ですが……世界が平和になったという事は、同時に一人の英雄の役目も終わったという事でもあります。
遂にこの時が来てしまった……。
長らく私は彼と一緒に絶望と戦いましたが、この回でもうお別れとなるとこれほど文字打ちするのが悲しいとは思いませんでした……。
それでも……一緒に戦ったからこそ、私は最後まで大好きな英雄の旅立ちを、見送りたいと思います。
という訳で私からのクリスマスプレゼントをどうぞ。
最初に感じたのは、風だった。
穏やかに吹く希望を運ぶ風が、優しく頬を撫でる。
目を開けて始めに見たのは、青空と光だった。
暖かく眩しい日の光と、いくつもの白い雲が浮かぶ青々した晴天の空が一面に広がっている。
次に瞳に映したのは、失われた筈の破壊されてない平和だった頃の都市。
一面ガラス張りの高層ビルやひしゃげてない電灯に、綺麗に舗装されたコンクリートとアスファルトの道路等が、都市の大地を埋め尽くしている。
最後に目に映ったのは、その平和な世界の姿へを取り戻してくれた、別次元より出でし神龍の姿。
いつの間にか悟空(GT)達は、元通りになったカプセルコーポレーションのブルマの家の庭に立っており、神龍も庭の中心に鎮座している。
並行世界の過去の時代とほとんど同じ光景な為か、過去からやって来た悟空(超)達は、自分達の時代に戻って来たのではと錯覚しそうになる。
その上、先ほどとは違って空は明るくなっており、青空の下に神龍が降臨しているという今までにない光景でもあった。
そして願いを叶えた神龍は、トランクス(未来)と、彼の周りにいる蘇った家族や仲間達に視線を向ける。
トランクス(未来)「あ、ありがとうございます……本当にありがとうございます、神龍!」
マイ「ありがとうございます!私達の世界を、元通りにしてくれて――!」
ブルマ(未来)「本当に助かったわ。おかげで年の差がだいぶ離れちゃったけど、こうしてベジータや孫くん達が居る時間が戻って来るのね…。」
ベジータ(未来)「……フン!」
悟飯(未来)「生き返ってもらっただけでなく、オレの左腕まで治してもらって……ありがとう神龍!」
悟空(未来)「クリリン達の気も感じる……きっと神様の宮殿の方で生き返ってるみてぇだな…!でも、どうして病気で死んだオラまで生き返ってるんだ?」
ゴワス「そのような事まで……!」
シン「これが…別次元の神龍の力……!超ドラゴンボールにも匹敵する奇跡を起こすとは…!」
第1〜12の宇宙の星々に住む全ての人間は勿論の事、その宇宙を管理する界王神達や破壊神達を一斉に蘇らせただけでなく、遠い過去に死んだ者や本来なら生き返る事の出来ない悟空(未来)までも復活させ、更には破壊された街や都市までも直してしまう。
そんな奇跡を、目の前の馴れ親しんだ姿の別世界の神の龍が起こし、ブルマ(未来)達にとって大切な――皆んなと共に過ごした楽しいあの頃の時間が、またこの世界に帰ってきたのだ。
失われたもの全てを蘇らせてくれた事に、ブルマ(未来)は懐かしい姿をした別次元の親友と旦那の下へと寄る。
ブルマ(未来)「貴方が別の次元から来た孫くんとベジータね?おかげで、この世界で失ったものが…何もかもが蘇ったわ。本当にありがとう。」
悟空(GT)「…そう畏まる事はねぇって。オラも、心臓病の薬をくれた時の礼が返したかったからな。」
ベジータ(GT)「…オレはただ、気に食わないアイツらをぶっ殺しに来ただけだ。」
ブルマ(未来)「ふふっ。それにしても…貴方のその姿を見てると、昔パオズ山で初めて出会った頃を思い出すわね。何だかすっごく懐かしいわ…。」
悟空(GT)「こっちのブルマも、昔と比べて結構シワが出来ちまったけんどな。」
ブルマ(未来)「失礼ね!!これでも無いなりに頑張って、同年代よりも若い方なのよ!!!」
悟空(GT)が思わず出してしまったデリカシーの無い言葉に、ブルマ(未来)は若い頃や別世界の自分にも負けない迫力で怒る。
歳を重ねて大人に成れど、そういった根本的な部分は何時になっても変わらないのは、ある意味それも「孫悟空」という人間らしい。
悟空(GT)「わわっ!悪かったって〜……特に悪気は無かったんだ……。」
ブルマ(未来)「……もう。そういった所は、例え次元が変わっても変わらないんだから。」
素直に謝罪した別世界の親友の姿に、ブルマ(未来)は気が済んで彼を咎めずに許した。
この未来世界では今まで満足に化粧やアンチエイジングも出来ず、また自身も長い月日でいい歳になった自覚もあるので、気持ち半分くらいは事実として受け取っている。
それにこういった会話もまた、楽しかったあの頃に戻った気がして、実際はそこまで悪い気はしていなかった。
ブルマ(未来)は悟空(GT)と会話を終わらせると、今度はもう一人の自分を含めて過去から来た助っ人の三人の前に来る。
ブルマ(未来)「…貴方達も、過去の時代から助けに来てくれて本当にありがとね。おかげでうちのトランクスが無事で済んだわ。」
ブルマ(超)「当然よ。住む世界が違っても、私がお腹を痛めて産んだ大事な息子なんだから、助けてほしいって言われたら応えるに決まってるじゃない!」
ブルマ(未来)「そうよね………そういえば、トランクスに渡したタイムマシンに関する私の手記は役に立ったかしら?」
