【本連載】転生槍王が子供達の夢を叶えようと頑張った結果、ぶっ壊れて幼児退行するお話 作:相川翔太
別の作品がメインですので本作の投稿は不定期になってしまいますが完結させようと思いますのでよろしくお願いします。
――どうしてこうなった・・・。
私は丘の上から広がる地獄を見ながらそんな感想を抱いた。
――こんなハズではなかった・・・。
私の計画通りなら私は遠征から帰還次第、留守中、摂政に任命していた
そうすれば『可能性』は『希望』まだあったんだ・・・。
――なのに、なぜこんなことになってしまった?
駄目だ、コレでは駄目だ・・・。
これでは夢を叶えられない・・・。あの子達に夢を叶えさせて上げられない・・・・・・。
「だ、大丈夫・・・。ま、まだイケる・・・。
私は震えながらそう口にする。すると・・・、
『いや、もう無理だ。
私の目の前の『黒い』私が現れた。
驚く私に対して『黒い』私は諭すように語り出した。
『お前も、もう『理解』しているのだろう?もう、この国は
――ビキ、ビキ、ビキリ・・・
『黒い』私の言葉になにかが軋む音がする・・・。
「まだ、まだ、終わっていない・・・。終わっていないよ・・・・・・。私は、私は、だって・・・・・・」
『あの子達に
・・・お前に出来ることはもはや唯一つしか無い。亡国の王として最後の『責務』を果たす、それだけだ』
――ギチ、ギチ、ビキリ・・・
軋む、軋む、軋む。私の壊れてはいけない『モノ』が壊れそうになる。
――お願い、お願い、止めて、やめて、それ以上言わないで、それ以上いわないで、お願い、おねがい・・・
しかし、私の懇願に虚しく、『黒い』私は無慈悲に告げた。
『諦めろ。お前は国を救えず、あの子達の夢は叶わない』
――バキリッ!!
私の中で『ナニカ』が壊れた音がした。決して壊れてはいけない『ナニカ』が・・・・・・
――カラン・・・
気が付くと私は長年連れ添った『
そして涙が溢れてくる。
――あれ、あれ?おかしいな?何で、何で泣いてるの?
あの日、あの夜、あの子達の前でもう泣かないって決めたんでしょ?泣かないって誓ったんでしょ?
じゃあ、泣いちゃ駄目だよ・・・。
もう、もう『黒い』私の言うように全部駄目かもしれないけれど、夢を叶えてあげられなかったかもしれないけれど、だったらせめて、最後まで『王さま』としての『義務』を果たさなきゃだめだよ・・・。モードレッドを倒さなきゃだめだよ・・・・・・。
例え、私を『王さま』と呼ぶ声に、もう、心なんてなくなってしまったのだとしても、『王さま』と一度でも呼ばれたのならばッ!!
――あぁ、でも、でもね・・・。
胸がね、すごく、すごく苦しいんだ・・・。身体中が痛いんだ・・・・・・。
今まではどんなに苦しくっても、痛くっても動いたし、動かせたんだけど、もうね、身体が動かないんだ・・・・・・。
――悔しくって、悲しくって涙が止まらない・・・。
あの子達の夢を叶えさせてあげられなかったばかりか、王さまとしての『義務』すら果たせない・・・
そんな事実に涙を流すことしか出来ない私の後ろから怒声が聞こえた。
「見つけたぞッ!アーサー王ッッ!!」
――そこには憤怒と憎悪に塗りつぶされた『
「も、もーどれっど・・・」
私がなんとか振り向くとモードレッドは一瞬驚いたようだったがすぐに表情を戻し、私を煽るように言い放つ。
「アーサー、ブリテンはこれで滅んだぞッ!オレが滅ぼしたッ!!さぁ、最後の仕上げだ。立てッ!立ってオレと戦えッッ!!!」
――あぁ、そうだ・・・。立たなきゃ・・・、戦わなきゃ・・・、頑張らなきゃ・・・・・・。
けど、けれどね・・・。
「ごめんね、もーどれっど・・・。わたしはもう、むり、むりなんだ・・・。たたかえないんだ・・・・・・」
「!?、何を言っている、アーサー!?オレは国を滅ぼしたんだぞッ!憎くないのかッ!!」
「ちがうんだよ、そうじゃないんだよ・・・。わたしは、もう・・・・・・」
「だったら・・・、戦いたくしてやるよッ!!」
一向に立とうともしない私に業を煮やしたのかモードレッドは私に駆け寄ってくるとそのまま私の顔を蹴り上げた。
――ガッ!!
