…今更ながら私がこの小説を書いた理由を言いますと、個人的にドラゴンボール超が楽しめなかったからです。理由はもちろん「超の悟空のキャラ改変」と、「未来トランクス編の結末」が最大の原因です。
アレが正史扱いされているせいで一時期ドラゴンボールが嫌いになりそうになってしまい、近年の新劇場版でも素直に楽しめない状態が続いてます。
頭の中のモヤモヤを払いたくて、原作漫画、アニメ無印やZ、旧劇場版、そしてGTを見返してる内に、一つの考えが浮かびました。
自分の中で今でも最強だと信じてる超サイヤ人4なら、名実共に全てを救ったGTの悟空なら、超の未来世界の絶望的結末も絶対に変えてくれる筈だと………そう思って二次創作を読み漁っていたんですが、なかなかそのような小説に巡り会えなかったんですよね。いや正確にはGTベジータが活躍するお気に入り小説があったんですが、既にもう消えてしまっていてもう読めなくなっており、モヤモヤが増す一方でした。
こうなったらもう自分で書くしかない!下手くそだろうが批判されようが、あまり内容がまとまってなくても関係ない!
未来は…オレが変えてみせる!!そんな感じで見切り発車してしまいました……。
タイトルでも分かる通り、この回ではブラックにとある設定を追加しました。これは原作漫画で他のキャラにあった設定で、理論上はブラックにも通用すると思いますが、読者の皆さん(特にゴクウブラックのファン)からしたら賛否分かれるかもしれません(だが私は謝らない)
念の為に言っておきますが、この小説って作者の妄想と欲望の塊なので、読者の皆さんとの解釈違いは必然的で、納得出来ない事はあると思います。自分は極論、あの悲劇の結末を迎えた未来世界さえ救えればそれで良いと思っておりますので、それでも良ければ今後もよろしくお願い致します。
※2026年7月13日〜2026年9月19日に内容を一部修正しました。主に地の文の書き加えと、登場人物のセリフを少し変更しました。
悟空(GT)「だだだだだだだだだだだだだだだっ!!!!」
ブラック「はぁっ、はぁっ、…くっ!!」
超サイヤ人4と超サイヤ人ロゼ進化――人間と神の戦いは激しくぶつかって拮抗していたが、ここに来てブラックは疲れと焦りの色が出始めていた。「八手拳」程度の仕組み自体は容易に理解し、彼もまた両手の神裂斬を残像が残る程の素早く変幻自在の軌道で攻撃を繰り出し、2本のピンク色の剣と、8本の残像の拳がぶつかるたびに火花を散らす。
一瞬の間に数百を超える技の読み合いが行われ、何方も決定打を与えられていないが徐々にブラックが劣勢になっていく。初めは通用した攻撃が受け止められ、流され、果ては返されるようになり、圧倒していたパワーもほとんど同等か、押されるまでになっていた。
ブラック「はあぁっ!!!!」
拮抗して同じ状況が続く戦いにしびれを切らしたブラックは、一気に勝負を決めに右手の「神裂斬」で思いっきり突き刺そうと間合いを詰めてきた。
悟空(GT)「フッ!! だりゃあっ!!!!」
ブラック「ぐあぁっ!!!!?」
しかし、悟空(GT)は冷静に対処して左手で外側に受け流し、その一瞬の隙を突いてブラックの頬を右手拳で殴り飛ばした。怯んだブラックは若干後退しながらも、すぐに体勢を整えて悟空(GT)を睨む。
ブラック「くっ……ど、どれだけ攻撃したって無駄だ! キサマから受けたダメージでオレはより強く、より気高く、より孤高で、より崇高な存在へと―――何っ!?」
ところが最後まで言葉が続かず、ここでブラックはある違和感に気付いた。
――いや、正確にはようやく気付く事が出来たと言う方が正しく、自身の身に異常事態が起きていた。
ブラック(な、何故だ!? 何故パワーアップしない…!? 何が起きている…!!?)
