ただ、攻撃のバリエーションは豊富なので、そこだけは書いてて楽しかったです。
それよりもヤジロベーの口調が一番難しかった……私の知り合いには名古屋弁で話す友人は居ないので、こんな感じで合ってるか分からないです……。
※2026年7月13日〜2026年9月19日に内容を一部修正しました。主に地の文の書き加えと、登場人物のセリフを少し変更しました。
荒廃した街で悟空(GT)達が戦っている中、その地下ではレジスタンスの兵士が声を張り上げて生存者達の避難誘導をしていた。
兵士1「皆んな走れ!! 崩れ落ちるぞ!!!」
兵士2「早く外ヘ出るんだ!! 早く!!」
彼等の避難指示に従いながら老若男女問わず生存者達は、暗い中を必死で駆け出す。
地上は今も尚戦闘中で、本当なら危険を冒して外ヘ出るよりも地下でジッとしている方が安全なのは、兵士達を含めて生存者全員知っている。しかし、彼等が拠点場所兼避難所として使われていた地下空間が、合体ザマスが放った気弾の嵐によってヒビが入り始めてしまい、このまま居ては崩れ落ちる可能性が出て来た為に苦渋の決断で外ヘ出る事にしたのだ。
ヤジロベー「お~いっ!!」
あらかた避難誘導を終えた兵士は、まだ逃げ遅れた人が居ないか確認する為に奥ヘ行こうとしたところ、小太りの肩まで黒髪を伸ばした男がやって来る。それは嘗ての人造人間との戦いで、唯一生き残った戦士「ヤジロベー」である。
兵士2「あっ! ヤジロベーさん! 逃げ遅れた人はもういませんか?」
ヤジロベー「おうっ! 奥にはもうだ~れも居ねぇ! オレも気ぃ読めっから、そこは安心しな! アンタもはよせいっ!!」
兵士2「はい!!」
逃げ遅れた人が居ない事を確認した兵士とヤジロベーは、後ろに気をつけながら先行した人々の後方に付いて行く。外ヘ繋がる階段を駆け上がり、ようやく地上へと抜け出した生存者達。
其処で彼等が目にしたのは――地獄と化した自分達の住む世界だった。
人造人間が居なくなって約10年以上経過し、生き残った者達が力を合わせてようやくまともな生活が出来るくらい復興していた街は、もう存在していなかった。
建物はほぼ全て倒壊し瓦礫のみになり、都市は再び絶望の戦火に包まれている。
世界を覆い尽くす絶望の暗雲には雷鳴が鳴り響き、その真ん中は
兵士1「まるでこの世の地獄だ……!」
女性「どうして……どうして私達は……こんな目に遭わないといけないの……」
青年「オレ達が一体何をしたんだって言うんだよ!?」
男性「も…もうダメだ……おしまいだぁ………」
何処かで聞いた事ある台詞を吐いてはいるが、まさにこの世の終わりを体現したかのような光景に、人々は悲しみに嘆いていた。
そんな群集の大部分が大人を占める中に、まだ幼い兄妹―――赤いタンクトップに青い半ズボンを着た男の子は兄の「ハル」と、深緑のニット帽を被り薄いピンク色のワンピースを着た女の子は妹の「マキ」が居る。
2人の親はブラックによる大量虐殺によって既にこの世を去り、運良く生き残ったところをレジスタンスによって救出され、その後トランクスやマイ、そして他の生存者達に守られて今日まで生き延びる事が出来た。
マキ「お兄ちゃん、アレ見て!」
ハル「何だろ……? アレは……」
その妹のマキが指を指しながら空を見上げて、そこで見たモノを伝えるためにハルにも上を向くように促す。彼女の声を聞いた周りの大人達もまた、幼い兄妹が見つめる方向に目を向ける。
其処では絶望の暗雲を塗り潰すように、金と白の2つの流星が空を駆けていた。常人には視認出来ないレベルの超高速でその流星は飛んでいるので、本来ならこの場に居る人々は誰もその正体は分からず光ってるだけにしか見えない筈だ。
しかし幼い兄妹達は、確かに見えた。黄金に輝く光の力と、白みがかった虹色の闇の力が激突している事を。
合体ザマス「へえぇぇぇああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
片方は美しくも恐ろしい虹色の光を纏い、この世界を滅ぼさんと言わんばかりに強大な闇の力を振るい、紫色の稲妻や赤い刃を放っている黒服の邪神を――。
そして――――、
悟空(GT)「だあああああああああああああああっ!!!!!」
―ガアァオオオオォォォォォォォォッ!!!!!―
