GT悟空が超の未来世界を救う話 【完結】   作:ゴジロット

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 彼は―――未来のトランクスは確かに時間を越えて、歴史を変えるという『罪』を犯したと思う。それが原因でゴクウブラックが誕生し未来のザマスと結託、意図せずとも己の世界を危機に晒してしまったのも、一周回って事実とも言えるかもしれない。

しかし、彼は裁かれる人間なのでしょうか?
違う……彼は報われるべき立場だ。

 彼は危険も罪も承知で過去に行き、心臓病の薬を悟空に渡した事をきっかけに、罪を犯した以上に多くの命と世界を救った。ビルスが悟空と出会えたのも、第6宇宙との武道大会が開けたのも――、
 今の悟空達の物語があるのも、全て未来から来たトランクスのおかげだ。

 だから彼の世界は…決して滅びる運命ではなく、幸福と平和が齎されるべきな筈だ。

 今こそ滅びの運命に終わりを告げ、限界まで頑張った彼に最大最高の贈り物を与えよう。これが……私という作者が小説開始当初から目指し、そして作った『新しい結末』です。






 ……最初に言っておきますが、前半の部分はほぼオマケ程度に思ってください。重要なのは後半の部分です。
 ……ただまぁ、その前半部分が結構長ったらしいし、今までの苦労を台無しにする展開なのですが、これに関しては仕方ないじゃあないですか。

 せっかく全王の力無しに、宇宙化したザマスを倒す方法を思い付いてしまったんですから、やらない訳にはいかないと思いまして……。



※2026年7月13日〜2026年9月19日に内容を一部修正しました。主に地の文の書き加えと、登場人物のセリフを少し変更しました。


【第24話】蘇る神龍の伝説… ドラゴンボールの奇跡! 《挿絵有》

 

 

エイジ796 ―未来世界―

 

 無数の人間達の生命が奪われ、夢と希望を失う日々が過ぎ去り、この世界を苦しめた悪魔の蛮行が、ようやく幕を下ろした。

 そして――悲しみと争いの無い、新しい未来が訪れる。

 夜が明け、昇ってきた太陽に眩しく照らされて、荒れ果てた都市跡の大地が輝く。

 

 

トランクス(未来)「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……お…終わった…! これで…全部……!!」

 

 

 息も絶え絶えで、張り詰めた緊張から解放された事による脱力感で倒れそうになるも、トランクス(未来)はしっかりと2本の脚で立ち、地球に絶望と暗闇が消え、陽光が射すその美しい瞬間が目に映る。何日も朝日を拝めない日々が続いたからか、朝日が昇る光景に心が震えるほどに感動し、同時にこの苦しい戦いにが本当に終わりを遂げたのだと実感した。

 

 

クロノア「…やったわね。 流石にあれだけのパワーを受けてしまえば、例え不死身と言えどもザマスは復活しない筈よ」

 

 

 合体ザマスが倒され、戦士達が勝利した瞬間を見届けた時の界王神クロノアは、トランクス(未来)にもう大丈夫だと伝える。超一星龍の願いを無力化する力に、アルティメットブルーの孫悟飯(未来)・ブルー進化界王拳のベジットとゴジータ(超)・そして超フルパワーサイヤ人4ゴジータ(GT)の一斉攻撃も加えて、最後に元気を吸収したトランクス(未来)の渾身の「ヒートドームアタック」を一気に浴びたのだ。

 これで倒れないなんて、時の神である彼女からしても有り得ないと判断した。

 

 

トランクス(未来)「時の界王神様……はい、ありがとうございます。 貴方の協力がなければ、この世界は……」

 

クロノア「…いいえ、私自身はそんなに大した事はしていないわ。 あのザマスは……貴方や別次元の悟空さん、そしてその他大勢の力がなければ、到底敵わなかったレベルの強敵よ。 そんなヤバいヤツを倒したんだから、もっと誇りに持ちなさい」

 

 

 最初こそ歴史が変わってしまうのには反対していたクロノアも、異論を挟む余地のないこの大勝利には素直に喜ばしく思い、それを成し遂げた彼を称賛する。

 

 そして2人が会話を交わしていると、この世界の夜明けを見届け、大気圏ギリギリの高度から降りてきた、4人と1体の戦士達。孫悟飯(未来)、ベジット、ゴジータ(超)、超一星龍、そしてゴジータ(GT)達だ。

 悟飯(未来)は超サイヤ人ブルーの変身と、潜在能力の解放を解除し、変身していない素の黒髪の姿へと戻る。険しい表情も、父親譲りの穏やかなものへとなった。

 

 

悟飯(未来)「……終わったな、トランクス。 これで世界は滅びずに済んで、昔の頃のような……穏やかで平和な日々が戻ってくるんだな……」

 

トランクス(未来)「…はい、悟飯さん。 悟飯さんも、ありがとうございます! もう一度会えただけでも奇跡なのに、悟飯さん達が助けに来てくれた時、言葉に言い表せないくらいに嬉して――!」

 

悟飯(未来)「ハハハッ、それはオレも同じさ。 力だけでなく、心まで強くなったキミを見れたのが、本当に嬉しかったよ。 やっぱりキミは、オレの自慢の弟子だ!」

 

トランクス(未来)「――!! はいっ……!!」

 

 

 弟子の成長に、悟飯(未来)は心の底から嬉しく思う。自分が死んだあの日、勝手に全てを託した事に申し訳ないと感じていたが、今はあの時の判断は間違いではなかったと確信出来る。

 やはりトランクス(未来)こそが、この世界の最後の希望になったと――そしてこんなにも素晴らしい弟子を持てた事を、悟飯(未来)は誇らく思った。

 

 またこの時、トランクス(未来)と悟飯(未来)が話してる中、合体戦士のベジットとゴジータ(超)、そしてゴジータ(GT)にも変化が起きる。

 

 

ベジット「ん?」

 

ゴジータ(超)「お?」

 

ゴジータ(GT)「……時間切れか」

 

 

 3人の身体が、まるで電波の悪いテレビ画面の如く波打つノイズが発生し、それがどんどん激しくなっていく。

 すると――、

 

 

悟空(未来)「うわっ!!」

 

ベジータ(超)「うっ!?」

 

 

 全身が光って、中心から弾かれるように合体戦士の身体が離れると、合体前の6人に戻る。

 ベジットが分かれると、1人は何時もの紺色のインナーシャツと、上下ともに山吹色の道着を着用し、同様に紺色のリストバンドとブーツをつけた「孫悟空(未来)」に。もう1人は全身に青のフィットスーツと、その上から腰の両側に垂れる草摺と一体になった戦闘ジャケットを着込み、黒色の手甲や脛当てが装備されていた白い手袋とブーツを身に着けた「ベジータ(超)」に分離。

 

 

悟空(超)「っと!」

 

ベジータ(未来)「うおっ!?」

 

 

 ゴジータ(超)が分かれると、1人は中に二の腕部分までフィットする半袖の青いインナーシャツを着用し、その上から山吹色の道着を羽織って、腰には中央に結び目の付いた太いタイプ青い帯を巻き、手首には黒色の腕当てを装着し、靴は同じ黒のマジックテープタイプのブーツを履いた「孫悟空(超)」。もう1人は何時もの全身に青いフィットスーツと白い手袋とブーツを纏い、白と黄色のプロテクターを装着した「ベジータ(未来)」になる。

 

 

悟空(GT)「よっと!」

 

ベジータ(GT)「くっ…!」

 

 

 そしてゴジータ(GT)が分かれると、1人は手首には青緑のリストバンド、黄土色のズボンを履き腰と裾に青い帯と布で締め黒い靴を履いた、超サイヤ人4の「孫悟空(GT)」。もう1人は藍鉄色の革ジーンズを履き、葵色のグローブとブーツをした、超サイヤ人4の「ベジータ(GT)」へと戻る。

 

 

ベジータ(超)「……フンッ! ようやく合体が解けたか」

 

ベジータ(未来)「もう二度としないぞ。 あんな変なポーズをする合体は特にな…!」

 

悟空(超)「そうか? オラはすんげぇ楽しかったぞ!」

 

悟空(未来)「ああ。 本当に苦しい戦いだったけんど、それぞれ別々の方法で合体したオラ達と共闘出来るなんて、すんげぇ体験だからな!」

 

悟空(超)「だよな!! せっかくだからもう一度合体して、どっちの合体が強えんか勝負もしてみねぇか?」

 

悟空(未来)「おっ! それも面白そうだな!!」

 

ベジータ(超)「ふざけるな!! カカロット!!!」

 

ベジータ(未来)「合体しないと言っただうが!!!」

 

 

 ようやく合体から解放されて、清々した過去と未来のベジータとは裏腹に、過去と未来の孫悟空は思う存分に戦って楽しかったからか、ベジットとゴジータ(超)の何方が強いか決めようとまた合体する気満々だった。無論ベジータ達はそれに反論、緊急時なら例外としても、もう合体したくないと2人の悟空達に噛み付いて、口喧嘩が勃発した。