ブラック最大の武器である「ダメージを受ける度に強くなる力」が機能していない事に。それどころか、ロゼ進化として戦い始めた時よりも戦闘力が下がっていた。
あまりの想定外の事態にブラックは動揺を隠しきれず、酷く困惑していた所に悟空(GT)は不敵な笑みを浮かべて煽って来る。
悟空(GT)「フッ……どうしたゴクウブラック。 さっきから一向にオメェのパワーが上がってねぇぜ?」
ブラック「キサマッ!! ……一体何をしたっ!!!!」
己の最大の武器を失い、冷静さを失って声を荒らげたブラックは右手の刃で左の手の平を突き刺し、引き抜くと同時に巨大な薔薇色の鎌「悲憤の大鎌」を作り上げる。悟空(GT)がこの世界に来るきっかけにもなった次元に裂け目を発生するほどの鋭い鎌を、勢いよく真一文字に一閃し三日月型の斬撃波と飛ばす。
悟空(GT)は間一髪で避けるも、更にそこから接近して縦にもう一度斬り下ろす「漆黒の断罪」で追撃してくる。
悟空(GT)「ぐっ…!!」
今度は胸の前で腕をクロスしてガードするが、完全に勢いを殺し切れず地面に叩きつけられそうになる。どうにか寸前の所で受身を取ってダメージを軽減しつつ体制を整え、すぐに地面を力強く蹴ってブラックに殴りかかる。
――だが拳が当たった瞬間、ブラックはピンクの|煙状になって消えてしまった。
悟空(GT)「何っ!?」
少し動揺した悟空(GT)は少し動きを止めるが、気が付くと消えた筈のブラックが一瞬で後ろに回り込んでいた。すぐに察知した悟空(GT)は、振り向き様に回し蹴りをおみまいするが、先ほどと同等に当たった瞬間に
「一体どうなってるんだ?」っと――煙になった事や、手応えが無い事にやや混乱したが、ふと周囲を見回すと驚きの光景が映る。
悟空(GT)「な、何だこれは……!?」
気付けば自身の周りにはなんと、超サイヤ人ロゼ進化のブラックが何人も増えていた。しかも1人や2人どころではなく、一目見ただけで少なくとも十数人以上は存在する。
よく見ると上空の裂け目からピンク色の煙が溢れ出していて、それが次々に超サイヤ人ロゼ進化のブラックに変わっていく。
悟空「多重残像拳でも、天津飯が昔使ってた四身の拳ってやつでもねぇな……!」
似たような分身系の技はこれまでに何度か見た事はあるが、その何方にも該当しない。
コレは技と言えばいいのか分からないが、気の鎌で空間に生じた裂け目から溢れ出したピンク色の煙を何らかの方法で操り、自身の分身を作り上げるものである。分身自体は煙になる事で打撃攻撃を無力化し、煙の流出を止めない限り無数に増えてしまう。
因みにあの裂け目や煙の正体はブラック自身にもよく分かっておらず、本人曰く「視えているのは別の宇宙か、遥か未来か、過去か、或いは俺が抱え込んだ底無しの怒りそのものかもしれん…」と述べており、悟空(GT)がこの世界に来た事から、恐らく出口は1つではないのだろう。
故にその中に煙の発生源を含め、何があっても不思議じゃない。
ブラック「行け!! 我が分身よ、ヤツを殺せ!!!」
ブラックは怒りが混ざった必死の形相で、鎌を悟空(GT)に向けると同時にブラックの分身達が一斉に襲い掛かって来た。しかも本人と同様に手には巨大な大鎌まで握られており、悟空(GT)を斬り裂こうと振り被ってくる。
即座に物理攻撃が効かないと分かり、向かって来る分身体ブラック達を次々に「連続エネルギー弾」で撃墜して行くが、当たれば煙になって消えて、再形成して現れ、また当たれば消えて現れるを繰り返す。
このまま続けても埒が明かないと、前方から来る分身ブラック達に対処しながらそう思い始めたその時、背後から本物のブラックが大鎌で攻撃してきた。
悟空(GT)「おっと!」
ブラック「チィッ!!!」
しかし、後ろに目があるのかと思わせる程に、奇襲するブラックの攻撃を無駄無く回避する。続けて分身ブラック達が悟空(GT)の周りを囲い込み、四方八方から一斉に大鎌で攻めて来るが、姿が消える程のスピードで回避。
その勢いのまま本物と思われる1人に蹴りを入れたが、どうやらまた分身だったようで、再び煙となって消える。
悟空(GT)「くっ…! これも偽物か――!!」
分身体は悟空(超)やベジータが戦った時は姿に微妙な差があったが、眼の前に広がる大量の分身体は完全に本物のゴクウブラックと瓜二つで、見分けるのが非常に困難だった。
本物を見分ける為に、悟空(GT)は攻撃を躱していきながら右手人差し指と中指を額に当て、瞬間移動の準備をする。因みに悟空(GT)の世界では超サイヤ人ゴッド等は存在しない為に本来なら神の気を感知出来ない筈だが、過去の時代の悟空(超)の記憶から神の気を理解し、戦いの中で既に神の気を捕らえる事が出来るようになっている。
だが、この煙の影響か周辺の気が出鱈目になっていて、上手く本物のブラックの気を捕らえなれなかった。
悟空(GT)(なんとかして、この中から本物のブラックの気を捕えねぇと……!)
