GT悟空が超の未来世界を救う話 【完結】   作:ゴジロット

11 / 27
※2026年7月13日〜2026年9月19日に内容を一部修正しました。主に地の文の書き加えと、登場人物のセリフを少し変更しました。


【第11話】外道な神を許すな! 究極必殺! 怒りの「10倍かめはめ波」炸裂!!

 

 

 時間は少しだけ遡り――怪我人の治療を終えたトランクスは、今現在の状況を生存者達に分かりやすく説明した。

 

 

トランクス「――皆んな、本当にごめんなさい。 必ず倒すって言ったのに……結局オレは、ブラックとザマスを倒せなかった……」

 

 

 

 またそのを話した上でトランクスは、彼等に頭を下げて謝罪した。皆んなブラックを倒してくれると信じてくれたのに、自分が頼りないせいでその期待に応えてあげられず、彼は申し訳無い気持ちだった。

 

 

兵士1「……何で、貴方が謝るんですか」

 

兵士2「貴方は今までずっと、我々の為に戦ってくれました。 貴方が頭を下げる事なんてないですよ」

 

ハル「そうだよ!」

 

マキ「トランクスは全然悪くない!」

 

 

 しかしこの場にいる誰もが、トランクスを責めるような事は決して無かった。1番辛く苦しい思いをしてるにも関わらず、人前では弱音を吐かずに皆んなを励まし、この世界の希望として最前線に立って人造人間やブラックから守ってくれた事は全員知っている。

 寧ろよく頑張ったと、守ってくれてありがとうと、今日まで生き残れた生存者達は最大限の感謝を込めた優しい言葉で青年を労った。

 

 

トランクス「皆んな………」

 

 

 温かい言葉に励まされて少し気持ちが楽になり、元気を取り戻して穏やかな表情になったトランクス。

 

 

男性「で…でも、今戦ってるその人は勝てるんですか?」

 

女性「また……負けてしまうんじゃ……」

 

 

 とはいえまだ彼等の不安の元が消えた訳ではなく、依然として暗い表情になって全員黙り込んでしまう。

 青年の言う別次元のから来た紅き戦士――まるで先代ピッコロ大魔王が世界征服しようとした時に突如現れて、たった1人で立ち向かった勇敢な少年を彷彿とさせるが、ブラックとザマスが合体した強大な敵に勝てるのかどうかは皆んな半信半疑であった。

 

 それに加えて生存者達はとっくに心身共に限界迎えており、どうしても前向きにはなれなった。トランクスの事を咎める気はなくとも、今まで太陽の光を浴びる事なく、次々と家族や周りの人間が殺されていく中、地下でいつ自分が死ぬ番になるのか分からない日々を過ごして来たのだから。

 中には最早勝敗などどうでもよくなり、いっそ早く楽になりたいと自ら死を懇願する者まで現れ始めてしまっている始末である。

 何とかして生存者達全員を元気づけられないかと、返す言葉を考えてるその時だった。

 

 

ハル&マキ「「うわあぁっ!?」」

 

 

 突如として、小さな兄妹の前に渦巻く異次元空間の歪みが出現し、その中から緑の肌をした2本の人の腕が伸び出て来た。兄妹はすぐに離れようとするが、2本の腕はそばにいたハルとマキの首根っこを掴み、そのまま空間の中へと引きずり込んでしまった。

 

 

トランクス「ハル!! マキ!!」

 

 

 急いで駆け出したトランクスはすぐに手を伸ばすが一足遅く、異次元ホールは消えてしまい、彼の手は届かずに空気だけが掴んだ。

 

 

マイ「い、一体何がどうなって……!? それにあの子達は何処へ……!!?」

 

シン「トランクスさん!!」

 

 

 目の前で起きた突然の出来事に一同は混乱して騒ぎ出し、消えた幼い兄妹の安否を心配するマイ達の元に、ベジータとシンが駆け足でガレージの中に入って来た。

 

 

トランクス「父さん!! 界王神様!!」

 

ベジータ「チィッ! やはりアレは幻や見間違いでは無かったか……!!」

 

シン「大変なんです!! ザマスが……ザマスが2人の人間の子供を人質にしています!!!」

 

トランクス「なんだって!!?」

 

 

 入ってすぐにベジータはガレージにハルとマキの2人がいない事に気づいて舌打ちし、シンは現在外で起きている状況を伝える。それを聞いたトランクスとマイ、またタイムマシンを修理していたブルマの3人は血相変えて外へ飛び出す。

 ガレージから出ると、悟空(超)とゴワスの2人が同じ方向に視線を向けていた。

 

 

トランクス「悟空さん!! ゴワス様!!」

 

悟空(超)「トランクス! ほら、あっちだ!」

 

 

 駆け足で外に出た3人は、悟空(超)が指を指した方へ視線を向ける。遠すぎてよく見えなかったマイは双眼鏡を使って覗き、拡大して見ると、合体ザマスがハルマキ兄妹の首根っこを掴んで自身の前に突き出して盾にしていた。

 捕まっている兄妹は、恐ろしい邪悪なる神から必死で逃げようともがいているが、首を掴まれて苦しそうな表情をしている。

 そして小さな子供2人を人質にされた超サイヤ人4の悟空(GT)は下手に攻撃が出来ず、合体ザマスから一方的に遠距離から気弾攻撃を受けているのが見えた。

 

 

マイ「大変よ!! ザマスがあっちの悟空さんが攻撃出来ないように、あの子達を盾にしてるわ!!」

 

