ジンとベルモットの息子は人々を幸せにしたい 作:アルトリア・ブラック(Main)
後半はウィリアムの両親出て来るかも?
ーウィリアムー
ウィリアムは容疑者四人からある程度事情を聞く、心理カウンセラーである事、今聞いた事は公言してしまうかもしれないことを伝えると案外良心的な回答を得られた。
とは言っても容疑者一人の反応はイマイチで、動揺してるのがみてとれた
「何か分かったのか?」
ジャックがやって来て聞いて来る
「被害者のおおよそ人となりと人間関係はね、彼、結構恨まれてたみたいだし」
そう被害者見て言うとジャックが「返って犯人が多いヤツか?」と聞いて来る
「多分ね…ところで、ジャックその他に持ってるものはなに?」
「あぁ、コイツは被害者の薬手帳だ。被害者のそばに落ちてて鑑識が拾ってた」
「……それ取って来たの?」
あの工藤新一に言われるならいざ知らず、素性がわからないジャックに渡すなんて大丈夫か?と思っているのが伝わったのか、ジャックが
「ウィリアムの連れだって言って貰ったんだよ、なんなら工藤新一も見てるから、隠蔽しようとしたら俺が犯人だって疑われるわ」
そう言われ渡して来る
「まぁ、君の腕力なら被害者の首を切りつけるんじゃなくて捻じ切る方が得意そうだけど」
冗談混じりに言うと『…ネジ切るの兵士にも無理だぞ』とツッコミ入れて来る
ウィリアムは手帳を見ながら「ん?」となる
「どうした?」
ジャックが覗き込んで来る
「…いや、被害者、結構な薬局から抗不安薬と睡眠薬を提供されてる。しかも足りなくなったらすぐに別の病院に行ってる」
「精神病だったのか?」
「いや、湯浅さんたちの話からしてみれば彼に
被害者は精神病は気の持ちようと考えている人間で、会社員たちの数人がうつ病や精神病を理由に休養を取ろうとしても『そんなもの風邪だろう!サボるな!』と言うような上司だったらしい。
育休や産休もあまり取らせてくれないような俗に言うブラック上司だったらしい
「…そんな奴が精神病ねぇ…」
「それに、コレとこの組み合わせは出来るだけ避けた方が良い飲み合わせだというのに、まぁ今回は関係ないか」
そう言って工藤新一の元に行く
「犯人は佐藤裕樹さん!あなただ!」
ちょうど、犯人を追い詰めている最中だったようで、新一は片手をポケットに入れ、佐藤裕樹を指差して推理を聞かせていた。
彼がどうやって被害者を殺害してからアリバイを作ったのか推理して行く
そのトリックに感心しつつ聞いていると、ある程度終わったのか犯人が動揺しながらも犯人じゃないと宣言していた。
「妹さんの自殺が動機ですか?」
「!!」
「あんた…」
ウィリアムがやって来た事に驚く新一
「小川さんからお聞きしましたが、貴方の妹さんは数年前に自殺したとお聞きしました。その復讐でその上司を殺したと」
「仮に妹が、自殺したとしてもそれで…首切るほどの恨みは…」
「工藤くんが推理した通り、犯人は貴方しかいないのですが、私が妹さんと言ったとき、貴方はかなり動揺している素振りを見せました。言うなら「何故アンタが知ってるんだ」と。被害者男性は俗に言う絶対主義者。社員の心の病を風邪だと豪語する、心の病を否定する男性とお聞きしました。結構嫌ってる人間が多かったらしいじゃないですか」
他の人間を見ると目線を逸らす。
それを見た瞬間、栓を切ったように罪を認める
「妹のうつ病を単なる季節風邪だとか言って働かせ続けて、休むようなら家にまで電話して来て出勤の催促をして来て、働きすぎた妹は自殺したんだ。そんなクソ野郎には死んでもらったんだよ!」
殺意の強さに、冷静にウィリアムは犯人に聞こえる声で薬手帳を見せる
「な、なんだ…」
「被害者の薬手帳です。ここ数ヶ月でうつ病の薬を処方されてます」
その言葉を聞いた犯人は興奮しながら『ソイツも精神病をやってたのかよ』と吐き捨てる。
「被害者がうつ病や心の病に関して社員に対して責めていたのは擁護のしようがありません。これらの病気は風邪とは違って心の病ですから、周りが理解しなければいけないものです。そこで貴方の発言で少し思ったのですが…」