それでも諦めず、なんとか分身ブラック達の斬撃を見切りながら、落ち着いて精神を極限レベルに研ぎ澄ます。すると、外に漏れず体の内で高まっているクリアで質が高いブラック本人の気が、だんだん感じ取れるようになってきた。
悟空(GT)(…これか!! 捕えた!!)
一瞬の隙を突いて本物の気を読み取り、嘗てヤードラット星人から教わったテレポート技「瞬間移動」でブラックの目の前に移動した。
ブラック「なっ!!?」
悟空(GT)「はあぁっ!!!!」
ブラック「うがぁっ!!!!」
眼前に現れた事に驚くブラックに、悟空(GT)は即座に赤い炎のようなオーラを纏ってブラックに突っ込み、殴りかかった。
悟空(GT)「だりゃあっ!!!! うおぉりゃあっ!!!!」
ブラック「ぐああああああああ!!!!」
怯んだ所から更に拳と蹴りの連撃を繰り出し、最後に片手から放つ衝撃波で吹き飛ばす「超龍撃拳」で、本物のブラックは後方へと飛んでいった。
そして此方に向かって来る分身ブラック達に気付き、彼等の攻撃を余裕で躱しながら開けた場所まで誘導し、悟空(GT)は近くの建物の屋上へと着地すると気を溜め始める。気を溜める際、周りの空間が赤混じりの黄金色のエフェクトに包まれ、それが吸収されるかのように悟空(GT)の両手のひらへ球体状になって集まっていく。
悟空(GT)「よ〜し、ブロリー!! オメェが使ってた技、ちょっとだけ借りっぞ!!!」
嘗て悟空(GT)が戦った強敵――破壊と殺戮を好む伝説の超サイヤ人の「ダブルイレイザーキャノン」に酷似した技を形成。
先ずは2つの気弾のうち1つを、群がるブラックの分身達へと向けて投げつける。気弾は分身体のブラック達の中心まで飛んで行った瞬間、一気に膨張して巨大な光のドームに巻き込まれ、次々と気で完全に消滅されていった。
悟空(GT)「はああああああああああっ!!!!!」
更に残ったもう1つの強力なエネルギー弾を、今度は裂け目に向かってオーバースローで投げつける。気弾は裂け目に吸い込まれるように入って、奥の方へと消えていった。
悟空(GT)「はぁっ!!!!」
見えなくなったのを確認して、悟空(GT)は拳を握りしめて遠隔操作で気弾を爆破。眩く光る巨大な爆発は、裂け目の向こう側にあると思われる煙の発生源に影響を及ぼし、ピンクの煙は収まった。
悟空(GT)「よし! これでもうあの煙は使えねぇ筈だ!」
ブラック「おのれ…っ!! なら、これはどうだ!!!」
悟空(超)やベジータが為す術無く翻弄された分身体を、あっという間に撃破した事に一層苛立ちと焦りが滲み出るブラック。何故か自身の戦闘力が低下していく原因が分からない中、渾身の力を込めて頭上に手をかざし、大人1人分ぐらいの大きさはある火球状の気弾を作り上げていた。
超サイヤ人ロゼ進化と同じく、内側の気弾はマゼンタ色で、外側に黒い炎が覆っている。
ブラック「滅びろ!!! 獣のように醜い超サイヤ人!!!!」
火球状の気弾を、悟空(GT)に向けて思いっきり振り下ろす。迫って来る濃密で恐ろしく強い火球を前に、悟空(GT)は表情一切変えず堂々とした姿でその場に留まった。
防御も回避もせず、気の球体の中に飲み込まれてから数秒後、中心から爆発を起こし、叩きつける嵐のような暴風と共に火柱が発生した。
直径数十mはある巨大な火柱は天を衝くほどそびえ立ち、暗雲で光が射さなくなった荒廃都市を明るく照らす。
ブラック「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……。は…ハハハハッ……流石に、今度こそは……!」