ブルマ(超)「アレは凄い理論よ!おかげで私の視野が広がって、タイムマシンの修理にも活用出来たし、今後の研究や開発にも役に立てそうだわ!」
ブルマ(未来)「やっぱり流石、過去の私。貴方に賭けて大正解だったみたいね!」
悟空(超)「……なぁベジータ。自分の時はあんまり気にしてなかったけんど、こうやって同じヤツ同士が並んで話してるのを見てっと、何だか変な感じに映るな。」
ベジータ(超)「傍から見ると奇妙な光景だ………いや、ここにオレやカカロットが既に三人もいる時点で、今更だがな……。」
同じ天才と天才が意気投合し合い、ブルマ(超)とブルマ(未来)が意見交換しながらかなり難しい話をし出す。
一般人には理解出来ない専門用語がオンパレードで、それが頻繁に飛び交うな会話に他の者達は内容がついて行けず、悟空(超)やベジータ(超)は二人の話し合いを眺める。
自身の時はほとんど気にしてなかったが、こうして第三者視点から自分同士の会話を見ていると、ベジータ(超)の言う通り奇妙な光景だ。
とはいえ自分達も過去・未来・別次元と三人ずつ揃っているので、他人事ではないのだが。
とにかく、長くも短かった死闘が終わり未来の世界が救われ、奪われた命を取り戻し、皆んなが幸せになる結末を迎えた。
しかし、こんな誰が見てもハッピーエンドと言えるその中で、素直に喜べない女神が一名。
時間と歴史を守護するクロノアはかなり大きなため息を付くと、その場で項垂れる。
クロノア「……はぁ〜〜〜っ……この世界にとっては紛う事なくハッピーエンドだけど、私としてはこの先が物凄く憂鬱だわ……。」
ゴワス「…?時の界王神様、それはどうゆう事なのでしょうか?」
クロノア「…実は、本当は未来の全王様が宇宙と同化したザマスを世界ごと消した後、過去の悟空くんが自分の世界に連れて行って、過去の全王様と友達にさせるのが本来の歴史だったのよ………でも、別次元の孫悟空が全王様の力無しにザマスを倒しちゃって、世界が存続してる以上は全王様を過去に連れて行く事が出来なくなったから、過去の全王様に友達を連れて来る約束が不可能になったのよ〜……。」
シン「えぇっ!?ま、まさか……あの時の『友達を連れて来る』って、そうゆう…!?」
クロノア「ウア゛ア゛ア゛ア゛〜〜っ!!こんなの全王様にどう謝罪すればいいのよ〜〜!!!」
全王との約束を果たせない――神々からしたら恐ろしい事この上ない超々々緊急事態に、シンとゴワスは最悪の事態を想像して戦慄する。
そして、この後に直接謝罪に向かわなければならない事に、恐怖と絶望で泣きたくなるクロノア。
というか、もう泣き出してしまっている。
全王の住む宮殿で悟空(超)と過去の全王が約束を交わした際、シンは頭を垂れてたがその場にいたので記憶に新しく、まさかその約束は最終的にそのようになるとは思わなかった。
あまりにぶっ飛んでいて、そうゆう発想が出来るのもある意味孫悟空らしい所だが、世界が救われた以上はそれも不可能。
シン「……で、では、過去に戻ったら私も全王様の下へ行きましょう!我々がきちんと説明してご理解を頂ければ、あのお方も決して軽率に宇宙を消したりしませんよ…!」
ゴワス「わ、私も御同行致します…!此度の騒動は弟子の暴走を止められなかった私の罪故に、いざとなれば界王神の座を降りる覚悟です!」
ならば――今こそ神として責任を果たす時だと、戦いではほとんど役に立てなかった事に嘆いていたシンは覚悟を決めた。
それはゴワスも同じで、破壊神ラムーシには悪いと思っているが例え己が全王に消されるとしても、せめて自分の弟子が招いた罪は清算したいと思っていた。
二人が付き添ってくれると言われて、クロノアは僅かに気が楽になる。
だが、それでも全王の「友達を連れて来る約束」を破る事になるに加えて、歴史を守る立場の自分が歴史改変を容認した件もあるので、その事も含めるとやっぱり気が重いのには変わらなかった。
その時、人間達は世界が平和になった事に喜び、神々は今後の事で心配になる中、悟空(GT)達の所に一つの光の球体が降りてくる。
悟空(超)「ん?何だアレ?」
過去の悟空(超)が気付いたのを皮切りに他の皆んなも釣られて、自分達の中心に降下してきた謎の光の玉に注目が集まる。
地面に降りた光は瞬く間に弾け、散った光の粒子は再度集まっていくと徐々に人の形へと形成されてていく。
やがて光が消えてその姿を現すと、この場にいる一同は驚くしかなかった。
ベジータ(未来)「なっ!?キサマは…!!」
黒い長袖のシャツとズボンを着込み、そこに上から灰色の衣を赤い帯で締めて長めの白ブーツを履いた存在。
孫悟空と瓜二つの顔立ちと頭髪をした邪悪なる神――ゴクウブラックにそっくりの存在が、目の前に現れたのだ。
トランクス(未来)「ぶ、ブラック!?何でオマエが生きているんだ!!!」
全員がその言葉に緊張が走り、先ほどまで泣いていたクロノアも一気に涙が引く。
散々苦しめられてきたからか、真っ先にトランクス(未来)が険しい表情になって戦闘体勢に入ると、地を蹴って攻撃しようとする。
トランクス(未来)が自分を仕留めようと飛び掛かって来たのを目にすると、ゴクウブラックと思われる者はすぐさま構えを取って迎え撃つ―――
ブラック(?)「ま、待ってくれ皆んな!!オラはブラックじゃねぇ……
トランクス(未来)「――えっ!?」
――かと思いきや、慌てた表情でトランクス(未来)と他の皆んなに制止するよう求めた。