ゴワス「なんたることを……!! ザマスめ、とうとう界王神としての誇りすらも捨てたか……!!」

 

ブルマ「なんて最低なヤツなの!! 神様のくせして、こんな非道い事を!!」

 

トランクス「今すぐ、2人を助けないと!!」

 

ベジータ「待てっ!! ダメだトランクス!!」

 

 

 追い詰められた合体ザマスの行動に、怒りを覚えるゴワスとブルマ。そして彼等の横で同じく怒りが湧きながらも、2人を救出するために急いで飛び出そうとするトランクスだが、そんな彼をベジータは寸前で肩を掴み、合体ザマスへ向かおうとする息子を止めた。

 

 

トランクス「父さん!! どうして止めるんですか!! 小さい子供が人質に取られてるんですよ!!?」

 

ベジータ「冷静になれ!! 今、下手にヤツの方に向かったら余計にザマスを刺激して、余計にあのチビ達の命が危険だ!! そんな事も分からんのか!!!」

 

 

 父親のベジータからその言葉を聞いて、トランクスは急に我に返る。現在2人の生殺与奪の権利は合体ザマスが握っている以上、少しでもヤツを逆撫ですればすぐに危害を加えられる状態だ。

 彼等を無事に救出するには、合体ザマスに隙が生まれるのを待つしかないとベジータは伝える。

 

 

トランクス「で…ですが、アレではあっちの悟空さんが一方的にやられるだけです! このまま見てるだけなんて、そんな事で出来ない!!」

 

 

 それでもトランクスは、わざわざ別の次元世界から自分達を救いに来てくれた悟空(GT)がピンチの状況を、ただ見てるだけしかできないのが納得いかなかった。

 せめて兄妹達を救出する手助けくらいはと思っている中、今度はそれを悟空(超)は宥める。

 

 

悟空(超)「大丈夫だトランクス。 別次元のオラなら、2人を助けられるはずさ!アイツを信じるんだ!!」

 

 

 悟空(超)は知っている。ああいう状況で一番有効な必殺技を――人質を傷付けずに敵だけ(・・・)を攻撃できる唯一の方法を。

 悟空(GT)ならきっと気づくと確信して、自分は幼い兄妹の気をキャッチして「瞬間移動」の準備をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合体ザマス「裁きの刃!!! 絶対の雷!!!」

 

悟空(GT)「ぐああああああああああああああああっ!!!!」

 

 

 幼い子供2人を人質にされた悟空(GT)は一瞬硬直状態になってしまい、其処へ合体ザマスは背後の光輪から「裁きの刃」と「絶対の雷」を撃つ。悟空(GT)は当たる寸前に赤い体毛で覆われた両腕を✕字に組み、クロスガードで気弾攻撃に耐えるが、全部被弾してダメージを受けてしまった。

 攻撃が止んだ後、傷が再生して服も新品になった非道な行動をする合体ザマスに、拳に力が入って歯を食いしばるほどの怒りを浮かべて悟空(GT)が鋭く睨みつく。

 

 

悟空(GT)「キ、キサマァ……!! 人質なんて…卑怯な手ぇ使いやがって……!!」

 

合体ザマス「黙れ!! 森羅万象の頂点たる神が、このような無様な手段を使わせたのはキサマだっ!!! キサマが大人しく我が光の前にひれ伏せば、我はこんな手段を取らずに済んだのだ!! このガキどもを危険な目に合わせたのは孫悟空、キサマが驕り高ぶったからだっ!!!」

 

 

 神としても恥じる行為をさせた悟空(GT)に逆ギレして、合体ザマスはハルとマキを片方ずつ掴んでいる手に力を入れる。無論、殺してしまっては人質の意味が無いので死なない程度まで力を弱めてるが、幼い子供からすればそれでも息が出来ないくらい首を締められる。

 

 

ハル「く…くる…しい……!」

 

マキ「助け……て……!」

 

悟空(GT)「やめろっ!! 関係ねぇヤツを巻き込むなっ!!」

 

 

 人間が苦しむ姿と必死で叫ぶ悟空(GT)を目にして、合体ザマスは邪悪な笑みを浮かべる。その様は、とても正義を自称する神とは思えない言動や表情だ。

 

 

合体ザマス「どうした孫悟空、このままだとキサマはやられるだけだぞ? 我を倒したいのならば、魔人ブウの時と同様に見殺しにすればいい筈だ。 どうせドラゴンボールで生き返れるんだからな。 ドラゴンボールがあればの話だがな……」

 

悟空(GT)「くっ……!!」

 

 

 合体ザマスに耳に痛い事を言われてしまい、悔しい表情で歯を食いしばる悟空(GT)。あの時の孫悟空はドラゴンボールで生き返らせるのを前提で考えており、悟天達にフュージョンを教えるために他の地球人達を見殺しにした――それもわざわざそんな事せずとも、太っちょの魔人ブウなら超サイヤ人3で全力で戦えば倒せていたのにも関わらずにである。

 しかし、あの時にブウとバビディを倒していたら確かに犠牲者を最小限に減らせていただろうが、当時の孫悟空は死んでいて1日だけ現世に居られる状態だったので、その時フュージョンを教えておかなければまた強敵が現れた際に次世代の戦士は対抗手段が無いのも事実。

 結局色々あった後に自分が生き返って倒したとはいえ、その時はまた現世に復活出来るとは思わなかった為、感情を排除すればあの時の判断は正しい。

 割とドライな性格なのは間違いないが、それでも本当は後で生き返れる事とかは関係無しに、彼もなるべく目の前で犠牲者を出したくないのだ。

 

 

悟空(GT)(どうする……!? もう残像拳は見切られちまってるし、太陽拳だとあのチビ達まで巻き込んじまう…! この状況じゃあ下手に瞬間移動で近づけねぇし………、瞬間移動かめはめ波は危険すぎる……!)