強く逞しく、そして優しく温かい、燃え盛る烈火の如き黄金の光を纏い、巨大な獣のような咆哮と共に邪神へと突撃し、この世界を救うべく光の力を振るう紅き英雄の姿を――。
生存者達はその光景を見てこの場から動く事が出来ず、目に焼き付けるように戦闘に見入っていた。
そんな彼等に、大声で駆け寄って来る軍服の女性と、青い髪色の青年の2人。
トランクス「おーーーーーーっい!!」
マイ「皆んな無事かぁーーーーいっ!!!」
マキ「あっ! お姉ちゃん!!」
兵士1「おおっ! トランクスさんも!!」
本当の兄や姉のように尊敬する存在に、真っ先にハルとマキが反応して抱きつき、レジスタンスの兵士や避難していた人々も安堵する。またトランクスとマイも、数少ない生き残った人々から犠牲者が出ていない事に安心した。
トランクス「よかった……! 本当によかった……!」
マイ「アンタ達も無事なようだね!」
兵士1「ええ。死者は誰も出ていません!」
兵士2「ですが地下が崩落しました! 何処か他の場所を探さないと……!!」
マイ「分かった! ブルマさんが避難所を用意してくれたから、皆んな私達についてきな!!」
兵士1「了解!! 皆んなこっちだっ!!!」
兵士2「慌てないで! 足下に気をつけるんだ!!」
トランクスとマイの指示に従って兵士達は再び生存者達を誘導し、人々も瓦礫に足を取られないようにしながら急いで案内するマイについて行く。
距離的に数百mほど移動して、既に疲れが溜まってる人々は走った事で更に疲労困憊になりそうな中、全く傷付いてない一際大きな倉庫のような建物が見えて来た。この建物は、ブルマがホイポイカプセルで過去の世界から持ってきたガレージ型避難シェルターである。
ブルマ「皆んなーーーっ!! こっちこっち!!」
ガレージの入り口付近には、ブルマが両手を大きく振りながら大声を上げて呼んでいる。ブルマの他にベジータ、シン、ゴワスの3人がガレージを守るように居るが、何故か悟空(超)だけが見当たらない。
辿り着いた生存者達は、最後の力を振り絞ってガレージの中へと駆け込む。
トランクス「皆んな早く中ヘ!!」
ブルマ「このガレージは例え核爆弾が当たったとしても、傷1つ付かないくらい頑丈よ!!」
マイ「中に薬や治療道具があるから、重傷者はすぐに治療を受けるように!!」
人数を数えて行方不明がいないかを確認しながら、人々を比較的安全なガレージの中に誘導していく。
皆んなの避難を終えた後、トランクスとマイは怪我人の治療をするために、そしてブルマも万が一に備えて、ブラック達の攻撃で損傷を受けたタイムマシンを修理するためにガレージへと入る。
悟空(超)「よっと!」
その時、いつの間にか居なくなっていた悟空(超)が飛んで戻ってきて、ベジータの近くに着地する。またその手の中には、大きな目をした1匹の小さな黒猫を優しく抱えていた。
ベジータ「カカロット! キサマ、少し目を離した隙に何処へ行ってた!」
悟空(超)「いやな、コイツが皆んなから離れて迷子になってたからな。 ホレ、あっちの方へ行ってろよ」
黒猫「ニャ~」
黒猫をそっと地に降ろした悟空(超)は、そのままガレージへと行くように言う。それを聞いた黒猫もまた彼の言葉を理解したのか、大人しく中へと入って行った。
ヤジロベー「孫、今どうなっておるん!? あんなバケモンみてぇなヤツに、一体誰が戦っとるんや!?」
悟空(超)「ヤジロベー! …実はな、今ブラックとザマスが合体しちまって、別次元からやって来たもう1人のオラが、超サイヤ人4で戦ってるんだ!」
ヤジロベー「……え? 別の…孫…? すまんが、オレには何がなんだかよぉ分からん……」
悟空(超)「まぁ簡単に言うとな、もっともっと強え味方が来てくれたって訳さ!」
ヤジロベーと悟空(超)が話してる中、戦闘の波動がここまで届き、発生した風圧で舞い上がったホコリが目に入りそうになり、彼等は腕で目を塞ぐ。
廃墟のとなった都市の上空で、力を解放した超サイヤ人4の孫悟空(GT)の紅い体毛で覆われた剛腕から放たれる拳と、絶対神と化した合体ザマスの手刀から紅色の闇の気を長剣状に練り上げた気の刃「激烈神裂斬」がぶつかり合う。
上空を駆け巡めぐりながら、お互いの技と技が衝突する度に生じる凄まじい衝撃は、稲妻が迸るように天を明るく照らし、大地を切り裂くように割る。
人知はおろか、神の叡智すらも超えた伝説の光景に、当の「神」本人すらも仰天した。