なんと、目の前のブラックと思われる者は、自らを「孫悟空」と名乗ったのだ。
トランクス(未来)はその言葉に思わず戸惑い、寸前のところで攻撃の手が止まるが、それでも警戒心が解かれない。
トランクス(未来)「何を言ってるんだ!!今更そんな事で騙されるか!!!!」
ブラック(?)「し、信じられねぇのは分かってる…!けど、オラは本当に違うんだ!!」
ベジータ(GT)「落ち着けトランクス!見た目に惑わされずに、先ずはヤツの気を探ってみろ。」
今までの事もあってかトランクス(未来)は、黒服で孫悟空の顔をした者を見るとすぐにゴクウブラックだと思い込んでしまっており、目線の先にいるブラックと同じ服を着た悟空を名乗る人物に強い怒りを持つ。
しかし、別次元のベジータ(GT)が彼に一度冷静になるよう宥めさせて、見た目で判断せずに気で確認するように言う。
ヤツはゴクウブラックではないと。
実際に彼から感じられる気は、ブラックのような途方もない邪気ではなく強大で純粋な性質をしていて、紛れもなく孫悟空の気であると証明していた。
また見た目にも微妙に異なっており、表情は悪人面ではなく本家本元の孫悟空と同じ能天気そうな顔で、肉体も何故か細身だったブラックとは違って孫悟空本人と同様にガッシリとした体格になっている等、外見的にも微妙に違っている。
クロノア「確かに……貴方から感じる気は、本物の『孫悟空』の気と凄く似ているわ!」
トランクス(未来)「じ、じゃあ貴方は、ブラックではなく本当に孫悟空さん…!?」
ベジータ(超)「だとしたら、何故ブラックと同じ格好なんだ?………まさか――!」
悟空(超)「……あっ!もしかしてオメェ、超ドラゴンボールでザマスに肉体を奪われた方のオラじゃねぇか!?」
本物の孫悟空だと分かって皆一先ず安心するが、だとしたら何故彼がブラックの服装で現れたのかや、そもそも彼はどの世界の悟空なのかが疑問だった。
だが、ベジータ(超)はブラックの服装を着ている事から彼が何者であるかを察して、悟空(超)もすぐに理解し直感で「ザマスに肉体を奪われた孫悟空」ではないかと質問した。
すると、ブラックの服装をした孫悟空はその質問に頷き、ザマスに勝手に肉体を取り替えられて殺された彼もまた、別次元の神龍が起こした奇跡の力によって、元の肉体を取り戻した上で生き返る事が出来たらしい。
悟空(未来)「う〜ん……けどその格好だと、やっぱどうしてもブラックにしか見えねぇなぁ〜。」
悟空(GT)「なぁクロノア様、さっきみたいにコッチのオラの服を変えてもらえっか?」
クロノア「えぇ、出来るわよ。どうせなら分かりやすく、他とはちょっと雰囲気を変えた感じにしちゃいましょっか。」
ただ、このままだとやはりゴクウブラックに見えてしまうため、クロノアに彼の服装を変えてもらうよう頼んだ。
彼女もそう思っており、ブラックの服を着た孫悟空に向かって手を翳すが、ここでいつもの山吹色の道着にすると他の悟空と分かりづらくなるので、クロノアの独断で被らないよう大胆にアレンジした服装へと変更させる。
クロノアが界王神共通の超能力を使い、黒服の悟空が一瞬だけ光に包まれると、ブラックの服から新しくなった姿を現す。
上は黒のハイネックの半袖インナーシャツに、足元まである赤い衣を羽織って腰の辺りでやや明るめの太い青の帯で締め、下はシャツと同じ黒色の道着のズボンで、裾をたっつき足首で帯と同じ色の布で締めくくり、黒の靴を履いている。
こうして、黒い衣を纏ったゴクウブラックから打って変わって、赤服の道着を着た「孫悟空(ゼノ)」へとなった。
悟空(ゼノ)「……事情とかは、生き返る時に神龍が教えてくれたから、もう全部分かってる。オラの肉体を取り戻してくれた上に、生き返らせてくれてありがとな!おかげで助かった。」
トランクス(未来)「さっきは突然すみません……。ひと目見た時てっきりブラックだと勘違いして、いきなり攻撃してようとしてしまって……。」
悟空(ゼノ)「いや、そんなに気にしなくていいさ。オメェはそれだけ酷い目にあったんだからな…。寧ろ、オラの方こそ済まなかった……。オメェやこの世界に、散々迷惑を掛けちまって……。」
トランクス(未来)「いえ、悟空さんは悪くありません!悪いのは全て、肉体を奪ったブラックの方なんですから。」
悟空(超)「…それにしてもオメェ、本当に身体の方はでぇじょうぶなんか?ザマスのヤツは不死身じゃないブラックと合体して、身体がドロドロに溶けちまったからさ、もしかしからオメェの身体も溶けちまったら大変だからよぉ。」
悟空(ゼノ)「ああ、身体の具合いとかは特に問題無ぇ。この寧ろ生き返った直後だから、意外と絶好調なくらいだ。けど……。」
身体の心配をした悟空(超)に対して、悟空(ゼノ)自身は肉体の不調とかは特に問題が無さそうだと答えたが、どうも歯切れの悪い回答であった。
悟空(ゼノ)は改めて拳を握ったり開いたり、そして肩から腕を回したり、更には気を解放して白いオーラを纏ったりして、己の状態を確認してみる。
それらをし終えて悟空(ゼノ)は、自分の中からあるものが無くなっている事を確信した。
悟空(ゼノ)「……やっぱり、オラ自身の中からゴッドの力が感じられねぇ……多分、ブラックとザマスのヤツに奪われちまったようだ…。また修業し直せば変身出来るかもしれねぇけど、今のオラは…ゴッドやブルーにはなれねぇみてぇだ。」
