ジンとベルモットの息子は人々を幸せにしたい 作:アルトリア・ブラック(Main)
ー??年前ー
6歳ぐらい、年齢が一桁くらいの頃から自分はよく組織の仕事に着いて行くことが増えた。
とは言っても危険すぎる現場の時とか、銃撃戦になり得る可能性の現場の時は流石にボスから止められたらしいが…
ウィリアムが初めて組織の任務に行った時は父親が一緒だった
まぁ、父は現場のノウハウとか教えてくれるタイプじゃないし、なんならウォッカが乗り心地どうかとか聞いてくるタイプで、側から見ればどっちが親だか分かりゃしない感じだったが…
自分は車の中から父の様子を見ているようにとか、絶対に外に出るなとか言われたが(後から考えたら子供がいる=不利になるのは明白だ)
それで、車の中から様子を見ているだけで、大半は見えない事もあったのだが、ウォッカがやらかして父が出て行ってからの車内がめちゃくちゃ空気が重かったのを覚えている。
ただ、
ウォッカは焦っているような空気は出していたけど、父の性格はなんとなく分かっていたし、言葉には気をつけて選んであの頃から話していた。
『おとうさん来ると、みんなおびえてるよね』
軽い雑談のような感じで隣に座る父に聞くが、相変わらず無言だった。
『でもおとうさんくると、終わったってかんじがして、ぼくは安心するんだよね』
そう言うと父が失笑し
『…んな事言うのはテメェぐらいだな』と軽く返してくれる
機嫌が良くなったか悪くなったかと言ったら良くなった方なのだろう。
『おかあさん来ても安心しないけど、おとうさんならだいじょうぶだっておもうんだ』
そう笑うとウォッカが『…ベルモットに言わないようになぁ…』と小さい声で呟くのが聞こえる
『……ガキには分かるはずもねぇが…テメェは、俺の仕事見てどう思う?』
タバコを吸い始める父
『…わかんない、でも、おとうさんが楽ならぼくもよいと思う、おとうさんとおかあさんとウォッカがいれば、あとは大丈夫!!』
笑顔で言うウィリアムに父は無言で、ウォッカは涙脆くてすぐ涙流してて父から『…何泣いてんだ』と突っ込まれていた。
『おとうさんが持ってる、けんじゅう?ってどこねらったらイタイの?』
子供ながら純粋に聞いた質問にウォッカはバックミラー越しに心配そうにしていた
『………腹だな』
結構考えたのだろう、自分の腹を指差す
『じゃあなんで、あたまうたれてうごかなくなるの?』
その質問に父はタバコの煙を吐き
『死んだからな』と簡潔に答える
『…兄貴…』
6歳の子供に言うような内容じゃないんだろうなというのはあの頃も少し理解した。
『じゃあ、もうくるしまないんだね』
そう言って父の膝に甘える
『………』
『でも、最後にくるしそうだったからかわいそうだった』
そう言うウィリアムに父は独り言のように『楽な死に方なんざねぇよ』と返してくる。
『しあわせそうにしねたら嬉しい?』
『そりゃあな』
この時、父は諦めに似た何かを感じでいるようだった。
『兄貴、ウィリアム、付きやしたぜ』
アクマーテイン養護施設の前に着く
外に出るとウィリアムは笑顔でジンを見て手を振る。
車が発進した後、養護施設を見上げる
ウィリアムにとって、ここは一番帰りたくない場所だった。
「ウィリアム?おい」
ホテルの自室にて、ジャックが声をかけてくる
「…すまない。うたた寝してた…」
そう呟くと「別にかまいやしねえけどよ」と言ってベランダの方を指差す
ベランダに出て下を見ると、ホテルの前に車が一台止まる。
「…降谷零」
16階からでも彼の顔はハッキリと見える。
「…公安が来たって事は露見したって事だな」
隣に立って言って来る
「だろうね…思ったより派手に動いていたみたいだし」
そう言ってテレビのニュースを見る
アメリカでFBI捜査官を狙った連続殺人事件が多発している話題が出ていた。
しかし、単独犯だと思っていたが犯人が獄中で自殺してからもまだ続いている為テロの可能性として捜査を変えたと話題になっていた。
「…降谷零はどっちの可能性で俺たちを追って来たと思う?ウィリアム」
犯罪者の息子として自分達を追って来たか、あくまで、一連の事件を引き起こしているのが『アクマーテイン養護施設』出身の人間で自分達もそこの出身だからだろうか