ゴワス「わ…私は、夢を見ているのだろうか……!? 合体したザマスもそうだが、あの人間は、天使を超える次元で戦っておる……!!」
シン「…いいえ、夢なんかではありません! あの別次元から来た悟空さんは、本来誰も届かないはずの破壊神や天使の域を超えて、ザマスに挑んでいます! まるで第7宇宙に伝わる伝承……、伝説の…超サイヤ人のように……!」
約1000年に1人生まれ、あらゆる天才戦士でさえ超えられない壁を超えてしまう最強戦士「伝説の超サイヤ人」
伝承には諸説あり、惑星ベジータにその名が付く前の時代で、歴史上初めて超サイヤ人に覚醒し、「伝説の超サイヤ人」の言い伝えの起源とされる「ヤモシ」という人物だったり――、
大昔、惑星プラントでフリーザの先祖を打ち破ったとされる赤い鉢巻きをした黄金の戦士だったり――、
本当に1000年に1人生まれ、サイヤの本能のままに破壊と殺戮を好む突然変異の個体の事だったり――、
そして善良な心を持ったサイヤ人と邪悪なサイヤ人との争いの中で偶然生まれ、歴史の中からも存在を抹消された「超サイヤ人
だが今戦っている悟空(GT)の超サイヤ人4もまた、あらゆる天才戦士でさえ超えられない壁を超えてしまうという意味では、まさに伝説の名に相応しい形態だった。
悟空(超)「……本当に凄え戦いだ…! もうどれくらい凄えのか分かんねぇくれぇに、レベルが違い過ぎる……!」
悟空(超)も界王神達と同様にガレージの入り口を守りながら、上空で繰り広げられている人と神の壮絶な争いに釘付けになってしまう。
どうやら自分は、まだ超サイヤ人4の事を完全には理解しておらず、寧ろ過小評価すらしていたようだ。ゴッドやブルーとは対極とも言える荒々しくも猛々しい気は、己の想像を遥かに超えており、悟空(超)はただ圧倒された。
ベジータ「…………くっ………………」
対してベジータは悟空(超)と違い、複雑な心境でその戦いを見ていた。
何故自分には、戦闘民族サイヤ人に相応しいあの変身が出来ないのか、何故自分にはアレだけの戦闘力が無いのか。
トランクスが助けを求めて自分達の世界に来た際、未来へ出発前に稽古で「オマエが誇り高きサイヤ人の血を引く者ならば…オレの息子ならば、誰にも負けることは許さん!」と告げたが、実際の自分はどうだろうか。
圧倒的な強さに成長したゴクウブラックに惨敗し、過去の時代で「精神と時の部屋」に入って修行し直して、ようやく己の実力が上回ったかと思いきや、ブラックは怒りの力で大鎌を作り上げるなど更に強さを増してしまい、結局ブラックを完全に打ち負かす事は出来なかった。
決して声には出さないものの、文字通り最強の力を持って合体ザマスに挑む悟空(GT)が羨ましく見えてしまい、またアレだけ大口を叩いておきながら現在進行で結局何も出来ない自分が情けなく思えて苛立ち、悔しかった。
合体ザマス「波っ!!!!」
悟空(GT)「波あぁっ!!!!」
合体ザマスは両手を前に突き出して、合体前のブラックの技である「超ブラックかめはめ波」に酷似した黒とマゼンタの極太気功波を撃ち出す。それに対して悟空(GT)も、強力な気を両手のひらに集めて本気の「超かめはめ波」で迎え撃つ。
強大な威力を秘めた高濃度かつ膨大なエネルギーは、二人の間で正面衝突し、閃光が拡散されると共に空間が歪むほどの衝撃波の嵐が発生する。
怯むことなく合体ザマスは背後の光輪を広げて、赤い刃状の気弾「裁きの刃」と、紫色の稲妻光線「絶対の雷」を同時発射し、また突き出した手から高密度の気弾や、腕を振るって三日月状の斬波光線を撃つ。
迫りくる光の弾幕に悟空(GT)は自ら突撃、時には回避し、時には弾き返し、時には気弾を撃って相殺させて、距離を詰めて行く。
合体ザマス「フンッ!!!!」
だが、近づけさせまいと合体ザマスは自身のそばに渦巻くような空間の歪みを作り上げると、そこへ握り拳を入れる。すると、直後に悟空(GT)のすぐ真横に同様の異空間が現れ、その中から拳だけが飛び出して、彼の顔にクリーンヒットした。
悟空(GT)「な、何だっ…!!?」
まるで拳だけがワープしたかのような摩訶不思議な攻撃に、悟空(GT)は一瞬困惑するが、続け様に彼の死角となる別の場所からも空間が歪み、キックが飛んでくる。
