ヤンデレの力って偉大だね   作:狼黒

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おのれクソババアアアアアアアアアアアアア!

…ストーリーを読み返すたびにそんな怒りが込み上げてくる



気付かぬうちに、依存して

「ん…?」

 

目が覚めて視界に飛び込んできたのは、白い天井と照明

そしてこの感触…多分ベットか

そう思いながら体を起こして周りを見渡してみれば、幾つかのベットが並べられていて、そのうちの一つに寝かされていた

何か体に違和感があるなぁと思って、窓に映る自分の体に視界を移してみれば、左腕の跡に巻いていたはずのボロボロになった包帯が新しいのに変えられいて、左目の所に巻いていた包帯も新しいのに変えられていた

まるで病人みたいな扱いしてるな…

まぁ実際腕と目のところ化膿しかけてたけど…というかその辺もしっかり処置されてんな…

えぇと確か…下水道で過ごしてたら何故かサオリ達が来て…それからアツコがなんか言ったと思ったら、次の瞬間意識が無くなって…

多分首辺りに衝撃与えたんだろう、まぁサオリがやったんだろうけど

というかここ何処だ…病院ってのは何となくわかる

それとアリウス以外のどこかってのも分かる、あそこそもそも病院がない

 

「あ、目覚めたんですね…よ、良かったです…」

 

そんなことを考えていると聞き覚えのある声が聞こえる

聞こえた方向へ首を向けてみれば、普段背負ってるリュックがないヒヨリがいた

 

「あ、ヒヨリおはよう」

 

「お、おはようございます…えへへ」

 

アリウスの生徒連中になんか殺されそうになってたってのは牢屋の中から聞いてはいたけど、元気そうで何より

にしても笑顔が何というか…小動物感が否めない

 

じゃなくて

 

 

「あのさヒヨリ、ここ何処?病院みたいだけど…」

 

「あ、ここですか?しゃ、シャーレにある医務室の一つですよ」

 

「しゃーれ?何それ」

 

「え?」

 

「え?」

 

え?

 

 

 

 

その後、ヒヨリから『シャーレ』なるものについて簡単な説明を聞いた

ヒヨリもそこまで詳しいわけじゃないみたいだけど、まぁ要約すれば『先生』という大人がギヴォトスの為に、各学園の自治権や隔たりなど関係なく、困ったことがあれば手を差し伸べる組織らしい

サオリ、アツコ、ミサキにヒヨリも『先生』に助けられたんだとか

で、アリウス分校から離脱した後は、『先生』に恩を返すべく、そして私を探しながら『シャーレ』直属の組織として『先生』の護衛などをしていたんだとか

まぁ『シャーレ』って言う組織については大体そんな理解でいいんだろうとはわかったし、あのクソババアを私が殺して以来何をしていたのかも理解した

しかし一つだけ気になることが…

 

「ねぇヒヨリ、私を探してたってどういうこと?」

 

「え、こ、言葉通りの意味ですよ?」

 

「え?」

 

そう言った瞬間に両手で顔を挟まれる

何事かと思ってヒヨリの方を見てみれば

 

「だ、大体ミラさんが悪いんですからね、彼女を殺して姫ちゃんを助けた後に姿消してどれだけ心配したと思ったんですか貴女がいたはずの牢屋に行ったらもぬけの殻でミラさんを監視や拷問してた生徒尋問しても知らないって言うしアリウスから離れて先生の手伝いをしながら必死に探し回っても見つからなかったんですからねまさか下水道にいたなんて思いませんでしたよ必死に探しても見つからないからサオリ姉さんは一睡もせずにギヴォトス全体を探し回ってたし姫ちゃんは私達だけしかいないところだとミラさんの名前をひたすら呼び続けるようになったしミサキさんはミラさんがもうこの世にいないんだと思い込んでビルや橋から飛び降りようとしてたんですからね私も私達を嫌ってたから逃げたのかと思って死のうかなって思ったぐらいなんですからね先生がコンビニ強盗に巻き込まれたのをトリニティの人達と協力してなかったら見つけられてなかったんですからね無事で良かったです」

 

息継ぎをすることもなくそう言い切った後、頬を挟んでいた両手を離したかと思うと、そのまま私の背中に手を回して、顔を私の肩に埋めるヒヨリ

 

「本当に…良かった…っ!」

 

震える声でそう言って、更に私を抱き締める力を強くするヒヨリ

声音と僅かながら震えてる体を見るに、多分泣いているんだろう

正直何で私を心配するのかは未だに分からないけど、凄く心配をかけてしまったことは分かった

 

「ごめんねヒヨリ、心配かけちゃって」

 