興奮する犯人は息を荒げながらも話を聞くモードになる。
「貴方は精神を『やった』と表現しましたね?」
「そ、それがなんだよ」
訂正しない素振りを見て
「先ほども言いましたが…心の病は周りの理解がなければ簡単には治りません。彼は理解されようと思わず多くの薬に頼ってました。貴方は
「!!!」
工藤新一が警戒しながらこちらを見て来る
「小川さんから聞きましたが、貴方の妹さんはかなりきっちりしていたと聞きました。それに、悩みも会社では言わない人間だったと、貴方が妹がうつ病だと理解してから何かしましたか?」
「…海に行ったり、妹とよく話してたよ、これから何をしたいかとか」
そう言う犯人の目を見て
「うつ病の治療は段階があります。まずは、規則正しい生活。あなた方の会社は結構残業もあって、妹さんは嫌と言わず残っていたようじゃないですか、朝少し遅く起きてそこから散歩という流れになっていきます」
「な、何が言いたい…」
犯人の目を見つめ
「いきなり海に連れて行ったり、貴方の性格を考えれば頑張れとか言っていそうですが…これから何したいかなんて、うつになった方に言ってはならない言葉です」
「おい…」
工藤新一が止めるように言って来るのを確認し
「それに、被害者男性はかなりの睡眠薬を飲んでいた。しかも10mg、複数の病院に行ってそれを飲んでいたとなれば…彼は自殺していた可能性が高いですね、それか
「そ、そうなんですか?」
白鳥刑事が聞いて来る
「はい、睡眠薬は本来5mgから出すのが普通です。私の場合はそうしてますが…それをいきなり、かなり強い10mgから出すのは相当話を聞いてからが普通です。それをせずいきなり出した医師も適当な医師ですけどね、何よりも薬剤師が気づかなければなりませんが…多分彼は誤魔化していたんでしょうね」
ウィリアムは犯人が逮捕されて行くのを見送る
ウィリアムは事情聴取を終えた後、空気を吸うためにレストランのテラスに出る。
タバコに火をつける
「………」
タバコを吸い始めたのは完全に両親の影響だ
主に父のゴロワーズを吸いながら空を眺める
『タバコを吸うことは何も言わないけど、その匂いの強いタバコはどうにかしてくれないかしら?』
『あ?なんでテメェの言うことなんざ聞かなきゃならねぇんだ』
『一応は子供いるのよ?貴方が肺癌になるのは別に構わないのだけど、この子が肺癌になったらどうするの?』
母の『貴方が肺癌になるのは構わない』という言葉にそばにいたウォッカがアワアワしてるのが幼い頃の自分からでも見て取れた。
『……しらねぇ』
組織からは処刑人と言われた男が見せる不貞腐れた表情を思い出す
幼い頃の自分は何も分からなくて、両親が吸うタバコがなんか美味しそうに見えて、父のそばにあったゴロワーズの一本を取って、見られないように走って台所に行ったのを思い出す。
母と父が話してるタイミングで行ったからあの時はバレてなかったと思うが
台所の火を使ってタバコを吸ったのを思い出す
『あぁ!!?いつのまに!?』
ウォッカがヒョイっと自分を抱えてタバコを取り上げて来る。
ウォッカに抱えられたウィリアムを見てベルモットが「いつのまに…」と呟き、父は相変わらず無反応だった。
『いつのまに、ジンのタバコ持って…子供は早いわね全く…』
ウォッカから母に渡された時、何も言わない自分に母は微笑みながら『吸いたいならもう少し、ジンぐらいの身長になってからにしなさい』と撫でて来るのを思い出す
『お仕事です』
そう言って来る養父にベルモットはウィリアムを渡す
『いってらしゃい』
そう言って手を振る幼い自分にベルモットは手を振ってくれるのを思い出す。
(…父の身長には及ばないぐらいから吸い始めたけど)
ヤケクソになって、父を思い出したくなって吸い始めたことを思い出す
隣で吸っていたジャックが携帯灰皿出してくれる
「…準備良いよね」
「毎日吸うからな俺は」
そう言って笑うが、テラスに出て来る人達に気づくとジャックの笑みが消える
「事件解決、お疲れ様、工藤新一くん。そして、宮野志保さん」
二人を見て笑いかける