反応が遅れて脇腹辺りを強く打たれ、痛みで苦しんでいるそばから、またしても合体ザマスが空間を越えて攻撃を繰り出す。
2発、3発と連続で喰らってしまった悟空(GT)だが、その技が昔戦った地獄の悪鬼が使っていたモノと酷似している事をすぐに見抜いた。
悟空(GT)「コイツは………確かジャネンバが使ってた技と一緒だな! だとしたら次の攻撃は……!!」
体勢を立て直し、様々な方向から来る異次元ラッシュの攻撃を、最低限の動きで1つずつ丁寧に避けていく。10発まで回避に専念し、20発目以降からは避けずに受け止めて攻撃のパターンや歪みが出て来る場所の予測を立てる。
そして30発目――完全に見切った彼は背後にあの歪みが出て来ると予想して振り向き、気を練って光球を作る。
悟空(GT)「そこだあぁっ!!!!」
読みは当たり、異次元ホールが現れると同時に強力なパワー気弾を放ち、その中へと吸い込まれるように入って行くと内部で爆発する。
合体ザマス「ぐあぁっ!!!?」
異空間内部で気弾が破裂した影響で、中に突っ込んでいた合体ザマスの腕は傷と火傷を負ってしまう。傷はわずかに時間を置いて少しずつ治っていき、何事も無かったように再生したが、ここで合体ザマスは違和感を感じる。
合体ザマス「くっ! 何だ……この違和感は…!!」
悟空(GT)「だあありゃああああぁぁぁぁーーーっ!!!!」
合体ザマス「――っ!! チィッ…!!」
その違和感が何なのかは分からないが、今はそれを気にしてる場合ではなく、光の尾を引いて接近する大猿の超戦士に意識を向ける。合体ザマスは拳を突き出して突撃して来る悟空(GT)に向けて手を翳し、攻撃が当たる直前に横へ薙ぎ払うように手を振るう。
悟空(GT)「っ!?」
すると、彼のパンチは超能力で急に軌道を変えてしまい、攻撃が外れてしまう。間髪入れずに悟空(GT)は接近しながら次々と技を仕掛けるが、合体ザマスは同じように後退しつつ手を動かすと、まるで見えない力で操られるように逸されていく。
合体ザマス「はっ!!!」
悟空(GT)「――っ!!! うおりゃあああっ!!!!」
何発目かの重たい攻撃をは逸らした合体ザマスは、突き出した両手で空中に絵を描くように動かすと、悟空(GT)の身体が回りそうになる。しかし悟空(GT)は敢えてそれを利用し、体勢を整えてそのままの勢いで身体を前に一回転させ、合体ザマスに脳天踵落としを決めた。
合体ザマス「があぁっ!!?」
悟空(GT)「うりゃああああっ!!!!」
回転で勢いが付いた一撃を喰らって合体ザマスは怯んでしまい、その弾みで超能力を解けた為、悟空(GT)は透かさず右手で拳を作って打つ。
――だが、すぐに合体ザマスはパンチを左手で受け止め、続けて来た左手拳も右手で掴んで受け止める。
直後、合体ザマスは手に紫色のオーラを纏わせてそこから強力な衝撃を伝達させて来た。
悟空(GT)「ぐあああぁぁぁっ!!!?」
両手拳から流れて来る、腕そのものが粉砕骨折されてしまいそうな激痛の波に苦しむ悟空(GT)。だが負けじと歯を食いしばってその痛みに耐えつつ、全身から噴き出す黄金の気を拳に集中させて、エネルギーを合体ザマスに逆流させた。
合体ザマス「ぎやあああぁぁぁっ!!!?」
悟空(GT)「だああぁっ!!!」
激痛を押し返した事で掴まれた拳が離れた隙に、悟空(GT)は渾身の正拳を突き刺すように打ち、更に連続でパンチやキックを叩き込んだ後、上段蹴りで吹っ飛ばす。
更に追い打ちをするために追撃しようとするが、合体ザマスもただではやられず、人間大サイズの立方体を出現させて、それを悟空(GT)の頭上から落とす。
悟空(GT)は反応が遅れて「ゴンッ!」と頭に直撃してしまい、そのまま地上に落ちて立方体の下敷きになる。
悟空(GT)「痛てて………何だコレ…? ルービックキューブってヤツか…?」
その四角い物体を退かして確認すると、物体は金属のような質感で非常に硬く、そして非常に重たい物だ。
突如として現れた立方体を、遠くから見ていた界王神達はいち早くその正体に気づく。
シン「アレは……『カッチン鋼』!?」
ゴワス「いや、アレはカッチン鋼よりもさらに硬い高密度の物質『カチカッチン鋼』だ!」
それは、第7宇宙でのみ産出される宇宙でもっとも硬い鉱物である「カッチン鋼」よりも、さらに硬度、密度、重量が高い上位互換的な材質で出来た金属の塊「カチカッチン鋼」だった。