肩で息をする程に激しく息切れしながらも、確かな手応えを感じたブラック。仮に倒し切れなくとも、渾身の力を込めて撃った今の一撃なら、致命傷レベルの大ダメージは受けてるだろうと確信を持っていた。
やがて火柱は収まり、立ち込める黒雲が晴れていく。
―何勝った気になってんだ!―
ブラック「なっ…!? あっ…ああ………!」
だが、突然発せられた声と徐々に浮かび上がる1つの影に驚きの声を上げ、空いた口が塞がらなかった。
呆然と見つめるその先には、何事も無かったかのように平然としている超サイヤ人4の悟空(GT)の姿があり、獣のような鋭い目で真っ直ぐブラックを見つめていた。
悟空(GT)「…あの程度の技が効いてる訳無いだろ」
彼の身体には何処にも傷一つ無く、ダメージを喰らった様子も無い。これは超サイヤ人4という、頭髪のみならず肉体にも変化を起こすその特異変身が多少なりとも影響しており、生半可な攻撃ではびくともしないほど身体が頑丈になっているのだ。
まさしく正面からの真っ向勝負に優れたサイヤ人らしい形態だが、それでもこれだけ攻撃を受けてもまるで無かったかのような様子に、ブラックは心底信じられず声を荒らげた。
ブラック「バカな…!! 手応えはあった!! 確かに命中した筈だ!!!……うぐっ!?」
目の前の事実が受け入れられず言葉を放つ途中で、突然ブラックに襲ってくる急激な脱力感。先ほどからダメージを受けても戦闘力が上がらず逆に下がっていく一方で、既にブラックの実力は進化する前の超サイヤ人ロゼよりも下回っていた。
過去の悟空(超)やベジータ、そしてトランクスと戦った時はこのような現象は起きなかった事から、別次元の悟空(GT)が何かしたのではないかと思っていたが、彼の放った次の言葉でそれは否定された。
悟空(GT)「……オメェの弱点を教えてやる。 1つ目の弱点は…オメェ自身が
ブラック「何だと?」
ブラックは一瞬、悟空(GT)の言っている事がよく分からなかった。強くなった事と、パワーアップしなくなった事がどう結び付くのかブラックは理解出来なかったが、悟空(GT)が続けて簡潔に説明する事でようやく解明される。
悟空(GT)「オメェは今までその肉体の力ばっか頼って強くなったんだろ? 力だけ強くなり過ぎた結果、オメェの中身がついて行けず、ギニューと同じで魂と身体にズレが生まれたんだ。 そうなればダメージを受ける度に強くなる力も、上手く発揮出来ねぇって事だ」
ブラック「――っ!!」
以前戦った事があるギニュー特戦隊の隊長「ギニュー」は、向かい合った相手と身体を入れ替える「ボディチェンジ」という能力を持っていた。
嘗て旧ナメック星で戦闘した際、ブラックと同様に悟空の強さに魅入られたギニューは、ボディチェンジを使って悟空とギニューの精神と肉体を入れ替えた事があった。これで強い力が手に入ったと思ったが、ギニューは悟空に「慣れていない身体では界王拳はおろか、気のコントロールも上手く出来ず、精神と体が一致しなきゃと大きな力は出せない」と指摘された。
事実ギニューは最初その言葉を気に留めて無かったが、悟空の身体のスペックを充分に引き出せず、逆に前の自分よりも大幅に弱体化してしまったのだ。
悟空(GT)「いくら超ドラゴンボールで叶えた願いでも、所詮それはオメェの身体じゃねぇ。 その身体はオレの……いや、この次元の孫悟空のモノだ。 魂と肉体ってのは完全に一致しなきゃ、真の力は発揮出来ねぇんだよ」
ブラック「くっ……!!」
