行って、帰って、そしてまた行って   作:断空我

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今回、ポケモン視点。
次回くらいにバトルアリの予定。



ポケモン達の夜会

八幡、雪ノ下、由比ヶ浜達が話をしていた頃。

オーキド研究所の周辺にある草原の一角。

そこで集まっている者達がいた。

 

「集まったな?」

 

座禅を組んでいたルカリオが目を開ける。

彼の周りに集まったのは八幡の手持ち。

その中でエース級と言われるポケモン。

 

「二人を連れてくるのに苦労した」

 

両手に何かを抱えてやってくるのはハリテヤマ。

八幡の手持ちの中でストッパーの役割をしていることが多いポケモン。

 

「ちょっと、離しなさいよ!」

「そうだよ!こういうことはマスターにやってほしいよ!マスターの腕の中、マスターの温もり、うふふふ」

 

ハリテヤマの両手に抱えられるような形で拘束されているポケモン。

ユキメノコとサーナイト。

数少ないメスポケモンで彼に対する重たい愛情を持つトップ5中の二匹。

 

「ふざけんじゃないわよ!私のハチマンよ!アンタなんかに渡すわけがないでしょ!」

 

ユキメノコがギロリと隣のサーナイトを睨む。

 

「はぁ?キミのマスターである前にボクのマスターでもあるんだ!あまりふざけていると、潰すよ?」

 

サーナイトがユキメノコにガンを飛ばす。

比企谷八幡に(ガチ)恋をしている中で危険な思想を持っている二匹のポケモンにハリテヤマとルカリオは内心、ため息を零す。

 

「まーた、やってんの?こいつら」

 

呆れたように翼を畳んで降り立つのはプテラ。

古代に存在していたポケモンで当初は傲慢な性格だったが八幡と出会い、ある切欠で意識が変わったポケモン。

 

「………これで全員?ミュウツーや他のメンバーは?」

 

最後にドシリと地面に座り込むのはバンギラス。

ロケット団の幹部によって思想を悪に染められていたが八幡の手で大人しい性格に戻ったポケモン。

 

「今回は我々だけだよ。ほら、マスターからの差し入れだ」

「ハチマンの!?」

「マスターの!?」

「あ」

 

瞬時にテレポートでハリテヤマの拘束から抜け出すサーナイトとユキメノコ。

早く寄越せと訴えてくる視線にルカリオは風呂敷を広げる。

風呂敷の中はポケモンフーズや木の実、ポケモン達が飲めるドリンクが置かれていた。

 

「久しぶりの夜会といこうか」

 

イェーイと全員がボトルを手に乾杯する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜会というのはどのポケモンが言い出したのか忘れたが、八幡が旅をしていた時にこうしてポケモン達だけが集まって騒ぐ小さなお祭りみたいなもの。

彼が元の世界に戻ってからはマイナスの話しか出てこない事から自然となしになっていた。

だが、その彼が戻ってきた。

最高の、最愛の彼が戻ってきた事にポケモン達は大いに喜んだ。

彼と一番付き合いの長いルカリオ主催で久しぶりの夜会が決定したのだ。

 

「あぁ、ハチマン。前よりも身長とか色々と成長していて素敵、マスマス好きになったわ。氷漬けにして一生、飾っておきたい」

「ハッ、これだからこおりタイプは……マスターが同じポケモンだったらすぐに求婚して子だからに恵まれたかもしれないのに、本当に残念だ」

「……」

「……」

「「アァン!?」」

 

視認できたらバチバチと両者の間に火花が確認できただろう。

だが、そんなものを確認できるポケモンはいない。

 

「まーたやっているよ」

「自分、諦めないっていう点は尊敬しますけれど、あれはどうも」

 

呆れたようにもぐもぐときのみを食べるプテラと肩を竦めるハリテヤマ。

 

「…………ところで」

 

バトルを始めたユキメノコとサーナイトへ聞こえないところでぽつりとバンギラスが口を開く。

 

「マスターと一緒にいた人間の女の子。どっちかがマスターと付き合っているとかそういう可能性ないの?ルカリオ」

「その事だが、ミュウツーが教えてくれたぞ」

 

ミュウツーが八幡を助けた際、本人に伝えていないが一緒にいた女子二人に敵意、悪意がないか調べたという。

 

「ユイという人間の女はマスターに好意を寄せているがあまりうまくいっていないらしい。ユキノの方は少しばかり好意はあるが、まだ、わからんという感じだ」

「「「それって、大丈夫なの?」」」

 

ルカリオへプテラ、ハリテヤマ、バンギラスが尋ねる。

一斉に離れた所でエスパー技とこおり技で大激突している彼女達をみた。

八幡に対して重すぎる愛情(ポケモンからみても相当ヤバイ)筆頭がもし、彼に対して人間で好意を寄せる者が更に現れると知ったら。

ここにいないが二匹を超える特級の愛情を持つ彼女がその事実を知ったら。

 

「伝説ポケモン同士の戦い並の事が起こるんじゃない?」

「確かに」

「僕、寒気が」

 

プテラ、ハリテヤマ、バンギラスがそれぞれ感想を漏らす。

 

「タダでさえ、人間でマスターに好意を寄せる者がいるというのにさらに増えたらとんでもないことになるんじゃないか?」

 

八幡自身は気づいていないが旅の途中で彼に好意を寄せた者達がいる。

本当ならユキメノコとサーナイトの手で排除される危険もあったのだが、相手がそれ以上の強さを持っている故に手がだせない。

 

「(ヤバイ奴ら筆頭がこれだが、結束したらヤバイかも)」

 

心の中で思った事を決して口に出さないようにしながらルカリオはきのみを齧る。

この場にいないが八幡へ好意を寄せているポケモンは他にもいるのだ。

訳あってジムリーダーのところで修行しているポケモンもいれば、チャンピオンを兼任しているワタルの補佐をしているポケモン。

ミュウツーから、八幡から戻ってきた事の連絡は送られ始めている。

いずれ、各地から彼らは戻ってくるだろう。

 

「ところでさ、これからどーするのさ?」

 

プテラが疑問を漏らす。

これからというのは八幡が戻ってきてどうするのかという事。

 

「マスターの事だが、旅を再開するようだ」

「本当!」

「自分、やる気出てきましたよ!」

 

バンギラスとハリテヤマが興奮して空に吼える。

あまりに大きく吼えてしまった為に周囲の野生ポケモン達は何事と跳び起きてしまう。

 

「しばらく研究所警備は続けるだろう。だが、旅をするとなったら当然」

「バトルもありえる」

「僕、やる気出てきた」

「自分、鍛えなおしますよ!」

「ハチマンの傍に私ありです!」

「こんなちんちくりんじゃないよ。必要なのはボクだ」

話を聞いて集まる全員。

その目はやる気に満ち溢れている。

 

「全く、皆、バトルジャンキーだな、まぁ、俺も否定できないが」

そういってルカリオは立ち上がる。

 

「強くなるぞ。マスターを世界最強のポケモントレーナーにする為に」

 

ルカリオが手を伸ばす。

続いてプテラが、

続いてハリテヤマが、

続いてサーナイト、ユキメノコ、

そして、バンギラス。

皆が瞳にやる気の炎を灯している。

前回はポケモンリーグの大会優勝だけの結果になってしまった。

次は他のリーグ通過者を倒し、四天王を下し、そして、世界最強のポケモントレーナーに。

あの日、八幡と交わした約束を果たす為。

ポケモン達は今一度、と奮起する。

 

 

 




ちなみに八幡の手持ちは他にもいます。
研究所にいるポケモン達以上に強い子もいます。
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