あまりにも堅すぎる故か、創造を司る界王神でさえ自由に生み出す事は出来ず、本来なら天使レベル以上でないと創造する事が出来ない希少な代物だが、ポタラ合体でパワーアップした合体ザマスにはこの程度は造作もなかった。
合体ザマス「神の力を思い知れっ!!!!」
続けて合体ザマスは両手を上に掲げてカチカッチン鋼を約数十個生み出し、その硬さや重さを利用して悟空(GT)を潰すべく神の力でより硬度や密度、そして重量を増加させる。
10m、20m、30m、40m、そして50mと徐々に巨大化し、特大のカチカッチン鋼が無数に浮遊する。
両腕を大きく振りかぶって無数のキューブは一斉に投げられ、一直線に向かって来る。その光景は、まるで空から隕石群が降り注いで来るように見える。
悟空(GT)「いくぜ、クリリン……!! 技を借りっぞ!!!」
対抗するように悟空(GT)は円盤状の気弾を生成、親友であるクリリンが編み出した高速回転してあらゆるモノを切断する「気円斬」を、更に強力且つ回転を増した円盤気弾を連続で撃つ大技「気円烈斬」を投げる。
次々と投げられたカチカッチン鋼を、豆腐を切るかの如く綺麗な切断面が出来るほどスパスパと切断していき、切った瞬間に気弾を破裂させてカチカッチン鋼を全て爆散させる。
合体ザマス「くっ…! 神に楯突く冒涜者があぁっ!!!!」
だが、合体ザマスは更に巨大な約100mサイズのカチカッチン鋼を創造。流石にこの大きさでは切る事は困難と判断した悟空(GT)は地に足をしっかり踏み締め、額に当てた2本指の先の一点に気を集中し、バチバチとスパークが入る。
悟空(GT)「ピッコロよぉ……オメェにまた、借りを作らせてもらうぜ…!!」
嘗て世界を恐怖のドン底に叩き落とした大魔王の生まれ変わりであり、息子である悟飯を立派な戦士へと育て上げてくれた戦友。
その彼が、いつか自分を倒すために開発した大技を借りる事にした。
合体ザマス「死を持って身の程を知れ人間!!!!」
巨大な隕石とも言える、高密度を誇る特大立方体が落下し始める。それとほぼ同時に、悟空(GT)もまたエネルギーの充填を終えて、人差し指と中指の2本を立てた腕を真っ直ぐ合体ザマスに向けた。
悟空(GT)「魔貫光殺砲ぉぉーーーーっ!!!!!」
直後、立てた指先から螺旋を纏ったようなオレンジ色の超高速ビームを放つ。数ある気功波の中でも特に貫通能力に優れた技、その名も「魔貫光殺砲」だ。
凄まじい出力で撃たれた高威力の細い光線は、いともたやすく超巨大なカチカッチン鋼を貫き、木っ端微塵にした。それでも勢いは止まらず、威力を維持したまま一直線に合体ザマスへと進んで行く。
合体ザマス「くっ……!!」
アレは当たれば不味いと察した合体ザマスは、自身の目の前に円形状のバリアを張って防いだ。
悟空(GT)「はああああああああああああああああっ!!!!」
しかし、負けじと悟空(GT)は出力を更に引き上げ、バリアごと貫こうと指先に最大パワーを注ぎ込む。威力が増した事でバリアにヒビが入った事に気づいた合体ザマスは、何としてでも防ぎ切ろうとして両手を前に出し、バリアに気を送って補強するがヒビはどんどん広がっていく。
結果遂に、合体ザマスがエネルギーを注いでバリアを補強するよりも、魔貫光殺砲の貫通力がそれを上回り、遂にはバリアを打ち砕いた。
合体ザマス「なっ!!?」
慌てて合体ザマスは身体を反らした事で直後を避けたが、完全に回避仕切れず左の肩を掠る。掠っただけではあるがそれでも服が少し破れて、露出した肌には掠った跡の傷が出来て血が出ていた。
直ぐに再生が始まるが合体前に比べて治りがやや遅く、合体ザマスは意識して再生を早める。
合体ザマス「どうなってるっ!? 再生が遅い…!!?」
悟空(GT)「そこだああっ!!!!」
合体ザマス「――っ!!?」
だが其処へ、黄金の光に包まれた悟空(GT)が瞬間移動で目の前に現れ、快心の一撃で合体ザマスを叩き落とした。
瓦礫まみれの大地にぶつかりそうになるが、寸前の所で受け身を取って上手く着地し、同じく地上に降りて接近して来る悟空(GT)に対して気の刃「激烈神裂斬」で応戦。
合体ザマス「ぐっ……こんな事が――!!!」
悟空(GT)「はああっ!!!!」
三段突きや燕返しといった剣術を混ぜた斬撃は1秒に数百を超えるが、悟空(GT)は全て紙一重に避け、受け流して無力化させていく。
