隣の彼女は小さい暗殺者で可愛い捕食者でカッコイイスパイで俺の彼女   作:SGMY

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第9話

これは結月雫が中々ファミリーズと出会う少し前の話だ―――

 

〜飛鳥〜

うぅ…久々の水着って着替えるのドキドキするなぁ…いつぶりだったかな?海なんてあんまりいったことなかったからみんなと来れて嬉しいなぁ

 

「あれ?飛鳥さんまだ着替えてたの?」

「あ、雫さん!うん、海に来るの久々だからね」

「そうだったんだ。海近いのにどうして?」

 

どうしてって…あれ?どうしてだっけ、誰かが海を嫌がってて…それで……

 

「まぁ、理由は隅に置いて、飛鳥さん達って何処で龍三と出会ったの?」

「うぅ〜ん…何処だっけ……あ!入学式のときに自動販売機で出会ったの!間違ったの買っちゃったからってジュースくれたんだ!」

 

入学式での出来事を話すと雫さんは何処か嫌そうな顔をしていた。

 

「……そっか」

「どうかしたの?」

「ううん、大丈夫。ここが始まりなんだね」

「始まり?」

 

雫さんに何の始まりなのか聞こうとしたけど足早に海の家にと向かっていってしまった。

 

「何の始まりなんだろ…」

 

〜結月雫〜

そして現在、レイくんのお部屋でわたしはレイくんに真実を打ち明ける。

 

「妹さん達、別にあの男に恋をしてるんじゃないよ」

「は?突然なんの話を…」

「わかっちゃったの、どうして()()()()()()()()()()()()()()()

 

なにがと言う顔をするレイくんにわたしはこう言う。

 

「惚れ薬ってあると思う?」

「ないと思う」

「……………」

 

なんでそうすぐに否定するかなぁ…

 

「彼女達は何処かで惚れ薬を盛られただけだよ」

「何処かって…何処で?」

「飛鳥さんは入学式の日、自動販売機で惚れ薬を盛られたジュースを飲んだ。現状わかってるのはここまでだよ。レイくんは何か知ってる?」

 

レイくんはすぐに何かを思い出したらしく、少しだけ目が変わる

 

「………あの日、飛鳥は俺が絶対に食わないあんこ入りの饅頭を持って帰ってきていた」

「え、あんこ入りの饅頭食べないの?」

「あんこが少し苦手でな。それを三人で別けて食べていた……まさかあの饅頭に?」

 

そっか、じゃあ…飛鳥さん達はあの男を好きになったわけじゃない。ならまだ取り戻せるはず。

 

「そもそもなんでお前はそういうの知っているんだ?」

「ギクッ」

「それ口で言う人あんまりいないぞ」

 

どうするべきか、話すべきなのか。でもこんなヤツといたくないとか言われてしまったらどうしよう…

 

「……言いたくないなら別にいいが、恋人なるのならそこらへんはきちんとしておいたほうがいいと思うぞ」

「そ、そうだね…わたし……ううん、僕は殺し屋なんだ」

「はぃ?」

 

全然わかっていないレイくんに僕は1から説明する。レイくんに恋した事、元は暗殺対象だった事、家族のこと、その他色んなこと全て。

 

「あと上から「サイズはどうでもいい」はい…」

「つまりお前は俺に好意を持って近付いた。だが母親は金目的ってわけか。なんで俺が暗殺対象なんだよ」

「それはあの男が君に嫉妬したからね。暗殺対象にして、飛鳥さん達を自分の物にする」

 

その中に僕も入ってるってお母さんは言っていたけど、言わなくていいかな。まだ決定したわけじゃないし

 

「飛鳥達はどうすればいい?」

「あの男かあ引き剥がす。その為には惚れ薬を無力化させる必要があって、それには…レイくんと彼女らの思い出が必要なんだ」

「思い出ねぇ…それは例えどんなのでもか?」

「うん、大丈夫だよ。本人が違和感に気付けばそれだけでいける。ただしあの男が簡単に話をさせてくれるのかって話だけど」

 

独占欲強いからあの男はそう安々と話させてくれないだろうし、ましてやわたしがいるのだから近付けさせないだろうな。

 

「いや、いけるぞ。《家ならば兄として話せる》》」

「そっか、お義兄さんってことバレてないんだっけ」

「あぁ、それにまだ方法はあるからな……惚れ薬を無力化したとして、その時の記憶は残ったままなのか?」

「うん、そうだよ。だって相手を惚れさせるだけであってそれ以上の効果はないはずだよ」

 

もし記憶を消す効果があったらもう終わりだよ。

 

「それと今回の合宿、飛鳥はアイツに告白するつもりだ。そこを狙えばなんとか……お前殺し屋なんだろ?金は用意してやるから頼めない?」

「無理かな、わたし今ナイフじゃなくて銃しかないからね。暗殺は難しいよ」

「ナイフが主流なのか、カッコいいじゃん」

「えへへ…あ、でもここでやっちゃうとこの施設内にいる誰かが犯人ってなっちゃうから、出来るとしたら街中ぐらいだよ」

「そういう問題もあるのか…」

 

ベッドの上で横になりながらレイくんは考える。

 

「ねぇレイくん、いっそのこと妹さん達に言っちゃえば?自分が兄だってこと」

「駄目だな。そしたら俺がこの学校を離れなければならない。せっかく中々ファミリーズって友達と出会ったんだ。だから嫌だな」

「どうしてバレたら駄目なの?」

「さあ?父親が考えることは俺にはわかんねぇよ」

「そっか…でもバレたら退学なんて僕が嫌だ!!」

「一人称どっちかにしろよ」

「どっちもがいい!!任せて!その件は僕がなんとかする!レイくんの彼女として!」

 

そう言うとレイくんは何処か嬉しそうな顔をしていた。

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