 その光景を、年長組の2人は何処か懐かしむような目で若い自分達を眺める。

 

 

ベジータ(GT)「……全く、あっちの方は、まだまだ若いヤツ等だ。 騒がしい……」

 

悟空(GT)「まぁな……けど、あっちのオレ達はまだ若い分、更に強くなる伸び代を持っている。 きっとそう遠くない内に、オレ達を超えるかもしれねぇな」

 

ベジータ(GT)「ほう…? キサマがそこまでヤツ等を買うとはな」

 

悟空(GT)「当たり前だろ? 何せアイツ等もまた……『オレ達』なんだからな……!」

 

ベジータ(GT)「オレ達…か……フンッ! だとしてもオレは決して負けんぞ。 例え自分自身だろうと、カカロットだろうとな…!」

 

悟空(GT)「……ヘヘッ、それは…オレもだ……!」

 

 

 過去と未来――それぞれの自分達を見て悟空(GT)は、彼等は更に上に行けると予想した。そう思うと、まだまだ若者には負けていられないと、悟空(GT)とベジータ(GT)は対抗心を燃やすのだった。

 

 

悟空(GT)「――あっ! そういえばベジータ、あの事を過去の自分に言わなくていいんか?」

 

 

 ……と思ったら、悟空(GT)は不意にある事を思い出して、その事を過去の方のベジータ(超)に伝えなくて良いのかと、自身の隣にいるベジータ(GT)に話した。

 

 

ベジータ(GT)「……? なんの事だ?」

 

悟空(GT)「何ってオメェ……前にブラに『髭が似合ってない』って言われて、ちょっと嫌われたんだろ? こっちじゃまだブラが生まれてねぇらしいから、今のうちに過去のオメェに伝えた方が良いんじゃねぇか?」

 

ベジータ(GT)「なっ…!? カカロット! キサマ何処でそれを知ったんだ!!」

 

悟空(GT)「何処って確か……ベビーを倒して地球を元通りにした後、皆んな集まってパーティー開いた時、チチとブルマが言ってたのを聞いたんだ」

 

ベジータ(GT)「あの時か……くそっ! アイツ等め……ブッ殺してやる〜…!!」

 

 

 まさか自分の黒歴史をライバルに知られていたとは思っておらず、パーティーでも構わず言っていた己の次元世界に住む妻に怒りが湧く。勿論本気で殺したいなどとは考えていないし、仮にベジータ(GT)から文句を言ったとしても、今となっては最愛の妻と、その妻に似てきた娘に頭が上がり難い彼では無理な話なのに変わらないが――。

 

 ともあれ、あれだけの熱戦・烈戦・超激戦を遂に乗り越えたという事もあって、この場にいる一同は和やかなムードに包まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここで本当に戦いが終われば、これ以上にない最高の幕引きで終われただろう。

 しかし残酷な事に、どれだけ確定した勝利の要素を積み重ねたとしても、最初から定められた運命(・・・・・・・・・・・)からは完全に逃れられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超一星龍「――ん?」

 

 

 それに最初に気付いたのは、超一星龍だった。悟空(GT)達に混ざって能天気に勝利を喜ぶなど性に合わないので、連中の輪に入らずに少し離れた所で腕を組んでいたが、空に異様な雰囲気が漂ってきたのを感じた。

 まさかと思って空を見上げると、其処には朝明けの暗い青が地平線から昇るオレンジの輝きに照らされる光景しか映らない。

 

 だがその直後、突如として禍々しい赤黒い光と稲妻が、朝明けの空に広がった。

 

 

超一星「何っ――!? おいキサマ等!! まだ終わっていないぞ!!!」

 

 

 超一星龍の言葉にクロノアとサイヤ人達は一斉に振り返り、すぐさま上空を見上げた。見ればせっかくの美しい朝明けの空は、稲妻が迸る赤黒い光によって塗り替えられてしまい、それが異常事態である事を物語っている。

 すると今度は、まるでペンキをぶち撒けたかのように空が緑がかったドス黒い闇に染まりだし、邪悪な気配が地球を覆い尽くし始める。

 

 

クロノア「これって……!!」

 

悟空(GT)「まさか…!!」

 

 

 クロノアはこの光景に見覚えがあり、悟空(GT)も彼女から見せてもらった「終わりと始まりの書」で記憶に新しい。それはこの世界を含め、同じ戦いが記録された他の世界の歴史において、どれだけ大逆転勝利を掴んだとしても、最終的に辿り着く滅びの結末。

 やがて空一面を覆う濁った緑色の闇から、怨念と狂気に満ちた合体前の通常のザマスの顔が無数に浮かび上がり、狂った声で計画を破綻させた英雄の名を叫ぶ。

 

 

 

 

 

― ソンゴクウゥゥ…!! ソンッ!!! ゴクウゥゥゥーーーッ!!!! ―

 

 

 

 

 

 絶対的な絶望の概念―――「無限ザマス」

 

 ここに来てザマスは、最後の最後に最も悪質な悪足掻きをしだした。あの時一斉攻撃によって、肉体も魂も全て消滅し無に帰したと思われていた。

 だが不死身の力が魂までにも影響を及ぼしていたのか、肉体は失っても魂までは完全消滅する事なく、人間を滅ぼすという強い怨念が超一星龍の「叶えた願いを無効化する力」すらも跳ね除けて、ザマスは己の魂を宇宙中に浸食させてきた。

 最早神の形さえも捨てて、宇宙や世界そのものと一体化したザマスは「宇宙化ザマス」や「概念ザマス」とも言われており、本来の歴史と同様に正義と秩序そのものに成り代わって悟空(GT)達に最後の抵抗をしようとしていた。

 

 

ベジータ(GT)「な、なんだアレは…!?」

 

トランクス(未来)「アレは…ザマス…!?」

 

クロノア「嘘でしょ…!? ここまでやっても、結局最後はこの結末に辿り着くって言うの…!!?」

 

超一星龍「くっ…!!」

 

悟空(超)「アレが…全ちゃん以外で倒せねぇっていう、宇宙と一つになったザマスなのか…!?」

 

ベジータ(未来)「これだけ力を尽くしても、まだ倒せんとは……!!」

 

ベジータ(超)「くそっ!! なんてしぶといヤロウだ…!!」

 

悟空(未来)「やべぇぞ……このままじゃあ――!!」

 

悟飯(未来)「この宇宙がザマスに侵食されて、飲み込まれてしまう――!!」

 

悟空(GT)「そんな事……絶対にさせねぇ!!」

 

 

 あれだけ悟空(GT)達の攻撃を食らって倒しても尚倒れず、挙げ句の果てに本来の歴史と同じく宇宙と同化してきたザマス。滅びの結末と同じ末路を辿り始めた事に、悟空(GT)を始めとした希望の戦士達は再び臨戦態勢に入った。

 先ず3人の悟空達はそれぞれオーラを纏い気を高め、最強形態の超フルパワーサイヤ人4・身勝手の極意“極”・超サイヤ人3へと変身を遂げる。悟空(超)も3回目の身勝手の極意に変身という事もあって、まだ完全に慣れていなくとも、必殺技を撃つのみの短時間なら銀髪の“極”にもある程度扱えるようになっている。

 悟空達は別々の最強の姿に変身すると、3人とも同じ必殺技の構えをする。

 

 

悟空(GT)「10(べえ)ぇ…!!!

 

悟空(超)「かぁ~…! めぇ~…!

 

悟空(未来)「はぁ〜…!! めぇ~…!!

 

「「「波ああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!」」」

 

 

 超フルパワーサイヤ人4孫悟空(GT)の「10倍かめはめ波」と、身勝手の極意“極”孫悟空(超)の「究極極意のかめはめ波」に、超サイヤ人3孫悟空(未来)の「超絶かめはめ波」が同時に放たれ、撃ち出された気功波が上空に向かっていく。

 全力の「3大かめはめ波」は世界を汚染する無限ザマスの顔面に複数纏めて命中し、着弾すると巨大なエネルギー大爆発を起こした。

 

 ところが――、

 

 

 

― アハハハハッ!!! ソンゴクウゥゥ…!! ソンッ!!!ゴクウゥゥゥーーーッ!!!! ―

 

 

 空に広がる無限ザマスは一切ダメージを受けず、全く効かなかった事を狂気の笑みで高らかに悟空達を嘲笑う。肉体を失った事で広がった魂は、たとえ攻撃によって一部分が消し飛んだとしても、残った周りから塞がってしまうので無意味になってしまうのだ。

 

 

ベジータ(未来)「ずああああああっ!!!!」

 

ベジータ(超)「かああああああっ!!!!」

 

ベジータ(GT)「はああああああっ!!!!」

 

 

 悟空達に続いて3人のベジータ達もまた全力で力を出し、超フルパワーサイヤ人4・超サイヤ人ブルー進化・超サイヤ人2に変身すると、それぞれ別の必殺技の構えを取る。

 ベジータ(未来)は大の字に広げた後に手首を合わせた両手を前に突き出し、ベジータ(超)は手を腰の両サイドまで引いて、ベジータ(GT)は右手のみを後ろに持っていき、全員そこにエネルギーを一点集中させる。

 

 

ベジータ(未来)「ファイナルゥゥ……フラァァァッシュッ!!!!!