隙が出来たところで気のオーラをジェットに、少年時代の悟飯がセルに喰らわせた技でもある強烈なアッパーカット「龍翔拳」を炸裂させた。
渾身の一撃をもろに受けた合体ザマスは堪えようとするが、完全には踏み止まれずに多少よろけてしまう。
合体ザマス「バ、バカな…! バカなバカなバカなっ!!! こんな事が……こんな事があってはならないっ!!!」
合体ザマスは今この場で起きている状況が、あまりにも信じられず、声を荒げてしまう。お互い少なくないダメージを受け、何方も所々に痛々しい傷が出来る。
合体ザマスの方は再生して塞がっていくが、悟空(GT)はこれだけ強大な敵を前にしても金色の鋭い目つきで睨みつくその顔には、まだまだ闘志が燃え盛っていた。
合体ザマス「神の力が人間の力に負けるなど……合体した神が1人の人間に勝てないなど、そんな事あってたまるかああぁぁぁーーっ!!!!」
片方のザマスは超ドラゴンボールで孫悟空の肉体を手に入れてゴクウブラックとなり、もう片方のザマスは不死身の身体になって最強の神と不滅の神となった。
だから合体してパワーアップしただけでなく、その両方の力を持っている不死にして最強の絶対神となった今の自分なら、破壊神だろうが天使だろうが絶対に負けない自信があった。
しかしここまでしても尚、悟空(GT)には勝てない。
悟空(GT)「邪悪龍と戦った時よりパワーが増してる……あれだけ激しい戦いだったしな、オレもまだまだ強くなってるみてぇだ」
そして悟空(GT)は、あの邪悪龍達との―――特に、超一星龍との死闘を潜り抜けた影響でより鍛えられたからなのか、それとも「死の淵より復活した際に戦闘力が上昇する特性」がいつの間にか発動していたのかは不明だが、今の実力は元の次元世界に居た時よりも更に強くなっていた。
それでも
悟空(GT)「………どうやら合体を選んだのは、失敗だったようだな」
合体ザマス「何ぃっ!?」
悟空(GT)「オメェ自分で言っただろ? “2つの力が融け合って行く”ってな。 文字通り“溶”けちまって不完全になったのさ、『不死身の身体』と『無限に強くなる肉体』がな!!」
漢字を間違えてる事に関してはひとまず置いといて、悟空(GT)の言っている事は当たっていた。ポタラ合体はメタモル星人が編み出した融合技である「フュージョン」と違い、同じ身長、同じ戦闘力、同じポーズを取る必要は無く、ただイヤリングを互い違いの耳に付けるだけで完了するので成功も失敗も無い。
ただし、非常にお手軽かつフュージョン以上の効果がある代わりに、
一見、同一人物同士の合体は相性が良さそうに思えるが、実際のところはブラックの「ダメージを力に変える肉体」と、ザマスの「ダメージを受けない身体」はある意味最悪レベルで相性が悪い。
先ず不死身ではなかったゴクウブラック(孫悟空)の肉体と融合した結果、ザマスが持っていた不死身の特性が不完全なものになってしまい、肉体の再生能力は残っているものの、それまで無かった痛覚を感じるようになっていた。
そして次に、神のザマスの身体が入ってしまったせいで完全なサイヤ人の肉体ではなくなってしまい、ブラックの強みだったダメージを力にする特性までも不完全になってしまった。
即ち合体して強大な戦闘力を得た代償に、強みであった2つの長所が上手く噛み合わず、逆にそれぞれ打ち消し合って台無しにしてしまったのだ。
合体ザマス「そんな事が……そんな事ある筈がない!! 我は不死身で最強の神だ……!!!」
悟空(GT)「だったら何で痛がったり、血が流れたりするんだ? …それにオメェは、
更にザマスは合体時に、たった1つのとんでもない墓穴を掘っていた。それは、ブラックが超サイヤ人ロゼ進化の状態のまま合体した事だった。
以前、魔人ブウを倒す為に老界王神からポタラを貰った際に「超サイヤ人3に変身した状態で合体した方が良いか?」と質問したが、その時は「合体したらずっとそのままになる為、無理する変身の状態で合体したら寿命を縮めてしまいかねない」と言われた。
つまり今の合体ザマスは、負担の激しい変身をした状態を解除する事が出来ず、このまま長期戦になるほど負担と消耗が蓄積していき、やがては自ら死に追いやられる危険性があると悟空(GT)は推測した。