なんと今の彼には神の力を失っており、超サイヤ人ゴッドや超サイヤ人ブルーに変身出来る能力が無くなっていた。
これに関して悟空(ゼノ)は「肉体」こそ無事に取り戻せたものの、「力」の部分は種族が神な故かザマスの方に引っ張られて、根こそぎ持っていかれたと推測した。
一応、技術的な面では既に身体に染み付いている為、もう一度修業し直せは再び変身が可能だろうが、苦労して使いこなしたブルーの力が無くなってしまったのは悟空(ゼノ)としては少々残念だった。
とはいえ、それだけで落胆するほど悟空(ゼノ)は落ち込んでおらず、寧ろ肉体が元の姿なだけでもありがたいと前向きに思ってはいるが――。
悟空(GT)「…じゃあよ、代わりと言ったらなんだけどさ、オメェにこの力をくれてやる!」
そこへ、せっかく生き返ったのに力が失ってしまったのは少し可哀想だと思い、悟空(GT)はゴッドに代わる別の「力」を用意する事にした。
彼は両手を前にだして器を持つような形にすると、そこに赤混じりの金色の光球を作り上げる。
その光球は炎のように燃え膨大且つ強大なエネルギーを秘めているが、それでいて神秘的な輝きを放っていた。
悟空(GT)は手の平に作り上げたその光球を悟空(ゼノ)に向かって投げると、最初は放物線を描いて飛んでいたら途中から自我を持ったように浮いて悟空(ゼノ)へと向かっていく。
そして光球が悟空(ゼノ)に当たると、溶け込むように身体の中へと吸収されていき、彼の身に凄まじい力が宿った。
悟空(ゼノ)「うわっ!な、何だ…!?」
突然身体に漲るとんでもないくらい強力なパワーに、動揺してしまう悟空(ゼノ)。
そんな彼とは裏腹に悟空(GT)は上手くいったと確信して、ついでに世話になったこの次元の過去と未来の悟空とベジータ達にも同じようにした。
悟空(GT)「オメェ達にも分けてやっぞ。さっき力をもらったからな!」
今度は先ほどの光の玉を同時に五つも作り上げると、自然と浮かび上がって悟空(超)・悟空(未来)・ベジータ(超)・ベジータ(未来)・悟飯(未来)の五人それぞれに飛んでいく。
すると、彼らも悟空(ゼノ)と同様に光の玉に当たると身体の中へスッと入って行き、同化すると五人にも力が漲る感覚を覚えた。
悟空(GT)「今、オメェ達にオラの力を分けてやった。その力がありゃあ、オメェ達もいずれ尻尾が無くても超サイヤ人4に変身出来る筈だ!」
悟空(超)「オラ達も超サイヤ人4にぃ!?ホントか!!」
悟空(未来)「オメェ…そんな事まで出来るんか!」
悟空(ゼノ)「……けど良いのか?めちゃくちゃ嬉しいけどさ、こんな良いもんをもらっちまってよぉ。」
悟空(GT)「ああ、もちろんだ!今度はその力で…平和な世界を守る為に役立ってくれ。それが…オラの願いだ。」
悟空(GT)が与えたもの――それは平和を守り救う為の力として、超サイヤ人4への変身可能にする力だった。
これから先の未来、それぞれ生きる時代でさらなる強敵が現れて地球や宇宙が脅かされた時、僅かながらでもその力が役に立つのなら是非とも使ってほしいと思い、彼らに己の力を分けて継承した。
とはいっても、あくまで本来の変身条件のハードルを低くしただけなので、自力で変身出来るようになるには超サイヤ人ブルー以上に努力が必要になるだろう。
しかし悟空(GT)は、己よりも若く可能性に満ちた彼らならいずれ、絶対に使いこなせると確信している。
そして自分達の世界を――平和を守り抜いてくれる筈だと、悟空(GT)は信じて疑わなかった。
悟飯(未来)「父さん、ありがとうございます。この力を…絶対に使いこなせてみせます!」
ベジータ(未来)「……フン!取り敢えずさっきの貸しは、特別にこれでチャラにしてやる。」
ベジータ(超)「カカロットの力というのは気に入らんが、この力は有効活用させてもらうからな。」
悟空(GT)「――あっ!けどそうなったら、また歴史を変える事になっちまうんだっけ……なぁクロノア様、これってでぇじょうぶなんか?」
既にやってしまった後とはいえ、継承した超サイヤ人4の力が後の未来に影響が出てしまうのではと考えた悟空(GT)は、クロノアに確認してみる。
クロノア「う〜ん……それぐらいなら、別に気にするほどでもないかな。何しろ一番重要な歴史が変わってしまった以上、この先の未来は何が起きるか私でも分からないから、寧ろ貴方達も超サイヤ人4になれた方が良いかもしれないわね。」
しかし、クロノアはその辺の事はあまり気にしてないのか、特に注意せず肯定的に捉えていた。
彼女達神々の視点から見れば、一番重要な「全王の友達を連れて来る約束」が改変された事に比べれば些細な事だし、これから先の未来がどうなるか分からないなど不確定要素があるため、過去と未来の悟空達も超サイヤ人4に変身出来た方が身の為だと判断した。
その時、ここでクロノアがある事を思い付いて、自分が新しい服装にした赤服の悟空(ゼノ)に話し掛ける。
クロノア「そうだわ!ねぇ、赤服の悟空くんは私の所に来て、タイムパトローラーとして働いてみない?」
悟空(ゼノ)「オラか?けど、タイムパトローラーってのは何をすればいいんだ?オラ事務作業っちゅうヤツは無理だぞ。」
