ズルシン!アスカはシンジを養いたい   作:サルオ

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ズルシン!アスカはシンジを養いたい①

 何がどうなってこういう状況になっているのか、アタシにもよくわからない。というか意味がわからないのだが、とにかくコレはチャンスだと思った。

 

「あ、アスカしゃん・・・」

 

 小学生、しかもどー見ても低学年くらいまでに縮んだバカシンジが、アタシのマンションの部屋の前に、体育座りで待ち構えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜ズルシン!アスカはシンジを養いたい〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んで?何がどうなって、あんたはそうなってるわけ?」

 

 とりあえず見た目小学生のバカシンジ?をアタシの部屋のリビングに通して、アタシは最初の疑問を口にした。

 

「え、えっと、そのぅ・・・えっと・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「えっと、ぼくね・・・?その、言葉が・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「う、うぅ。上手く言えなくて、ごめんなしゃい・・・」

 

「・・・・・・!」

 

 目の前で涙ぐむシンジを見た瞬間、アタシは生まれて初めての衝撃を受けていた。

 

 

 

 

 この世に生を受けて29年。ヴァカシンジが起こしたネオンジェネシスとやらの影響で、アタシは知らぬ間にエリートキャリアウーマンとしての道を歩んでいた。

 毎日がつまらないルーティンワークの繰り返し。趣味でもなんでもなかった携帯ゲームが暇つぶしのお供になるまでそう時間はかかんなかったわ。

 いつかシンジを見つけ出してブン殴る!その目標を忘れた事は一日もない。でも日々の業務が忙しすぎて、「人を一人探す」なんて暇人の探偵がやるような作業をやる時間なんかアタシにはなかった。

 

 そんなイライラを、携帯ゲームにぶつけて発散していたある日の事。いつものように駅のホームのベンチに座ってゲームをしていたアタシは、誤ってゲーム内の広告欄をタップしてしまった。

 

「うあ、最悪・・・」

 

 アタシは長い、といっても十数秒程度の広告を何気なく見遣る。どうせ下らないゲームの広告でしょ?ゾンビゲーかパズルゲーか、最近は社長になって美人秘書をはべらすとかくっだらないゲームが流行ってるみたいだけど、アタシはもちろん何の興味もない。

 

 だから、それは単なる偶然だった。

 

 画面いっぱいに映る、黒髪の冴えない小学生くらいの少年。どこかバカシンジを彷彿とさせるその子が目に涙を浮かべて、

 

『おねぇちゃん・・・、助けて・・・?』

 

 アタシに話しかけてきたような気がした。

 

「!!?」

 

 画面が進む。

 

『あらあら、どうしたの?』

 

 ヴィジュアルは出ないが、年上の女性と思われるセリフが広告に流れる。

 

『僕の・・・・・・なところが、硬くて痛くなっちゃって・・・・・・』

 

『あらぁ?それは大変ね?どうしてそうなっちゃったのかなぁ?』

 

『・・・・・・の』

 

『ん〜?』

 

『おねぇちゃんの、エッチな格好を見てたら・・・』

 

『そうなの?それじゃあ、おねぇちゃんのせいなのね?』

 

『うぅ、ごめんなさい・・・』

 

『あやまらないで?おねぇちゃんが治してあげる』

 

『あ・・・・・・』

 

 その後に流れる、規制のかかるギリギリのラインを攻めた少年と年上の女性の淫らなイベント絵の数々。それを見た瞬間、アタシは自分の鼻を抑えていた。

 

(・・・!うそ!?鼻血!?このアタシが、こんな画像ごときで!!?)

 

 信じられない事態だった。画面の少年がシンジに似ていたってことも、悔しいけどあるんだと思う。でも、それにしたって、いくらなんでもこんな広告ごときでこのアタシが!?

 

 アタシの理性が事態を必死に否定する一方で、アタシの本能が下腹部の疼きと興奮をこれでもか!と訴えてくる。胸先の下着が擦れる感覚すらが、アタシに快楽を与えてくる。

 

 傍から見たら、足を組んでモジモジしていたアタシはご立派な痴女だったんでしょーね。通りすがりのモブ親父どもがアタシのことを嫌らしい目で見ていたのが丸わかりだった。

 

 そんな羞恥に耐えながら、広告の続きをまだかまだか!と凝視しているアタシ。

 

 でも、所詮は広告だ。良いところまで見せておいて『続きはアプリで!』とムカつく決まり文句を残して、画面はいつものゲームに戻った。

 

(まったく!誰よ、こんなしょーもない広告戦略を打ち出したヤツは!こんなのに引っかかるヤツの気が知れないわね!?)

