隣の彼女は小さい暗殺者で可愛い捕食者でカッコイイスパイで俺の彼女   作:SGMY

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第2話

結月雫からの嘘告?を断った俺は早々に家へと帰る。家の前で髪型を軽く変え、家に入る。ただいまも言わず、手を洗ってすぐに部屋に閉じこもろうと部屋のドアに手をかけると、従妹である飛鳥が話しかけてきた。

 

「お義兄さん、今日は何処に行っていたの?」

「……何処にも。部屋に入ってないだろうな」

「もちろん」

 

学校で入ったって言ってただろう。何嘘を付いているんだコイツは。

ドアを開けて部屋に入り、鍵を閉める。部屋の電気を着けて鞄を端に置き、制服から私服に着替えてベッドにダイブする。

 

「ああぁぁ…食われるかと思った……本当になんなんだあの女…」

 

今日あった事を思い出す。謎の女結月雫。彼女は接点も何もない俺に突然な告白をする。嘘告だと俺は思っているが、飛鳥はここにいる。ならば響希達の誰かがあの場にいたのだろう。どうでも良いのだが。

 

「さ、風呂入って寝るかな」

 

現在6時を過ぎた頃、昔ならば飛鳥が夕飯を作ってくれたのだが、今ではもうすっかり、あの男に染まってしまった。弁当を作ってもそれはあの男の分。まぁ、俺は軽食だけでも別にいいのだが。

 

「確か、クローゼットの奥にエナジーゼリーと予備がまだ…」

 

服を掻き分けて探す。昔はお菓子をここに入れて、夜に食べていた。いい思い出だ。だが、今はもう誰も入らなくなったからする必要はないのだが癖になっていたようだ。

 

「お、これはもうすぐで駄目だな。今日の晩飯だ」

 

ブロックタイプの食料を発見し、それを口の中に投げ込む。

 

「向こうの家にはまだ大量にあるのに、こっちはやけに少ないな…」

 

ブロックタイプを二袋ほど食べたあと、風呂場に向かう。お湯はまだ張っていなかったので、シャワーで済ます。俺が使っているシャンプーやリンスもそろそろ切れそうだった。

しまった。予備買ってなかった。

体を拭いて浴場から出る。自室のベッドで早々に寝る準備をし、スマホを開く。

 

「あ、そう言えば新しいのがもうすぐで届くんだっけ?古いのはここに置いて置くか」

 

すると部屋がドンドンと叩かれる。今、家の中にいるのは俺と飛鳥だけだ。俺はドアを少しだけ開ける。

 

「お義兄さん、聞いてほしいことがあるの。リビングに来てくれない?」

「………わかった」

 

飛鳥の後ろを着いていく。話ってなんだろうか。高校に入ってから一度も話などしてこなかったのに、今更なんなのだろうか。

飛鳥はソファーに座り、俺は近くに置いてあった椅子に座る。

 

「お義兄さん………お義兄さんは今まで一緒にいた幼馴染が知らない男の人を好きになったらどう思う?」

 

何を言い出すのかと思ったら、くだらない話だった。

 

「どうも思わない。それでその幼馴染がそれでいいなら何も言わない。なんだよ急にそんな話して」

「え?…いや、別に……」

 

いや本当になんなんだよ!!?別に好きな人が出来ることなんてみんなそうでしょ?!

 

「話はそれで終わりか?」

「あ、うん。ごめんね、時間取らせて」

 

本当に全く。なんなんだコイツは?!まったく、俺の寝る時間が無くなっちまったじゃないか!!

 

俺は少し苛立ちながら自室に入る。何を伝えたかったのかわからないが、そこまで大事な事ではないだろう。あとクラスで友達作らないとボッチになってしまう。それだけは避けねばならぬ!!