「…じ、じゃあもう私達から離れないって、や、約束してくれますか?」

 

「まぁ…うん、心配かけちゃったしね」

 

「そうですか…ら、らしいですよ、サオリ姉さん」

 

「あぁ」

 

「え?」

 

何故かサオリの声が聞こえたから、その方向に首を動かそうとしたけど、サオリの手が私の首元にあったから出来なくなる

いきなりの事で混乱して固まっていると、首元で『カチャリ』という音がした

何事かと思って首元を触ってみれば、何やら冷たい感触

サオリが渡してきた手鏡を覗き込んでみると、私の首に金属の輪っか…所謂首輪が付けられていた

無骨な見た目とかじゃなくて一応可愛らしい見た目してるな…これならチョーカーとかに…

 

って

 

 

「え!?首輪!?何で!?」

 

 

慌てて外そうとしても時すでに遅し、頑丈な作りで引っ張ってもビクともしない

銃があれば外せそうだけど、生憎今手元にない

 

「似合ってるぞ、ミラ」

 

「あ、ありがとう…じゃなくて!何で首輪!?」

 

「あぁ心配するな、その首輪は銃弾や刃物でも傷一つ付かない材質で、最新式のGPSも内蔵されていて私たちの端末にリアルタイムで居場所が送られてくるし、小型カメラと小型録音機もついてるからな」

 

「いや、そういうことじゃなくて」

 

「…あぁ、電池切れの可能性がある、だろう?心配は要らない、一回の充電で三年は持つ、安心しろ」

 

駄目だ、話の内容がかみ合ってない

というか無駄に高性能だなおい、一体何処で手に入れたんだ

そんなことを考えながらサオリの方を向こうとしたら、またしても首元から音がする

何事かと思った瞬間、凄い力で引っ張られてサオリの方へ体が傾く

そして視界一杯に写ったのはサオリの顔

普段なら綺麗だなぁと思ったのだろう、けど今はどす黒く染まった瞳に見つめられているから恐怖感がある

 

「因みにだが、この首輪にはリードもつけられるんだ」

 

「り、リード…?もしかしてその手に持っている紐が私の首輪に繋がってるやつ?」

 

「そうだ…あぁ安心しろ、外ではちゃんとリードは外すから」

 

「い、いやそう言う問題じゃなくて…何で首輪なんか」

 

「何で、か?」

 

サオリがそう言った瞬間、視界が反転して、次に映ったのは天井とサオリの顔

つまり今、押し倒されている

 

「そんなの決まっているだろう、ミラがもう二度と私達から離れないようにするためだ、長い間ずっと探してようやく見つけたと思ったらあんな汚いところに住んでたのを見つけてしかも魘されていたミラを見た時の私たちの気持ちがわかるか心臓がとまるかと思ったんだぞアリウスよりはマトモかもしれないがそれでも酷過ぎるおまけにそのやせ細った体は何だあそこにいた時も細かったがもっと細くなってるじゃないかあそこを軽く調べてが食料の欠片すら出てこなかったぞ一体何を食っていたんだまぁそれはいいいったいこの数カ月何処で何をしていたんだあそこにいた時より明らかに傷の数が増えていたぞまぁそれもいいとにかくもう二度と離さないと決めたんだだから首輪とリードを準備したんだ」

 

そう言ったかと思うと顔を近づけてくるサオリ

顔をそらそうとしたけど、首輪に繋がれているリードを引っ張られて正面を向かされる

 

「…逃げるな」

 

「い、いやこのままだとうむぅ!?」

 

サオリがそう言った直後、唇に何か柔らかい感触が

キスされているという事実に気付くのに、そう時間はかからなかった

慌ててサオリから離れようと右手を使ってサオリを押そうとしたけど、右手が誰かに押さえつけられていて出来ない

そうこうしているうちに、サオリのキスがさらに激しくなる

 

「んふっ、あむ…んぅ、さ、サオ…んちゅっ…」

 

濃厚なキスを浴びせ続けられて、やがて体全体の力が抜けてきて、頭もぼーっとしてくる

 

「サっちゃん長い、そろそろ交代」

 

「…ぷはっ、仕方ないな」

 

そう言って唇を離すサオリ

口元についている唾液を舐めとりながら、私の上から離れたかと思うと、今度は別の人…アツコが上に覆いかぶさってくる

何時の間にここにと思ったのも束の間、アツコの顔が視界一杯に広がって

 

「…うむぅ!?」

 

再び唇を柔らかいもので塞がれる

それがアツコの唇だと気づくのに、サオリの時より時間がかかった

 

「ふむっ…んちゅっ…はふっ…むぅ…んんっ…!」

 

二回目のキス、しかも最初のキスと同じくらいの濃厚なキスで、頭が働かなくなる

そしてやっとアツコが唇を離して上から離れたかとと思うと、今度はミサキ

その次はヒヨリと、休む暇もなく唇を奪われる

ヒヨリのキスが終わった後には、もう何も考えられない

頭がぼーっとしてる

ただ、気持ちよかった

 

「…場所が悪い、一先ず部屋に連れていこう、リーダー」

 

「分かった」

 

ミサキとサオリが何か話してる、けどよく分からない

それと何か…持ち上げられてる…?