 

 

 悟空(GT)は頭の中をフル回転して、この状況から幼い兄妹を救い出す方法を必死で考えるが、なかなか良い案が浮かばず焦ってしまいそうになる。中にはフリーザの技「デスビーム」で合体ザマスだけをピンポイントで狙い撃つ案もあったが、合体して強化された反射神経で避けられるか、最悪の場合には人質の2人に当たってしまう可能性がある。

 他に使えそうな技や方法が無いかを探る為、今までの戦いの記憶を辿ってくと、1つの方法が浮かび上がる。

 

 

悟空(GT)(…………そうだ! 随分前に使ったあの技なら、2人を救えるかもしれねぇ!!)

 

 

 それはかなり昔の技で今ではすっかり使わなくなっていたが、この状況下でこれほどまで最適な技は他に無い。問題があるとすれば、超サイヤ人4という強すぎる状態のままで使用した場合、威力が高すぎてかつてほどの制御が効くかどうかが怪しい事。

 そして、少しでもズレた場合は人質の2人がかえって危険に晒されてしまう事だが、肉体のみならず技術の修行も怠らずに極めてきた今の自分なら、絶対にできるという自信が悟空(GT)にはあった。

 

 

悟空(GT)「オメェ達2人とも、目を閉じて動かねぇようにジッとしてるんだぞ! 絶対に助けてやるからな!」

 

 

 その言葉を聞いたハルとマキは涙目になりながらも頷いた後、苦しさと恐怖に耐えてながらギュッと目を閉じ、震えつつもなるべく動かないようにジッとする。合体ザマスは恐らく太陽拳が来るだろうと推測して身構えるが、彼の予想は外れる。

 

 

悟空(GT)「かぁ〜……! めぇ~……!」

 

合体ザマス「―――っ!!」

 

悟空(GT)「はぁ〜……! めぇ~……!」

 

 

 なんと、悟空(GT)は得意技である「かめはめ波」の構えを取り、両手を右腰に回して気を溜め始めたのだ。人質が居るにも関わらず気功波を撃つ気の悟空(GT)に、合体ザマスはそんな訳無いと信じられない表情をする。

 撃てるはずがない――しかし、合わせた手の中には青白く輝く光がどんどん増していってる事から、このまま必殺技を撃つ気なのは明確だった。

 

 

 

そして――、

 

 

 

 

悟空(GT)「波っ!!!」

 

 

 両手を開きながら前に突き出し、本当に悟空(GT)は「かめはめ波」を解き放った 放たれた青白い光線は一直線に、ハルとマキを人質にした合体ザマスへと向かって行く。

 このままでは本当に超破壊力を秘めた閃光が、2人とも巻き込んで合体ザマスに当たり、幼い命を犠牲にしてしまうだろう。

 

 だが悟空(GT)は確かに「絶対に助けてやると」と言い、その言葉には決して嘘なんて無かった。

 

 

 

 

 

悟空(GT)「今だっ!!!!」

 

 

 合体ザマスとの距離が半分まで光線が迫った瞬間、悟空(GT)は手首を合わせて開いた両手を自分の方に引き寄せるように動かした。

 すると、当たる直前に光線は急に上へと打ち上がるように軌道を変え、そのまま山なりに曲がって合体ザマスの頭上を通り越す。

 

 

悟空(GT)「はあぁぁっ!!!!」

 

合体ザマス「なっ!?」

 

 

 更に悟空(GT)が腕を下に振り下ろすように動かすと、通り越した青白い光線はまた急に曲がった。曲がった光線は真っすぐ進んで行き、そのまま合体ザマスの背中を直撃した。

 

 

合体ザマス「ぐっ!!!」

 

 

 防御していない背後から攻撃を受けて、少しだけ怯んでしまった合体ザマス。

 「曲がるかめはめ波」は手元を操作する事で、放った気功波を自由に操る技で、実の兄ラディッツやピッコロ大魔王に対して使用した技である。

 無論、最大パワーで撃った訳ではなく着弾時に大爆発が起きない程度にまで手加減した為、合体ザマスが僅かに怯むくらいの威力しかない。

 

 しかし、悟空(GT)の狙いはダメージを与えるためでなく、一瞬でも合体ザマスの意識を逸らすのが目的であり、隙が生じた瞬間に拳を突き出しながら疾風迅雷の如くMAXスピードで突撃した。

 

 

合体ザマス「ぐおぉあぁっ!!!!?」

 

 

 幼い子供を人質にした怒りと、猛スピードで勢いづいた強力な「超神撃拳」は凄まじく、まさに神を撃つ拳となって頬にクリーンヒットし、合体ザマスは人質を離して吹っ飛ばされる。

 そしてすかさず悟空(GT)はハルとマキを空中で優しくキャッチ、無事に2人を救出した。

 

 

悟空(GT)「2人とも、怪我は無いか!?」

 

マキ「う…うん……!」

 

ハル「ぼ…僕も、大丈夫…!」

 

