま“死んだヤツが”とかって言い方になるよな?」
「そう、つまりモノトラの認識としては犯人が優クンの電子しおりを持って行った時点では優クンは死んでいない、ってことになっていたんだ。」
「うげげっ!やっちまった!」
「ついでに言うならこの発言で実際に犯人が深見の電子しおりを持ち出したということも認めたことになるな。」
「うげげげっ!!!」
「随分とお粗末なことですわね。」
「うるせーやいっ!」
「となるともう1度事件の時系列を整理しなおす必要があるでござるな。」
「まず犯人は深見を手紙で呼び出して気絶させた。そしてその深見をトイレに連れ込んだあたりまでは同時に行っているだろうな。」
「ここで奇妙なのはその後先に特殊警棒を隠ぺいすることを優先したことでござるな。」
「普通全部終わってからだよね。」
「そしてそれから優を殺してエレベーターの偽装までやったんだ。」
「やはり間の特殊警棒の隠ぺいが“のいず”でござるなぁ。」
「うーん…。」
「…そもそも深見は本当に11時から0時の間に殺されたのか?」
「そりゃそうじゃねえのか?手紙で呼び出した時間がそのあたりなんだし。」
「…いや、確かにそうだ…!優クンが襲撃を受けた時間と殺された時間が同じだとは限らない…!」
「なぜそう言い切れる?」
だってよく考えたら優クンの死亡推定時刻は分かっていないんだ!それを示す証拠だってある!
証拠提出
【モノトラファイル5)
「これで証明するよ!」
「だってモノトラファイルにだって優クンの死亡推定時刻は書いていない。もしここまでの推理通りの時間ならば隠す理由はないはずだ。」
「確かにこれまでの深夜に起きた事件はどちらも死亡推定時刻も書いてあったな。」
「ということは、だ。今回の優クンの死亡推定時刻は単なる書き漏らしとかではなく、事件にとって重要な要素ってことだ。」
「とするとここで問題になってくるのは何故モノトラは深見殿の死亡推定時刻を隠したか、ということでござるな。」
「犯人にとって割と致命的な情報だから、とかじゃねえか?ほら、モノトラって裁判がどっちに転んでもいいようになんか色々調整してる感じあるしよ。」
「ですがこれ以上深見さんの死亡推定時刻に関わる情報はありませんわよ?」
「ならば情報の使い方を変えよう。モノトラファイルに死亡推定時刻が書かれていないということは犯人はわざわざ襲撃時刻と殺害時刻を分けた、ということだ。ならばなぜそんなことをしたのか、って考え方を変えるんだ。」
「なんでわざわざ2つの時間を分けたか、か…。」
議論開始
キダ「わざわざ2つの時間を分けたということは」
キダ「犯人にとって全ての犯行が一度に行われたと」
キダ「誤解されたかった、ということですわね」
カナヤ「すべて一度に行われたとした場合に」
カナヤ「誤魔化されるもの、か」
ハヤセ「やっぱ『アリバイ』じゃねえか?」
ハヤセ「犯人が誤魔化すって言ったらそれだろ!」
ダテ「『動機』という線もあるでござるよ」
ダテ「先ほどの手紙のことを」
ダテ「犯人は何かしらの手段で知ったのやもしれぬ」
カナヤ「となると『犯人の性質』も誤魔化されるな」
カブラギ「…自身を黒幕の内通者だと思わせた、という訳か…」
もし襲撃時刻と殺害時刻が異なるとしたらこれまでの議論の中のあの大きな要素がひっくり返る…!