偽りの肉体で使った力は本当の強さではないと本人に指摘され、怒りと屈辱に塗れながらも非常に納得したブラック。思えば身体を入れ替えた当初はまともに超サイヤ人にすら変身出来ず、なのでこの未来世界に来てから他の神々や人間達を殺害、更にトランクスや悟空(超)との戦闘で徐々に慣らしていった。
そのおかげで、遂には超サイヤ人ブルーに相当する形態の超サイヤ人ロゼになる事で孫悟空の力を完全に我が物にし、美しさの頂点に至った。
だが別次元との悟空(GT)との戦闘で、想像を超えるダメージからなる急激な戦闘力の上昇が原因となり、強くなっていく肉体に対して魂が追い付かず、結果ギニューと同様の事態が起きた事で肉体の力を上手く発揮しなくなってしまったのだ。
しかし、肉体の力が機能しなくなった事は理解出来たが、それでは戦闘力の低下が説明出来ない。そんなブラックの疑問に察したのか、悟空(GT)は2つ目の弱点について語り始める。
悟空(GT)「2つ目はその
超サイヤ人ロゼ及びそれ該当する正統形態の超サイヤ人ブルーは、超サイヤ人3ほどではないにしろ他の形態より気の消耗が多少大きい。となれば、今までの超サイヤ人ロゼを遥かに凌駕する力を我が身に集約させ誕生した上位形態の超サイヤ人ロゼ進化は、超サイヤ人3のような激しい消耗があっても不思議ではない。
そんなリスキーな形態は慣れるまで慎重に扱うのがセオリーだが、ブラックは超サイヤ人ロゼ進化になると破壊神を超えたと確信して調子に乗った事や、先ほど言った1つ目の弱点である魂と肉体のズレの影響を受けて、気付くのが遅くなっただけでなく本来よりも余計に体力を消費し過ぎてしまったのだ。
ブラック「まさか……全部…計算していたと言うのか!? オレが強くなる事も、さらなる…進化を得てこうなる事も全て……!!」
謎が全て解けたブラックは呆然とし、自分が知る孫悟空との違いに驚愕する。精神の未熟さと反比例し、強大な力を得てしまった神の最大の駄作たるサイヤ人――その中でも礼儀を弁えず神に対して無礼な態度をとり、戦う事しか考え無い低脳で脳筋な思考回路を持つ人間、それが「孫悟空」という存在だと決めつけていた。
その孫悟空が、ここまで知的な面を見せるなんて、到底信じられなかった。
悟空(GT)「……いや、そこまで考えていなかったさ。 だが、結果的にオレに良い方向に進んだだけさ」
実際に悟空(GT)は最初から、ブラックの弱点を分かってた訳では無い。当初は超サイヤ人4の高いスタミナを活かしてブラックのエネルギー切れを狙ってただけで、超サイヤ人ロゼ進化になるとは予想だにしてなかった。
だが長い戦いの中で積み重ねて来た経験からブラックを倒すヒントを見つけ出し、自身の読み通りブラックが強くなった事で最大の武器が封じられ、想定より早くガス欠が起きたのだ。
悟空(GT)「もうオメェは強くなる事は出来ねぇ。 出来たとしてもまた長い時間を掛けて今の身体に慣らすしか方法は無い……だが、そんな時間は与える訳にはいかねぇ! 今此処で、オメェを倒す!!」
その言葉を口にした瞬間、悟空(GT)の気が瞬間的に上昇してブラックでも反応出来ない程の速度で接近。今までに無い強烈すぎる一撃が腹部にめり込ませた後、即座に組んだ両手を頭上から打ち下ろすダブルスレッジハンマーを叩きつける。
悟空(GT)「だああっ!!!!」
ブラック「ぐああっ!!!?」
更に地上にぶつかる寸前、回り込んで渾身の蹴りで上空に打ち上げ、瞬時に軌道先へ瞬間移動で先回りして、わずか1mにも満たない距離まで来た所で悟空(GT)は左手を突き出し、気功弾を1発、2発と撃った。