悟空(GT)「よかった……オメェ達、今まで怖かっただろ? 本当によく頑張ったな! 偉いぞ!!」

 

 

 超サイヤ人4の真っ赤な体毛に覆われた力強い両腕で抱っこされ、温かい体温に包まれた2人に掛けられた、宇宙一カッコいいおじいちゃんの言葉。その言葉1つ1つがとても優しく、安心感を覚えたハルとマキは緊張感が緩み、次第に感情が目から溢れ出す。

 

 

ハル「う…ひぐっ……うわぁあああああああんっ!!!!」

 

マキ「ふえええええええぇぇぇぇぇんっ!!!!」

 

 

 両親を失い、住む家を壊されて、いつ死ぬかも分からない日々を必死で生きてきた小さな兄妹。今までどんなに辛い事、苦しい事、悲しい事があっても、周りの皆んなに迷惑を掛けないように泣く事を堪えていたが、絶対的安心感を醸し出す悟空(GT)に励まされ、この時だけ年相応の普通の子供に戻れた。

 愛おしく慰めつつ「泣き虫だった頃の悟飯を思い出すなぁ…」と――一頻り泣いた2人を見て昔を懐かしむ悟空(GT)の元に、もう1人の悟空(超)がちょうど瞬間移動で現れ、ハル達を迎えに来た。

 

 

悟空(超)「流石だな、別次元のオラ。 オメェなら、絶対に2人を助けられるって分かってたぞ!」

 

悟空(GT)「まあな。 ほら2人とも、迎えが来てくれたから皆んなの場所まで避難してろよ」

 

ハル「うん。 カッコいいお兄ちゃん、助けてくれてありがとう!」

 

マキ「ありがとう、お兄ちゃん!」

 

悟空(GT)「ハハッ! もうオレはお兄ちゃんじゃなくて、おじいちゃんなんだけんどな」

 

 

 過去の時代の悟空(超)よりは歳上らしい雰囲気が出ているとはいえ、一般の地球人から見れば悟空(GT)はまだまだ若々しい。

 誰が何処からどう見ても、とても10歳の孫娘(パン)がいるとは思えないだろう。

 高い空中にいるため怖がらせないように、丁寧に悟空(超)に2人を渡していく悟空(GT)。

 

 

合体ザマス「裁きの刃!!!」

 

悟空(GT)「!!」

 

 

 すると其処へ、先ほど吹っ飛ばされた合体ザマスが体勢を整え直し、無数の赤い刃を飛ばして来た。急いで悟空(超)にハル達を渡した悟空(GT)は、彼等に光弾が当たらないように両手の手刀で次々と赤い刃を弾き飛ばす。

 

 

悟空(GT)「早く行けぇっ!!!!」

 

悟空(超)「す、すまねぇ…! いいか2人とも、オラにしっかり掴まってろよ!」

 

 

 かなりの高速で迫って来る気弾の雨から3人を守りつつ、悟空(GT)は早く避難するように大声で叫ぶ。ハルとマキの2人を抱えた悟空(超)は彼の邪魔にならないためにも、急いで「瞬間移動」でその場から脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 悟空(超)に掴まっているハルとマキの視界が突然変わると、其処にはもう黒服の邪神と紅い体毛に包まれた英雄の姿は無かった。代わりに目の前には、先ほどまで他の生存者の皆んなと一緒来た巨大ガレージを目にする。

 

 

トランクス「ハル!! マキ!!」

 

マイ「2人とも無事だったんだね!!」

 

 

 そして――何時も自分達を守ってくれた青い髪色の青年と、軍服を着た黒髪ロングの女性の姿。悟空(超)が優しく2人を降ろしてあげると、2人は嬉しい顔で真っ先に駆け足で抱きついて来て、トランクスとマイはしゃがんで受け止める。

 

 

ブルマ「あ~よかった…。 一時はどうなるかと思って冷々したわよ。」

 

 

 再会を喜ぶ4人を見てブルマ達はひとまず安心する事ができ、恐る恐る様子を見に来たレジスタンスの兵士や他の生存者達も同じく、子供が無事だった事に驚き、そして喜んだ。

 

 

兵士1「すごい…! あの子達が、生きて帰って来た…」

 

女性「今までブラックに襲われたらほぼ助からなかったのに、無傷で戻って来るなんて……!」

 

青年「まるで奇跡だ……!」

 

 

 今までは戦えるトランクスを除いて、ブラックが襲撃してくる度に運良く逃れは出来ても、多かれ少なかれ死傷者が絶えなかった。

 だから合体ザマスに直接襲われたのに怪我無く無事に帰って来た兄妹を見て、生存者達に再び希望が差し込み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人質を救出し、飛んで来た赤い刃状の気弾を全て弾き飛ばした悟空(GT)は、その金色の眼で合体ザマスを鋭く睨んだ。

 

 

悟空(GT)「許せねぇ……!」

 

 

 合体ザマスが咄嗟に取った人質作戦に、悟空(GT)は額に青筋が立ち歯を食いしばるほどかなり怒っていた。今まで数々の強力な敵達と戦ってきたが、その中でもっとも彼が怒りを覚える敵が人質を取るようなタイプだ。

 特にベビーは家族や地球そのものを攻撃して悟空(GT)に当たるように仕向けたり、七星龍と三星龍に関しては孫娘のパンを盾にした事もあり、殺すのも惜しくないと思うレベルだった。

 