 

 そう頭の片隅で考えながらも、アタシの本能はアタシの指を支配し、アタシの理性とは裏腹にアプリのダウンロードボタンをタップしていた。

 

 ・・・・・・まぁ、それから、ですかね。アタシがそのゲームの、シンジに激似の男の子のルートにどハマりしたのは。

 

 

 

 

 さて。

 

 意識を回想から引き戻したアタシは、改めて目の前のヴァカを見た。

 

 まるでゲームの画面からそのまま飛び出してきたような美少年。それが目の前で涙を目一杯に溜めながら、こちらを上目遣いで見てくる。

 

 ヤバい。ゾクゾクしちゃう。

 

 アタシは迫り上がってくる下腹部の疼きを誤魔化す為、椅子に腰掛けて足を組んだ。足を組む瞬間、バカシンジがアタシのスカートの中に視線を向けたのがわかる。

 

 ヤバい。ゾクゾクしちゃう(二回目)。

 

「なにをゴニョゴニョ言ってんのよアンタ。聞こえないわよ?もう一度、ハッキリと言ったらどうなの?」

 

 顔が熱くなってるのがわかる。でもアタシはその熱を誤魔化すように、冷たくシンジを突き放すように言った。それを聞いたシンジの目から涙が溢れた。

 

 ヤバい。ゾクゾク(以下略)。

 

「泣いてちゃわかんないでしょーが。で、あんたはどこのどちら様なのよ?名前を言いなさい、名前を」

 

「うぅ、あう・・・・・・」

 

「あん?」

 

「ひっ」

 

 ドスを効かせて睨みつけると、目の前のヴァカは怯えたように後ずさった。ヤバい。楽しい。

 

「い・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

「碇、シンジでしゅ・・・・・・」

 

 噛んだーーーッ!!

 

 何これ!ナニコレぇ!めっちゃ可愛いんですけど!?胸がキュンキュンする!鼻血出そう!!

 

 そんな脳内で騒ぎまくるもう一人のアタシを必死に宥めつつ、アタシはさらに冷たい視線をシンジにぶつけた。

 

「ふーん。やっぱりね。で?バカシンジ。あんたはなんでそんな姿にまで縮んでるわけ?」

 

「そ、それは・・・・・・、わかんない」

 

「・・・ふん。あっそ。まぁいいわ。それより覚悟はできてるんでしょーね?」

 

「え?」

 

 涙が乾いたシンジがキョトンと首を傾げた。それだけでアタシの鼻の血管が限界を迎えそうだったけど、アタシは手で顔を覆ってため息を吐く演技でソレを誤魔化す。

 

「・・・なんっにも、わかってないってことね!」

 

「!!」

 

「なにが『好きだった』よ!なにが『ケンケンによろしく』よ!!あの時アタシがあそこから追い出された時、どれだけショックだったか、アンタわかってんの!?」

 

 理性と本能が手を組んだ。これはアタシの本音だ。本当の、本当の気持ちだ。シンジに最後にされた事は、アタシの人生においてダントツ最下位のやり取りだ。だから、この怒りは私の本心だ。

 

「あんたが『好き』って言ってくれたとき、アタシがどれだけ嬉しかったのか!あんたが『ケンケンによろしく』って言ったとき、アタシがどれだけアンタの胸に飛び込みたかったのか!結局あんたはいっつもそう!自分勝手な思い込みで人の気持ちを勝手に決めて!アタシがあの時の事をどれだけ後悔して、あんたと再会した時に本気でぶち殺してやろうって誓ったか、あんたはわかってんのって聞いてんのよ!」

 

 あ、ダメだ。色んなものが吹き出しそう。これは紛れもなくアタシの怒りだ。

 

「どーせ、何にもわかってないだろーなって思ってたわよ!でも!まさか本気でなんの覚悟も無くアタシの前に顔を出してくるとは思わなかったわ!だからあんたはガキだっつったの!いい加減理解しろ!あんた、バカァ!!?」

 

 溢れる想いが止められない。気付けばアタシは椅子から立ち上がり、肩で息をしていた。

 