強力なコンボ技の「メテオスマッシュ」をまともに喰らったブラックは地面に激突し、ぼろ切れのように転がる。
ブラック「うがあぁ…っ!!! が……ああ……!!」
たったの数発の打撃と気弾で体力がゴッソリ削られ、ブラックは全身に駆け巡る凄まじい激痛で顔を歪め、苦しみもがいていた。
しかしこれだけの大ダメージを食らったにも関わらず、肉体が強くなったり気が増す様子はなく、寧ろ今の攻撃でより気が減少してしまい、一気に悟空(超)が初めて超サイヤ人ゴッドに変身した時よりも低く、もう超サイヤ人3でも充分倒せるまで下がっていた。
ブラック(ヤ…ヤツの戦闘力を見誤った……! ヤツは…オレや破壊神よりも、遥か上の次元に立っている……!!)
ここでようやくブラックは、先ほどまで自分が如何に天狗であったかを思い知らされた。「超神裂乱舞」など数々の技が通じなかったのは、圧倒的な実力の差。
一瞬だけ戦闘力が上昇したのは、普段は必要最低限まで気を抑えて身体をリラックスさせ、攻撃の瞬間のみ爆発的に気を高める事で肉体への負担を減らして体力を温存し、無駄なく力を発揮させる為。
おそらく今戦っている悟空(GT)の本当の強さは、破壊神を遥かに超え、その気になれば天使レベルの領域に迫りつつあると推測される。
ベジータ「あ……ああ………!」
悟空(超)「あ…アイツ、一瞬だけ…ほんの一瞬だけ、あのバカデケェ気が、更にとんでもなくデカくなった……! 信じらんねぇ強さだ……!!」
異世界の戦士の次元が違いすぎる強さに、悟空(超)とベジータの身体が震える。それが所謂武者震いなのか、恐怖から来るのかはこの時本人にも分からなかったがそれでも少なくともあの悟空(GT)は、自分達とは比べ物にならない程の立ち位置に存在するのは確かだった。
そんな事を思ってる間に悟空(GT)は地上に降下、足に地を着けるとゆっくりブラックに歩み寄って来る。それを目にしたブラックはなんとか身体を起こし、腰を抜かしながら後退りする。
必死に距離を保とうとしたブラックだが、いつの間にか建物の壁まで追い詰められていた。
悟空(GT)「ここまでだブラック。 オメェ達の人間0計画もこれで終わりだ」
一定の距離で止まった悟空(GT)は、冷たい表情で右の手の平をブラックに向け、気を貯める。右手に宿した気には、今のブラックを葬り去るには充分すぎるパワーを秘めている。
ブラック「っ!!!」
殺される―――ブラックの脳内にその言葉がよぎり、不滅の神である自身が死を直感する。やがてエネルギーを貯め終えた悟空(GT)は、止めを刺すため手に宿す桁違いのパワーを持った気功波を放とうとした。
悟空(GT)「ぐっ!!?」
しかしその瞬間、まるで
悟空(GT)「な、なんだ…!? 身体…が……思うように…う…動けねぇ……うわぁっ!!?」
未だに頭の中の理解が追いつかない悟空(GT)に突如、見えない力で約10mぐらい後方に吹っ飛ばされ、仰向けに倒れる。
謎の力に身体が重く感じて動けないでいると其処へ、ブラックでも悟空(GT)でもない第3者の声が発せられる。
???「危ない所だったな、私よ」
悟空(GT)「なっ…!? オメェ、どうして……!!」
ブラック「オマエ……無事だったのか…!」
その正体は、戦っている3人や遠くで見ている他の皆んなを含めて、この場にいる誰もが知る人物だった。声がした方向に目を向けると其処には、先ほど太陽によって破壊と再生の灼熱地獄に落ちた筈のザマスが居たのだ。
ザマス「さっきはよくもやってくれたな! 孫…悟空!!」
