TS美少女が百合ハーレムを作ろうとして雌にされる話 作:カラカラダ
———遅いな。
翌々日の金曜日。あれから菜々の言っていた通り今日はせつ菜に会えるということで、私は放課後屋上で彼女を待っていた。
「おっせぇ……!」
もうかれこれ30分以上待っているのだが一向に来る気配がない。正体《中川菜々》が生徒会長だから忙しいとはいえ、ここまで待たされると流石に暇である。
「いっそのこと菜々に電話でもするか?」
催促みたいで悪いが、遅い菜々が悪いんだし仕方ないよね。それじゃあ電話を……
私が菜々に催促の電話を送ろうとしたタイミングで、勢いよく屋上のドアが開いた。
「すいません! 遅くなりました!」
息を切らしながら現れたのは、ブルーブラックの髪色をした女の子。間違いなく彼女こそが、正体不明のスクールアイドル優木せつ菜だった。
「大丈夫大丈夫。いや〜、これが生せつ菜かー!」
「ははは、ありがとうございます。蓮美鈴さんですよね。生徒会長からお話は聞いています」
というか結構雰囲気変わるな…。眼鏡を掛けた生徒会長らしい真面目さと固さがある普段とは違って、長い黒髪を揺らす姿にはクールかつスクールアイドルらしい可愛さを感じる。あと練習服のジャージだと胸の大きさ強調されるね♡ まぁ私の方がボンキュッボンしてるんだけど!
そういえば普段は眼鏡してるけど、この姿の時はコンタクトなのかな? いや、カッコつけて伊達眼鏡にしてるだけで視力は良いんだっけ。そう考えると菜々って割とおふざけ多いよね…。
「そういえば生徒会長って私のことどう言ってました? 悪口とか言ってたら悲しいな〜」
「べ、別に変なことは言ってませんでしたよ…?」
「いやいや、親友だから褒められてると嬉しいなーって!」
それに別人を装ってる
「……そうですね。明るくて優しくて、凄く可愛い人だと」
「可愛い!?」
心外である。私はイケメン系の美少女だし、どちらかというとカッコイイ部類に入るはずだ。
「えっと、はい。とても素敵な方です」
「そっか……」
照れながら答える菜々に思わずドキッとする。うわっ、めっちゃ可愛いじゃん! 可愛いって思われてるには不服だけど、これは反則だろ!
「と、とりあえず話戻そうか…。脱線してごめんね」
「いえ…。では早速始めましょうか」
「うん、よろしくお願いします」
こうして私たちは話し合いを始めたのであった。
「まずは改めて自己紹介をしましょう。私はこの学校でスクールアイドルをやっている2年の優木せつ菜です。今までは個人で活動していましたが、今年からはグループでアイドルをしたいと思い、そこで生徒会長に相談したところ貴女の名前が上がったんです。それで、もし良ければ一緒に活動してくれないかと思ってこうしてお会いしました」
「なるほど……ね」
つまり菜々は私がスクールアイドルに興味があることを知り、元々立てていた計画を前倒ししてせつ菜の姿で接触してきたということだろう。
「えっと……」
「ん?」
「本当に引き受けてくださるのでしょうか……」
そんなに不安げな顔をされても,私が
「もちろん! むしろこちらから頼みたいくらいだよ」
「本当ですか!?」
「ただ、一つだけ条件があるんだ」
「条件……ですか?」
これに関しては私の決断力が低いからとしか言いようがない。申し訳なく思いながらも私は言葉を続ける。
「スクールアイドルに興味があるなんて言っておきながら、正直自分がアイドルをする未来が見えないんだ」
「それは……スクールアイドルをやるかどうか決め兼ねてるということですか?」
「うん。でも、中途半端な気持ちじゃダメだと思うんだ。だから————」
「……わかりました。だったら体験入部という形で一度練習してみませんか? それで嫌になったら辞めてもらって構いませんから!」
「………いいの? 」
「はいっ!」
せつ菜は満面の笑みで私の手を握る。その笑顔に嘘偽りは一切なく、私への期待と信頼が目に浮かんでいるように見えた。ここまで言われたら断る理由なんてないよね。
「それじゃあこれからよろしくね、せつ菜!」
「はい、よろしくお願いします。美鈴さん!」
「……はははっ、なんか恥ずかしいね。よし! それじゃあ今日は何をしますか、せつ菜部長!」
「あ〜、まずは部員を5人集めないと部活どころか同好会も作れないんですよね……」
「あ……」
せつ菜の少し困った顔を見て、私は部活動の承認理由を思い出す。
やっべ…。同好会は署名が5人必要なの完全に忘れてた……
♢ ♢ ♢
「それで、まずは部員を5人集めるって言ってもどうやって集めるつもりなの?」
ずっと屋上で話すというのもあれなので、私達は学校内のカフェに来ていた。今は部活中だからか人も店員さん以外におらず、これなら話をしても大丈夫だろう。
それにしても……美鈴さんは私の正体に本当に気付いてないのだろうか。我ながら変装には自信があるとはいえ、美鈴さんは感が鋭いので少し不安だ。
でも、美鈴さんの態度を見る限りバレている感じではない。チラッと横を見ると、彼女は楽しげな表情をしながらメニュー表を見つめていた。
「はい、それに関しては学校内にチラシを貼ることで宣伝しようと思っています」
「へぇ〜、チラシねぇ。おっ、このショートケーキ美味しそう♡」