 

悟空(GT)「あんなちっちぇ子供を人質にしやがって……!! オメェだけは……オメェだけは、もう謝っても許さねぇぞっ!!!」

 

 

 そして今回もまた戦う術の無い一般人を――しかもよりによって子供を人質に取った合体ザマスの行動に、悟空(GT)は激しく怒りが湧いた。

 これに対し合体ザマスは、絶対神に人質作戦という行動をさせた悟空(GT)に憎悪し、己の非道な行為に悪びれる様子はない。

 

 

合体ザマス「……フンッ! 許されざる存在はキサマ達人間だ! 争いを繰り返して宇宙を汚し、神の領域に土足で踏み入り神を冒涜する! キサマ等人間が……孫悟空キサマの存在が!! この世でもっとも許されざる醜い『悪』そのものだっ!!!」

 

悟空(GT)「だったらあんな汚え真似なんざしねぇで…正々堂々と全力で、オレという悪をぶっ潰しに来い! お互いとことん戦(や)ろうじゃねぇか!!」

 

 

 悟空(GT)は敢えて自らを「悪」と呼んで、優先して向かって来いと合体ザマスを挑発した。それは先ほとの事がまた起きない為に、自分だけを狙うように促して他の人間を巻き込まないようにする狙いだ。

 本当なら誰も居ない惑星に移動したくても、ヤードラット星人の技である「瞬間移動」では無人の星に移動する事が基本的に不可能なので、地球で決着するしかない。

 何としてでもこれ以上犠牲を出す訳にはいかず、誰の命も奪わせたくなかった。

 

 

合体ザマス「……何時までもキサマなんかを相手にしていられるか! この一撃で、今度こそ葬り去ってやる……!! 見るがいい!! この宇宙を照らす偉大なる神の火を!!!」

 

 

 だがこれ以上戦いを続ける気の無い合体ザマスは、早々に決着を付けるために特大の一撃を繰り出そうとした。光輪が光り輝き、合体ザマスが人差し指と中指を立てた右手の先端に、禍々しい邪悪な神の気が一点に集中しながら上昇していく。

 ――すると、合体ザマスの指先に燃え盛る太陽のような高熱の火球が生成された。

 その火球には、全ての神々を滅ぼすには充分過ぎるほどのエネルギーが込められている。

 

 

合体ザマス「我が大いなる力……聖なる逆鱗っ!!!!」

 

 

 放たれた火球は合体ザマスの手から離れると同時に強大化、凄まじい熱と共に悟空(GT)に襲い掛かって来る。それはクウラの「スーパーノヴァ」と同時に本物の太陽に酷似しており、あらゆるモノ全てを焼き尽くし、消滅し尽くす。

 あんな強力なエネルギーが凝縮された火球を喰らってしまえば、いくら超サイヤ人4でも無事では済まない。

 

 だから――、

 

 

 

悟空(GT)「破あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!!!!」

 

 

 ――だから悟空(GT)は避けずに、身に纏う黄金の気のオーラを全開にしてある種のバリアのようにし、雄叫びを上げながら合体ザマスの「聖なる逆鱗」を恐れた様子もなく、我が身1つで受け止めた。

 

 

悟空(GT)「ぐぐ……ぐぎぎ……ぐうぅ…お、落とさせねぇぞ……皆んなが居る所に……!!!!」

 

 

 力強い両手で受け止めたが、直径数十m以上の巨大な気の塊は凄まじい熱と風を伴い、超サイヤ人4の力を持ってしても勢いを受け止め切れず、どんどん押されていく。

 悟空(GT)が「避ける」ではなく「受け止める」の選択肢を選んだのは、その火球の進路方向上に生存者達の避難シェルターであるガレージがあったからだ。

 もし自分が避けた場合、火球はこのまま進んで行ってしまってガレージに直撃してしまうだろうし、そうでなくてもこれほどまでの強大な気が込められたエネルギー弾が地球に当たれば、確実に消滅して全員死んでしまう。

 また合体ザマスも、こうすれば悟空(GT)は他人や地球を守る為に自ら攻撃に当たって来る事も分かっているからこそ、この行動に出たのだ。

 だから悟空(GT)には、最初から「避ける」という選択肢は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 強力なエネルギー弾が迫り来ている事は、既にガレージにいる皆んなも気づいていた。生存者やレジスタンスの兵士も、アレが何なのかまでは分からなくとも、今まさに命の危機が目の前まで来ているという事は誰が見ても分かる。

 

 

女性「イヤああああああ!!!!」

 

男性「この世の終わりだ…! 地球の最後だあぁーー!!」

 

ヤジロベー「ひぃ〜っ!? もうおしまいだぎゃあ〜〜!!!」

 

 

 生存者達は迫りくる「死」に対してある者は悲鳴を上げ、ある者は全てを諦めしまい、ある者は恐怖で慄き、皆それぞれ喚き騒いでいた。

 そして悟空(超)、ベジータ、トランクスの3人も、あの巨大火球を止める事は早々に不可能だと理解してしまった。

 もう自分達には、アレを止められるだけの力も残っていないし、そもそも、それだけの力を元から持ち合わせていない。

 

 

悟空(超)「な、なんちゅーデケェエネルギーの玉だ…! あ、あんなモノが落ちたら………地球なんて一瞬で消し飛んじまう…!!」

 

ベジータ「くそっ…!! 今のオレ達では押し返すどころか、受け止める事すら出来ん……!!」

 