クロノア「タイムパトローラーっていうのは、色んな世界や宇宙の歴史を守る時空警察みたいな組織よ。今回は例外だけど、改変された歴史を修正して、改変の原因となった敵と戦ったりのが仕事ね。一見難しそうだけど、基本的に昔の強敵や別の世界の戦士と戦ったりするのが主な内容よ。」
悟空(ゼノ)「ふ〜ん……それならオラでも、なんとか出来そうな気がするぞ。でも…何でオラにその話を持ち掛けたんだ?」
クロノア「実は、貴方は本来の歴史では助からない運命だったから、仮に生き返った貴方が元の世界に戻った際の歴史の影響とかを調べなきゃいけないの。だからすぐに元の世界に帰るのはオススメ出来ないし、場合によっては時間が掛かってしまうから、それまで拠点となるコントン都で歴史を守る仕事をするのはどうかと思ったのよ。結構ハードだから、修業にも最適だしね。」
悟空(ゼノ)「そうゆう事か……すぐに元の世界に帰れねぇなら仕方ねぇか。分かった!オラ、時の界王神様のとこについて行くぞ!」
クロノア「決まりね。これからよろしく。」
彼女の持ち掛けた話に、悟空(ゼノ)はタイムパトローラーになる事を決意した。
クロノアについて行きコントン都で修業すれば、ゴッドやブルーの力もいずれ取り戻せるかもしれないし、超サイヤ人4の力もすぐに使いこなせるだろう。
勿論、元の世界のチチと悟天の事も気になる所だが、自分が蘇ったから恐らく二人も無事に生き返っている可能性が高い。
だから今は、タイムパトローラーとして悪事を働く悪党を退治しながら、安心してクロノアの所で元の世界に帰れる日を待つ事にした。
取り敢えずこれで、悟空(ゼノ)はクロノアに任せておけば大丈夫だと確信した悟空(GT)は、トランクス(未来)の方にも寄って超サイヤ人4の力が欲しいかを聞いてみる。
悟空(GT)「トランクスもいるか?確かオメェは生まれた時から尻尾は無かったらしいから、変身出来るかは分かんねぇけどさ。」
トランクス(未来)「…ありがとうございます。ですが、ここまでオレ達の為に尽くしてくれただけでも有難いのに、これ以上貴方にお世話になったら流石に贅沢な気がしてしまうので、その力は受け取れません。それに――。」
もう既に悟空(GT)から、到底返し切れないほどの大きな恩を受けているが故に、トランクス(未来)はその力を受け取れなかった。
彼がいてくれたからこそ、希望が照らし、奇跡が起き、勝利を手にする事が出来た。
故に、人間として真面目すぎるくらい真っ直ぐな彼としては、これ以上彼にお世話になる訳にはいかなかった。
それに、例え強力な超サイヤ人4の力が無くともトランクス(未来)は自身の胸に手を当てて、己の内に秘めた希望の力を感じ取る。
トランクス(未来)「今のオレには、皆んなからもらった希望の力があります。この力で…貴方が齎してくれたこの平和な世界を、今度こそ守り抜いてみせます!」
悟空(GT)「そっか!確かに今のオメェなら、そっちの方が似合ってると思うぞ!」
悟空(GT)の力を借りずとも、取り戻したこの世界の平和を今度こそ守り抜いてみせるというトランクス(未来)の強い意志を目の当たりにして、どうやら要らぬ心配だったと悟空(GT)は思った。
この次元世界の平和は大丈夫だと、これからも彼等は地球を守っていけると確信したその時、別次元の神龍が大きな頭部を近づけて、悟空(GT)に告げた。
神龍が口にした言葉に「えっ…」と周りの皆んなは驚き、それを聞いた悟空(GT)はとても名残惜しいと思いながらも、もう自分がしてやれる事は無いと理解して神龍に応える。
悟空(GT)「……もうそんな時間だったか……何だか長く戦っていた気がしたのに、あっという間だったなぁ………分かった神龍、そろそろ行くか!」
この世界が救う事―――それを成し遂げた以上は、自分は何時までも此処に居座る訳にはいかない。
それが――神龍との約束だから。
悟空(GT)「……そんじゃあ皆んな、色んな事があったけど…もうオラは行かなきゃなんねぇみてぇだからさ、ここでお別れだ。」
いつもの何ら変わりない笑顔で過去と未来の仲間達に別れの時間だと告げると、頭を低くした神龍の方に近づいていく。
それを悟空(超)とトランクス(未来)が、まだ恩返しが出来てないから引き止めようと、慌てて声を掛ける。
悟空(超)「おいおい、待ってくれよ!もう行っちまうのか!?オラ達の時代に一緒に行って、モナカに会わせる約束がまだじゃねぇか!」
トランクス(未来)「そうですよ!オレだって、まだ貴方に何もお礼が出来てないんですから!」
悟空(GT)「……すまねぇな二人とも。けど……オラがこの世界に居られる時間は、もう無くなっちまったみてぇだから、そうゆう訳にもいかねぇんだ……。だから――、」
もう一人の自分との約束を果たせず、お礼をしてやりたいトランクス(未来)に申し訳なく悟空(GT)は詫びる。
その代わりに、彼は振り返って悟空(超)とトランクス(未来)の二人にそれぞれ手を差し出す。
悟空(GT)「だからさ、握手しようぜ!」
悟空(超)「え?お、おお……。」
トランクス(未来)「は、はい……。」
唐突に笑顔で握手を求められて、それに応じて悟空(GT)に近づいて片方ずつ手を伸ばした。
悟空(超)は右手を、トランクス(未来)は左手を。
二人が悟空(GT)の小さな手を握ったその時、握った手から微かな電流のようなものが迸って何かが伝わってきた。