【パジャマパーティー)→『アリバイ』
「それに賛成さ!」
「やっぱそうだろ!」
「まあ鉄板ではござるな。」
「さっきちょっと話題にも上がった通り犯人はボク達に一連の犯行はすべて11時から0時までの1時間の間に行われたと誤認させようとしていた。でも実際は襲撃と殺害の間には少し間があった。この間にしたであろうことと言えばアリバイの確保である可能性が高い。」
「そうか、襲撃と殺害の間に一度アリバイを確保することで一連の犯行を行うことは不可能だと見せかけたわけだ。」
「ということは、だ。犯人はこれまで疑われてきたアリバイのない人間ではなく、むしろアリバイがあると思われていた人間の中にいると考えた方がいいだろうね。」
「っつうことはこれまでと逆で小十郎、秀征、麗じゃなくてアタシと真理奈、そして結弦の中にいるってことか…?」
「そういうことになりますわね。」
「実際ちょうど襲撃が行われた時間にそれぞれが何かしらの理由で部屋を抜けた時間があるしね。」
「…だがそうなると殺害に関してはいつ行われたのか分からなくなる。…本当に1人に絞れるのか?」
「一応時間の始まりだけは分からなくないよ。」
「証拠があるのか?」
「まあね。」
今回の殺害が行われたと思われる時間、その始まりは…
選択肢セレクト
1.1時
2.2時
3.3時
→2.
「これだ!」
「午前2時さ。」
「その時間と言えばわたくし達のパジャマパーティーが終わった時間ですわね。」
「その通り。犯人がパジャマパーティーに参加していた3人の中にいるとすればパーティーが終わった後に殺害を行ったと考えるのが妥当だ。まあ実際はある程度残りの2人が寝静まったのを確認してから行っただろうからもう少し遅いだろうけど。」
「どうにかもう少し時間を明確にできないか?」
「うーん、もうちょっと考えてみようか。」
議論開始
カナヤ「深見の殺害が行われたのは」
カナヤ「パジャマパーティーの【終わった後】だったのは分かったが…」
ダテ「それでもまだ少々幅が広いでござるな」
カブラギ「…と言っても」
カブラギ「【終わりは決まっている】んだ」
カブラギ「頭の時間を攻めていくしかあるまい」
ハヤセ「っつってもそりゃ真夜中だろ?」
カナヤ「【誰も起きていない】だろうな」
キダ「それでは何も変わりませんわ」
キダ「別に人間に限りませんもの」
キダ「何か【ハプニング】があった」
キダ「とかでもいいと思いますわ」
そう言えばあの情報を使えばもう少しだけ時間を絞れるかも…!
【鏑木の証言)→【誰も起きていない】
「それは違うよ!」
「いや、1人だけ起きていた人がいたよ。ね、麗さん。」
「…ああ、そうだな。」
「またなんで…。」
「…ライフルを撃ちに行っていた。…あまり日中にやるとみんなを驚かせると思って夜時間にやるようにしていた。」
「そういうことでござったか。」
「で、それが何なんだ?」
「いやちょっとね。キミが5階に行くに当たっては恐らく射撃演習場の位置を鑑みるにエレベーターかエレベーター側の階段を使ったんじゃないかと思うんだけど、その時付近で何か起きていた感じはしたかな?」
「…そう言えば特に何か物音はしなかったな。…行きはエレベーターで行ったからその時点では発見現場にも死体はなかった。」
「それは何時ごろのことだ?」
「…3時になるかどうかくらいだったはずだ。」
「つまりその時間までは犯行が行われていなかった可能性が高い、と。」
「帰りは何時くらいだったでござるか?」
「…夜時間が終わるころだ。…だから朝の7時くらいだな。」
「帰りは何でエレベーターじゃなかったんだい?」
「…動かなかったからだ。…今思えばその時点では死体があったのだろうな。」
「死体の発見を促すためにむやみやたらに黒幕が現場を動かさせなかった、ということですか…。」
「…。」
「…階段を降りている途中で木田の悲鳴が聞こえてきたので少々急いだんだ。」
「だから2番目の発見者がキミだったんだね。」
「しかしそれでもあまり時間を絞り切れてはおらぬな…。」
「…。」
「いや、それでも3時間半の間までは絞れたよ。それにあくまでも推測だけど多分麗さんが上に向かった後すぐ位の犯行だったんじゃないかな。」
「なぜだ?」
「それ以上遅くすると当の優クンが目覚めかねないからね。」
「…。」
「確かに3時の時点で気絶させてから3時間は経っていますからね。そろそろ危険な時間になってきますわ。」
「そうでござるな。」
「うーん、でもやっぱ変じゃね?」
「何がでござるか?」
