モンスターハンター 〈浪漫狩り〉   作:備品猫

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ルークくん、初めてのチャージアックス。


3.ドスジャギィ戦

「お、いたいた」

 遠目からでもわかる紫色の体。特徴的なトサカ。

 チャージアックスに慣れる為、最初に選んだクエストはドスジャギィの狩猟。新参者のドスジャギィが遺跡平原近くの群れに接触したが追い払われ、遺跡平原でうろうろしているのだという。

 なんとも悲しい話であるが、近くの人達も怖がっている。大人しく狩猟させてもらおう。

 ドスジャギィは群れをなす肉食性の鳥竜種。ジャギィやジャギィノスを束ね群れで攻撃してくる為、一対多で戦うことが多くなる。

 しかし今回のドスジャギィは若手のドスジャギィで、まだ群れを作れていないらしい。

 まだチャージアックスに慣れていない時にドスジャギィの群れと戦うのは、少々難しいと思う。このクエストは腕ならしに最適だろう。

 先ずはペイントボールを投げる。周りにペイントボール独特の香りがしてくる。これで逃げてしまっても何処にいるか判る。ペイントボールの効果が切れて色々な所を走り回ったのはいい思い出だ。

 こちらに気付いたドスジャギィは鳴き声を上げるが、ジャギィやジャギィノスが来ないなら恐れることもない。

 勿論、群れじゃないからと言ってドスジャギィを侮ることは出来ない。殆どのモンスターは驚異的な能力を秘めているのだから。

 人間本来の力では到底彼らには敵わない。だからこそ知恵をつけ、技と技術で対抗するようになったのだ。と、小さい頃父に教えられた。

 ドスジャギィは威嚇後、俺と距離を詰める為にこちらに向かってくる。

「ええっと、先ず剣モードでエネルギーを溜めるんだったな」

 突進からの噛み付きをサイドステップで避ける。見た目は片手剣な剣モードだが、横回避はロールじゃなくてステップなのは盾が斧の刃なのでロールしたら色々危ないからだろうか。体が勝手にサイドステップしてしまう。