悟空(GT)「そうとなれば…だ………オメェを倒す方法はただ1つ……! オメェの攻撃にひたすら耐えて耐えて耐えまくって……再生が追い付かねぇぐれぇに、攻撃し続けるだけだぁっ!!」
勝機が見え始めた悟空(GT)は稲妻が迸る黄金のオーラに包まれると、さらなる猛攻を仕掛ける。かなり無茶な作戦だが、他に良い案は思いつかないので最早コレに賭けるしかない。
合体ザマス「人間風情が……調子に乗るなあぁっ!!!!」
自身が負ける事は一切考えてない合体ザマスは、勝つ気でいる悟空(GT)の態度が気にくわず青筋を立てるが、同時に焦りを覚えて額に一汗流れる。
孫悟空という男は偶にハッタリをかます時があるが、今言った事はどれも信憑性が高く、嘘をついてるようには到底見えない。
悟空(GT)の異常な強さもそうだが、心の何処かでこのままでは本当に神である自分が負けてしまうかもしれないと思い始めてしまう。
迫る悟空(GT)の飛び蹴りを回避し、合体ザマスは距離を保ちながら上昇していく。
合体ザマス「ぎっ…!! さ、裁きの刃!!!!」
光輪から発射した赤い刃状の気弾が容赦なく襲いかかって来るが、悟空(GT)はバク転を繰り返して避け、地面に刺さった刃が破裂する前にその場から離れる。
赤い刃の爆発範囲から免れてすぐにエネルギーを貯めて、悟空(GT)は交互に両手を突き出して連続で気弾を撃って反撃を開始。
悟空(GT)「うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃっ!!!!」
1秒に数十以上放たれる気弾乱れ撃ちは、約半数近く「裁きの刃」を相殺させ、残りの半数は合体ザマスへと飛んでいく。ホバリング飛行している合体ザマスは気弾を横スライドで躱しながら、続けて赤い刃を降り注がせる。
その内、撃ち落とし損ねた気弾の一つが悟空(GT)に直撃……するかと思ったが、身体をすり抜けて地面に着弾した。
合体ザマス「チィッ!!!」
それを見た合体ザマスは、またしても残像拳によるものだとすぐに見破り、違う方向に目を向ける。周囲を見渡すと、辺り一面に大量の悟空(GT)が気弾を連射して来ていた。
大量の残像を残して相手を撹乱させる残像拳の派生技「多重残像拳」を使用しながら、休まず攻撃してくる悟空(GT)。
合体ザマス「また
だが、いちいち同じ手が通じるほど合体ザマスも愚かではない。実力が同等となった事で、超サイヤ人4の巨大で膨大な気を見切れるようになった合体ザマスは、右上方向に向かって「絶対の雷」を落とす。
悟空(GT)「ぐあぁっ!!!?」
残像を作りながら気弾を放つ本物の悟空(GT)を見破り、強大な稲妻で撃ち落とした合体ザマス。同時に、大量の残像も消えていった。
合体ザマス「フンッ! たわいもない……!」
悟空(GT)「フフフッ………どうかな……? もう一度、周りをよく見てみろ!!」
合体ザマス「――――っ!? これは……!!」
悟空(GT)の言葉に辺りを見渡すと、無数のエネルギー光球が合体ザマスの周囲に浮いていた。さっきまで気弾を撃っていたのは攻撃の為ではなく、空中に配置して退路を断ちつ為であり、多重残像拳を使用したのも残像に意識を向けさせて次の一手に備えるための隠れ蓑に過ぎなかった。
合体ザマス「キサマ……! 最初からコレが目的か!!!」
悟空(GT)「そうゆう事さ!! それぇっ!!!」
悟空(GT)の合図を皮切りに、辺り一面に散りばめられた気弾が一斉に合体ザマスにぶつけられた。たった1発だけなら怯ませる程度の威力でも、それが数百を超える数となれば話は違う。
これもまたピッコロの必殺技の1つである「魔空包囲弾」は、磁石に引き寄せられる砂鉄のように次々と当たり、ダメージを与えていく。
ようやく技が治まると服装はボロボロで、身体中傷だらけになる合体ザマス。
合体ザマス「がはっ…!! おのれ…許すまじ孫悟空…!!」
すぐさま再生は始まるが、合体前に比べて明らかに治療スピードが遅く、治るのに少し時間がかかる。しかし悟空(GT)は合体ザマスの再生仕切るのを待つ気はなく、すぐに「瞬間移動」で接近しながら渾身の「フルパワーエネルギー波」をゼロ距離から撃とうと直接叩き込もうとしてくる。
悟空(GT)「はああああああああっ!!!」
合体ザマス(神が人間如きに負けてはならない……! 神は全てにおいて絶対的存在……!! 人間に敗れるなど、あってはならない!!!)