「いや、さっき黒幕がエレベーターを動かせないようにしてたのは死体を見つけやすくするためだ、って言ってたろ?」
「また話が戻るでござるな。」
「何か考え込んでると思ったらそれか。」
「だったらよ、別に麗が降りるためにエレベーター使っても問題なく見つけられたんじゃねえの?」
「!確かにそれもそうでござるな。」
「誰も上にいなくても木田が普通に見つけただろうし、遅くとも日中には誰かが見つけただろうな。」
「…ならばなんで動かさせなかったんだ…?」
議論開始
カナヤ「確かに速瀬の言う通り、」
カナヤ「エレベーターの中ならどこで死体を見つけても一緒だ」
カブラギ「…ならなぜエレベーターの動きを止めたんだ?」
ダテ「わざわざそのようなマネをしたということは」
ダテ「エレベーターが【1階にあった方が都合がよかった】」
ダテ「ということでござろう?」
キダ「まあ普通に考えれば朝ですし、」
キダ「1階の方が【多くの人に確実に見つけてもらえる】」
キダ「というのは事実ですわ」
ハヤセ「つまりみんなに一度に見つけてもらいたかったってことか?」
ハヤセ「そりゃまた何のために?」
カブラギ「…恐らく周りに紛れて自分自身も発見者になろうとしたのだろう」
ダテ「されどここまで人数が減っては」
ダテ「皆を【同時におびき寄せるのは難しい】のではござらぬか?」
カナヤ「現に鏑木だって」
カナヤ「一晩中単独行動をしていたわけだからな」
そうか、そのための仕掛けを犯人はしていたんだ…!
【木田の証言)→【同時におびき寄せるのは難しい】
「それは違うよ!」
「もちろんそのために犯人は仕掛けを施していたのさ。」
「エレベーターにまだ何かあったというのか?」
「それを示す証言だってある。ね、結弦さん?」
「ああ、わたくしが死体を発見した時の話ですか?」
「その通り!」
「死体を発見した時に何かあったのか?」
「わたくし、いつも通り朝の7時ごろにレストランに向かいましたの。その時エレベーターの方から何か大きなものが倒れたような音が聞こえてきて、何事かと思って見に行ったらそこで深見さんは…。」
「そう、そしてこの音を使って比較的早起してレストランにやってくる人を集める算段だったのさ。」
「なるほどな。つまりはこの音に何かあるということか。」
「されどその音は何だったでござるか?」
「それなら1つ心当たりがある。だってあそこには不自然にとあるものが置いてあったんだからね。」
「とあるもの、ですか?」
「…それはなんだ?」
発見現場のエレベーターに不自然に置かれていたもの、それは…!
証拠提出
【深見の電子しおり)
「これで証明するよ!」
「優クンの電子しおりさ。」
「確かそれは犯人がジムの男子更衣室のロックを解除するのに使ったものじゃなかったのか?」
「ああ、それ自体は問題ないんだけどね。これが見つかった場所が問題なんだ。」
優クンの電子しおりが見つかった場所、それは…!
選択肢セレクト
1.死体のポケットの中
2.天井の外
3.エレベーターの中
→3.
「これだ!」
「エレベーターの中にあったんだ。」
「そりゃそうだろ?深見はエレベーターん中で見つかったんだからよ?」
「正確に言うとエレベーターの中、そしてその上で一見して目に付きにくいところさ。なんたってボク自身これを見つけたのは偶然体勢を崩してこのしおりを蹴飛ばしたからだったくらいだからね。」
「普通深見殿のポケットに戻すか死体のそばに置くかするでござるな。」
「ならば誰も、特に検死をした津田さんが気づかないというのは考えにくいですわね。」
「ということは、だ。わざとエレベーターの隅の方に置かれていたということ。」
「なんでんなことしたんだよ?」
「簡単な話さ。犯人は木田さんの聞いた音の正体に気づかれたくなかった。だから目につかないようにした、という訳さ。」
「だが木田の聞いた後とその電子しおりに何の関係がある?」
「大アリさ。だってその音は…」
証拠提出
【アラームアプリ)
「これで証明するよ!」
「その音は電子しおりに搭載されているアラームアプリを利用して出されたものなんだからね。」
「アラーム、ですか…。」
「某も使ってるでござるよ。ピピピっといい感じに起こしてくれるでござる。」
「だけどよ、その機械の音と結弦が聞いた音は全然違えだろ?」
「デフォルトのままじゃね。だけどこのアラームアプリには一つ便利な機能が付いているんだ。」
「何だよ、そりゃ?」
電子しおりのアラームアプリに付いている便利な機能、それは…!