悟空(超)「――!!」
トランクス(未来)「――っ!?」
握った手から伝わったそれを、言葉にするのは到底不可能であったが、明らかに人の域を超えた何かが感じた。
一瞬最初それは悟空(GT)の気だと思っていたが、すぐに違うと直感で気付く。
悟空(超)「オメェ……まさか……。」
トランクス(未来)「悟空さん……どうして……!?」
悟空(GT)「助けられたのは、寧ろオラの方だ。皆んなの力が無かったら、オラでもザマスを倒す事は出来なかったさ。だから…本当にありがとな!オメェ達の事は、絶対忘れねぇ!」
悟空(GT)は二人から手を離し、助けられたのは寧ろ自分の方であり、共に戦えた事を誇りに思って感謝の言葉を述べる。
今の彼の状態を理解した悟空(超)は、自然と出た言葉が途中で塞がってしまう。
そしてトランクス(未来)は、彼の言葉があまり頭に入って来ず、ただただ信じられない表情をしていた。
たった今、その手で握った感触などは確かに悟空(GT)のものだが、何故か握った感じがしないし、更にはどうゆう訳か目の前の悟空(GT)からは、全くと言っていいほど気が感じられない。
なら何故こうして存在しているのかと、トランクス(未来)は動揺してしまう。
いや、実際は理由を既に察していたのかもしれないが、それを口にすることは出来なかったのだろう。
彼は――
悟空(GT)は悟空(超)とトランクス(未来)の二人から離れて、再び神龍の方に向かって歩き出す。
体力を使い果たして、英雄はフラフラの状態ではあるものの、彼は一歩、また一歩と、共にこの世界に来た神の龍へと近づいていく。
ベジータ(GT)「……カカロット。」
すると今度は、同じ次元のライバルたるベジータ(GT)が、通り過ぎようとした悟空(GT)を呼び止めた。
腕を組んだベジータ(GT)は背を向けたまま、歩みを止めた悟空(GT)に背中越しで話す。
ベジータ(GT)「……オレ達純血のサイヤ人が若くいられるのは、概ね80歳前後だ。それを過ぎると肉体は急激に衰え始め、地球人と同じように老化していく。」
悟空(GT)「…………。」
ベジータ(GT)「その時が来る前に、オレはキサマのいる所まで行き、今度こそオレ達の因縁に決着を付ける。必ずな…!」
悟空(GT)「……ベジータ、オラもオメェとの真剣勝負…何時までも待ってるぜ…!」
別れのセリフなんて決して言わず、ベジータ(GT)は
悟空(GT)もまた、彼との最高の勝負が出来る日を楽しみにして、再戦の約束を交わす。
それぞれ互いを理解しているが故に、どちらもそれ以上の言葉なんぞ不要であった。
ライバルとの短い会話を最後に、悟空(GT)は神龍の頭部に飛び乗ると、皆んなに振り返って別れを告げた。
悟空(GT)「そんじゃ皆んな、じゃあな――!!」
その言葉と同時に、悟空(GT)を乗せた神龍が頭部を持ち上げて上昇を始めると、七つのドラゴンボールも輪を描きながら浮遊して
英雄の周りを飛ぶ。
あの日――最後の願いを叶えた時と同じように、神龍の長く巨大な緑の胴体が天を昇っていく。
悟空(GT)は見えなくなるまで、皆んなに向けて笑顔で手を振った。
それを、あまりよく分かっていなくとも、それぞれ別々の世界の悟空達や仲間達は引き止めずに、同じく手を振って笑顔で彼を見送る。
三人のベジータだけは例外で、笑顔でもなければ手も振っていないのだが、それでも視線を離さずにその場でライバルを見送ってくれていた。
トランクス(未来)「悟空さん!!!この世界を救ってくれて、本当に…本当にありがとうございます!!!!このご恩は、絶対に忘れません!!!!」
もう引き止める事が出来ない故に、最後にトランクス(未来)は心からの言葉を悟空(GT)に贈った。
既に悟空(GT)を乗せた神龍が舞い上がって、小さな子供の姿の彼は見えなかったが、その言葉はしっかりと聞き届いていたのは確かだった。
この世界に来て出逢えた仲間達と別れた悟空(GT)は、大空を舞う神龍の上に乗りながら視線を下に向けて下界を見下ろす。
そこには両親と一緒にいる幼いの兄妹ハルとマキや、同志達に再会出来たレジスタンス兵士達等、沢山の人々が見えていた。
彼等は皆ようやく訪れた平和な世界を実感して、蘇った都市で幸せな表情をしていた。
すると、人々も空を飛行する神龍の偉大な姿を目撃して、奇跡の力で生き返った人々と、最後まで生き残った人々が一斉に空を見上げる。
伝説の生物が天高く舞う姿は力強くも神々しく、そして美しい故に、人々は思わず魅入ってしまう。
その神の龍の背に、この世界を救った薄藍色の道着を着た少年が跨っているなんて、誰も想像出来ない。
大空を舞う神龍の行き先は、上空に浮かんでいる別次元へと繋がった出入口。
やがてドラゴンボール・神龍・そして孫悟空(GT)は、この世界に来た時と同じように、ブラックが大鎌で切り裂いて開いた空間の裂け目の中へと入っていった。
神龍の長い尾まで全て入ると間もなく同時に閉じられて、空間は正常に戻って裂け目は消滅した。
悟空(超)「行っちまったな…。」
悟空(未来)「ああ……ドラゴンボールや神龍と一緒に。」
悟空(ゼノ)「オラ達は……アイツから大切なものを、沢山貰っちまった…。」
世界を救った英雄が、旅立って行った。
神龍に乗って飛んでいった別次元の悟空(GT)が、空間の裂け目を通って消えたのを見届けて、過去・未来・そして並行世界の悟空達三人はそれぞれ呟く。
