ジンとベルモットの息子は人々を幸せにしたい   作:アルトリア・ブラック(Main)

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誤字脱字多くてごめんなさい


第6話『暗雲』

ーテラスー

 

「事件解決お疲れ様、工藤新一くん、そして、宮野志保さん」

 

そう言う彼を見てゾッとするような気持ちになる

 

ベルモット譲りの髪の色・輪郭、ジン譲りであろう深緑色の瞳

 

「……」

 

彼は私を見てポケットから出したサングラスを出してかける。

 

「「??」」

 

突然の行動に工藤くんと彼の隣にいた男性が首を傾げる

 

「これで大丈夫かな?私の目は父譲りというから、怖がらせて申し訳ない」

 

そう言って笑いかけて来る彼

 

「私の名前はウィリアム・ルーキン。こっちの強面は私の幼馴染のジャック・バーキン、初めてお会いしますね、宮野志保さん」

 

彼の言葉にトゲも何もない。

 

「あなた方の様子を見れば、私がどういう身の上か理解して来たんでしょう」

 

親しみのある言葉だった。

 

「今回の事件、犯人は無事に逮捕した」

 

工藤くんが話し始める

 

「今回の犯人が獄中で自殺したら私が犯人だと?」

 

「さっきのアンタの言葉は犯人を追い詰めるものだ」

 

工藤くんの威圧感に彼は苦笑いを浮かべ

 

「私は、彼のことは知らないし、彼は私のことを詳しくは知らなかっただろう?それに君は…」

 

「!」

 

サングラスがしから見つめて来る彼の眼光に工藤くんがたじろぐ

 

工藤くんの隣に行くと

 

「そこまでハッキリと私を犯人というなら()()()あるのかい?」

 

「!!」

 

「外で話すのもなんですし、中で話しますか?」

 

そう笑顔で言う

 

「…貴方にとって両親はどんな人?」

 

「宮野?」

 

突然質問を投げかけたことに工藤くんが驚く

 

その質問に彼は少し驚いたような表情を見せ

 

「…そうですね、貴女にしてみれば最悪な存在に他ならないと思いますが、私にとっては()()()()()()()()です」

 

そうハッキリ言う彼の言葉には嘘は含まれていなさそうだった。

 

『親が犯罪者であろうと子供に罪はない。だが、犯罪者の子供は環境に左右され悪の道に堕ちることだってある。普通の子供より狭い道なんだ』

 

アメリカで赤井秀一が言ったことを思い出す

 

「…あなたにとって、家族はかけがえのないもの?」

 

そう問いかけると少し無言になり、彼は苦笑いを浮かべ

 

「…そうですね」

 

そう答えた彼と工藤くんを見比べる

 

工藤くんは、彼が『いじめっ子殺人事件』の犯人を言葉で操って自殺させたと思っているのだろう。

 

「………」

 

「宮野?!」

 

彼らに背を向け、ドアに手をかける

 

「…さっきの事件の時の貴方は、カウンセラーらしかったけど()()()()()()少しだけ似ていたわ」

 

そう言って横目で見ると、彼は「そうですか」と言いつつも、少しだけ

ほんの少しだけ悲しそうな表情を見せていた。

 

部屋にさっさと入った時、工藤くんが後を追ってくる

 

 

 

 

 

ー公安ー

 

 

 

「あんのFBI…!発表が何もかも遅いんだよ!」

 

「…降谷さん…」

 

降谷零は組織が壊滅した後、公安に戻り、組織の残した事件の事後処理に終われていた。

 

ジンやベルモット、ウォッカのコードネーム持ちの人間なアメリカの刑務所に行くことになったのは仕方ない。

 

日本の刑務所では彼らのような犯罪は脱獄しかねない

 

それにこちらには烏丸やRAMなどといった首謀者達を渡してくれているからこそ、アメリカの一人勝ちにならなかったから怒りようにも怒れないが…

 

「ロシアで見つかった組織が管理していた孤児院の存在なんて知らないぞ!赤井」

 

運転する風見がビクつく

 

ロシアにあった組織管理の孤児院の一つは爆発し、証拠も何も残さず子供達を含めて消えてなくなってしまった。

 

うち一つはFBIとロシア警察の捜査の元、組織が将来構成員として育てる名目の子供達が大勢いたのは確かだ。

 

しかし、彼らは0歳〜6歳までの子供が多く、ロシア警察に保護され、彼らは普通の孤児院に入れられた。

 

「…あれぐらいの歳の子供達なら普通の生活として溶け込めることは問題ないでしょうね」

 

風見の言葉に降谷は深呼吸しながら「あぁ」と言う。

 

そして、問題の三つ目の孤児院

 

この孤児院だけは完全に真っ黒だった。

 

最初に捜査にあたったロシア警察がFBIや各国に情報を発表することを躊躇う姿勢を見せたからだ。

 

「…日本は、どうしてもあの国に遅れをとってしまうのは仕方ない…!我々だって事後処理に追われていたのは確かだ…」

 

降谷はFBIから送られて来た書類を見ながら拳を握り締める

 

「…あの孤児院にいた数名の孤児の内、初めにいた孤児はほとんど各国の重要ポストに就いてます。それに…数人の孤児や子供は行方不明になってます。その中で…組織を壊滅させるために動いた捜査官達数名が()()()()()

 

「……」

 

降谷は唇を噛み締める。

 

テロ組織を壊滅させる時に最も気をつけなければならないことは、組織に属していた人間達に他ならないのだが、その組織に育てられた人間がいる可能性があるのだ。

 