「…おそらく、後者を前提に出して来るだろうけど、俺に関しては前者を出して来るだろうね、犯罪者の息子だから疑う。それが根底にあるんだろう」
ニュース画面を見つめながら言う
「…
幼い頃を思い出す
「…
ジャックの言葉に何も言わず、下を見る
あの施設でのことは、この世に出ることはなかった。
(…組織は完全に滅びてなんていない。大元を破壊しても末端が生きてたら意味がないというのに…)
幸せそうにしている工藤新一のニュース映像を消す
電話が掛かって来る
「はい」
公安警察がやって来て二人に会いたいという話をしたいとのことだった。
「はい、行きます。少しだけお待ちください」
そう言ってジャックの方を見る
「行こうか」
そう言うと「ああ」と頷く
二人で一階まで降りると、会議室のような所に通される
降谷零とその部下しかおらず、工藤新一と宮野志保がいないことに少しだけ驚く
(…入り口から入って来たから彼らと出会って、工藤新一のことだから彼らと一緒に来ているとは思ったが…会わなかったのか…?いや…隣室にいるかどっちかだな)
降谷零が自己紹介して、部下である人も名乗って来る。
「初めまして、多分知っていると思いますが、一応自己紹介の方を…私の名前はウィリアム・ルーキンと言います」
「…ジャック・バーキンだ」
2人が席についた時に話し始める
「アメリカでFBI捜査官を狙った連続殺人事件が多発してます」
その内容をいきなり話し始めたということはウィリアムが一番疑わしいと思っているからだろう。
FBIから送られてきた書類を見せて来る。
「全員、数年前に壊滅したテロ組織の捜査に携わった人間です」
「………」
事件の内容を話し始める降谷の目は真っ直ぐとこちらを見ている。
その眼差しに不思議と恐怖というような感情の色はなかった。
工藤新一や宮野志保には少なくとも、自分の背後に立っているであろうジンの存在に畏怖していた。
「その中で、FBI捜査官を射殺した人間を現行犯逮捕しました。その時に容疑者は射殺を
「そうなんですか」
相槌を打ちながら降谷の話に耳を傾ける
隣に座っているジャックは両腕を組んで話を聞いていた。
「最期に
「それが私と一体どのような関係だと?」
笑顔で言うと降谷の表情は変わらず、風見の表情は少し険しくなる。
「アクマーテイン養護施設の子供同士という関係しか調べられていません」
まっすぐ見つめてくる降谷の瞳
工藤新一の瞳とは違う、彼は明らかに真実を追い求め、その過程に失うものがあろうと犯人を逮捕してやるという強い意志を感じ取れた。
「その養護施設の情報をロシア当局から小出し程度しか知らされていませんが…貴方はその養護施設で二番目に最年長だった。なおかつ、貴方の義理の父であり、その施設を管理していたロナルド・ルーキンは数年前に自殺している。その最年長である貴方が彼らの言う『兄』じゃないんですか?」
「降谷さん…?」
犯人はお前だと言わんばかりの降谷の言葉にジャックが不機嫌になり、風見は狼狽えていた。
「兄、と言えるかはわかりませんが、あそこにいた時は少なくとも兄さんとは呼ばれていましたね」
ウィリアムは笑顔で降谷を見る。
「今回のテロリスト…残りの孤児院出身の者達が行方不明なままです。私達は彼らが今後テロを引き起こしかねないと思っています」
「…俺たちを疑ってるわけか」
ジャックの敵意剥き出しの言葉に相反し、ウィリアムの表情は変わらない。
「…気分を害してしまい、申し訳ありません。しかし…」
降谷はまっすぐウィリアムを見つめる
彼の瞳はジンに瓜二つだった。
「事が事なだけに我々は警戒しています」
「各国で捜査官を狙ったテロ事件があれば尚更ですね、降谷さんの言いたいことはわかってますよ」
そう言ってにこやかに笑うウィリアム
「とことん監視して結構です。まぁ、こちらにもプライバシーがあるので、機密情報全部お話しすることは出来ませんが」
「………」
ウィリアムは少し前のめりになり、降谷を見る
「…貴方は国とこの国民を愛しているみたいですし」
よろしくお願いしますねと笑顔で首を少し傾ける
自宅で思いっきりすっ転んでテンション下がりました。足痛い…泣き