身体が動かない私は回避も防御も出来ずそのまま倒れ、モードレッドは追撃とばかりに私の顔を踏みつけた。
――ガッ、ガッ、ガッ!!!
「どうした、アーサーッ!誉れ高き『騎士王』が顔を踏みつけられているんだぞッ!!屈辱だろうッ!!!さぁ、立てッ!!立って戦えッ!!!」
――ごめんね、ごめんね、もーどれっど・・・・・・。
もうね、無理なんだ、出来ないんだ・・・。
気持ちとか、やる気の問題とか、頑張るとか頑張れないとかじゃなくて、物理的にもう無理なんだ・・・・・・。
すると顔を何度も踏みつけられても立つどころか抵抗すらしない私に対してモードレッドは強硬手段に出たようだった。
――『
「・・・アーサー、お前が戦わないならオレはこのままあんたの腕を切り落とす。オレは本気だぞ?さぁ、立てッ!立って戦えッ!!」
そう言われても私には最早どうすることも出来なくて・・・
――ザクンッ!!
「な、なにやってんだよ、テメェはぁあぁああ!!!!」
宣言通りに私の腕を切り落としたモードレッドはそう叫んだ。
ごめんね、ごめんね?もーどれっど・・・。
するとモードレッドは無表情になり言葉を吐き出した。
「・・・なるほど、あんたの考えはよ~く分かったよ・・・・・・。オレはあんたにとって『息子』でも戦うに値する『敵』ですらなく、そうやって無抵抗でいるってことがあんたなりの国を滅ぼしたオレに対する復讐ってワケか・・・。すげーよ、あんた・・・。感動した。・・・『こんなの』に憧れていたオレが馬鹿だったよ・・・・・・」
そう言うとモードレッドは倒れている私を引き起こすとクラレントを振り上げた。
「・・・『最期』に言い残すことはあるかよ、クソ野郎・・・・・・」
「・・・もーどれっど・・・・・・」
「ごめんね・・・・・・」
――ガッ!!!
――「汝三大の言霊を纏う七天――」
『ふむ、どうしても戦ってはくれぬのかね?』
――はい、ごめんなさい・・・。わたしはもうたたかえないんです・・・・・・。
『しかし、貴殿は私の召喚に応えた。それは貴殿も聖杯を欲しているからに他ならないからではないのかね?』
――それは、わからないんです・・・。ただ、いちどしっぱいしたわたしがもういちどというのは・・・・・・。だから、ごめんなさい・・・・・・。
『・・・そうか、それなら仕方ないな・・・・・・』
――はい、ごめんなさい・・・・・・。
『・・・あぁ、そうだ。実は貴殿が眠っている間に生前の記憶を見せて貰った。・・・ずいぶん子供達の『夢』を大切にしていたようだね?』
――はい、あのこたちがわたしのはじまりだったんです・・・・・・。
『そうか、いや、良かった。実は私はこう見えて降霊科の一級の講師でね?まぁ、マーリンという最高の魔術師を知っている貴殿からすれば大したものではないのだろうが・・・。それでも貴殿の『始まり』の子供達を降霊させて会話をすることも出来るが・・・。どうするね?』
――え・・・、いいんですか?
『あぁ、構わないとも・・・』
・
・
・
・
・
『王さま』『おうさま』『アーサー王』
――あ、あぁ・・・、みんな・・・・・・。あ、あのね、わたし・・・、
『嘘つきッ!』
――え・・・
『嘘つきッ!』『約束を破ったッ!!』『裏切ったッ!ボク達を裏切ったッ!!』『役立たずッ!!!』
――ち、ちがうよ、ちがうんだよ・・・、みんな・・・。わ、わたしはせいいっぱい・・・・・・
『だったら戦ってよッ!』『
――あ、あぁ・・・。ご、ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・。たたかうから、
――だから・・・・・・、
――ゆるしてよぉ・・・、せめないでおくれよぉ・・・・・・
プロローグですので一発ネタの時と内容はほぼ変わっていませんので楽しみにしていた方は申し訳ありません。
この槍王は型月知識なし、アーサー王伝説は剣を抜いて王様になるんでしょ?くらいの知識しかない設定です。
誤字・脱字報告、ご意見・ご感想よろしくお願いします。