その子供達を見つけて再教育をし直さなければならない。

 

未成年であればまだ悪の道に落ちる前に再教育出来る。

 

しかし、成人し、それなりに権力を持ってしまえば第二の黒の組織を誕生させるきっかけにつながってしまう。

 

「あのロシアがゴタついたから子供達数名を見つけるのに時間がかかりましたね…」

 

風見がバックミラーを確認する。

 

「…見つけるのはいい…でも最悪なのは、ロシア国内で捕まった()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ロシアの刑務所の中で隠し持っていた三つ目の孤児院・アクマーテイン養護施設の集合した子供達の写真を握りしめて

 

その子供達が全員言い残しているのは『兄さんの声を聞けて、話を聞いてもらえた良かった』と言い残している。

 

「…数名の見つかっていない名前があります。彼らを逮捕…というのではなく…」

 

「…あぁ、『兄』と呼ばれる人間の捜索だな」

 

その人物が集団自殺を引き起こしている可能性は高いし、近年、日本国内で謎の事件が多発している。

 

「…人を殺し、犯人が捕まった後に満足そうに死ぬ…という事件ですか」

 

風見の言葉に降谷は頷き、ある人物達の写真を出す

 

その写真に写った人物達は日本に入って来たときに激写した。

 

一人はガタイの良い黒髪の男

 

もう一人は空港の待ち合わせ場所で座っている金髪の男性とその隣に座っているクリーム色の金髪の髪の女性。

 

「この二人の内一人は精神科医として務めていて、こっちの女性は事務員として雇っているみたいだが…」

 

降谷が写真を風見に見せる

 

「か、彼は…?」

 

写真に写った男性を見て首を傾げる

 

「彼は…ジンとベルモットの息子だ」

 

「息子!?そんな情報はありませんでしたが…」

 

「戸籍なしの少年…彼の身の上が身の上だから戸籍にもなかった。全く別人の子供として育てられてた可能性は高いが…」

 

降谷はパソコンを出す

 

「彼の戸籍上の父親となっているロナルド・ルーキンはその三つ目の孤児院の管理を任されていた。構成員として取り調べすることになったんだが、ヤツは捕まることがなかった」

 

「…捕まることがなかった…」

 

「組織が壊滅する数日前にジンに呼ばれ日本に来た時に飲酒運転で捕まりそうになった際、海に車ごと落ちて死んでいるのを確認された」

 

「!!」

 

ロナルド・ルーキンは組織の人間であり、なおのこと、組織の幹部を養成する孤児院の管理をしていた重要ポストだった。

 

「…ジンの供述にはなんと…?」

 

「『殺したかもしれねぇし、指示を出したかもしれねぇ』なんて答えたんだ」

 

ジンは罪状が多すぎることと、本人が殺した瞬間、死んだ人間の顔を忘れてしまうことから全部の罪状を明らかにすることは不可能に近いだろう。

 

「最悪な答えですね」

 

風見が嫌そうな表情を浮かべる

 

「だが…赤井の話では、ジンは明らかにその事件については覚えているような素振りを見せたんだ」

 

「え?」

 

「…ベルモットもその事件に関しては黙秘を貫いてる。他の事件や罪については話しているのに…」

 

降谷はそう言って男性・ウィリアムの写真を見せる

 

「ジンとベルモットが庇うとしたら一人しかいない」

 

「それが彼…ですか」

 

風見が何か言いたそうにしているのを見て降谷は『ベルモットはともかく、ジンは誰かを庇うような人間じゃないと?』というと驚くが頷く

 

「…あの施設について知ったのは、公安に戻ってからだ。ベルモットと共に行動していても子供がいるなんて一言も漏らさなかった。ボスの秘密は教えても…」

 

降谷はウィリアムの写真を見る

 

『あなたとジンって付き合ってることあるんですか?』

 

組織時代に彼女にそう尋ねたことがある。

 

そう聞くとベルモットは『あるけど、貴方に言う必要あるかしら?』と嫌そうに言われたことを思い出す

 

『…良いじゃないですか、ジンのどういう所が好きだったんですか?』

 

ベルモットは付き合ったということに否定をしなかったので、関係があると思った降谷は突っ込んで聞くことにした。

 

『……危険な所ね、貴方みたいな温和なタイプは趣味じゃないわよ』と不敵に笑われた気がして一瞬イラッとしたことを思い出す

 

『それは失礼…しかし、ジンは危険の度合いが違うのではありませんか?怒ったらすぐに手を出して来るタイプじゃないですか』

 

何回も怖い目に遭いましたよ?と言うとベルモットは笑い『そこが良いのよ』と言ったのを思い出す

 

『それに、ジンが子供を面倒を見る、なんて言うのが想像できませんね』と冗談混じりに言う

 

ベルモットは表の顔として女優がある。

 

そんな人間が裏の人間とスキャンダルを引き起こすとは思えない。仮に起こしたらジンに丸投げしそうだ

 

そう言うとベルモットは窓の方を見て笑い

 

『そうね、彼が育てたら()()()()()()に育つんじゃないかしらね』

 

と言っていた。

 

(…その時点で子供がいると気づけば良かったが…あの時はやたら任務があって、ロシアまで派遣されることがなかった…完全に盲点だった…)

 

もしも、組織に潜入していた際に気づいていたら、爆破事件で子供達が死ぬこともなかっただろうと思うと心底悔しくて仕方ない。

 

「降谷さん。見えて来ました」

 

そう言う風見に釣られて顔を上げると最近出来たばかりの米花ホテルが見えてくる。

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