18階層 ロキファミリアテント内
「あれ? ここは‥!? リリー!! ヴェルフ!! 皆、無事!?」
目が覚めたベルは先程までのダンジョンの景色とは違う為、戸惑っていると一緒に来ている仲間の安否が気になり直ぐに起き上がった。
視界の端には憧れのアイズ・ヴァレンシュタインの姿が見えて幻覚を見ていると思っていた。
「アイズさん?」
「ベル、大丈夫?」
「どうして、ここに!?」
「今はファミリアの遠征の帰りでこの18階層にで待機していて」
「18階層!? そうか‥あれ?そういえばもう一人居ませんでした?」
「彼の事かな? 彼は君達をここに運んだ後、再度ダンジョンに潜って他に冒険者が居ないか戻っている所よ」
「そうなんですね、お礼を言いそびれたな…そうだ! 僕の仲間の容態は!?」
立ち上がって聞こうとしたら、足元が崩れたベルはアイズの胸に飛び込む形になり顔が真っ赤になって慌てて離れた。
離れた時に視界の端にリリーとヴェルフが寝ている姿を確認した。
「二人共大丈夫、リヴェリアが治療して今はぐっすり休んでるから」
「良かった…ありがとうございます」
二人が落ち着いた表情で呼吸している姿に一安心した、ベルは改めて、アイズに感謝していた。
「あの、アイズさん、僕達を運んだ人の事なのですが」
「あぁ、たしか、ラサツ・
「そう、焰さん、確かロキ・ファミリアの人では無いってきいたのですが」
「うん、今はフリーの冒険者ね」
「今は…もしかして昔はアイズさん達と同じファミリア」
「違う、彼のファミリアは…」
一方ダンジョン16階層
「このあたり、偉く荷物が散乱してるな、見た所、モンスターに襲われてっと言うよりここで、荷物を捨てた感じだな、鞄もモンスター攻撃ではなくナイフや手で引き裂いた後だな」
焔は単独でダンジョンに潜り、ベル達のパーティの残りのメンバーが居ないか確認のため、ダンジョン内を確認をしたら、あるところにアイテムが無造作に床にバラまかれた所が有り、捨てられた鞄を見るとモンスターの戦闘で破れた痕跡ではなく、ナイフや手で引き裂いた跡が確認出来た。
落ちてるポーション類の空瓶から、ごく最近購入された物だと、判断が出来る為、恐らくベル達の物だと予測を立てていた。
「ベルの仲間は二人共既に倒れていた…ここから引き摺った跡から、仲間はここで
焔は足元に散らばったアイテム類は持ってきたバッグに詰めていた。
「ヴォぉぉぉぉぉ」
「ん? モンスターの気配、行ってみるか」
焰からみて、奥側からモンスターの雄叫びが聞こえ、直ぐ様に武器を構えながら声のする方に駆けつけていた。
走り出していると数名の冒険者が
「パーティの数に対してまともに動けるのは二人だけか、仕方ねぇ」
焔の視界から見てもよく、動いているのは二人の冒険者が中央に居る仲間を守りながら戦っている。だが、他は中心の二人を守るのに精一杯な3人、いくらなんでも、二人で守りきれない。
並行詠唱を始めながら、焔は空中に居る大量のコウモリ達に狙いを定めていた。
「刹那に吹き抜ける赫き月、その刃は烈火の如く燃え滾り、斬り裂く道を示せ」
《
投げ出されたバトルアックスは炎を纏い回転刃の如く、空中にいるコウモリたちを殲滅し、ブーメランの様に武器は焔の元に戻った。
その様子に気づいた数匹のワームが焔の元に飛び込んで襲い掛かった。
「オラァ! どけ!!」
尽かさずに向かって来るワーム達を一刀両断で次々と倒して行きパーティの元に駆けつける焔は先程、遠くから見えた二人の人間を囲んでいる3人組の姿を間近に見て驚いていた。
「!? 焔殿!!」
「なぁ! 焔…」
「焔さん!」
「
「貴方は確か、《
「いつの間に背後を」
3人に驚いている焔の背後に眼鏡を掛けた女性が呼び掛けていて更に驚いていた。
「彼女が並行詠唱しているので」
「それまでは死守…了解」
焔は視界に映る緑のローブをしているエルフが高速でダンジョン内に移動しながらの並行詠唱に唖然としていたが、それだけにあのエルフが自分よりも強い冒険者ということを認め、彼女の抜けた穴をカバーする係になり、モンスターを退治し始めた。
「行くぞ、オラァァァ!!」
次々とワームとミノタウロスを斬り倒しながらエルフの詠唱を確認しながら周囲に気を配っていた。
「すみませんが、タンクでしたら彼女の発動時に」
「分かった。全員を守るようにしてやる」
エルフの詠唱が後半に入りだした感じなったので、焔もまた、並行詠唱を始めた。
「いかなる脅威、怒涛の嵐よ 我が信念の御旗よ、威風堂々のため、赫き聳え立つ、燃え盛る鉄壁となれ!」
「皆さん、彼の後ろにリュー!いつでもどうぞ!!」
《
盾を前に突き出した時に魔法陣が浮かび、彼の目の前の炎の障壁が立ち上り、防御壁となり、
それを見たエルフは残りの魔物に向けて魔法を放った
「ルミノス・ウインド」
緑の風を纏った無数の大光玉を生みだし、広範囲に居たモンスターを一掃して放ち、見事、周囲のモンスターを殲滅した。
「凄い魔法だな、しかもあれをあの高速移動しながらの並行詠唱とは凄腕の魔法剣士だな」
「いえ、貴方も中々の腕ですよ、攻撃魔法をあのように改良、防御壁の魔法も中々の物でしたよ」
「それはどうも」
焔は先程の赫月・円が従来の型から改良した物を初見で看破されたことで、このエルフの冒険者の凄さに驚かされていた。
「さて、一度戦闘が終わりましたので、ひとまず、こちらの質問に答えて貰っても良いでしょうか、ラセツ・焔さん」
「あぁ、構わないよ、多分、こっちが聞きたいこと同じだと思うから…ヘルメスファミリアの団長の
「単刀直入に私達はこちらに居られます、神ヘスティア様の眷族であるヘスティア・ファミリアのベル・クラネル氏含めた3名のパーティの捜索のため、18階層までの探索している所です、ここまで来るまでに3人の冒険者に会いませんでしたか?」
「その3人なら、数時間前に18階層に来て、今頃はロキファミリアに治療を受けてる所だと思うから、3人の安否は大丈夫だ」
「本当かい! ベル君たちは無事なんだね!!」
焔が話した後に背が小さいが巨乳の持ち主で、先程、神ヘスティアと紹介された少女は焔の服を掴んで聴いてきた。
「神 ヘスティア様、はい、大丈夫です。そもそも俺がロキファミリアに頼んだから間違いない、向こうには凄腕の魔法使いのリヴェリアが居るので」
「そっか、良かったよ〰ベル君、皆〰」
安心したのかその場でへたり込んだヘスティアだった。
「良かったなぁ、ヘスティア」
すると羽帽子の男性がヘスティアを呼びかけていた。上に対してタメ口を使う人物で、そして、焔自身も団長の存在がいるから予想が付いていた。
「こちらも質問しても良いですか、神ヘルメス様、ダンジョンでどうして神の二人の動向している事と、先から黙っているタケミカヅチ・ファミリアがここに居ることを」
「あぁ、そうだね、君も気になるよね元タケミカヅチ・ファミリアの団長だったラサツ・焔君」
その言葉で彼の脳裏には苦い過去を思い出していた。