彼は悟空(GT)に向かって手をかざしており、激しい剣幕で睨み付けていた。どうやら身体が動かないのは、ザマスが界王神の能力の1つ「金縛りの術」を使って悟空(GT)を拘束しているようだ。
ベジータ「なっ…!? アイツはザマス!!!」
トランクス「そんなバカな!? ザマスはさっき、太陽に落ちたはずじゃあ…!!」
マイ「まさか…抜け出して、戻って来たって言うの!?」
悟空(超)「ブルマ、どうなってるんだ!? ザマスは、永遠に戻って来れないんじゃねぇのか!?」
ブルマ「わ…私にも分からないわよ! 一番低い表面温度でも、摂氏6000℃もあるのよ!? たとえ再生出来ても、その場ですぐ焼き尽くされる筈よ!!」
シン「それじゃあ、一体どうやって!? いくら界王神でも、無事じゃ済まないのに……!!」
ゴワス「まさか…不死身の力が、これほどまでとは…!!」
動揺しているのは悟空(GT)だけでなく、遠くから見ている過去の悟空(超)達も同じだった。
ザマスは片手で悟空(GT)に術をかけたままブラックの背後に移動し、もう片方の手を肩に置いてエネルギーを集中させる。
ザマス「はあっ!!!」
エネルギーを集中させた手には光が宿り、それをゴクウブラックに流し込む。肩から送られて来た光のエネルギーはあっという間に全身に伝わり、ブラックの気が全回復した。
ベジータ「おい、どうゆう事だ! 仙豆を使った訳でも無いのに、ブラックの気が元に戻ったぞ!! 説明しろ!!」
トランクス「界王神様! 何故ブラックの体力が……ザマスは一体何をしたんですか!」
ゴワス「お…恐らく、ザマスがブラックにやったのは、傷を直し体力を回復させる『復活パワー』という回復術だ!」
シン「そうか! この世界でもう1人の自分を味方にしたのは、万が一追い詰められた時を想定して、回復手段を確保する為でもあったんだ!!」
「復活パワー」とはシンに仕えている従者のキビトや、ザマスのような界王神見習いに与えられる力で、体力や怪我を全快させる事が出来る。ブラックとなった元ザマスは、身体を入れ替えて強大な力を得た代償に神々特有の能力をいくつか失っており、計画を進めるには一人では限界があったので、同じ思考を持つもう1人の自分自身が必要だった。
行き先として未来トランクスのいる世界を選択したのも、タイムマシンで歴史を改変したトランクスやブルマの抹殺や、破壊神の中でも色々な意味で厄介なビルスが居ない好都合な世界だった事の他に、見習い界王神として従事しているもう1人の自分を取り入れる事で復活パワーという保険を手に入れる為でもあった。
全快になったブラックは立ち上がり、不機嫌ながらもザマスに礼を言う。
ブラック「くっ……助かった……」
ザマス「その肉体に関しては、後回しにするとしよう。 我々の理想卿……人間0計画の為にも、今オマエに死なれては困るからな」
ブラック「チッ!……見ていたのか」
彼の言葉からして、ブラックの弱点が判明した辺りから既に地球に戻って来ていたのだろう。手の平を握ったり開いたりして確認したが、それでも先ほど言われた弱点が影響しているのか、今まで受けたダメージで戦闘力は上昇する事は無かった。
悟空(GT)「ザマス!! オメェ、どうやって太陽から抜け出したんだ!!」
悟空(GT)はザマスにどうやって太陽から脱出したのか問いかける。不死身だから太陽に落ちたくらいで死にはしないのは分かっていたが、過去の戦いの経験からして、よほどの事が無い限り脱出は不可能な筈だ。
その悟空(GT)の問いに、ザマスは答えた。