 

次の日、案の定友達は出来なかった。今までは飛鳥達と話していたが、飛鳥達がいない今ではどう友達を作ればいいのかわからない。

そこへ先生から追い打ちをかけるかのような言葉が出る。

 

「えぇ〜以前にも話したように来週から6泊7日の宿泊合宿です」

 

長いですね。そんなに長いんですかこの学校の旅行って

 

「睡眠や食事は宿泊施設でするのですが、希望者がいれば外でキャンプを張れるそうです。ソロキャンプでも友人とでも!このクラスにいるのか知りませんが、恋人同士とかで夜を過ごす。なんてことは許されません。同性の友人同士のみです。ちなみに好きな人がいるなら先生、相談に乗りますよ」

 

最後のはどうでもいい。出来ればしないでほしい。ただ、ソロキャンプは難しいが憧れる。

 

「あ、近くに海や川がありますので水着に着替えて遊ぶのもありです!!」

 

先生の発言にクラス中が騒がしくなる。

待ってこの人なんて言った?海?キャンプファイヤーするんだよね、海近いの?なんで海近い場所を選んだの。

 

「あ、ご安心を、貸し切りとはいえ海の家はあります!!」

 

聞いてねぇよ。しかもそこじゃねぇよ。なんで海近いんだよ。

 

「7日間、勉強はなしなので、ゆっくり羽を伸ばしましょう!!あ、勉強道具持ってきたら没収です」

 

高校生なのに勉強駄目とかなんだよ?!合宿ってなんだっけ…

 

するとまたクラス中が騒がしくなる。水着買いに行こうだのナンパしようだの、今後の計画を立て始めるクラスメイト達。すると早速目の前の彼女らも話していく。

 

「龍三くん、今日水着買いに行こうよ!」

 

幼馴染Bである中山美笠が小林龍三、ハーレム集団のリーダー?的なあの男に話しかける。小林は少し考えたあとに問題なく了承、

 

「むぅ…!今日はお義兄さんの部屋の捜索って昨日言ったじゃん!!」

 

言ってないだろ!とツッコみたくなるが、押し留める。そっか、と残念そうに飛鳥のほうを優先する。

早めに帰ってコイツらを追い出せばいいのでは?と思ったが、別に見られても問題ないか。部屋にあるのはベッドと机と椅子、クローゼットの中には非常食、机の中も何もないからな。

でもまぁ、コイツらいつ帰るかもわかんねーし、今日はアッチのほうで過ごすか…ん?

 

隣を見ると結月雫がこちらを見ていた。別に何か話したいわけでも、言いたげな感じでもなかった。

 

「雫も行くよな」

「うん、行くよ!水着は流石に着たくないけど、お部屋探索はしたいな!」

「じゃぁ決まり!」

 

その部屋の持ち主には何も聞かなくていいのかよ。防犯カメラでも仕掛けてやろうか。

そんなくだらない事を考えていると、先生がみんなを静める。

 

「あ、そうそう、告白すれば成功するみたいな物はないので、ご安心を!!」

 

何をどう安心すればいいのだろうか。それではと先生が出ていき、クラスメイト達も授業の準備を始める。

 

「ねぇねぇ、寒川くんさぁ」

 

俺も授業の準備を始めようと机の中の教科書を探っていると、結月雫が突然話しかけてきた。横目で結月雫を見ると手を合わせて、申し訳無さそうに俺を見る。机の上には筆箱とノートだけ出ていた。

 

「教科書見せて?」

「……わかった」

「本当?!ありがとう!」

 

机をピッタリと着けて、真ん中に教科書を広げる。同時に先生が入ってきて、授業が始まる。俺は黒板の文字をノートに書き写し、先生の話を聞く。すると左腕を何度か突かれる。

 

「ねぇねぇ、ねぇねぇ」

 

そう言って何度も何度も突いてくる。ノートは開かず、先生の話を聞いている感じではなかった。

 

「……なんだよ」

「昨日、屋上でのわたしの告白、なんで断ったの?」

 

まだ授業中なのに聞いていた。昨日の放課後、屋上での告白を断った理由。

 

「どうせ、罰ゲームか何かの嘘告だったのだろう?なら断って当然だろう」

「嘘こっ?!酷い、乙女の一世一代の告白を嘘告白だなんて!」

「なんだよ。違うのか?」

 

まぁ、嘘告白じゃなくても付き合いたいなんて思わないけどな

 

「自分で言うのもアレだけど、わたしって結構可愛いわよ?なのにどうして?!」

 