超ドラゴンボールで願いを叶え、さらに神器を使って合体したにも関わらず、神の気すら纏わないたかが1人の人間如きに劣勢になるとか屈辱的にもほどがある。
そう思った合体ザマスは2つの異次元ホールを作り出して、その中にそれぞれ腕を入れると、ある存在を引っ張り上げた。
悟空(GT)「なっ――!!?」
その存在を目の前に見せつけられて、悟空(GT)は慌てて攻撃を中断、手の中のエネルギー玉を自ら打ち消した。
合体ザマスが悟空(GT)に見せつけた2つの存在――それはブルマのガレージへ避難していたはずの幼い兄妹、ハルとマキだった。
合体ザマスは小さな子供2人を人質に取るという、あまりにも非道な行為をしてきた。
●GT悟空が気円烈斬と魔貫光殺砲を使う
初期案では合体ザマスが生み出したカチカッチン鋼を物理的に壊す予定でしたが、GTで地球爆発直前時や最終回でのピッコロとクリリンのやり取りを見てどうしてもやりたくなってしまい、急遽予定を変更しました。
●合体ザマスには3つの弱点
1.不死身が不完全になる(コレは原作通り)
2.合体して完全なサイヤ人の肉体では無くなった為、ダメージを受ける度に強くなる能力も不完全になってる(原作では語られてはいないが、ダメージを負って強くなってはいたものの、どう見てもブラックの時とは性質が変わってると思われる)
3.ブウ編で老界王神が発言した言葉を元に考えたオリジナル弱点。ゴクウブラックが超サイヤ人ロゼ進化の状態で合体したため強大なパワーアップを遂げた代わりに、負担の激しい状態を解除できなくなってしまい、このままだと自滅する可能性がある。
更にこの小説ではポタラとフュージョンの差別化の為、
ポタラ合体
お手軽且つフュージョン以上の効果がある代わりに、良い意味でも悪い意味でも一人の存在に生まれ変わるため、悟空とサタンくらい力の差があると逆に弱くなったり、若かった頃の老界王神と魔女のババアくらい歳の差があると寿命が短くなったり、ブラックとザマスのように能力の相性が悪いと能力が不完全になったりする。
フュージョン
身長、強さ、ポーズと前提条件を揃える事が難しく、失敗すればデブかガリガリになってしまい中途半端しか強くなれない(または弱くなる)とデメリットが大きい分、成功すれば安定したパワーアップや、しっかりと元の2人に戻れる。
――という事にしてます。まぁ結局のところ何方も、もっとも相性が良くて一番強くなれるのはベジット&ゴジータのように、同じ強さ同じ種族が良いという訳です。
因みに界王神以外のポタラ合体は1時間で解除出来る設定は超の次元もしくは似たような世界のみで、原作漫画の次元やZの次元、GTの次元では従来同様に合体時間は永続です。
何故こんな作者である私から見てもめんどくさいオリジナル設定にしたのか、それはどうしても「原作ベジットの特別感」を守りたいからです。
そりゃあ魔人ブウの体内のイヤな空気で合体解除されるのは意味不明だけど、それでも「戻れないからこそ無敵のベジット」と「限りがあるからこそ最強のゴジータ」のイメージを壊したくないです。
●GT悟空は邪悪龍戦後よりも強くなってる
GT悟空の本気は天使以上の実力という事にしていますが、第9話を見返してみて流石にやり過ぎだと思ったので、邪悪龍戦後の時よりも強くなっている事にしてます。
サイヤ人の特性で強くなったのか、ドラゴンボールと融合した影響なのか、その辺の詳細は敢えて書きません(皆様のご想像にお任せします)。
また、今のGT悟空のがどれぐらい強いのか、コレも『まだ』詳しくは言えませんが、原作のGTで例えるなら少なくとも大猿ベビーが一回ブルーツ波で回復したとしても、GT悟空は回復なしでそのまま互角に戦って、ギリギリ勝ちそうなくらいには強い……かも?(微妙に分かりづらくてすみません)