「チャージアックス……? そう言えばそんな武器もありましたね」
「やっぱり知名度は低いんですね……」
「そうですねぇ。私もあまり見たことをありませんね」
「まぁ普及が遅いんでこうしてドンドルマにやって来ましたし。きっとここならあるでしょう」
「そうですよ。なんたってドンドルマですから。ルークさんの知らない事も沢山ありますよ?」
「ほぅ……。例えば?」
「そうですねぇ……。例えば夜に聞ける歌姫の……」
彼女――ソフィーさんも最近ドンドルマにやってきた新米ハンターらしく、同じくまだまだ新米な自分と意気投合した。
ソフィーさんは素材が貯まったらしいので工房へ武器の強化をしにいくそうだ。
そんなソフィーさんの武器はガンランス。
浪漫砲と先輩は言っていた武器を担いでいたので、それとなく思い入れ(浪漫)はあるのか聞いてみたところ、
「いえ、特には。兄が使っていたので何となく」
と言っていた。
ガンランスも砲と槍を合体させた漢の浪漫溢れるものだとある人が力説していたので、浪漫を求める仲間かと思っていたが違っていたようだ。
「ふふふ。浪漫ですか。男の人のそうゆうところ面白いですね」
「面白いって……」
くすっと笑う彼女にドキっとしてしまった。
よく見ると顔立ちも整っていて可愛い。というか美人の部類に入るのだろうか。肩まで伸ばしている金髪も艶やかで……。
「ふふ。すいません笑っちゃって。私の浪漫、というか趣味も……あっ着きましたよ。ここが工房、武具工房です」
案内された武具工房の中は熱気に包まれていて、職人達の威勢のいい掛け声と金属を叩く音が響いていた。
「すいませーん! 武器の強化お願いしまーす!」
急に隣のソフィーさんが大声で叫ぶからビックリしてしまった。そんな大声で叫ばないと聞こえないのだろうか。
いや、まだ聞こえていないようだ。今だ掛け声とともに金槌を振り下ろしている。
「すいませーん!」
「……ん? おお! 嬢ちゃん! もう素材は貯まったのか!」
「はい! <討伐隊正式銃槍>ですね? お願いします!」
「あいよ! ちっとばかし時間掛かるから待っといてくれ!……ところでそこの兄ちゃんは彼氏か?」
「ばったりそこで会っただけです! ほら。ルークさんも」
ニヤニヤしながら聞いてくる工房のおっさんにソフィーさんは少し顔を赤くしながら反論する。案外冷静な彼女かと思ったが歳相応の恥じらいに可愛いと思ってしまった。
「あはは……。すいません、チャージアックスありますかね?」
「チャージアックスか。あるにはあるんだが……」
「何があります?」
「うむ……一種類しかないんだ」
「一種類!?」
たったの一種類……。
いや、駆け出しの新米ハンターには集めれる素材なんてたかがしれている。飛竜の武器なんてあってもまだ作れないし。
生産できるだけマシだろう。
しかしドンドルマでも生産できるものが一種類だけとは……。
「じゃあ……それお願いします……」
「お、おう。何か目に見えて落ち込んだな」
「彼、その武器にただならぬ浪漫を抱いているようでして」
「浪漫か! そりゃあいい! そこの兄ちゃん! 新しいやつの開発が進んでるって話だから、すぐに種類も増えるさ!」
「そうですか……」
「おう! じゃあ<精鋭討伐隊盾斧>だな! 素材もあればついでに強化しとくぜ!」
「はい……お願いします……」
「おし! じゃあ改にしとくぜ! 時間掛かるから待っといてくれ!」
落ち込んだ俺は慰められながら工房を後にした。
~
「昼食は如何ですか?」
「え?」
「昼食ですよ。まだ食べてないですよね?」
「はい……そういえばまだでした」
「では一緒に頂きましょう。酒場はすぐそこですよ」
そうやって連れて来られた酒場はドンドルマだけあって活気に溢れていた。昼時というのもあるだろうが、普通の酒場でもここまでの賑わいは見せないだろう。
「すごい賑わいですね……。流石ドンドルマというか何というか」
「ほんと凄いよね。さらに安い上に美味しいですから」
皆集まるのも頷ける。至れり尽くせりな天国のような場所である。
「じゃあ頂きましょう」
「はい」
食事ときいて気分も戻ってきた。いつまでも落ち込んでいられないし、切り替えていこう。
~
「ソフィーさんはいつからドンドルマに?」
自分は頼んだ料理を食べながら、ふとした質問をしてみた。
頼んだ料理は殆ど待ち時間もなくテーブルに運ばれて来た。しかも美味しい。
「ん? 私は昨日からここに来ましたよ」
目の前のソフィーさんは上品に料理を食べながら答える。なんとなく育ちが良さそうにみえる。案外いいとこのお嬢様かもしれない。
「え? 昨日から? それにしては色々と知り合いが多いですね」
工房や雑貨のおっさん、酒場のおばさん。たまにすれ違う人にも挨拶されているソフィーさん。名前まで憶えて貰っているし。昨日今日でこうなる関係でもないだろう。
「そうですか? 皆優しい人達だからつい色々話てしまうのかも」
ふふふと笑うソフィーさん。多分貴方の人当たりの良さやオーラがそうさせているのだと思いますよ。
そうやって話ているうちにお互いの料理もなくなってきた。
「そろそろ終わった頃でしょうね。行きましょうか」
「はい! 急いで行きましょう!」
「ふふふ。はい、わかりました」
~
「おっちゃん! もう出来てる?」
「おう! これがチャージアックス、<精鋭討伐隊盾斧改>だ!」
「おお!」
出されてきた武器に思わず嬉しさのあまり叫びそうになる。
剣と盾。それだけでは片手剣と同じだが、盾と剣は合体することにより斧へと形を変える。それがチャージアックスの特徴である変形機構。
さらに剣により貯めるエネルギーを斧で使用し、対象へ大きなダメージを与える属性開放斬りという技もチャージアックスの最大の特徴ともいえる。
浪漫の塊と言えるだろう……。
ああ……。
「ルークさーん?」
おおっといけない。少し悦に浸りすぎてしまった。
「ああ……。すいません」
「嬉しそうですね。口元緩みきってますよ?」
「兄ちゃん……。ニヤニヤしすぎで気味悪いぞ」
この嬉しさは隠し切れないようだ。しかし工房のおっちゃん、気味悪いとは少し言いすぎではないだろうか。
「……ではここでお別れですね」
そう告げるソフィーさん。彼女の目的も終わったし、俺のお願いも叶えてくれた。なんだか名残惜しいけどここでお別れだろう。
「はい。今まで本当にありがとうございました」
「いえいえ。お節介をやくのが好きなだけですよ。それでは」
手を振りながらソフィーさんは工房を後にした。
それじゃあ俺もこの浪漫武器の慣れの為にも少しクエストにでも行ってみようか。
ああ楽しみだ。
昔みたハンターのように振れるだろうか。今まで片手剣しかしてこなかったし……。重量武器で少し練習しておけばよかった。
それより先ず取り扱い方を覚えとかないと。
この作品は作者の頭の中で「MH4Gはこうだろうか」とい妄想のもと作られております。つまりフィクションです。
MH4を土台にして作っておりますが、作者の知識は浅い為公式の資料と会わない部分も出ていると思います。
お手数をおかけしますが、修正点があればコメントなどで教えていただけると嬉しいです。
また、作中のチャージアックスはまだまだ普及が進んでいない設定です。