 

ベジータ(超)「ガンマバーストォォ……フラァァァァッシュッ!!!!!

 

ベジータ(GT)「ファイナルシャイン……アタァァァックッ!!!!!

 

 

 ベジータ(未来)の大技「ファイナルフラッシュ」と、ベジータ(超)の新必殺技「ガンマバーストフラッシュ」に、ベジータ(GT)の究極奥義「ファイナルシャインアタック」と、こちらも3大究極必殺技が一斉に発射された。

 3つの特大光線は一直線に飛んで、無限ザマスに直撃。遠距離からエネルギー波を撃つ戦法が得意なベジータ達の、最大の攻撃が決まったかに思われた。

 

 だが――、

 

 

 

 

― ハハハハッ!!! アハハッ、アハハハハハッ、アーッハハハハハハッ!!!!! ―

 

 

 

ベジータ(超)「くそっ……! これもダメか……!!」

 

ベジータ(未来)「チッ……!」

 

ベジータ(GT)「ザマスのヤロウ……嘲笑っていやがる!」

 

 

 誇り高きサイヤの王子達の攻撃も全く通用せず、悔しがるベジータ達を見て暗黒の闇に浮かぶ無数のザマスの顔は、不気味な表情で高らかに笑った。

 

 

 

トランクス(未来)「悟飯さん! オレ達も父さん達や悟空さん達に続いて、行きましょう!!」

 

悟飯(未来)「ああ!! 行くぞ、トランクス!!!」

 

 

 3人のベジータ達の攻撃の後に、トランクス(未来)と悟飯(未来)の師弟コンビもオーラを纏って変身。悟飯(未来)は超サイヤ人ブルーと潜在能力を同時に解放し、トランクス(未来)は元気を過剰吸収した青い希望の形態へとなる。

 元気を吸収したトランクス(未来)の姿は一度きりの変身と思われていたが、吸収した元気の中には過去の時代のトランクス(現代)や、別次元のトランクス(GT)に、コントン都にいるトランクス(ゼノ)の気も入っており、同じ人間の気を含んだ元気を吸収した影響で完全に融合し、己の意志で自由自在に変身出来るようになっていた。

 トランクス(未来)は両手を、悟飯(未来)は右手のみを額の前に翳して、ありったけ貯めたエネルギーを全てそこへ集中させる。

 

 

超一星龍「おのれ死に損ないがぁ――!!」

 

 

 超一星龍も、死に損ないのザマスを再び葬るべく7つのドラゴンボールを金色に光らせ、そこから出た光線の間に巨大な光球を作り上げる。

 更に膨大なプラスエネルギーを注ぎながら凝縮し、光球を両手で抱えられるほどの大きさにして撃ち出す準備を完了させた。

 

 

クロノア「こうなったら私も、一か八かよ!!」

 

 

 無駄だと思いつつクロノアも加勢して、両手それぞれに紫色と金色の光弾を作り出し、自身の前で合わせて1つの強力なエネルギー弾を完成させる。

 彼等が発射準備を完了させると、皆んな揃って必殺技を無限ザマスに向けて撃ち出す。

 

 

「「魔閃光おおおぉぉぉーーー!!!!!」」

 

超一星龍「死ねええええっ!!!!!

 

クロノア「これでも…喰らいなさい!!!!!

 

 

 トランクス(未来)と悟飯(未来)が頭上に上げた手を前に出し、同時に放つ「師弟魔閃光」と、超一星龍の「プラスエネルギーパワーボール」に加えて、クロノアが撃ち出す大技の光弾「ギャラクシータイムインパクト」が放たれた。

 強大な力を秘めた合体気功波と2つのエネルギー弾は、過去・未来・別次元の悟空とベジータ達が撃った気功波と同じく、邪悪な笑みを浮かべて嘲笑う無限ザマスに命中し、大爆発を起こす。

 

 しかし、これらの攻撃もまた――、

 

 

 

 

― アッーハッハッハッハッ!!! アーッハッハッハッハッハッハッ!!!!! ―

 

 

 本来の歴史においても誰も勝てない相手である故に、どんな攻撃をしても、どんなにエネルギーを使おうとも、無限ザマスは変わらず効果なし。元の歴史とは違って戦士達の体力がまだ残っていようと、実体の無い現象や概念と化したザマス相手には如何なる攻撃も通用せず、最早倒すことは事実上不可能だった。

 

 

超一星龍「くっ……!!」

 

クロノア「やっぱりダメ……全く通じてない……!!」

 

悟飯(未来)「そ、そんな……!!」

 

トランクス(未来)「どうすれば……!!」

 

 

 あらゆる攻撃が通じず全く意味を成さない以上、完全に打つ手無しになってしまった悟空(GT)達。それに引き換え無限ザマスは一方的に悟空(GT)達側に干渉できるという理不尽極まりない力を持っており、無駄な抵抗を続ける戦士達に狙いを定める。

 

 

― キサマだけは……キサマだけは……!! 絶対に許さんぞ……!! ソンッ!!!! ゴクウゥゥゥーーーッ!!!!! ―

 

 

 悟空(GT)の名を叫びながら、空一面に広がる無数のザマスの口から、赤黒い強力なエネルギー光線が発射された。その赤黒い光線は、地球を水も緑も何もかも一切存在しない死の星へと変えるほどのパワーを秘めており、このままでは危ないと即座に別次元の戦士達が行動に移る。

 

 

「「「はあああああっ!!!!!」」」

 

 

 悟空(GT)、ベジータ(GT)、そして超一星龍が協力して寸前にドーム状のバリアを展開、他の皆んなを守る為に全力で無限ザマスの光線を防いだ。

 そこから畳み掛けるように激しい気功波の嵐が来るが、別次元の戦士達のバリアはそう簡単に破れる事は無い。

 決死の防御でどうにか堪える事に成功し、トランクス(未来)達を守り抜く事は出来た。

 

 しかし、攻防の駆け引きという戦闘の根幹すら成立させないこの状況では、最早戦士達に出来る事は無かった。

 

 

 

クロノア「もうダメ! このままじゃザマスは他の世界にまで侵食して、この次元の他の並行世界も連鎖的に滅亡してしまう…! そうなる前に、皆んな早くこの世界からとにかく脱出するわよ!! そしたら私がこの世界の歴史そのものを閉鎖して、完全に隔離させる!!」

 

悟空(未来)「閉鎖するって言ったって……その後ザマスはどうするんだ!?」

 

クロノア「……こうなってしまった以上、もう全王様に頼るしかないわ…! 全王様の『消滅の力』なら、あのザマスを消す事が出来るから……」

 

悟空(超)「ぜ、全ちゃんに頼むって……でも時の界王神様、そうしちまったら――!!」

 

クロノア「分かってる…!! でも、それしかもう方法が無いのよ……。」

 

 

 宇宙と一体化し、ザマスを倒す術が無くなった以上、クロノアは最後の手段として全王の力を頼る事にする。全王ならたとえ何者が相手だろうと負ける事なんて無いし、どんな存在だとしても全王の「消滅の力」の前では無限ザマスも、跡形もなく消滅させられる。

 ――だがそれは、本来の歴史と同様にこの世界ごと消す事に変わず、ここにいる者達は皆そのような結末を回避する為に奮闘してきた為、当然ながらすぐにそれを受け入れる事は出来なかった。

 一応、事前にきちんと説明すれば流石に全王も、無限ザマスのみを取り除いて消滅させてくれる可能性もあるかもしれないが、無邪気な子供の心の神がそう都合良くしてくれるとは限らない。

 しかし、それしか方法が無いのも現状であり、他の世界にザマスによる汚染の侵食を食い止める為にも、この未来の世界を犠牲にしてでも全王の手で消してもらうしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悟空(GT)「……待ってくれ、クロノア様。 全王様の力に頼る必要はねぇ……オレに、1つだけ良い考えがあるんだ」

 

 

 だが、まだ諦めない強い意志を持ち、クロノアが提示した手段に待ったを掛けたのは、他でもなく別次元の英雄――孫悟空(GT)だった。なんと彼は、最強の存在である全王の力に頼る以外にも、1つだけ解決策があると言い放った。

 その言葉に全員が驚き、一同は一斉に悟空(GT)の方へと振り向く。

 

 

トランクス(未来)「悟空さん……?」

 

クロノア「良い考えって……他に何があるって言うのよ!! 全王様の力無しに、どうやって宇宙と同化したザマスを止められるの!!?」

 

悟空(GT)「……確かに今のままじゃあ、多分無理かもしれねぇ……けど、此処に居る皆んなの力を合わせれば……いける筈だ!!」

 

 

 こんな絶望しかない状況で、クロノアは若干声を荒げながら悟空(GT)に問う。流石に今のままではどうする事も出来ないようだが、それでもこの場にいる戦士達の力が合わせれば打開出来ると宣言。

 そして――悟空(GT)は振り返って、どんな方法なのかを知りたがる過去・未来・別次元の戦士達に協力を仰いだ。

 

 

悟空(GT)「皆んな!! 残っている全てのサイヤパワーを、全部オレに分けてくれ!!!