 これじゃあまるで、母親じゃない。せめてシンジがアタシと出会った頃の中学生の姿だったら、まだマジだって思えただろう。なのにこんな小さな子供を捕まえて、しでかした本人とはいえ頭ごなしに怒鳴りつける。本人に反省を促しているところとか、何がダメだったのかとか、そんな事を本気で怒っているアタシは、まるで出来損ないの息子を叱る母親そのものだ。

 

 アタシは母親になりたいんじゃない。アタシは、アタシと対等の、恋人になりたかったのに。

 

 アタシの目から、いつのまにか涙が流れていた。アタシはそれをシンジに見られるのが悔しくて、急いで服の裾で涙を拭う。

 

 その間、小さなシンジはどうしていたかというと、先程と一緒よ。震えて、怯えて、泣いていた。

 

 泣きたいのはこっちの方よ。もう泣いてるけどさ。

 

「ぼ、ぼくは・・・」

「あぁ!?」

「ひうっ!?・・・・・・・・・ぼくは、アシュカが好きだ。今までも、今も、そうなんだと思う」

 

 ようやく、チビでバカでガキなシンジは振り絞るように話し始めた。

 

「ぼくは、あのときが最期のチャンスだって、思ったんだよ・・・。もうぼくは、アシュカとは二度と会えないと思ったから、だから、それを伝えたくて・・・・・・」

 

 でも、とシンジが続ける。正座した膝の上に置いた手に、涙がハラハラと零れ落ちた。シンジの唇が震えている。

 

「でも、アシュカの言うとおりなんだ・・・。ぼくはやっぱり子どもだったんだ・・・。だから、アシュカを傷つけちゃって、でもどうしたらいいか、わかんなくてぇ・・・ッ」

 

 気が付いたら、アタシのマンションの部屋の前に居たのだと、シンジは語った。

 

 きっと、バチが当たったんだと。

 

 だから、子供になったんだと。

 

 本当に、ガキが語るお伽噺のような物語を、本気で、語った。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 アタシの胸に去来する、哀しさ。切なさ。そして愛おしさ。

 

 それを合わせた感情を、なんと呼べばいいんだろう?

 

 アタシにはわかんない。気がつけばアタシは、ガキシンジを抱きしめていた。

 

 なんて小さいの?コイツは、ずっと昔からこんな小さかったの?

 

 アタシが求めた抱き心地ではないけれど、今のシンジの大きさに、アタシは不思議と納得していた。

 

 アタシとシンジの身体の差。それはそのまま、刻んできた時間と経験の差。きっとこの体格差が、アタシ達の心の距離の差を表してるんだ。

 

 そう納得できた。

 

 愛おしい。狂おしいほどに愛おしい。心の底から愛している。その愛を受け止めてほしいと叫ぶアタシがいる。

 

 でも、無理だって、ハッキリと理解した。この文字通りの男の子は、きっとアタシを包み込んでくれるような大きさなど持ってないんだ。だから、この子には母親が必要なんだ。

 

 いつかアタシが冗談とも本気ともつかぬ言葉でコネメガネに話した事は、大正解だったんだ。

 

「シンジぃ・・・」

 

 アタシの切なさが伝わったのだろうか。それとも、まさしく母親に縋り付く子供なのだろうか。シンジもアタシを抱きしめ返してくれる。

 

「アシュカ・・・」

 

 アタシ達は傷を舐め合う負け犬だ。どれだけの苦難を乗り越えても、本当に望んだ世界など手に入らない。それどころかお互いに現実を突きつけ合い、二人して傷付き、その傷を舐め合う。そんな関係が、一番似合っているのかもしれない。

 

 

 

 

 

 でもね。

 

 

 

 

 

 アタシは、そんなの御免だ。

 

 

 

 

 

「シンジ・・・!」

 

 アタシは、抱きついていたシンジを無理やり剥がした。

 

「あんたはやっぱりガキンチョよ。ガキシンジよ。今のあんたがアタシの前に来ても、アタシもあんたも傷付くだけ。それじゃあ何の意味もないわ」

 

 シンジの目が見開かれる。きっと、絶望に打ちひしがれているんだろう。だからアタシは、でも、と続ける。

 

「あんた、行く場所はあるの?帰る場所は?当ててあげる。どこにも無いんでしょ?」

 