 

「顔が完全に蕩けてる…キスがそんなに気持ちよかった?」

 

耳元でミサキが囁いてくる言葉

気持ちよかった…?キス…?

その言葉の意味が分からないまま、気が付けば知らない部屋に連れ込まれていた

多分サオリ達の部屋なんだろう、サオリ達の私物が置いてあるし

やっと酸素が回ってきた頭でそんなことを考えていると、再びベットに寝かされて、その上にサオリ達が覆い被さってきて、再び唇を奪われる

 

「ふむっ…ちゅっ…れろっ…んんっ…!」

 

サオリとのキスで再び酸素が足りなくなってきて、頭がぼーっとしてくる

そして、やっと離れたサオリは私の服に手を掛けると

 

「大好きだミラ…だから、もう二度と離れられないよう、その体にしっかりと刻み込んでやるからな?」

 

そう言って、再び唇を奪われた

 

 

 

 

 

 

 

 

…思い出しただけで恥ずかしい

ベットに横たわりながら、頭を抱える

前ではアツコが寝息を立てており、後ろではサオリが寝息を立てている

アツコが前から、サオリが後ろから腕を回しているから、起き上がれない

因みに私を含め、三人とも服は一切着ていない

ミサキとヒヨリは起きた時にはもう服を着て出るところだった、『先生』の護衛や当番があるらしい

その際に頬にキスをしてきたのは記憶に新しい

 

「ほんとに…何でだろうねぇ…」

 

流石に『大好き』とか言われたり、キスされたり…あんなことされたら、流石の私でもわかる

体中に『印』と称してキスマークや跡をつけてきたりすれば

けど、何でそうなったのかの原因が分からない

サオリ達とはアリウスで拷問や実験をされていたころにも交流はあったけど、こんな感情抱くほどではなかったはず

 

「まぁ…考えても無駄か…」

 

多分考えても分からない事だろうし

そう言いながら布団にもぐる

いくら冬ではないとはいえ、全裸じゃどんな季節でも寒く感じる

サオリやアツコもまだ寝てるし…私ももう少し寝るか…

 

 

 

 

「ん…」

 

「起きたか、ミラ」

 

再び目が覚めたところに、私がまた寝た後に起きたのであろうサオリが声をかけてくる

時間はと見れば、もう既に昼過ぎだった

 

「おはよサオリ…いつ起きたの?」

 

「ついさっきだ…まだ眠いか…?」

 

「んや大丈夫…よく寝れたよ…」

 

くぁ、と欠伸をしながらそう言うと頬を撫でる感触が

そちらの方に視線を向けてみれば、ベットの上でちょこんと座っているアツコが、私の頬を撫でているところだった

 

「おはよミラ、よく寝てたね」

 

「うん、まぁね…」

 

何であの時の悪夢を見なかったのかが気になるところではある

まぁそれは後々考察していくこととして、一つ気になることがある

 

「そう言えば私ってこれからどうなるの?」

 

所属はアリウスのまま…いや、あのクソババアの事だから生徒として見てなかっただろうな

そうなると今の私はどうなる?

 

 

『未所属のアリウスの実験体で脱走者でサオリ達の知り合い』

 

 

…わけわからんけどこうなるよね

結局どうなるんだろ

 

「あぁ、それについては心配ない、ミラはずっとここにいるからな」

 

「え?ずっと?ここにってシャーレに?」

 

「あぁ、先生の了解も貰ってるからな、これからズットイッショだ」

 

「あの確認したいんだけど私自身の意思は…」

 

 

「「嫌だって言うの(か)?」」

 

 

「ま、まさか、そんなわけないじゃんか!あはは!」

 

一瞬のうちに目のハイライトが消えて、距離を詰めながらそう言ってくる二人にそう言って誤魔化す

 

「そうか、ならよかった」

 

そう言いながら頭を撫でてくるサオリの手が気持ちいい…じゃなくて

まぁ別にサオリ達といるのは嫌じゃないし、何なら心の何処かで望んでた

あれ?なんか既にサオリ達に依存してる…?

まぁいっか、嬉しいし

 

 

そうして私は、シャーレ所属の生徒となった




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