 

悟空(超)「いいっ!?」

 

悟空(未来)「オラ達の力を……全部か!?」

 

悟空(GT)「ああ。 宇宙と一体化したザマスを倒すには、皆んなの力が必要なんだ! だから……ヤツを倒せるだけのサイヤパワーを、全部オレにくれ!!」

 

 

 悟空(GT)が先ず最初に言い出したのは、ここにいる全てのサイヤ戦士のサイヤパワーを、全て自分に譲ってほしい事だった。どうやら彼の考えた案は、かなりの膨大なエネルギーを必要とするらしく、自分1人だけでは賄えない為に皆んなの力が必要だった。

 それもただエネルギーを悟空(GT)に送るのではなく、超サイヤ人4の利点でもある「サイヤパワーを限界以上に集めると、戦闘力が大幅にアップする」という特性を利用した上でだ。

 幸い此処には以前やった悟飯(GT)達とは違い、実力の高い自分達や、神の力を持つ強力な超サイヤ人もいるので、彼等の力が合わされば超フルパワーすらも超える事が出来るだろう。

 そう考えて、悟空(GT)は皆んなのサイヤパワーを分けてほしいと伝えた。

 

 

悟空(超)「そうゆう事なら、協力しなきゃだな!!」

 

悟空(未来)「……なんだかよく分かんねぇけど、今のザマスを倒すのにオラ達の力が必要なら、遠慮なく使ってくれ!」

 

悟飯(未来)「…分かりました。 別次元の父さん、オレの力も是非使ってください!」

 

トランクス(未来)「悟空さん、オレは貴方を信じます! 何度もブラックとザマスを追い詰めて、オレ達に希望を照らしてくれた貴方なら――!!」

 

 

 何度も世界を救った英雄の要求に対して、過去と未来の悟空二人は即決でOKし、悟飯(未来)とトランクス(未来)も、彼なら何とかしてくれるだろうと不思議な安心感から、自ら進んで協力を申し出る。

 体力的にこれ以上銀髪を維持出来ない悟空(超)は身勝手の極意を解除し、今度は煌めく青白い光に包まれて超サイヤ人ブルー進化へと変身。悟空(未来)はそのまま超サイヤ人3を維持し、青白いスパークが迸る黄金の激しいオーラを纏う。

 悟飯(未来)はブルーの力と潜在能力を可能性な限り全て引き出し、最大限まで気を高める。

 トランクス(未来)は超サイヤ人怒りを経由し、そこから時空を越えて結集した希望の力を纏い青く輝く。

 全力を解放した4人は悟空(GT)の周りに立ち、ありったけのサイヤパワーを送って全てを託す。

 

 

 

ベジータ(超)「ふざけるな!! 何故オレがそんな事をしなければならん!!!」

 

ベジータ(未来)「オレは……オレはサイヤ人の王子なんだぞ!! 誰がカカロットなんかに力を渡せるか!!」

 

 

 だが、それに対して過去と未来のベジータ達2人は、サイヤ人の王子として、下級戦士のカカロットに力を譲渡する真似なんぞ出来ないと、断固拒否。今に始まった事では無いが、いつもの自尊心やエリート意識が強いその性格が原因で他人の指図を受けるのを極端に嫌い、悟空(GT)の要求に素直に応じてくれない。

 

 

ベジータ(GT)「……チッ!」

 

 

 このままでは埒が明かないと、同じ自分でありながら見兼ねたベジータ(GT)がもう2人の自分を黙らせる為に、過去の方には裏拳で顔面を、未来の方には腹に一発入れた。

 

 

ベジータ(超)「ぐああっ!!!?」

 

ベジータ(未来)「ぐおっ!!!?」

 

ベジータ(GT)「カカロット。 キサマの考えた案に、確かな勝算はあるのか…?」

 

 

 手加減したとはいえ、鈍い音が鳴るほどの重たい一撃を受けて激痛にのたうち回る2人を尻目に、ベジータ(GT)は悟空(GT)に問う。自分が相手だろうと容赦ないライバルに若干苦笑いする悟空(GT)は、ベジータ(GT)の問いに答える。

 

 

悟空(GT)「ハ、ハハハ………正直言うとよぉ、絶対に通じるかはオレにも分からねぇ……けど、上手くいく可能性は確かにあるんだ。 多分一星龍なら、オレがやろうとしている事は何となく分かる筈だぜ?」

 

超一星龍「……っ! 孫悟空、まさかキサマ――!!」

 

 

 確証は無いが可能性は充分にあると、やや曖昧ではっきりしない返事ではあるが一応は勝算があるらしい。超一星龍は悟空(GT)がやろうとしている事に気付いたらしく、本気で実行するのかと言おうとしたが、彼の目を見てそれが冗談ではないという事を物語っていた。

 

 

ベジータ(GT)「……どうやら、全く確証が無い訳ではないらしいな。 良いだろう……乗ってやる!」

 

 

 何方にせよ何もしないよりかは行動を起こした方がマシなので、ベジータ(GT)自身もライバルにエネルギーを渡すのは癪だが、ここはカカロット(孫悟空(GT))に賭けてみる事にする。

 身体の表面に陽炎のように揺らめく赤熱の光を纏い、黄金のオーラに赤色が混じって、ベジータ(GT)は超フルパワーサイヤ人4に変身を果たすと、もう2人の自分達に目を向け怒鳴る。

 

 

ベジータ(GT)「キサマ等もさっさとやれ!! もう一発食らいたくなかったらな!!」

 

ベジータ(超)「……チッ!」

 

ベジータ(未来)「くそっ…!」

 

 

 別次元の自分に強制されられた過去と未来のベジータ2人は、不機嫌ながらも仕方なく立ち上がり、超サイヤ人ブルー進化と超サイヤ人2へと変身してそれぞれ特有のオーラを纏い出す。

 

 こうして全てのサイヤ戦士はそれぞれ最高の超サイヤ人形態に変身すると、悟空(GT)の周りを囲うように立って中心の英雄に全ての力を注ぐ。ザマスを完全に倒し、世界消滅の結末を変える為に、戦士達はもう一度悟空(GT)に全てを託す。

 次第に周りに立つ色彩豊かな各超サイヤ人の気と、悟空(GT)の超フルパワーサイヤ人4の気が共鳴し出し、の光を放つエネルギーオーラの竜巻が発生して天高く光の柱を作り上げた。

 

 

悟空(GT)「うおおおおおおおおおおおお!!!!!

 

 

 3色に輝く竜巻のオーラは更に回転を上げて、スパークはよりバチバチと激しく発生し、エネルギーが咆哮を上げる悟空(GT)へ吸収されるように送られていく。やがて皆んなの強力なサイヤパワーをありったけ取り込むと、高濃度の気はより濃くなり、赤混じりの黄金の気はどんどん完全に紅色へと染まって、凄まじい勢いで戦闘力が上昇する。

 超フルパワーはさらなる限界の壁をぶち破って、悟空(GT)を新たな境地へを導いていく。

 

 

悟空(GT)「はああああああああああああ!!!!!!