トランクス「こ、このままじゃ皆んなが…地球が…!!」

 

 

 これほどまで今の自分達が無力と感じたのは、何時頃以来だろうか。ナメック星でフリーザと激闘を交わした時か、自爆したはずのセルがパワーアップして戻って来た時か、またはビルスと初めて戦った時か――どれだけ修行しても、到底覆せないような絶対的で圧倒的な力の差を目にして、最早どうやったって彼等には太刀打ち出来ない。

 

 しかし、だからといってこのままあの火球が落っこちる訳にはいかない。たとえ無駄だと分かっていても、無け無しのエネルギーを使って少しでも食い止めるしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 そう思い行動を起こそうとしたその時、よく見ると合体ザマスが放った「聖なる逆鱗」は徐々に減速を開始。ガレージとの距離が近づく度にどんどんゆっくりとなって、直線距離で約100mほどまで迫った所で巨大火球は上空で停止した。

 あの膨大なエネルギーを秘めた気弾を止められる存在は、今この世界で唯1人しかいない。

 

 

 

 

 

 

悟空(GT)「ふんぐ…ああ……があ…あ……あ……!!!!」

 

 

 太陽の如き火球に呑み込まれかけながらも、青白い稲妻が迸る黄金の気のオーラを噴き出し、全力で進行を阻止する紅き大猿の超戦士。手のひらが火傷しそうになっても、全身が焼かれそうになろうとも、悟空(GT)はその身で合体ザマスの気弾が落ちるのを防いでいた。

 

 

合体ザマス「チィッ…!! 醜い人間の分際で、まだ最強の我に楯突くか!! 不敬にも程があるぞ!!! 絶対の雷!!!」

 

 

 合体ザマスは追い打ちをするべく光輪から「絶対の雷」を発射し、自ら撃った火球に注ぎ込む。すると火球は紫電のスパークを纏って膨張、さらに威力を底上げして来た。

 

 

悟空(GT)「う、うわあああああああああああああっ!!!!」

 

 

 多少後退していきながらも、合体ザマスがより強化されて放った「聖なる逆鱗」を押し返そうと踏ん張る悟空(GT)。

 若干進行したものの、すぐに勢いを抑えて炎と雷の巨大気弾を空中で停止させた。

 

 

悟空(GT)「も……もうこの世界には……、ドラゴンボールが……無えんだ……! 誰も……誰も死なせる訳には…い…いかねぇ………! だから――!!」

 

 

 更に悟空(GT)は火事場の底力を発揮し、巨大火球を少しずつ、確実に押し返し始める。負けじと合体ザマスも引き続き光輪から「絶対の雷」と、両手を突き出して赤紫色の極太気功波を撃ち、紫電を伴った火球に注ぎ込んで押し切ろうとする。

 

 

悟空(GT)「ぐああっ!!!! ……ぐっ!!!オレが…! この…オレが……絶対に止めてやる…!!!」

 

 

 しかし、更に膨張した火球は一時的に押し進んで行くが、悟空(GT)もまた内なる力を爆発させた事で少し後退するだけですぐに止まり、どれだけエネルギーを注いでもびくともしなくなる。

 己の最高の大技を繰り出し、更にエネルギーを注いでパワーを限界以上に上げたにも関わらず止められる事に、合体ザマスは焦りの表情をした。

 

 

合体ザマス「何故だ……何故受け止められる…!? 同じ孫悟空の肉体を持つ我と、一体何が違うのだ…!!?」

 

 

 他人の為に命すら張れる――これこそ、肉体を奪ったブラックには絶対出来ない孫悟空の力。

 後に引けない極限の状況になるほど、限界を超えて限りなく力を発揮する――それが「孫悟空」なのだ。

 その事すら分からないのが、孫悟空とブラック(ザマス)の決定的な違いである。

 

 

悟空(GT)「キ、キサマ…なんかにぃ……希望を…、この世界の未来を……ブッ壊されてたまるかあぁーーー!!!!!」

 

 

 どれだけの強大な敵が襲って来ようが決して諦めずに立ち向かい、あらゆる絶望をひっくり返した奇跡の炎。その炎と共に悟空(GT)は巨大な火球の中に取り込まれるように呑み込まれていき、消えていった。

 

 

悟空(超)「別次元のオラ!!」

 

ベジータ「カカロット!!」

 

マイ「悟空さん!!」

 

ブルマ「孫君!!」

 

トランクス「悟空さあああぁぁぁぁーーーーん!!!!」

 

 

 とうとう力尽きたと――合体ザマスが勝利を確信し、他の皆んなは英雄の安否を心配して叫ぶ中、異変が起きた。突如として巨大火球はより激しい熱風を発生すると同時に、エネルギーが急速に低下していった。

 

 

合体ザマス「なっ!? 何が起きたと言うのだっ…!!?」

 

 

 それは撃った合体ザマス本人が混乱し、ガレージの皆んなも異変 に気付き始める。徐々にエネルギーが無くなっていくのと連鎖して、火球は徐々に形を保てなくなり、次第に炎の竜巻へと変化、更に熱と風の乱気流を発生させながら、炎の竜巻は中心に吸い寄せられるように規模が小さくなっていく。

 

 やがて炎は収まり風が弱まって竜巻が消えていくと、1つの影が浮かび上がる。其処には、バーナーの如く凄まじい勢いの黄金の気と赤い炎を纏い、歯茎が剥き出すほど食い縛った険しい形相をした超サイヤ人4の悟空(GT)だけが残った。

