隣の彼女は小さい暗殺者で可愛い捕食者でカッコイイスパイで俺の彼女 作:SGMY
〜零斗〜
次に目が覚めると結月雫はいなくなっていた。布団はぐしゃぐしゃになっていた。
「人の布団勝手に使っておいて直さずにどこ行きやがった」
スマホを取り出して時刻を見る。深夜2時だった。変な時間に起きてしまい、眠気も来そうにないので少し外に出ることにした。
「夜風が当たって気持ちいいな」
そう言い近くの平原まで行く。月は雲に隠れており、視界が悪いのでスマホのライトをつけて歩く。
「ここらへんは動物もそこまで出ないらしいから安全だな……ん?」
隠れていた月が雲の間から顔を覗かせる。月の光が平原の一角を照らす。
「月がここまでデカいと掴めそうだよな」
そう言って月に手を伸ばす。
「叶わぬ夢だな」
人の声がした。クラスメイトの声はだいたい覚えてると思っていたがどうやら違うらしい。初めて聞く声に俺は少し警戒をする。
「そう警戒しないでくれ。わたしは……
「………」
「さっき言っただろう。警戒しないで」
そう言われて夢空翼から月に目線を戻す。すると夢空翼が隣に来て同じように空を見上げた。
「君は先程月に手が届きそうといったな。君の夢は宇宙飛行士なのかい?」
「いや違う」
「そうか。てっきりそうなのかと………まぁいい。君にいくつか質問をしよう」
何故、と聞くと知らなくていいと言われ、夢空翼からいくつかの質問をされる。
「君は人間をどう思う?」
「どう…とは?」
「人類は進化しすぎた。いや、進化すること事態は素晴らしい事だ。だが宇宙にまで手を伸ばしてしまった」
そう言い夢空翼が星空に手を伸ばす。
「この星は人間によって変えられた。環境汚染、環境破壊。今まで幾千の命がこの星で消えた。勿論人間が関わっていない事でもだ。人間は何処まで行けば進化を止める?」
「さぁ?ずっとかもな」
「ずっと……大昔、人間という種族が産まれたときは平和だった。人と人が愛し、愛され、誰もが手を取り合っていた。しかしいつからだろうか。人間が人を愛せなくなったのは…暴力で全てを敷いたげ、助かるかもしれない命を見捨て、言葉や金だけで何でも解決しようとして!」
「……確かにそうかもな。だが過去について何かを言われても俺はそれを見たことないからなんとも言えない」
「………」
そういうと夢空翼は突然黙る。すると前髪を整えてただ一つ、こう言った。
「君は不老不死という存在を信じるかい?」
「なに言って………」
すると後ろから知っている声がした。結月雫の声だった。どうやら俺を呼んでいるようだった。
「結月雫…彼女を泣かせないでね」
「………善処する」
そういうと夢空翼は何処かへ行こうとした。
「わたしはまだ彼女に会えない。約束を果たせてないからね。それとくれぐれも彼女にわたしのことは言わないでくれる?」
「……わかった」
そう言って結月雫の下へ戻る。どうやら異性の部屋で寝てたところを先生に見つかって注意されていたらしい。
「これからはバレないように頑張らないとね!」
「まず人の部屋で勝手に寝るな。自分の部屋に帰れ」
「えぇ〜………そういえばレイくん、さっき誰かといなかった?」
そう聞かれたが夢空翼に言われた通り結月雫に彼女のことは話さなかった。
「いいや、俺は誰とも………それ本当に人間だったか?」
「怖いこと言わないでよ?!ぼくお化け怖い!!寝れなくなったらどうするの?!」
そう文句を言う結月雫を横目に部屋に戻る。寝ようとベッドに潜り込みと何故か結月雫がもう寝ていた。
「…………おい」
起こそうと体を揺らしたりしたが起きなかったため、俺は先生を呼びに言った。先生は強引に結月雫を廊下まで引っ張っていった。
俺の名を叫びながら引き摺られる結月雫は少しだけ可哀想だと思ったがそこまでだった。
「この合宿終わったら同棲ってマジ?」
この先の生活が不安だ