選択肢セレクト
1.おしゃべり機能
2.他のしおりとの連動機能
3.自爆機能
4.アラーム音の変更機能
→4.
「これだ!」
「このアラームアプリにはアラーム音の変更機能がついているんだ。」
「そう言えばこの電子しおりには録音機能もあったな。」
「そう、その録音機能を用いて録った音に限り自由にアラーム音を変更できるんだ。」
「確か鷹岡殿もそれに声を吹き込んでたでござるよ。」
「…ああ、ホラーハウスの語りか。」
「そしてその機能を使って犯人は人が倒れた音を優クンの電子しおりのアラーム音に設定したんだ。」
「そうか!時間通りにその音が鳴ればその時点でその場にいたやつは今何か起きたと思って集まっていくわけだな!」
「そういうこと。そして音が鳴ってすぐは人数が少なくても誰かが見つければその時点で騒ぎになって誰が何番目に死体を見つけて誰が来た時に死体発見アナウンスが鳴ったかなんてうやむやになってしまう、って寸法さ。まあわざわざ優クンをエレベーターで倒すか何かしてまでそんな音を録ったってことはあわよくばまさにその音が鳴った瞬間を優クンの死亡時刻と思わせる狙いもあったかもしれないけれどね。」
「ただそうなると気になるのはその騒ぎのどこに犯人がいたのか、という話でござるな。」
「犯人にとって一番困るのはまばらに3人集まってその3人がアナウンスによって犯人ではないとされることだよ。ならば犯人は部屋で呑気していたとは考えにくい。確実に発見の順番の3人目以内に入れる場所にいたはずさ。」
「つまりアラームを聞いて現場に真っ先に駆け付けるか、もしくはその最初の人の騒ぐ声を聴いて次点で駆け付けられる位置だな。」
「さて、こうなればここまでの議論も合わせると誰が犯人なのか、分かったんじゃないかな?」
「犯人は午前0時ごろにニセのアリバイがあって、今朝の死体発見の時に最初の3人以内に入っているヤツ、か…。」
「…まさか…!」
そうだ。ここまで一度も自分に疑いが向かないよういつもより口数を減らしてうまく立ち回っていたあの人が今回の犯人…。その正体は…!
指名しろ!
【キダユヅル】
「キミしかいない…!」
「結弦さん、キミこそがこの事件の犯人にして、そして黒幕の内通者だ。」
「あら、面白い推理ですこと。今までのは全て推測に過ぎないというのに。」
「確かにここまでの推理を裏付ける証拠はない…。」
「答え合わせのしようがござらぬ…。」
「ええ、その通りですわ。であればこそ。わたくしは貴方方が間違った選択をするのを止める必要がありますわね。」
議論開始
キダ「ここまで津田さんが話してきたのは」
キダ「あくまで推論」
キダ「【証拠がありません】わ」
カナヤ「それは確かに一理ある」
ダテ「されど犯行は深夜、」
ダテ「これ以上の証拠はござらぬぞ」
キダ「【犯行時刻】は誰にも分からない」
キダ「【凶器】も」
キダ「【偽装に使った道具】も」
キダ「【すべてホテル内で調達できる】もの」
キダ「【アリバイ】だってあってないようなもの」
キダ「こんな状況でどうしてわたくしが犯人だと」
キダ「断言できましょうか?」
ハヤセ「な、なあ、本当に結弦が犯人なのか…?」
カブラギ「…惑わされるな」
カブラギ「…きっと必ず突破口はある」
ああ、本当にその通りだ。焦ってやっと尻尾を出してくれた…!