ザマス「気になるか? なら低脳のキサマ等にも分かりやすく、特別に教えてやろう…。 あの時太陽に落とされた私は、あえて一度完全に肉体を消滅させた後、魂だけの状態のまま移動して太陽から脱出したのだ。 そして抜け出した後で肉体を再構築する事で、私はこうやって復活を果たし舞い戻って来たと言う訳だ」
悟空(GT)「チッ、そうゆう事か……流石に毎回都合よく、この方法が通じる訳無いか……」
説明を聞いて、意外な方法で太陽から抜け出た事を知った悟空(GT)は舌打ちする。以前に旧ナメック星で死んだクリリンを地球で生き返らせるために、ポルンガの力で「クリリンの魂を旧ナメック星から呼び寄せてほしい」とブルマ達が願った時があったが、あの時と状況は違えど少し似ていた。
悟空(GT)が居た世界で似たような相手や、手が付けられない程の強敵には最終的に太陽に落として勝利を掴んできたその経験上、不死身のザマスにはこの方法が最善策だと今回も同じく勝利を確信していたが、まさかここまで不死身の力が厄介だったとは思わなかった。
悟空(GT)「だったら!!!」
声を上げながら気合いでザマスの金縛りを解き、立ち上がった後に半身になって片腕を前に突き出した構えを取る。
悟空(GT)「だったら今度は、気で魂ごと完全に消滅させてやるまでだ!!」
たとえ不死身だからといって、勝機を完全に失った訳では無い。魂ごと消滅させるか、降参させるまで戦う等、他にも倒せる可能性はゼロではない。
どの道この戦いで負ける事は許されず、トランクス達の為にも絶対に勝たなければならない。
悟空(GT)は引き締まった表情で闘志を燃やし、全快になったブラックと、太陽から戻って来たザマスに再び立ち向かって行った。
●ブラックに追加した弱点について
初期案では肉体が耐えられないくらいの大きなダメージを受けると、ブラックの特性が発動せずパワーアップ出来ないという事にしていましたが、個人的に説得力に欠けていると思い、ギニュー戦でのボディチェンジや超サイヤ人3でのデメリットを引用させてもらいました。
また裏設定として、ブラックに肉体を奪われた並行世界の方の悟空は超サイヤ人ブルーまでは使いこなせているけど、ブルー進化に至ってない為、それが原因でブラックは自力で習得したロゼ進化に適応しきれなかったからです。
後、関係ない話だしめっちゃ失礼なのは承知ですが、どうして超サイヤ人ブルーが強そうに見えない又はカッコ良く見えないのか、色々考えたんですけどやはり最大の原因は劇場版『復活のF』での描写だと思います。
ゴールデンフリーザとだいたい互角はまだしも、やはり光線銃でやられるのは流石に印象が悪すぎた気がします。
それと『神と神』以降から悟空が負け続きなのも、少なからず影響しているかもしれません。
Zの旧劇場版、そしてGTは紆余曲折あれど必ず勝利するため、結果的に戦績の悪い超サイヤ人3と超サイヤ人4が輝いて見えるのに対して、超では勝率自体は悪くないのに此処一番の格上ボスに負ける事が多く、結果的に超サイヤ人ブルーが印象悪く見えてしまうのでしょう。
あの映画は最初に、悟空とベジータが超サイヤ人ゴッドでゴールデンフリーザに挑み、二人がかりでも圧倒されるけど、最後の力を振り絞って超サイヤ人ブルーに変身して、油断もせずウイスの力も借りずに自力で倒すのが正解だと思うんです。
後は変身シーンを超のブロリーの映画並みに迫力満点すれば、見た目とかは個人差程度でカッコ良い形態として強く印象に残ったんじゃないかと。
え?何故ブロリー(Z)の事を知っているかに関してだって?
それに関しては〜………ファイターズで知ってる感じだったし、過去に旧劇場版と似たような戦いがあったと勝手に解釈してください(汗)