 事実なのか真実なのか、それともアタシの言葉が心を抉ったからなのか、シンジは大粒の涙を流し始めた。

 

 

 

「だから、あんたはアタシの側に居なさい。この家に居なさい」

 

 

 

「え・・・・・・」

 

 

 

「アタシがあんたの居場所になってあげる。あんたがとりあえず帰る場所、そのものになってあげる。あんたみたいなガキンチョ、ほっぽり出したらどこかで野垂れ死んじゃうわ。だから、今日からここが、あんたの家」

 

 でも。

 

「その代わり、あんたには成長してもらう。本当の『男』になってもらう。それができたら、そのときに今度こそ、あんたはケジメをつけて。他ならぬ、このアタシに対して」

 

「でも・・・」

 

「拒否権は無い!あんたは大人しく、アタシに養われなさい!拒否するなら、今この場で、アタシが殺してあげる。どこに行っても生きていけないから、アタシが殺してあげる。その後に、アタシも死んでやる」

 

「!!」

 

「どう?あんた、アタシに死んでほしい?」

 

「ずるいよ、アシュカぁ・・・・・・」

 

 小さな子供のシンジは、イヤイヤと首を振りながら、アタシの胸に飛び込んできた。

 

「死なないで、アシュカ・・・!ぼく、いい子にするから、死なないで、アシュカぁ・・・!」

 

「ばーか。いい子なんかにならなくていいの。アタシはあんたに『男』になってほしいんだから」

 

 それを聞いた途端、胸の中のシンジがわあっと泣き出した。恥も外聞もない、心の底からの泣き声だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ニヤリと、アタシは笑っていた。

 

(ヤァッフゥゥウウウウウウ!!念願のショタシンジ、ゲットォ!!さあて、これからどんな『男』に育ててやろうかしらね!?)

 

 胸の中で泣いているシンジに見えないようにしているが、アタシのニヤケ顔は止まらない。

 

(やっばい!やっっっばい!!こんなチャンスってある!?憧れのショタシチュを、まさか本人であるシンジとできるなんて!うわぁ、今すぐに食べちゃいたい!でもダメ!ダメよ、アスカ!落ち着いて、冷静になって今後の計画を練るのよ!今だと不自然だから、ジョジョに調教して、アタシ好みのショタに仕立て上げて、既成事実作って子供いっぱい作ってそれからあああああああああ!!妄想が止まらないぃぃいいいいッッ!!)

 

 ああ、ダメだ。鼻血出る。マジで出る。ハッキリ言ってこの瞬間もアタシ、ぐしょぐしょに濡れてる。目の前のご馳走を、今、食べるか。それとも、より実るまで、待つか。本音を言えばコッチはいつでも準備オッケーのバッチこい!状態。しかし今食べれば、シンジが恐怖に駆られて逃げ出す可能性もある。事実、アタシはゲームで似たような失敗を何度も経験していた。

 だから、これは育成ゲーム。ショタとの鯉、じゃなかった恋は1日にして成らず!

 

 そう、そうよ!つまり、これこそはまさに『碇シンジ育成計画』!!

 

 アタシの人生、薔薇色ね。我慢に我慢を重ねて、ようやく手にした文字通りの人生の勝利。素敵な未来を妄想したアタシの脳は限界を迎えて、とうとうシンジを抱えたままばたりと倒れ込んだ。

 思考が幸せ回路で埋め尽くされて、ショートしちゃったみたい。

 

 

 

 次に目覚めた時には、アタシは自分のベッドの上。その横で心配そうにこちらを覗き込む、紛れもないショタシンジの顔。泣き腫らした顔が笑顔に彩られて、アタシは再び昇天しそうになるのを必死で耐えた。

 

「ごめんねアシュカ・・・疲れてたんだよね?ぼく、おかゆ作ったんだ。よかったら食べて?」

 

 死ぬ!死んでしまう!子供の手では料理もうまくできなかったのか、指にいっぱい絆創膏付けてるぅぅっ!!

 

(ああ、夢じゃない・・・・・・!)

 

 これ以上の多幸感を味わった事はなかったわ。でもこれから、これがずうっと続くんでしょ!?

 

 こうして、アタシとショタシンジの性活、もとい新生活は始まったのだった・・・!

 

 

 

 

 つづく!!・・・のか?

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