【ピアノ線)→【すべてホテル内で調達できるもの】
「それは違うよ!」
「焦ったね。」
「なんですって…?」
「キミは今とんでもない矛盾を口走ったんだ。」
「矛盾、だと…?」
「この事件で使われたものを順に思い出していこうか。まず優クンを気絶させるのに使われたもの。」
「…スタンガンと特殊警棒だったな。」
「あれは倉庫の防犯セットに入っていたものだ。誰でも手に入る。」
「深見の殺害に使われたホースも1階女子トイレの用具入れに入っていたものだ。こちらも誰にでも手に入る。」
「特殊警棒を隠すことや皆を呼び寄せるために使った深見殿の電子しおりもまあ犯人であれば容易く手に入るな。」
「じゃあ最後に優クンの殺害現場を偽装するのに使われたものは?」
「首絞めんのに使ったホースの切れ端とピアノ線だろ?」
「ほら、どれもホテル内で簡単に手に入るではありませんか。」
「…ん?…待て、私は一度もこのホテルの中でピアノ線なんて見たことないぞ。」
「!」
「そういやそうだ!」
「きっと、倉庫のどこかにあったんでしょう?」
「いや、それらしきものはどこにもなかった。捜査時間に調べた俺が保証する。」
「やはり…!」
「ですが!出所が分からないのであればわたくしが犯人だと言い切れないのではなくて!?」
もうジリ貧だ…!あと少し…!押し切るんだ!!
パニックトークアクション
「残念ですわ」
「証拠にはなりません」
「そうだとは言い切れないのでなくて?」
「決めつけが過ぎましてよ」
「証拠不十分ではなくて?」
「決め手に欠けますわね」
「本当にわたくしが殺したと?」
「この程度ですの」
「雑な音色ですこと」
『ピアノ線でなければ一連のトリックに使われたものは何だったというんですの?』
《バイオ》《リン》《の》《弦》
「これで終わりさ!」
「そんなの簡単さ。キミはバイオリンの弦を使ったんだ。」
「だがバイオリンの弦は羊の腸だろう?見ればすぐにわかるはずだ。」
「バイオリンの弦にも色々種類があってね。スチール弦と言って金属製のものもあるのさ。」
「確かにそれなら素人の某達には分からぬな。」
「津田さんの言う通り、スチール弦を演奏に使う人も中にはいますわ。ですがそれをわたくしが持っているという証拠は?」
「今から調べに行こうか?まさかモノトラもここに来てダメとは言わないだろう?最後の投票に関わる大切な情報なのだからね。」
「くっ…!」
「さて、反論はここまでかな?じゃあ最後にこの事件を纏めて終わりにしようか。」
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【生存者】
超高校級のレーサー 速瀬マハ(ハヤセマハ)
超高校級の外交官 金谷秀征(カナヤシュウセイ)
超高校級の医者 津田真理奈(ツダマリナ)
超高校級の歴史学者 伊達小十郎(ダテコジュウロウ)
超高校級のスナイパー 鏑木麗(カブラギレイ)
超高校級のバイオリニスト 木田結弦(キダユヅル)
残り6人
という訳で今回はここまで!
色々今年度から生活環境が大きく変わりまして、状況が安定するまで投稿が止まっておりました。
次回で5章が完結します。
真理ちゃんがこの事件と自分の心にどのように決着をつけるのかどうか見守ってやってください。
それではまた次回お会いしましょう!
前作の反省を生かして早々に推しのアンケートをしてみたいと思います!
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深見優
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速瀬マハ
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雷文竜
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金谷秀征
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羽月翔子
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津田真理奈
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伊達小十郎
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鷹岡筋次
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言村香奈
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美作奏
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鏑木麗
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泊直哉
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クレイグ・ホワイトバーチ
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靏蒔由衣
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大地真英
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木田結弦