 

 

 そして――雄叫びと共に気は更に極限を突破、今までの限界の殻を破って未知なる領域に突入すると、竜巻のオーラが弾けて辺り一帯を紅蓮に染める光の大爆発を起こす。猛烈な高熱が悟空(GT)を中心に放射状に広がり、あまりの熱さに周りの戦士達は英雄から離れる。

 すると、爆発が収まって改めて彼を見ると其処には、全身に高熱且つ燃えるような紅蓮の光を纏う超サイヤ人4が居た。

 

 

悟空(GT)「これが……超サイヤ人4を超えた超フルパワーサイヤ人4の、さらに上の力……!!」

 

クロノア「超フルパワーすらも超えて、更に『限界突破』してしまうなんて……!!」

 

悟空(超)「すっげぇ……!! オメェは一体……何処まで強くなるんだ……!?」

 

 

 エネルギーを使い切り変身が解除された戦士達全員は、その紅き高熱の輝きを纏う悟空(GT)に注目がいく。

 世界を救うべくして結集した神を超える戦士達が英雄に全ての力を託した時、野生の本能に神の力が融合して限界を超えた超サイヤ人の最高峰。

 

全てを超越した紅蓮の限界突破
「超フルパワーサイヤ人4・限界突破」

 

 超サイヤ人ブルーや超サイヤ人ゴッド等、強力な神の気を吸収する事で目覚めた超サイヤ人4の強化形態にして、超フルパワーサイヤ人4の遥か先の領域に到達した姿。外見そのものは超サイヤ人4と変わらないが、頭髪や体毛の色が赤みを帯びており、オーラは紅蓮の炎の様に紅くゆらめき立って紅い稲妻が迸っているのが特徴。

 神の力も取り込んで限界突破した超フルパワーサイヤ人4なだけあって、従来のパワーアップとは比べ物にならない程の驚異的な戦闘力の飛躍が見受けられおり、悟空(GT)の実力の高さと相まって超一星龍すらも遥かに凌ぐ圧倒的な力を宿している。

 まさしく超サイヤ人の最高峰レベルの形態で、身勝手の極意が「技」や「武道家」としての極致ならば、この超フルパワーサイヤ人4・限界突破は「力」や「サイヤ人」としての極致を体現していた。

 

 しかし、悟空(GT)の進化はこれだけで終わらない。パワーアップした紅蓮に燃える悟空(GT)の目の前に、超一星龍が降り立つ。

 威圧感の強い約3mの巨体を持った白き龍は、英雄が何をやろうとしているのかを理解している。

 

 

超一星龍「……うおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

 

 超一星龍はその事にあえて何も言わず、胸部に埋め込まれている7つの願い玉を光らせる。それに伴い自身も眩い金色の光を纏うと、光に包まれた超一星龍は肉体を手放し徐々に七つ球体に吸い込まれていくと、元のドラゴンボールへと戻った。

 7つのドラゴンボールは宙に浮いて、灼熱の紅いオーラを放つ悟空(GT)の周りを飛ぶ。すると、六星球、一星球、二星球、五星球、三星球、七星球という順番で、腕や脚、額や肩にスッと溶け込むよう身体の中へと入っていき、悟空(GT)と同化していく。

 そして、最後に残った四星球も胸部から身体の中へと入り、全てのドラゴンボールと完全に一体化すると、紅いオーラを纏う悟空(GT)の身体が白い光の膜に包まれ、彼の身に奇跡を起こす超常的な力が宿る。

 

 

悟空(未来)「別次元のオラが……ドラゴンボールと1つになった……!!」

 

トランクス(未来)「これは…一体……!」

 

ベジータ(GT)「…………」

 

 

 戦士一同は悟空(GT)がドラゴンボールと同化した事に驚いている中で、ベジータ(GT)はライバルの紅いオーラの内側に発生した白い謎の光に見覚えがある。アレは嘗て超ウルトラ元気玉を作り上げている時にも発生し、超一星龍の攻撃を全く通さなかった「全ての攻撃を無力化する光」だった。

 あの光を纏った悟空(GT)は如何なる攻撃が通用せず、元気を集めてる間に超一星龍の気功波を浴び続けても全くダメージを受けなかった事から、今の彼はまさしく無敵の状態である。

 

 

悟空(超)「……けんどよぉ、そんでもってその状態で……どうやってザマスを倒すんだ?」

 

ベジータ(未来)「このオレの力をくれてやったんだ。 無駄使いしようものなら、ただじゃ済まさんぞ!」

 

悟空(GT)「……へへっ、実はオレも考えてたんだ。 もし完全に倒し切れずザマスが宇宙と同化した時、どうやったら倒せるかをな……。 それで思い付いたのが……オレの『プラスエネルギーで浄化させる方法』だ」

 

悟飯(未来)「あのザマスを…父さんのプラスエネルギーで浄化させる…?」

 

悟空(未来)「それってどんな方法なんだ……?」

 

ベジータ(超)「キサマ、もっと分かりやすく言え!」

 

悟空(GT)「要は……今のオレのエネルギーを全部解放して、ザマスっていうマイナスエネルギーを、プラスで打ち消しちまうんだ。 その為にもベジータ、前にオメェがブウを倒そうとした時の技を、ちょっくら使わせてもらうぜ」

 

ベジータ(GT)「ま、まさかキサマ…! 自爆する気か!?」

 

トランクス(未来)「そ、そんな…!!」

 

 

 悟空(GT)が思い付いた驚くべき方法―――それを知る前に、少しだけ説明する事がある。

 嘗て合体してゴジータ(GT)として戦った時、超一星龍の「マイナスエネルギーパワーボール」を蹴り飛ばした際にプラスに変換して、地球の上空を覆っていたマイナスエネルギーを無力化した事があった。

 また他にも悟空(GT)が四星球を飲み込んだ時には、彼の体内に流れるエネルギーによって純化されて、復活した四星龍が悟空(GT)の味方となってくれた事もある。

 

 そんな不思議な力が悟空(GT)によるものと仮定して、マイナス当然の概念でありエネルギー体でもある今の無限ザマスを、己のプラスに変換する力で浄化させるか、或いはマイナスをプラスで相殺して無力化させようというものだった。

 またその為には、エネルギーを宇宙全体に広げる必要があるので、皆んなの気とドラゴンボールの力を集めてパワーを増加させて、ベジータの捨て身の大技「ファイナルエクスプロージョン」の爆発力を応用し、広範囲にプラスエネルギーを拡散させようというとんでもない方法だった。

 

 

クロノア「ちょっ…!? 何考えてるのよ!! そんなの出来る筈無いわ!! そんな事したら、貴方がザマスに代わって宇宙を破壊しかねないわよ!!!」

 

 

 当然ながら、そんな無茶苦茶な方法をよ止めるようにクロノアは悟空(GT)に言う。惑星や宇宙を絶対に傷付けず無限ザマスのみを倒すなんて、全王以外に出来る筈が無いからだ。

 単純に体内エネルギーを解放する訳ではないにしろ、そんな事したら彼女の言う通りザマスや全王に代わって宇宙を滅ぼしてしまいかねないし、そもそも悟空(GT)にだって無事では済まないのは明白。

 

 

悟空(GT)「大丈夫だ、そんな訳無ぇって〜。 今から倒してやるから、オレを信じて見てろよ」

 

 

 しかし悟空(GT)は、変身前の深くは考えない能天気で軽い口調でクロノアを和ませる。決して宇宙を壊さずに、無限ザマスのみを倒してみせると約束して、彼はそのまま飛翔し上昇していく。

 どんどん地上から離れて姿が見えなくなっていく英雄を、他の戦士達とクロノアはただ見る事しか出来ず、その場に立ち尽くすしかなかった。

 

 

 

 こうなったら、もう彼を信じるしかない。信じなかったら奇跡も起きないと、最後の望みに賭けて一同は悟空(GT)の成功を祈った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

― ソンゴクウゥゥ…!! ソンッ!!! ゴクウゥゥゥーーーッ!!!! ―

 

 

 飛んでくる憎き紅い英雄に、宇宙と同化した無限ザマスは怨みつらみの籠もった言葉を発する。

 

 

悟空(GT)「……いい加減にしろよ……散々沢山の罪の無い人達や、世界を苦しめやがって……!」

 

 

 対して悟空(GT)は、他人の肉体を奪い、居合わせた妻と息子の命を奪い、この世界の神や人間を大量に殺してきたザマスに、先ほどとは打って変わって冷たく鋭い口調で喋る。

 気が付けば無限ザマスの中に飛び込んだのか、上下左右何処を見回しても、狂気の笑みを浮かべたザマスの顔しか映らない。

 

 

悟空(GT)「やりすぎだぜ……悪さが過ぎたな、ザマス…! これで……一気に吹っ飛ばしてやる……!!」

 

 

 人も宇宙も限界であるこの世界に、これ以上負担を掛けない為にも、飛びながら凄まじい神秘のオーラを全身に包み、己の気をプラスエネルギーに変換させる悟空(GT)。

 次第に大きくなる得体の知れない力を感じた無限ザマスは、悟空(GT)を撃墜すべく四方八方から赤黒いビームを口から撃つ。しかし、次々と破滅の閃光が英雄に直撃するが、纏う謎の光がそれを全てシャットアウトして無力化、一切のダメージも影響も受けない。

 尚も無限ザマスは赤黒いビームを放ち、更には合体ザマスの「裁きの刃」や「絶対の雷」に酷似した攻撃もしてくるが、全くもって無意味であり、悟空(GT)の体内にはどんどんプラスエネルギーが充填していく。

 

 

 

 

 

 

 そして遂に、悟空(GT)の身体がプラスエネルギーで満たされると、その全てを一気に大解放させた。

 

 

 

 

 

悟空(GT)「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!