 

 

合体ザマス「孫悟空……! キサマ…まさか、我が神の火のパワーを吸収して、無力化したというのかっ…!!?」

 

 

 先ほど悟空(GT)が行ったのは、エネルギーを吸収して気弾系の攻撃を無力化する技術で、嘗て大猿ベビーの「リベンジデスボール・ファイナル」を受けて敗れそうになった時に、咄嗟に編み出して逆転勝利へと導いた手段でもある。

 とはいっても、超17号など人造人間のように常に発動できる便利なモノではなく、一歩間違えれば己の命を落としてしまいかねない危険なモノだ。

 しかし、上手く決まれば自身を一時的にパワーアップできるだけでなく、相手の気弾系の大技を封じる事ができるなど、まさにハイリスクハイリターンな技術なのだ。

 

 

合体ザマス「だ、だが……その様子からして、何度も出来るモノではない! 次の一撃で…浄化されよ!!」

 

悟空(GT)「……ザマス、オメェに…オレのとっておきの技(・・・・・・・)をおみまいしてやる!!」

 

 

 合体ザマスも二度目は続けて出来ないと判断して、すぐにエネルギーを充填させて再び強大な火球を撃とうとする。

 対して悟空(GT)は右片手にかめはめ波の光球を形成し、更にもう片方の左手にもかめはめ波のエネルギーを作り上げる。それを何時もの構えで合わせ、強大な力と力が反発し合った後、1つの気弾へと融合する。

 融合した気弾は青白い光から真紅の光に変化、その輝きに秘められた威力が10倍に跳ね上がった(・・・・・・・・・)。

 

 

合体ザマス「―――っ!!!」

 

悟空(GT)「くらえ……!! 10倍(べえ)ぇ…!!!」

 

 

 圧倒的過ぎるパワーが籠められた紅い光球に驚く合体ザマスを尻目に、悟空(GT)は己の究極必殺技を宣言して発射の準備を整える。あのエネルギーが解き放たれれば問答無用で全てを破壊し、あらゆる邪悪なる存在を穿つだろう。

 アレが撃たれる前に対処しようと――合体ザマスはエネルギーの充填を早めて、先ほどよりも強力な「聖なる逆鱗」を撃つべく気を集中する。

 

 

悟空(GT)「かぁ〜…!!! めぇ~…!!! はぁ〜…!!! めぇ~…!!!」

 

 

 悟空(GT)はお馴染みのかけ声を言いつつ、作り上げた光球のエネルギーを安定させていき、指の隙間から漏れる真っ赤な光はさらに輝きを増す。

 それを見て勝負を焦った合体ザマスは威力がまだ充分じゃないにも関わらず、悟空(GT)があの危険な技を撃つのを阻止するために、先に自身の火球を放った。

 

 

合体ザマス「地獄に落ちろぉぉっ!!!!」

 

 

 放った火球はまだ悟空(GT)を倒せるほど充分じゃないが、それでも最初に撃った時よりも威力が上昇しており、直撃すれば大ダメージは免れない。

 だがそれと同時に、完全に発射準備を整えた悟空(GT)は、己の生涯で編み出した最高の究極奥義の1つを、遂に解き放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悟空(GT)「波ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!!!!」

 

 

 両腕を突き出してたその瞬間、世界は真紅の光によって支配され、暗い空も瓦礫の大地も全て染め上げた。あの世とこの世を含めて、宇宙の何処に居ようと察知できるほどの莫大かつ強力な紅いエネルギーは一度、放射状に膨張して広がった後、それが束になって光線となる。

 その際合体ザマスが撃った巨大火球を、一切抵抗も無く一瞬で貫いて消滅し、一直線に合体ザマスを照射した。

 

 

合体ザマス「ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!?」

 

 

 紅い光に当てられた合体ザマスは光輪を破壊され、断末魔に近い悲鳴を上げながらその身を焦がされ、ボロボロになりながら光に呑まれていった。閃光は更に暗雲をぶち抜いて大気圏外を突破、その先にある隕石群や小惑星を次々と破壊していき、やがて宇宙の彼方へと消えていった。

 2つのかめはめ波を1つに合わせ、更には吸収した「聖なる逆鱗」のエネルギーをも上乗せして撃った、超サイヤ人4孫悟空(GT)の究極必殺技「10倍かめはめ波」が決まり、その強力な気功波を全身に浴びた合体ザマスは肉体の所々を欠損し、ゆっくりと身体が傾いていくと、力無く瓦礫の大地に落ちていった。

 

 

悟空(GT)「はぁっ、はぁっ、はぁっ…! すぅぅぅう……ふぅぅぅぅう…………!」

 

 

 悟空(GT)もまた同じく地上に降りて、身体がふらつきながらやや切らした息を丁寧に整える。凄まじい勢いの赤い炎が混ざった黄金の気のオーラも、通常の黄金のオーラに戻り、合体ザマスの火球から吸収したエネルギーも無くなる。

 流石に相手の気弾系攻撃を吸収するのは、かなり無茶だったようだ。合体ザマスの「聖なる逆鱗」のパワーは、大猿ベビーの「リベンジデスボール・ファイナル」よりも遥かに強力で、正直言って超サイヤ人4の肉体でも耐えられるかどうかは一か八かの賭けだった。

 もしかしたら、本当に命を落としていたかもしれない――今回は上手くいったとはいえ、やはりこれは何度も使うモノじゃないと悟空(GT)は改めて認識した。

 