トランクス(未来)「悟空さん……。まさか…そこまでして、オレ達の為に……!」
マイ「トランクス……。」
悟空(GT)の事情を知ってしまったトランクス(未来)は、自身を含めた人々を守り、世界を滅亡の運命から救い、失われたものを全部取り戻してくれた彼に、何もしてあげれなかった事で悔やむ。
本当ならあの人は、自分が元いた次元世界で家族や仲間達と再会する為に使う筈だった“時間”なのに、それをこの世界を救う事に全て使わせてしまっていたなんて、想像もしていなかった。
やっと世界が救われたというのに、肝心の世界を救ってくれた悟空(GT)本人は本当の家族や仲間達に会えずにまた世界から消えるという、果てしなく大きな虚しさが残る終幕となってしまった。
悟飯(未来)「……トランクス、せっかく別次元の父さんが世界を助けてくれたんだ。だからこそ…キミが言ったように、父さんの苦労や努力を無駄にしない為にも、この平和をオレ達で守っていこう。」
トランクス(未来)「悟飯さん……。」
師匠の親譲りの優しい言葉に、トランクス(未来)は沈んで暗くなった心を無理矢理にでも振り払って、空を見上げる。
そうだ――悟空(GT)がそこまでしてこの世界を救ってくれたのだから、今度は自分達の力で世界の平和を守っていくんだと、己に誓う。
それが、あの空へと消えていった悟空(GT)に、少しでも恩を返す為にも――。
ヤジロベー「お、お〜〜い!!待ってちょーーっ!!!」
そう思っていると、赤い棒を持ってこちらへと走って来るヤジロベーの姿が――。
悟空(超)「お?ヤジロベーじゃねぇか!!」
悟空(未来)「久しぶりだなヤジロベー!!そういやオメェだけは、人造人間の時に運良く生き残ったんだよな。」
ヤジロベー「ドえぇっ!?孫!?何で孫悟空が三人も!!?どうなってるんだがや……!?」
悟空(ゼノ)「ハハハッ。確かにこうやってオラが三人も並んでいると、変に見えちまうな。」
悟空(超)「……ところでヤジロベー、今オメェが持ってるそれって……もしかして――。」
ヤジロベー「コレか?この棒が落ちとったから、届ける為に拾って来たんだけんど……あっちの悟空はもう行ってしもうたかぁ……。」
孫悟空が三人もいる事に驚くヤジロベーが見せてくれたのは、悟空(GT)が持っていた神器の如意棒であった。
まさか忘れてしまうとは……いや、如意棒を忘れるくらいに彼は疲れ切っていたに違いない。
そうでなければ、こんな大事な物を忘れるなんて有り得ないだろう。
しかしこの如意棒はどうするかと、肝心の持ち主本人に渡し損ねてしまって悩むヤジロベーに、赤い道着の悟空(ゼノ)が話し掛けた。
悟空(ゼノ)「…なぁヤジロベー、良かったらその如意棒をオラに預からせてくんねぇか?オラがアイツに届けてやりてぇんだ。」
ヤジロベー「え?おみゃあが?コレを違う悟空の方に届けてやるんか?」
悟空(ゼノ)「ああ。オラは別次元のオラに、命を助けられたからな。だから今度はオラが、アイツの為に直接渡してやりてぇんだ。」
ヤジロベー「そ、そうか…?じゃあこの棒は、おみゃあに任せる。」
未来のヤジロベーから、別次元の悟空(GT)が持っていた如意棒を受け取る悟空(ゼノ)。
助けてもらっただけでなく、超サイヤ人4の力まで貰ってしまい、彼には大変世話になった。
この大きな借りを、せめてこの如意棒を届ける事で少しでも返していきたい。
クロノア「……でも、一体どうやって探す気?彼はこの世界に姿を現すまで、今まで誰も発見出来なかったのよ?」
悟空(ゼノ)「う〜ん……確か時の界王神様、タイムパトローラーってのは色んな歴史の世界を行くんだろ?ってことは色んな世界を冒険してたら、何処かでまた会えるかもしんねぇって思うんだ。」
クロノア「確かにそうだけど……あの孫悟空は私の力でも見つける事は出来ないわ。それこそ今回のように姿を現さない限り、見つけるなんてほぼ不可能よ?」
しかし、邪悪龍の戦いを終えて神龍と共に旅立ったあの孫悟空(GT)は、クロノアの力を以ってしても見つける事は出来ないらしい。
そもそも彼の存在はクロノアも前々から知っていたが、彼女の持つ巻き物「終わりと始まりの書」には元々住んでいた次元の歴史で「超一星龍に殺された」と記録されているのに、その後に奇跡の復活を果たして超一星龍を倒すと、巻き物にも記載されてない所へと行ってしまった。
個人的に気になって彼が何処へ行ったのか隅々まで探したが、結局のところあらゆる歴史を探しても影も形も観測出来なかったにも関わらず、ブラックとザマスが暴れるこの世界に裂け目から突然姿を現した。
何故今まで見つからなかったのに急にこの世界に姿を現したのか謎で、もし仮に時間や空間をも超越した異次元にでも存在しているとしたら、コチラ側から捜索するのは不可能に等しい。
悟空(ゼノ)「……いや、例え何処にいるか分からなくても、オラはコレをちゃんと渡してぇんだ。それに……その時までにこの超サイヤ人4の力を使いこなせるようにして、アイツと勝負するんだ!」
悟空(超)「おおっ!いいな〜、オラも戦いてぇぞ!」
悟空(未来)「オラ達の目標は決まったな!」
それでも、悟空(ゼノ)の決意は固い。
例え砂漠の中から一粒の砂糖を探すような果てしない事だとしても、いつか必ず会いに行ってみせる。