私の話も聞かずに美鈴さんは嬉しそうにケーキを選んでいる。いやまぁ大した話ではないので聞き流しても大丈夫ですけども…。
「はい、苺あげる」
「ありがとうございます。って、何自然に食べてるんですか!」
「え? だって私のお金で買ったものだし?」
「いやいや、そういう問題じゃないですよ!」
この人本当は私の正体に気付いてるんじゃないでしょうか…。あまりにも自由すぎる振る舞いを見ていると、そう思えて仕方がなかった。
「まぁ、5人程度ならすぐ集まると思うよ」
「……本当にそう思いますか?」
正直なところ、スクールアイドルは素人が簡単にできるものではない。大好きを届けるためには沢山の課題があるし、ラブライブに出場するとなると尚更頑張らなければならないだろう。つまり敷居が高い印象ということだ。
だからと言って、これから一緒に頑張ってくれる仲間にあまり弱音を吐きたくはない。しかし——— 私の不安とは裏腹に、美鈴さんは余裕そうな顔をしている。
「うん、大丈夫。だってこの学校には3000人も生徒がいるんだよ? その中でスクールアイドル好きを5人集めるだけでいいなんて楽勝じゃん」
「それは、そうかもしれませんが……」
「ほら、せつ菜はもっとポジティブになろう! せっかく可愛いんだからさ」
「っ……」
どうして、この人はこんなにも優しいんだろうか。自分のことよりも他人を優先して、いつも明るく元気で……。
だからこそ、私は彼女のことが好きになったんだろう。
「……やっぱり、美鈴さんは凄いですね」
「えっ、急にどうしたの?」
「いえ、なんでもありません。それよりも早速チラシを貼りにいきましょう!」
不安や考えることはいっぱいあるけど、私と美鈴さんならきっと大丈夫だ。私はそう思いながら歩き出した。
翌日。あれからチラシを校舎中に貼り終えて、私たちは放課後に2人でミーティングをしていた。ちなみに部室はまだないので、昨日のように屋上だ。
「後は部員が集まるのを待つだけだね」
「はい! ただ、問題はこれからの活動方針です」
「活動方針?」
「はい。それにどんな曲を歌うのかとか、衣装はどういうものにするかなども決めなければなりません。でなければラブライブで勝ち残れませんし」
「そっか……」
今更だけどこの頃の
しかし、ここで私が言ったところでどうにかなるわけでもない。それに彼女の心を解き放つのは
「でも、2人じゃ決めれるものも決められませんね。ここは基礎練習から始めて身体作りを……」
「あの〜、スクールアイドルを募集してるって書いてたので来たんですが」
そんなことを考えていると、ドアの方から声が聞こえてきた。慌てて振り向くとそこには女の子が立っていた。
明るい茶髪で背は少し低めだが、顔立ちは整っている女の子。彼女こそが今後一年生を引っ張っていく未来のスクールアイドル、
「あなたは…?」
「みんなのアイドルかすみんこと、中須かすみです! よろしくお願いしますねせつ菜先輩! えっと…」
「蓮美鈴。一応、新入部員かな。よろしくね、かすかすちゃん」
「かすかすじゃなくてかすみんですぅ!」
昔のあだ名を言われてぷりぷりと怒るかすみん可愛いね♡ それにしても、やはりこの頃から彼女はあざとい。……クラスの自己紹介でもこんな感じだったのかな?
「それでかすみんは何でスクールアイドルやろうと思ったの?」
「かすみんが可愛いからです」
「…………は?」
「かすみんみたいな超絶可愛い女の子は、世のため人のために、スクールアイドルになるべきだと思って!」
「………………」
あ〜あ、せつ菜が固まっちゃった。まぁ、これはしょうがないか。まさかここまで尖った自己紹介されるとは思わなかったし。一応かすみんのフォローしとこうか。
「……かすみん凄い〜! いやー、若いのに立派だねぇ! よっ、かすかすっ!」
「ま…まぁ、それほどでもありますけど〜。……って、誰がかすかすですかっ!」
よしよし、これで少しは機嫌も直ってくれただろう。というか、なんだろう。このやり取りなんか凄い楽しいな。
「お二人ともふざけるのはその辺にしておいて下さい」
「は〜い。ところで、他の部員さんはまだ来てないんですか?」
「………部員は私と美鈴さんの2人だけです」
「え? ということは……」
「はい、私達が初めてスクールアイドル同好会をつくる部員になります」
「えぇぇぇぇぇぇ!?」
おぉ、まるで芸人みたいないい反応。
♢ ♢ ♢
「いつもはどこで練習してるんですか…?」
「体育館の端っこを借りたり、校舎の裏とかですね」
「へ、へぇ〜」
そ、そんなところで練習してるんですか…。かすみんはもう少ししっかりした場所かと……。
「それじゃあまだ時間もあるし行ってみようか」
「は、はい……」
「ほらほら、早く行こうよ」
そう言うと美鈴先輩は私の手を引いて走り出した。突然の出来事に思わず心臓がドキッとする。……美鈴先輩の手、小さくて柔らかいな。それに温かい……。
「……ん? どうしたの?」
「ふえっ? な、なんでもありませんよ…!」
「変なの」
いけない、ついボーッとしちゃってた。それにしてもこんな先輩がいるとは思わなかったなぁ。私の手を引いて動くたびに綺麗な茶髪が揺れ、とても綺麗だ。悔しいけどかすみんのライバルだって思えちゃうくらい…。
………でも、可愛いだったらかすみんは絶対負けないんですからね!