 

 

 自身を中心に極限まで気を全方位に放射し、広範囲に超大規模の強力なエネルギー爆発を引き起こす。まるで宇宙誕生のビッグバンを彷彿とさせ、目も開けてられない眩しい光が瞬く間に膨張を開始する。

 そして膨張するエネルギーが無限ザマスと接触すると相殺と反転を起こして、暗黒の闇が英雄の放つ光によって塗り替えられていく。当然ながら無限ザマスはそれを食らって無事な訳がなく、肉体が無いにも関わらず焼き尽くされる感覚に襲われた。

 

 

― ウギャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!! ―

 

 

 東西南北の銀河は勿論の事、宇宙全体が悟空(GT)のプラスエネルギーによって充満されていく中で、無数のザマスの顔が狂気の笑みから苦痛の表情に変わって断末魔が上がる。

 しかし、抵抗も出来ずに苦しむザマスとは裏腹に、地球やその他の星々そのものには特に何も変化が無く、悟空(GT)の放つエネルギーによって破壊されるような事は起こっていない。

 寧ろ無限ザマスによる汚染から解放されて、みるみるうちに同化された宇宙から狂気の顔が消えていき、神秘の光によって元の美しい姿を取り戻していく。

 悟空(GT)の読み通りに、彼のプラスエネルギーが無限ザマスだけ(・・・・・・・)を打ち消していた。

 

 

― ソ…ソンゴクウゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーッ!!!!!!

 

 

 最後の悪足掻きで本来の歴史のように宇宙と1つになるも、またしても奇跡を起こした紅き英雄の輝きの前に、成す術無く無限ザマスは虚空に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無限ザマスによって汚れてしまった空が眩しく光った瞬間、凄まじいエネルギーが地球に降り注いだ。地上の戦士達とクロノアはそのあまりの眩しさに腕で目を覆い、爆風のように来るエネルギーの風圧に身構えたが、光に当てられても一同には特に悪影響は無い。

 寧ろその光は優しく温かく、太陽の如く森羅万象を照らして世界に明かりを齎し、この場に居る全員が不思議と安心感に包まれていた。

 其処から、幾分か時間が過ぎる。皆んなが恐る恐る瞼を開くと、上空にはあの狂気に染まったザマスの顔が浮かぶ暗黒の空ではなく、日の出を過ぎて青く輝く元の空へと戻っていた。

 

 

ベジータ(未来)「ザマスの気が……完全な消えた……!」

 

悟飯(未来)「空も……元に戻っている……」

 

悟空(超)「やったぁ!! 成功したんだ!!!」

 

悟空(未来)「すげぇな…! まさか宇宙を傷付けずにザマスだけを倒しちまうなんてなぁ…!」

 

クロノア「ほ…本当に全王様の力に頼らないで、宇宙と同化したザマスを倒しちゃった……」

 

ベジータ(超)「……だが、アレは使ったら命まで失う技だ……。 その上あんな大規模の爆発をすれば、いくら頑丈な身体でも保たん…!」

 

トランクス(未来)「そ、それじゃあ悟空さんは、自分の命と引き換えに……!?」

 

 

 宇宙が救われて喜びも束の間、爆発の中へと消えて行った英雄の安否を心配する。悟空(GT)がプラスエネルギーを放射する為に利用したその技は、強大な大爆発で跡形も無く消し飛ばす代わりに、身体への負担を完全に度外視したもので、使用すれば己の命すらも犠牲にする。

 それを宇宙規模で発動させたとなれば、どれだけ頑丈な身体を持っていたとしても耐えられず、誰もが助からないと思うだろう。

 

 

ベジータ(GT)「……いや、よく見てみろ」

 

 

 だが、ベジータ(GT)だけは違う。どんな強敵に打ちのめされようと何度も立ち上がり、最後は必ず勝利を掴んできた己のライバルが、そんな簡単に死ぬようなヤツではないと確信している。

 その証拠に、既に彼は微かにアイツの気を捕らえており、地上に向けて降下してくるのを感じ取っていた。

 他の皆んなも上空に視線を向けて気配を探ると、ベジータ(GT)の言う通り弱々しい小さな気が降りてくる。

 そして――徐々に見えてくる1つの人影。上が薄藍色で下が黄土色の道着を着た小さな少年が、力無く落ちて来た。

 

 

トランクス(未来)「悟空さんっ……!!!」

 

 

 全エネルギーを引き換えに無限ザマスを倒し、変身も解除されて力を使い果たした子供の姿の悟空(GT)が、空も飛べずに真っ逆さまに落下してくる。

 トランクス(未来)が叫んでキャッチしようとするが、戦士達もまたほとんど気を残していないほどにヘトヘトの状態で速く飛べず、どんどん落下スピードが加速していく悟空(GT)を受け止めるのは間に合いそうに無い。

 

 

 

 このまま彼が地面に叩きつけられるかと思ったその時、何処からか風を切って高速で飛んでくる飛行物体が1つ。飛行物体の飛ぶスピードは、戦士達が全力で飛んだ時ほどのスピードではないが、それでもマッハ1.5と音速を超えるレベルの飛行速度で飛んでいる。

 

 その正体は―――心の清らかな者にのみ乗る事が許される、小さな金色の雲のマシン。雲は落ちて来る悟空(GT)に最高速度で近づき、自身に乗せる事で地面に叩きつけられるのを回避。

 金色の雲はそのまま悟空(GT)を乗せて金色の尾を引きながら一度急上昇すると、その後にゆっくりと飛行して地上まで降りて仲間達の所まで届けてくれた。

 

 

悟空(GT)「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……! さ…サンキューな……筋斗雲……」

 

 

 悟空(GT)は例え住む世界が違えど、自分が本当に子供だった頃に共に世界を旅した相棒に礼を言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――戦いは終わった。今度こそザマスは倒され、世界が滅びる運命を変える事が出来た。

 しかし、この栄光の勝利に至るまでに、多くの犠牲を払ってしまったのも事実で、何もかもボロボロだった。

 面影すら無くなった瓦礫の都市の中心に、クロノアが作り上げたワームホールから、ブルマやマイ、シンとゴワスの界王神組、他にもぞろぞろとこの世界の住人達が戻ってくる。

 

 未来の住人達はその光景に、言葉を失う。戦いに勝利したのは良いものの、奪われてほとんどを失ったこの世界で、僅かに生き残った自分達はどうやって生きていけば良いのかと、せっかく救われたのに素直に喜べず漠然とした不安を抱いていた。

 

 そう思う中、悟空(GT)が再び取り出した7つのドラゴンボールの周りに、戦い抜いた戦士達と、元の幼女姿に戻ったクロノアが立っている。七つのドラゴンボールはそれぞれ共鳴し合い、金色に光が点滅していた。

 願い玉の前に立つ悟空(GT)は大きく息を吸い、全員に聞こえるくらいの大声で魔法の呪文を唱えた。

 

 

悟空(GT)「すぅ〜〜………よしっ! いでよ、神龍ーーー!!!! そして、願いを叶えたまえーーーー!!!!!

 

 

 お決まりの呪文を唱えた次の瞬間、青々とした空が突然真夜中のように暗くなり、昇っていた太陽も見えなくなる。自然現象をも超越した出来事に、何も知らない未来の住人達はただただ驚き、混乱してしまう。

 しかし事情を知っている者達からすれば、それはこれから起きる奇跡の前兆だという事を分かっていた。

 

 やがて点滅していた7つのドラゴンボールが強い閃光を放ち、金色の光が天に昇っていくと、光がどんどんその者の姿を形成してゆく。

 無数の鱗に覆われた緑色の大蛇のような胴体に四本の手足、頭には鹿みたいな枝分かれした2本の角と、鼻の近くから生えて伸びる長い髭。

 

 そう――ドラゴンボールを7つ揃えて呪文を唱えた時、どんな望みも叶えてくれる龍の神。この世界では人造人間との戦いでピッコロが死に、同時に創造主の地球の神もいなくなった事で二度と拝める事の出来ない筈だった大いなる存在―――「神龍」だった。

 神龍は長く巨大なその身体を、複雑にとぐろを巻いた後に、悟空(GT)達を赤一色の目で見つめる。

 

 そして―――神龍は数多の願いを叶えてきた嘗てのように、その言葉を口にした。

 

 

 

 

 

ドラゴンボールを7つ揃えし者よ。さぁ、願いを言え……どんな願いでも1つだけ叶えてやろう……

 

 

 天界に住まう地球の神が、地上の人間達の勇気と希望の為に作り上げたドラゴンボール。様々な困難と試練を乗り越え、更には激闘の果てに7つ揃えた時に出現する願いを叶える龍。

 英雄と共に次元を越えてやって来た神龍が完全にこの世界に降臨すると、悟空(GT)は後ろに居るトランクス(未来)に振り向く。

 

 

悟空(GT)「……トランクス、オメェが願いを叶えろ」

 

トランクス(未来)「えっ…? 言って良いんですか?」

 

悟空(GT)「もちろんだ。 ……オメェには、自分が一番望む願いを叶える権利がある」

 

トランクス(未来)「オレが……一番望む願い……」

 

悟空(GT)「ホラ、早く言えって。神龍は意外と待ってくれねぇからさ〜」

 