そして、それまでに超サイヤ人4の力を完璧にコントロール出来るようにして、彼と最高の勝負をするのが、今の悟空(ゼノ)の目標だ。
それに関しては他二人の悟空達も同じであった。
孫悟空達は、これからも強くなる事を諦めない。
まだ見ぬ強敵と戦う為に、かけがえのない自分達の世界を守る為に――。
そして――強さの果てに一足先に旅立って行った、偉大なる英雄といずれ最高の勝負をするべく、彼等の挑戦はまだまだ続いていく。
⚫ゴクウブラック→孫悟空(ゼノ)
原作のヒーローズとは出自が違うゼノ版の悟空で、その正体はザマスによって肉体を奪われて殺された孫悟空本人。
この小説で孫悟空が四人も増えちまった……。
神龍の力で時空を越えて復活した彼だが、本来の歴史では助からない運命だった故に、元の世界に戻った際の歴史の影響等を考慮してすぐには戻れず、戻れるまでの間はクロノアからスカウトされる形でタイムパトローラーに就職が決定。
出自そのものは違うとはいえタイムパトローラーは様々な時代で戦う都合上、一応は原作ヒーローズのゼノ悟空と似たような経験をする可能性もあるので、そこまでおかしくない筈……。
またブラックに家族を殺された件もあってか、後に数多の歴史で戦いを経験する事で、超の能天気な部分が強めの性格から、旧劇場版やGT寄りのヒーロー気質の強い性格になる(予定)。
余談ですが投稿開始当時は、この小説のGT悟空が戦いの後にゼノ悟空としてタイムパトローラーになる案も考えていましたが、流石に強すぎて対戦相手側が可哀想な上に、邪悪龍戦後のGT悟空の神秘性が欠けてしまうと考えて没にしました。
また、この未来編の物語に悟空ゼノが出てくる展開は、私が好きなドラゴンボール小説をモロに影響を受けています。
⚫GT悟空が渡した力
ブラックとザマスのせいでゼノ悟空から神の力が奪われてしまい、ゴッドやブルーの変身が出来なくなった為、その代わりとしてGT悟空が自身の力を分け与えて超サイヤ人4の力を継承。
更には無限ザマスを倒す為に、サイヤパワーを分けてくれたトランクスを除く五人にも、同じく超サイヤ人4を与える事に。
しかもGT悟空の加護によって、必要条件の尻尾を生やす必要もなく変身出来る上に、追加特典として通常の超サイヤ人4さえ完璧に変身出来ればオマケで、
超フルパワーサイヤ人4
超フルパワーサイヤ人4・限界突破
の二形態にもなれる等、超が付くほど豪華すぎる力を渡している。
「流石に豪華すぎじゃね?」とか、「自力で強くなる悟空やベジータのポリシーに反するのでは?」と思う人がいるでしょうが、クロノアも言ったように彼等の世界は本筋とは違う歴史を歩み始めた為、この先の未来がどのようになるのか全く分からず、寧ろ超サイヤ人4の力も持ってないとヤバイ状況になる可能性もあるので、そういう意味では超の悟空達にも与えて方が良いでしょう。
因みに継承と言ってますが、別にゴーカイジャーや仮面ライダージオウみたく元の変身者の力が無くなる訳ではないので、その辺はご安心を。
おそらく次回が【最終回 後編】になり、そこで未来トランクスとの別れになります。
ただタイムマシンが完全に壊れてしまったので、ヒーローズのプロモアニメみたく後に登場とかも出来ず、本当に最後の別れになります。
ですが、彼等はもう自分の世界を自分達の力で守れるので、特に心配する事は無いでしょう。
いよいよラスト……最後まで頑張ります!
⚫神龍と共に旅立つGT悟空……
GT最終回と同様、あの時のように神龍に乗って何処かへと旅立って行ったGT悟空……。
そもそも今作で彼は一体どのような状態だったのか、そして何処から来たのか……それはファンによって解釈が変わる為、詳しくは語りません。
強いて個人的な考えを言うならば……彼は時間や空間をも超越した誰も知らない場所でドラゴンボールの完全浄化を行いつつ、元の世界に帰り仲間達と再会する為の『時間』を溜めていました(最終回や悟空Jrのストーリーの感じみたいに)。
しかし、偶然にも超の次元の未来で暴れるブラックとザマスの存在を知り、未来トランクス達を助ける為に『元の世界で皆んなに逢う為の時間』を消費し、ブラックの大鎌によって切り裂かれた空間の裂け目から突き破って降臨。
その後も短くも長い戦いで時間を削り、遂には全ての『時間』を使い切ってしまい、更にはまたしてもドラゴンボールを使用したのも相まって、GT悟空は再び世界から去る事に………というのが私個人の考えです。
以前から感想コメントで、勝利した後で「過去でビルス達と会った時の反応が見たい」や、「力の大会に参加したら面白そう」というのがいくつか有りましたが、申し訳ありませんがそれに関しては出来ません……。
そうゆう展開も確かに面白いとは思いますが、私はGT悟空が大好きだからこそ、これ以上無闇に現世に居座らせる訳にもいかず、最終回と同様に神龍に乗って去る事に拘りました。
因みに最後にゼノ悟空は、いつか彼の如意棒を直接届け、三人の悟空達とGTベジータは、GT悟空との勝負をすると決意しましたが、そもそも彼は何処から来たのか全く以って謎で、再び逢えるかどうかは分かりません。
……ですが、GT最終回における100年後の世界で大人姿のGT悟空が、忘れた筈の如意棒を持っている姿が確認されているので、もしかしたら……。