隣の彼女は小さい暗殺者で可愛い捕食者でカッコイイスパイで俺の彼女 作:SGMY
昨日は幼馴染達に会いたくなくて別の家で寝た。流石に人の部屋に入っても、盗みを働く輩はいないと思っているからだ。
朝、学校に向かうと飛鳥が小林の近くにいるにも関わらず、何処か元気のない様子だった。
「うぅ…」
「だ、大丈夫だって!確かにお前の胸は小さいけど、その…大きいだけが全てじゃないから!」
なんだどうでもいい話か、そんな話を教室の中でするなよ。
そう心の中で文句を言い、俺は自分の席に座る。隣には不機嫌そうな結月雫がこちらを見ていた。
「なんだよ」
「昨日、家に帰らなかったらしいね」
「なんのことだ。俺はしっかりと家に帰ったぞ」
「うそ、妹さん、昨日の夜にみんなに電話してたよ。お義兄さんが帰ってきてないって」
「兄でもない俺に言われても知らねぇよ」
「………寒川くんでしょ。神川さんのお義兄さんって」
「…………」
ナニを根拠に言っているんだか、そもそも苗字も違うし、顔も似てないし、何処が兄妹に見えるのやら。
「家に帰らない理由とかってあるの?」
「………さぁな」
なんなんだこの女は…
俺は彼女に物凄い恐怖を感じていた。飛鳥達が部屋に入ることに「止めなくていいの?」と言い、話した事もない俺に告白をする。意図が読めない。
「あ、今日、暇な人いますかー?もしよければ、来週の月曜日の宿泊合宿のしおりを作りたいので、手伝ってもらえるとありがたいのですが〜…」
先生が助けを求める。すると何人もが暇だと手を上げる。すると先生がパァーっと明るい顔になる。
「寒川くんって暇じゃないの?」
「暇なわけ無いだろ」
「じゃぁさ、今日デートしよ?水着見てほしいの」
「絶対無理、不可能、断固拒否、NO。付き合ってもいないのにデートなんてするわけ無いだろ」
「えぇ〜……………ならさ、妹さんに寒川くんのこと言ってもいい?」
「は?なんで飛鳥がここで……」
すると結月雫が不敵な笑みを零す。
「なんで神川さんの事下の名前で呼ぶのかな〜?」
「………わかった。わかりましたよ」
「よろしい!今日はもう授業ないから、このまま行くよ!」
最悪だ。簡単で見えやすい罠にかかってしまった。
学校が終わり、俺達は近くのデパートに来ていた。女性物の服屋に入るのはもう入りたくないので、俺は外で待とうと近くの椅子に座ろうとしていた。すると結月雫に腕を引っ張られる。
「水着見てって言ったじゃんか!」
「なら4分だけ待ってやるからさっさと選んでくれ。金も出さないし、意見だけ言う」
「それでいいよ。寒川くん好みの水着。寒川くんが喜ぶ水着はどれか「俺は水着で喜ばないぞ」え、そうなの?じゃぁ、寒川くんは何が好きなの?」
喜ぶ…喜ぶ……別に誰にもバラしたいわけじゃないからいいか。
「太もも…というか下半身かな」
「え、絶対領域ってヤツ?胸は?」
「俺は興味ないな」
「そ、そうなんだね。神川さんはお腹って言ってたけどそれは違うの?」
「全然。下半身だけは好きだが、上半身は好きではない」
「ふ〜ん、結構不思議な人だね」
不思議ってなんだ不思議って。
「そういうお前は男の何処が好きなんだよ」
「え?性格と雰囲気。落ち着いた感じの寒川くんが最高だけど」
「あっそう」
どうでもいいな。俺を好きとか言われても困りに困る。
「寒川くん、どうして昨日は家に帰らなかったの?」
「………一つ、飛鳥や幼馴染達と会いたくなかった。二つ、今の幼馴染達からの部屋の感想を聞きたくなかったから。三つ、俺はもうアイツらが知っている寒川零斗じゃないから」
「最後のどういうこと?あと、帰らなかったのなら何処に泊まった?」
「俺の家」
「え?矛盾してない?」
そう言われ、説明が面倒臭いので一つの事実だけを言う。
「俺、今月末に親の都合で寒川じゃ無くなるんだよ。それと誰にも言ってない引っ越し先に荷物とかは運んであるから、そこに住んでいるんだよ」
「今月末って…宿泊合宿の終わったすぐじゃん…」
「そうだよ。学校とかは変わらないが、飛鳥とはもうお別れってわけ、アイツには今小林龍三って良い男が「アイツは良い男なんかじゃないよ!!」……なんだよ急に大声出して……」
アイツが良い男じゃない?何を言っているんだこの女は。
結局、服も水着も何も買わずに一日が過ぎて土曜日と日曜日も何事もない一日が終わろうとしていた。
日曜日の夜に再び飛鳥に呼ばれる。
「お義兄さん、明日から学校の合宿があるの。そこで、わたし…好きな人に告白しようと思うの」
「そうか」
「だからさ……もし、もし失敗しちゃった時は慰めて欲しいかな」
「……………」
告白に失敗か、飛鳥ならそこらの男はOKするだろう。小林もするはずだ。何故なら飛鳥は可愛いし面倒見もいい。
「それはお前の兄としてか?それとも幼馴染としてか?それとも知り合いとしてか?」
「え……出来れば幼馴染としてかな」
「そこは兄と言っとけ」
「あはははは…」
そう言って飛鳥を撫でる。
もう兄としては認めない…そういうことかな。
〜結月雫〜
わたしは最近の出来事に少し苛立ちを感じていた。計画が全然上手くいかない。本来ならもう寒川くんはわたしの物になっているはずなのに。寒川くんの幼馴染の彼女らは神川くんの物になっていたはずなのに。
わたしは携帯電話を取り出し、上司に連絡する。
「
上司からの返事は2文字だった。