 確か溜め斬りがエネルギーを溜めやすいらしいし、隙あらば当てていこう。

 ドスジャギィは今まで何体か討伐してきたので、行動パターンも攻撃の予備動作も大体分かっている。隙を見ては斬り、エネルギーを溜めていく。

 すると剣の柄近くが光だしてきた。武器指南書通りでは<剣撃エネルギー>というものが柄近くのビンに蓄積されているらしい。

 溜めたエネルギーは盾に<チャージ>していく。<チャージ>で溜めれる数は5つ。それ以上は<チャージ>しても自動で放出されてしまうらしい。これも武器指南書通り。

「よし。全部溜まった!」

 隙を見て剣から斧モードに切り替える。

「うおおお! へんけええい!」

 斧部分である盾を前に持っていき、剣を強く挿しこんで合体させ斧の柄にし、遠心力を使い斧部分を先端まで持っていきドスジャギィにふりおろす。

 <精鋭討伐隊盾斧改>の切れ味ではドスジャギィに深く切り込むことは出来ない。しかし、重量の大きい斧を叩きつけられただけでも大きな威力になる。

 ところで……。

 ああ、合体からふりおろしまでの金属の擦れあう音と火花に胸にくる何かがある。これが浪漫なのか。

 おっと、いつまでも悦に浸っている場合ではない。斧叩きつけでドスジャギィも少し怯んだが、いまだ健在だ。

 尻尾振り回しを横に転がりながら避ける。

「よし反撃を……って重っ!」

 先端の斧が重すぎてなかなか体が動かない。まさかここまで重かったとは……。

 しかし慌てている場合ではない。ドスジャギィが突進してくるのをまた横に転がりながら避ける。

 重い。重すぎる。移動がゆっくりになってしまう。しかし、この重さに大きな攻撃力があると思うとこの重さでさえも浪漫を感じてしまう。

 ドスジャギィが怒りの鳴き声をあげる。

「ここだ!」

 鳴き声をあげるすきを狙い<属性開放斬り>をいれるべく、横薙ぎに振りながら<榴弾ビン>からエネルギーを放出する。

 運よく下ろした顔に当たり、小さいながらも確かな爆発がドスジャギィの脳を揺さぶる。

 まだ眩暈は誘発できていないが、すきをみては足や胴、頭にも当てていく。

 そして足の爆発により転倒したドスジャギィに大技を繰り出す。

 <高出力属性開放斬り>。

 今までの<属性開放斬り>よりもさらに強力な威力を相手に叩きつける大技。

 当てるまでのすきも大きく、当てた後は強制的に剣モードに戻ってしまう。さらに切れ味も通常の倍近く失わる。

 しかし、それを補う程の威力を秘めた諸刃の剣。

「ふんっ!」

 振り下ろした斧は狙い通りにドスジャギィの頭に当たり、榴弾エネルギーが連鎖的に爆発する。一発とは比べ物にならない程に頭を揺さぶられ、ドスジャギィもとうとう眩暈を起こしてしまう。そしてチャージアックスは強制的に剣モードへと戻る。

 眩暈を起こし、立とうと必死にもがくドスジャギィに剣モードで溜め斬りや回転斬りを叩き込む。

 エネルギーが貯まればこまめに<チャージ>していく。

 なんとか眩暈から回復したドスジャギィだが、その場に佇み涎を垂らしている。疲労しているサインだ。

「これで仕舞いにする!」

 もう一度変形斬りを叩きおろす。切れ味も落ちているが、まだドスジャギィに刃は通る。

 斧を二回振り回し<属性開放斬り>を当てる、榴弾エネルギーが爆発する。そこからもう一度<高出力属性開放斬り>を叩き込む。

「ふんっ!」

 普段より高いエネルギーを纏った斧を叩き落す。出した後は大きな隙もできるし、切れ味も大幅に落ちてしまう。

 だが、俺の見立てではこの一撃で終わる。

 虫の息で疲労しているところに体を激しく揺さぶるエネルギー。ドスジャギィは横倒しに倒れ、弱弱しい鳴き声を上げると立つことはなくなった。

「……ふぅ。終わったか」

 倒した後は微かな達成感と疲労感。慣れない武器での狩猟はやっぱり難しい。

「よし。剥ぎ取り剥ぎ取り」

 モンスターを狩猟したのなら剥ぎ取りはしなくてはならない。

 モンスターハンターは玩具のようにモンスター狩るわけではない。自然と人間との間を取り持ち、バランスを保つのがモンスターハンターだと学んだ。

 元より新米ハンターである俺はどんなものでも貴重な素材になるのでほったらかしておく気はない。

 息絶えたモンスターは驚異的な速さで分解され、土へ還る。だから数回しか剥ぎ取れないが十分だ。

「あぁ~……。疲れた……」

 狩りの習慣を終えると、緊張感も途切れ疲労感がどっと襲ってくる。

「……肉くって採集してから帰るか」

 チャージアックスの使い方も大体分かった。だけど、まだ扱いなれない部分も沢山ある。

 まず筋力のなさが目立つ。斧モードでは自分の筋力だけで振り回すことさえ出来ない。……トレーニングでもしようか。

 浪漫とうたって始めたチャージアックスでの狩猟生活。何となく分かってはいたが、前途多難なものになりそうだ。




三話にしてとうとう狩りを始めました。
最初は指南書通りに動いていくルークくん。慣れたと思って、そのうちチャージミスなどで危機一髪! 的な場面も入れたいですね。(自分がまさにそうだったから)
それにしても、どうも説明口調な一人称になってしまいます。心理描写難しい。
また、この三話は独自解釈の盛り沢山となっております。
前に書いてありましたけど、公式と違うと思わしき部分はコメントなどで教えて頂けると嬉しいです。
ところでMH4Gの超高出力属性開放斬りのカメラモーションがあるのは仕様なんですかね。なんかワクワクしてきました。
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