確かに可愛いし、成績優秀でいいのだろうが、わけがわからない。一言も喋ったことの相手からの告白とか、怖いだろう。昨日まで一度も話さなかった相手なんて特に。

それを伝えると、結月雫は少し黙る。

 

「なら、わたしが本気ってことを証明すればいいの?」

「そうしてくれ。ただ、宿泊合宿では俺に関わるなよ?一人で過ごしてみたいから」

「え、嫌だけど」

 

速攻で断られる。再びノートを取り始める。しかし、結月雫は窓の外からグラウンドを走っている他クラスを眺めていた。

チャイムが鳴り響き、授業が終わる。終わってすぐに机を引き離し、教科書をしまう。結月雫は少し頬を膨らませて機嫌悪そうにしていた。

 

 

 

 

 

 

「お昼ごはん、一緒に食べよ!」

 

お昼休憩が始まったらすぐに俺のところにやってきた結月雫。彼女の手にはお弁当があった。

 

「雫もこっち来て早く食べようぜ!」

 

小林龍三がそういう。だが、結月雫は断って俺の手を引っ張り、屋上へと向かった。

屋上には誰もおらず、俺と結月雫の二人だけだった。

 

「まったく…あの人には空気を読んでほしいな」

 

俺は鞄の中にしまっていた携帯食料を食べる。すると、結月雫があああ!っと叫んだ。

 

「うるさいなぁ!なんだよお前!!」

「なんだよじゃないよ!お弁当持ってきたんだから一緒に食べようよ!」

「だから食べてるじゃんか」

「ちがーう!お弁当ってのは、みんなで分け合って食べるものだよ!!」

 

違うだろ。まずみんなで食べ合うなんてしないだろう。

 

「全く。せっかく作ったんだから食べてよ!」

「嫌だが」

「にゃんで?!」

 

結月雫は噛んでしまったことに顔を赤く染める。

 

「嫌だよ。だって毒とか入れられてるかもだからな」

「そんなことしないよ?!」

「いや、知らないやつからの突然の手料理とか恐怖だろ」

 

そう言うと、結月雫は卵焼きを半分だけ食べる。

 

「ほら、毒なんて入ってないから!!食べて!!」

「は?!食いかけの物を食べさせもぐっ?!!」

 

食べかけの卵焼きを無理矢理食べさせられた。自信ありげにドヤっとした顔をする結月雫。だが、卵焼きはあまり美味しくなかった。

 

「普通…」

「うそぉ?!」

 

柔らかくもないし、硬くもない、かと言って辛いわけでも甘いわけでもない。普通なのだ。

 

「え、美味しいじゃんか!」

「そ、そうなのか…?」

「むぅ…!」

 

顔を膨らませる結月雫。なぜここまで変わってくるなのだろうか。別に仲良いわけでもないのに。

 

「あ、そう言えば寒川くんは水着見に来てって行ったら行く?」

「行くわけないだろ。そんな暇なんてねぇよ」

「ふ〜ん………」

 

その後、何も話さずに昼休憩が終わり、俺達は各々の席に戻った。と言っても午後からの授業は無く、俺はそのまま家へと帰った。

 

 

 

〜結月雫〜

放課後、わたし達は飛鳥さん宅へお邪魔することにした。飛鳥さんは真っ直ぐにお義兄さんの部屋に案内する。

 

「久し振りに来たかも」

「僕も」

 

お義兄さん、寒川くんの部屋は言ってしまえば最低限の物だけあった。ベッド、机、タンス、それ以外はもう殆どない。響希達は早速とタンスやクローゼットの中を探っていく。

 

「あ、本当だ…ない物が多い」

「ないって…響希達はわかるのか?」

「わかるよ。だって、あの人はだいたいジャージだからね」

「そのジャージが消えてるの」

 

わたしはわたしで机の引き出しの中身を見る。中身は殆どなかった。一番下の段は鍵がかかって開けれなかった。

 

「なにもないね…やっぱりただ捨てただけとかじゃないの?」

「そうなのかな…」

「そう落ち込むな。きっと、自分を変えようと必死なんだ」

「そうよ!だから、今は水着だよ水着!!」

 

そう言って出ていくみんな。わたしは一人だけ買い物に行かず、帰路に着いた。

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