 

 また、今の一撃でかなり手応えを感じたが、それでも合体ザマスは生きているだろう。相手のエネルギーを吸収し、それを自身の大技に上乗せして撃ったとはいえ、それで勝てるなら今まで苦労はしない筈だ。

 

 

 

 

 

 

 

合体ザマス「孫……悟空ぅぅ…………!! 孫!!! 悟空ぅぅぅぅぅっ!!!! ウオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!」

 

悟空(GT)「……やっぱり、まだ生きてはいるか……!」

 

 

 予想通り合体ザマスは今だ健在であり、彼の名を呼びながら吠え、白みがかった虹色の光の炎が立ち上る。眩い虹色の炎は天高く伸びて光の柱となり、中から合体ザマスと思われる人物が浮上してくる。

 

 しかし当の合体ザマス本人は、先程とはかけ離れた見るも無惨な姿へと変わり果てていた。何故なら、顔の右半分が溶けて爛れたような状態で、白目が黄色、瞳が真っ赤に染まった右眼を憤怒に見開いていたからだ。

 

 

悟空(GT)「な、何だあの姿は…!? オレの10倍かめはめ波が効いたみてぇだが、何であんな風になるんだ…!!?」

 

合体ザマス「よくも……よくも高潔な神の身体に傷を付けたな!!! キサマだけは、絶対に……絶対に許さんぞっ!!!!」

 

 

 これは先ほどの強化された悟空(GT)の「10倍かめはめ波」を直撃してしまい、大きく欠損した身体を何とかして再生しようとしたが、あまりにも大きすぎるダメージを受けた影響で再生にエラーが起きてしまったのだ。

 エラーが発生した原因のは勿論、不死身のザマスと、そうでないブラックが合体して完全な不死身でなくなったのが原因である。

 

 

合体ザマス「正義の光よ!!! 我を撃てええぇぇっ!!!! 悪を滅せぬ弱き神は……不要なりィィィィィっ!!!!」

 

 

 突如、合体ザマスは右手を天に掲げて大声を上げると、自ら紫の電撃を浴びる。浴びていくと合体ザマスの影がどんどん大きくなり、右腕がグニョグニョと人の腕とは思えない動きをすると、肩まで黒服の袖が破けた。

 電撃を振り払うと体格は約3m近くになり、細身ながらもややマッシブだった体型とは似ても似つかない極めて大柄で筋骨隆々な形態へ変貌。

 そして右半身――特に右腕は顔と同じく紫色に腐敗したかのようなドロドロに溶けた状態になると共に、自身の背丈に匹敵するくらいに肥大化。

 更に纏っていた白みがかった虹色の気のオーラは、禍々しい赤紫色の闇黒オーラへと変化を遂げて、それで身を包んだその姿はまさに「邪神」と言える姿だった。

 

 

合体ザマス「人間よ…滅ぶべし!! ザマスの名の元に!!!」

 

 

 半壊の合体ザマスは、憤怒に満ちた狂気の表情で叫びながら悟空(GT)を鋭く睨む。激昂して戦闘力がまた上がると、殺す事しか考えなくなった合体ザマスはその異形の右腕を振り下ろし、攻撃を仕掛ける。

 

 

 はたしてこの崩壊していく異形の邪神を、悟空(GT)はこのまま勝つ事が出来るのか――。

 

 

 

 

 

《TO BE CONTINUED》





●10倍かめはめ波

 超サイヤ人4の状態で撃つのが10倍かめはめ波――と思いますが、GT本編では変身した状態でも通常のかめはめ波と使い分けてるので、これは少し誤解です。
 私の中では、超サイヤ人4の撃つ「全力のかめはめ波(・・・・・・・・)」を2つ合わせて、更に10倍に跳ね上げた(・・・・・・・・)か、または大猿の10倍パワーを利用して強化したのが「10倍かめはめ波」だと思っていますが、どの解釈が正しいかはともかく威力が通常のかめはめ波の10倍なのは確かの筈……。
 そうなった場合、そんなヤバい必殺技を持っている超サイヤ人4に比べて、やっぱりブルー界王拳は「ブルー+(通常戦闘力×界王拳)」だとしょぼい気がしてきたので、後になって「ブルー×界王拳」と解釈した方が、お互いサイヤ人の最強形態としてバランスが保たれるのではないかと思いました。

 私は「ヒーローズのプロモアニメ」とかは関係なく、ゴッド・ブルー・身勝手の極意が出ても尚「超サイヤ人4のGT悟空」が最強だと思っているし、この先どんなに新しい形態が出てきたとしてもそれが変わる事が無いと思います。
 それぐらい私は超サイヤ人4は大好きな形態だし、何ならゼノバース2でもアバターが超サイヤ人4になれるDLCを早く配信してほしいと今でも願っています(多分無いだろうけど)
 でもそれはあくまで作者個人の欲望であり、幾ら負け続きでも超サイヤ人ブルーだって「ドラゴンボール超」という作品で、最後まで厳しい戦いを潜り抜けた強い形態なのは事実。
 それに私も、ゴッド・ブルー・身勝手の極意は別に嫌いじゃないし、自分の好きな4だけ贔屓するのは流石に良くないので、なるべく公平に考えて、これからも書いていこうと思っています(とか言いつつ、この小説では超サイヤ人4を優先的に活躍させる気ですが……)。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。