 

 己の最も望む願いを叶えて良いと、突然言われてトランクス(未来)は少し戸惑うが、悟空(GT)はそんな彼の背後に回って背中を押し、神龍の目の前に出させる。

 背中を押されて前に出てきたは良いものの、トランクス(未来)は本当に自分が願いを叶えて良いのかと、思わず他の皆んなの様子を伺う。

 過去の悟空(超)とベジータ(超)は勿論の事、この世界の悟空(未来)、ベジータ(超)、悟飯(未来)も、トランクス(未来)が叶える事に異論は無い。ブルマやマイ、シンとゴワス、そしてヤジロベーも同じであり、寧ろ「トランクスが叶えるべきだ」と、そんな目をしていた。

 

 

トランクス(未来)「オレの……願い……」

 

 

 改めて神龍の方へ向き、トランクス(未来)は自分が一番望む願いを思い浮かべる。

 どんな願いも叶えてくれる―――おとぎ話のようでありながら、夢と希望に溢れた本当の話。物心がつく前にドラゴンボールが使えなくなって、その奇跡はずっと昔にこの世界から消えてしまっていた。

 故に、降り掛かる邪悪な魔の手から大切なものを一つでも守る為に、泣き言も言わず努力を重ねて強くなり、どれだけ辛く苦しくても必死で戦ってきた。

 

 そんな限界以上に頑張ってきた彼だからこそ、最後に勝利を掴んで手にした、願いを叶える権利。トランクス(未来)の一番望む願いは、もう既に決まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

トランクス(未来)「神龍! オレの願いは――!!」

 

 

 

 

― 殺された人達を生き返らせてほしい ―

 

 

 

 この世界で何処までも優しく、そして正しき心を持つ青年の切実な願い。無論、彼の願いをしっかりと聞き取った奇跡の龍は、それを快く了承した。

 

 

…分かった。それならば容易い願いだ……オマエの願いを…叶えてやろう……

 

 

 神龍の赤い目が、鈍く光る。次の瞬間、神龍の降臨で暗くなった真っ黒な空に、チェレンコフ光の如く輝く青白い光が夜空を照らす星々のように無数に出現する。

 その光1つ1つに今まで殺された人間達の気を感じられ、青白い光は流星群のように次々と降りてきて地上へ降り立つと、それは徐々に人の形へとなっていき、失われた命が現世へと蘇った。

 その後も空を降りてきた命の光は、本来有るべき姿として、本来有るべき場所へと還っていく。この現象は第7宇宙の地球だけに留まらず、各銀河の星々や界王神界、そして各宇宙でも同時多発的に発生しており、ブラックとザマスによって殺された人間達が蘇っていた。

 

 

トランクス(未来)「あ……ああ……!!」

 

 

 戦いに巻き込まれ、目の前で殺されて、もう二度と生き返らない筈だった人々が、生前と同じ姿で蘇ってくる。因果律を超越した、まさに「奇跡」という言葉に相応しい光景に、トランクス(未来)は感情が込み上がってくる。

 未来の住人達も、死者が復活する現実離れした現象に驚きつつも感動が胸に押し寄せた。

 その中の幼い兄妹のハルとマキもまた、皆と同じで神秘の魅入ってしまいながら、この奇跡の瞬間を目に焼き付けていた。

 

 その時だった。

 

 

 

―ハル!!! マキ!!!―

 

―ハルううぅぅっ!!! マキいいぃぃっ!!!―

 

 

 突然、幼い兄妹の名前を呼ぶ声。ハルとマキはその声に聞き慣れていた事からすぐに気づき、まさかと思って声のした方向へ顔を向けると、彼ら兄妹の面影のある2人の若い男女が駆け寄って来ていた。

 

 

ハル「パパ……ママ……!?」

 

マキ「パパとママ…?」

 

 

 その姿を見たハルとマキの兄妹は一瞬信じられないと思ってしまったが、それが自分達が最も会いたかった何よりも大切な存在だとすぐに分かると、自然と涙が溢れ出して足が動き出す。

 

 

ハル「パパとママだ!!」

 

マキ「パパ!!! ママ!!!」

 

 

 小さな手足を必死で動かして、2人は生き返った両親の元へ全力で走るとそのままの勢いで胸に飛び込み、父親と母親は愛する我が子を受け止める。

 両親と感動の再会を果たした兄妹は、今まで溜め込んでいた感情が爆発して大泣きして喜び、その想いに応えて両親も、二度と離れ離れにならないように涙を流しながら抱き締めた。

 

 他の未来の住人達も、生き返った家族・友人・恋人達の姿を目にすると、兄妹と同じですぐに駆け出す。とある若い青年は両親や下の弟妹達と、とある男性はお腹の中に命を宿した最愛の妻と、とある女性は自分を逃がす為に自ら犠牲になった友人達と、そして2人のレジスタンス兵士は先立たれた勇敢な同志達と、皆それぞれ再会を分かち合う。

 

 

トランクス(未来)「良かった……皆んな生き返ってくれて、本当に良かった……!」

 

???「えぇ……それもこれも、ドラゴンボールを使わせてくれた別次元の孫君と、貴方の願いのおかげよ」

 

トランクス(未来)「――っ!?」

 

 

 大切な人々と再会出来た未来の住人達の笑顔や泣き顔を見て、トランクス(未来)はそれを自分の事のように喜ぶが、突然彼の後ろから聞き慣れた声が掛けられる。振り返れば、其処には母のブルマが立っていたのだが、過去から来た母親と比べて年配で顔にシワがあり、青く長い髪をヘアゴムで纏めた博士服の女性が立っていた。

 その者は、まごうこと無き正真正銘の産みの親たるトランクス(未来)の母親――ブルマ(未来)本人だった。

 

 

トランクス(未来)「か、母さ――!!」

 

 

 ブラックによって目の前で殺され、壮絶な最後を遂げた筈の母親が、目の前に存在している。ブルマ(未来)は真っ先に限界以上に頑張った息子を抱き締めると、母として優しい言葉と掛けた。

 

 

ブルマ(未来)「……良く頑張ったわね、トランクス」

 

 

 その言葉に、ようやくトランクス(未来)は今まで必死で戦った努力が報われて、涙を流して母との再会を心から喜んだ。

 

 

 

 

 

 しかし、ドラゴンボールと神龍による奇跡の連鎖はこれだけでなく、すぐ近くで共に戦った悟空(未来)やベジータ(未来)にも変化が起きた。

 

 

ベジータ(未来)「カカロット! キサマ、何故頭の上の輪っかが無いんだ!」

 

悟空(未来)「あれっ…!? 何でなんだ…? オラは病気で死んじまったから、生き返れねぇ筈なんだけど………って言うか、そうゆうベジータも天使の輪っかが消えてっぞ!」

 

ベジータ(未来)「何だと…!?」

 

 

 いつの間にか、自分達の頭上にある天使の輪っかが失って、彼らもまたこの世に生き返るという有り得ない現象が発生。人造人間に殺されたベジータ(未来)はともかく、悟空(未来)はウイルス性の心臓病で死亡した為、ドラゴンボールでも本来ならば自然死に該当する者の復活は出来ないのだが、今の悟空(未来)は確かにこの世に生を受けており、心臓病も治っていた。

 

 この有り得ない復活に、もしかしたらと思って悟飯(未来)も今の身体の状態を確認してみる。

 すると――、

 

 

悟飯(未来)「う、腕が……腕が戻ってる!?」

 

 

 頭の上にある筈の天使の輪っかが無くなり、代わりにずっと昔に人造人間との戦いで失われた左腕が戻っていた。

 とても嬉しく喜ばしい事が連続に起きて、悟飯(未来)は少しだけ夢を見てるのではと疑ってしまうが、視線の先にいる神龍の存在が、それが現実だと証明してくれた。

 

 しかも神龍の起こす奇跡はまだ続いており、死者の蘇生に加えて今度は周りの景色にも影響を及ぼし、まるでビデオテープを巻き戻すように破壊された建物が復元されていく。

 殺された人達が生き返るだけでなく、この世界に失われたもの全てが蘇る。

 

 

グオオオオォォォォ……!!