「かすみん?」
「あっ、すみません。ちょっと考え事を……」
「もう、着いたからね」
「は、はい」
いつの間にか目的地に到着したみたい。ここは体育館の裏側なのかな…? まだ入学して数日だから全然わかんないや。
「ここでいつも練習しているんですよ」
「ここなら広いし良さそうだね。同好会が設立されるまではここでお世話になろっか」
えぇ〜!? ここで練習するんですかぁ!?
「はぁ、はぁ。疲れました……」
「お疲れ〜」
「美鈴先輩とせつ菜先輩はよく平気ですね……」
「私は普段から練習していたので!」
「体力には自信があるからね」
あれだけ動いたのに、2人とも余裕そうな顔をしている。私は2人に付いていくのがやっとなのに……。
「今日はもう遅くなってきたから終わろっか」
「はい……」
「また明日も頑張りましょう! 」
「は〜い……」
ふぅ……今日はなんだかどっと疲れた気がする。早く帰ってゆっくり休みたいなぁ。
「ねぇねぇ、かすみん」
「どうしたんですか?」
「せっかくだし一緒に帰らない? ほら、帰る方向も同じだろうしさ!」
「別に構いませんよ」
「やった!」
美鈴先輩はとても嬉しそうにしている。きっとかすみんとお喋りできるのが嬉しいのだろう。にひひっ、だったらもっとかすみんの魅力を堪能させてあげないとね!
「じゃあ行こっか!」
「ちょっ、いきなり引っ張らないでくださいよぉ〜」
こうして私達は並んで歩き始める。夕方ということもあって部活帰りの人も多く、色んな声や音が聞こえてくる。
「かすみんはスクールアイドルやってみてどうだった?」
「楽しかったです! かすみんの可愛いを世界に伝えるために頑張ろうって思いました!」
「……そっか」
私の感想にどこか寂しそうな顔で美鈴先輩は返事をした。何か悩み事でもあるんだろうか。
「私はね、なりたいスクールアイドルが何なのかわからないんだ……。スクールアイドルを始めたのもやりたい!って思っただけで、スクールアイドルになってしてみたいこととかも特にないし」
「今まで適当に生きてきたせいなのかな…。始めようとは思っても、いざ自分が一歩踏み出すとなると逃げたくなっちゃうんだ」
「………」
美鈴先輩みたいな人でもそんなこと考えたりするんだ…。先輩の悩みを聞いてそんなことが頭に浮かんだ。
そもそも、高校生なら将来の目標や夢なんて考えていない人の方が普通なんじゃないかな。かすみんも将来のことあんまり考えてないし……。
…………でも、そんな普通のことを言ったところで美鈴先輩は満足しないよね。———だったら、
「ごめんね、いきなりこんなこと言っちゃって…。そんなこと言われても困るよね……」
「…………美鈴先輩」
「なに…?」
「今週の休み、遊びに行きませんか!?」
かすみんはかすみんらしく、可愛さで先輩を助けちゃいますね!
あとがき
かすみんの内心はフォトエッセイ買っていないのでわかりません
レズちゃんのシリアスはすぐ終わるけど、せつ菜ちゃん周りは長くなりそうです
◯蓮 美鈴(レズちゃん)
何も考えてないのに勢いで同好会に入った女。一応罪悪感は感じている。
◯優木せつ菜(中川菜々)
美鈴のドタキャンじみた告白にも怒らず妥協案を出すいい人。とはいえ、スクールアイドルで上に立つ=ラブライブ優勝と少し盲目的すぎる一面もある。
◯中須かすみ
『スクールアイドル募集中!』の貼り紙を見て屋上に向かったが、部活どころか同好会すら結成されてなかった。今日会った先輩からいきなり悩み相談をされるが、それでも解決しようと動く善性の塊。
感想とかいっぱい欲しいな♡(定期)
蓮美鈴(レズちゃん)のスクールアイドル化ってどう思う?(あくまで意見を聞くだけなので、アンケート結果は参照するとは限りません)
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