 

 

 神龍の咆哮が轟くと、神々しい光が世界を包み、地球を照らし、宇宙を輝かせる。悟空(GT)を除いて他の者達は目を瞑り、腕で覆ってその眩しさに耐える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少し時間が経って目を開けると、もう其処は破壊された瓦礫だらけの荒廃した都市ではなく、元の平和だった頃の都市へと戻っていた。

 

 

 

《TO BE CONTINUED》




●無限ザマス

 ドラゴンボール超における未来トランクス編で、全てを台無しにした元凶の1つ(もう1つは全王)。最早説明不要で、悟空達の攻撃は通用しないのにザマス側は赤黒いビームで一方的に攻撃し、アニメ版の超で悟空達を除いて全ての人間を滅ぼした、個人的にドラゴンボール史上、最低・最悪・最凶の敵。

 今回の話を読んで、皆さんはこう思っただろう……「前回で倒したんじゃないのかよ」と(本当にごめんなさい)

 実はこの小説の初期段階では、第17〜23話は元々想定しておらず、第16話でGT悟空が龍拳でザマスの肉体を滅ぼした後に、この24話の展開へと繋げる予定でした。しかし、第11〜12話の制作中に「ドラゴンボール使用の伏線を貼る必要がある」と思って、増殖した合体ザマスとの大戦や浄化されて味方になった邪悪龍の登場が決定しました。
 そしてそのままの流れで、ブルー進化界王拳のベジット&ゴジータ、アルティメットブルーの未来悟飯、GTベジータの参戦に超サイヤ人4ゴジータの降臨等を思いつき、あれこれした結果……第17〜23話が作られる事になったんです。

 つまり、増殖した合体ザマスとの戦いは本来はほとんど蛇足で、別に無くとも良い部分なんです。
 結局、一星龍に「願いを破壊し無力化する能力」を付与させたのは余計だし、無意味にしてしまったんですが、近年だんだん扱いが雑になるラスボスが悲しくてつい欲張ってしまいました(それにこの力があってもザマスは宇宙化しそうな気がする…)。

 とは言っても前半の無限ザマスのくだりは所詮、ゲームで勝った後の演出ムービーくらいの「オマケ」でしかなく、重要なのは後半の方です。




●超フルパワーサイヤ人4・限界突破

 ヒーローズ出自の超サイヤ人4の超強化形態ですが、発表された当時の私はあまり良い印象ではございませんでした。何せ超フルパワーサイヤ人4が既に存在しているのに、それよりも先にこの形態がいきなり出てきたから、最初の印象は「ベジット4が黒髪で不評だったから、赤い髪にするために作った形態では?」と悪い方向に捉えがちでした。
 とはいえ元の超サイヤ人4が神デザインだから、更に赤みを増しても格好良い見た目だし、昔考えた「超サイヤ人4ゴッド」みたいな妄想形態が本当になったようで、今では普通に受け入れています。

 ……そういえばこの小説では、GT悟空は身勝手の極意も習得して超フルパワーサイヤ人4と併用したから、その気になれば「超フルパワーサイヤ人4限界突破・身勝手の極意」とかいう、ヒーローズのプロモアニメで激突した二つの形態が合わさった、とんでも形態になれるかもしれない……。


【挿絵表示】


 という事でAI生成で「超フルパワーサイヤ人4限界突破・身勝手の極意」という妄想形態を画像にしてみました。使い回しで細部がおかしいですが、そこは目を瞑ってほしいです…




●全ての攻撃を無力化する光

 原作GTで超ウルトラ元気玉を作っている時に、超一星龍の攻撃を全て無力化したGT悟空の身に纏う光といか謎の力。今思えば本当に謎の力ですが、あの時は恐らく神龍が同化して共に眠る事になる代わりに力を貸してくれたのかもしれない。
 そして今回は、味方の邪悪龍及びドラゴンボールと再度同化して、再びその力を発動。

 これは個人的な妄想というか偏見というか……私はこの状態の悟空なら、たとえ全王の消滅の光だろうと通用しないと思っています。




●悟空のプラスエネルギーを大解放させて、無限ザマスを浄化させる


 遂にやってしまった……全王の力に頼らずに、無限ザマスを攻略する展開を……。

 始めにこの小説そのものを開始するにあたって、どうやって全王の力無しに無限ザマスを倒せるかを、真っ先に考えてました。やっぱりほとんどのDBファンは「全王の力で世界ごとザマスを消滅」という展開に絶対納得出来ないだろうし、何より作者である私が「宇宙化させた上でもザマスを倒したい」という欲求があるので、この展開を改善させる事でようやくスッキリ出来る筈だと思います。
 そして散々考えて悩んだ末に出した結論が……「GT悟空のプラスエネルギーで浄化させる」という方法でした。これにて【GT悟空が超の未来世界を救う話】というタイトル回収が、ようやく出来ました。
 無論めちゃくちゃな方法だと自分でも思っていますが、それでも全王エンドに比べれば100倍マシだし、最後まで人間に倒された方がザマスの末路に相応しいでしょう。




●GTの神龍

 言わずもがな地球の神龍でありながら、何処か異質で神秘性の強い存在感を漂わせるGTの神龍。この小説では、龍神ザラマが作った超ドラゴンボールや超神龍よりも力が上回っており、本当にどんな願いも叶えてくれる。
 ただし、勇気と希望を信じ困難を乗り越えた正しき心の持ち主にのみ願いを叶えてくれる為、悪しき者や他人を不幸にする願いに対しては願いを叶えてくれない。なので悪そのものであるブラックやザマスでは、絶対に願いを叶える事が出来ない。

 余談ですが、劇場版「神と神」が公開された時、当時は「神龍がビルスにビビるのが納得出来ない」という意見が私も含めてチラホラありましたが、それはやっぱGT最終回における神龍の威厳さや神秘性とかの印象があったから、当時は受け入れなかった人もいました。
 だから明確に世界が違うドラゴンボール超の神龍ならもう割り切っている人もいるでしょうが、GTの神龍にあんな事をさせたら……流石の私も怒るかもしれない……。




●殺された人達を生き返す(+α)

 これが……作者である私がこの小説で一番やりたかった展開であり、未来トランクス編の本編でもやってほしかった最高の結末。
 ブラックとザマスが殺した人間や神々が生き返ったのは勿論、特別サービスで未来のベジータ・本来復活出来ない未来の悟空・失った左腕も含めて未来の悟飯、また今回描写はしてないですが、クリリン・ヤムチャ・天津飯・餃子・ピッコロ(&神様)も復活してくれている(当然ながら極悪人は除いています)。後、未来の方の界王神(シン)とビルスもオマケで蘇っており、さらには破壊された建物も復元し人間の生活圏も直してくれています。

 ……本当は「2人の人造人間が現れてから、死んだ人間を極悪人を除いて生き返らせてほしい」としたかったんですが、それだと人によっては約数十年の時間のズレが生まれて、生き返った一般の人々が混乱してしまうと考えて、敢えて明言はしません。
 もしかしたらそれも含めて生き返っていると捉えるのも良し、頑張った未来の悟空達だけ特別と捉えるのも良しなので、この辺は読者の好きに解釈してください。







 とにかく、これにてゴクウブラック&ザマス・合体ザマス・増殖した合体ザマス・無限ザマスと、アニメ版と漫画版を含めた全てのザマスの完全なる撃破及び、滅びる運命だった未来の世界に平和が戻りました。
 無限ザマスを倒してようやく、私の頭の中のモヤモヤが消えてスッキリしました……。

 流石の公式も、全王エンドはファンからかなり批判されたからか、とあるゲーム作品のifストーリーでは普通に倒せたり封印出来たりと、まるで本家を否定する展開が作られて、それを知った私は「最初からそれを本編でやってくれ」と言いたくなる気持ちを抑えつつ、本当に良くやってくれたと嬉しくなりました。
 あれを見て、つくづく原作の超は何らかの力が働いたレベルで悪い方向に行ってたんだと感じ、もしザマスの方を封印さえ出来ればブラック達の攻略はそんなに難しくないのかもしれません。

 なにはともあれ、今後の予定としてはあと1〜2話で最終回になると思います。最後の展開はもう既に決まっており、それを文字に落とし込めば完結になるでしょう……。
 なんとか頑張って終わらせるので、読者の皆様、どうか最後までご覧にいただけるとありがたいです。













合体ザ■ス(ピーーーー)「おのれぇ…! このままでは終わらんぞ…!!」



 おやおや?こんな所に1人だけ生き残りがいましたか………では、ここにちょうど「一人用のポッド」を用意しましたので、コイツには「オチ担当」になってもらいましょうか。


合■ザ■ス(ピーーーー)「何ぃ!!?」


ウィーンガシャン


科学者「コンピュータから弾き出したデーターによりますと、オチは防御無視で逃れられないですじゃ」

作者代行の親父ぃ「腐☆腐。 ザマスよ、宇宙の中で一番名誉なオチに選ばれたのだ。有り難く思え…!」

編集長26「やぁ☆トレセンでウマ娘のトレーナーをしながら、学園都市キヴォトスで先生をしているブロリーです…。 本日は特別授業で、『オチ』の勉強をするYO☆」

『『おおーーっ!!!』』

ガシッ

編集長26「うおおおおおおお!!!!!」バキバキバキバキ

■■■■■(ピーーーー)「うわああああああああ!!!!」ペシャン

編集長26「次に潰したら、今度は惑星シャモに向かって投げます☆」ポイッ

ヒューッ


ズドン!! デデーン!!



 生き残ったばっかりにこの始末☆はてさて、後1〜2話で最終回に出来るのやら……。
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