名作アダルトゲーム「黒獣」シリーズと闇の処刑人達がクロスオーバー!
気高きヒロイン達やか弱き女性キャラクター達の無念や恨みを仕事人を始め、闇の処刑人達が恨みを晴らす!

さらに!

映画「グリッドマンユニバース」公開記念
テレビアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」第二シーズン放送開始記念として……

ムジナ、新条アカネ、スレッタ・マーキュリー、ミオリネ・レンブラン、さらにはデリング総帥が仕事人に!グエル先輩とエランさん(4号)とシャディクの三人が剣劇人になって登場!(???)

以前の小説にも出てきた映画「処刑人」の兄弟や漫画「闇の馨師 薫」の主人公・薫も登場!

殺し、奪い、犯す。極悪非道の黒犬傭兵団を、時空を越えて、次元を越えて、闇の処刑人達が…

晴らせぬ恨み、晴らします

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本編前に説明

とある現象で時空を越えて出会った闇の処刑人達は黒獣の世界で原作の事件に巻き込まれる。そんな中でヒロイン達を救いだそうと結束した男達は、オリガやセレスティン、アリシアらを助け出すが、ヴォルトら黒犬傭兵団に惨殺される。チームのリーダー格である男は仕事人の中村主水に希少な宝石の数々を仕事量として渡す。宝石を分け合った彼らはその日の夜に動き出した。

今宵、野蛮な外道どもに闇の裁きを下す。


必殺!闇の処刑人達feat黒獣 ~時代と次元を飛び越えて 晴らせぬ恨み、晴らします~

「くそっ!!探せ探せぇ!!」

 

その日の夜、悪名高き黒犬の魔物達や兵士達は騒いでいた。慰み者として捕らえていたシスターや砦の女達がどこかの男達に助け出された。男達は殺したが、女達は行方が知れない。美しき女騎士・アリシアへ降伏を迫るために眼前で辱しめてやった。その聖女達を、牢に入れて、暇さえあれば辱しめていた。それを助け出された。あんな男達に。

 

「くそっ!!ふざけやがって!!」

 

「探せ探せぇっ!!」

 

彼らは怒り狂った獣の如く探し回る。しかし見つけることは出来ない。なぜなら……彼らはここで成敗されるからだ。

 

あの三人によって。

 

「「「!!」」」

 

突然の爆音が響く。砦の方からだ。

 

「なんだおい!?」

 

「おいっ、こっちだ!!」

 

黒犬の男や魔物達が爆発音を聞いて駆けつけた。濛々と上がる爆薬の煙の中から……

 

「だ、誰だっ!?てめぇらは!?」

 

三人の奇抜な格好をした男達が現れた。

 

現れましたは三人。

 

二刀流を構えるは義賊・カルタのグエル。火消しの使う鳶口を手に構えるは同じく義賊・早縄のエラン。槍を手にするはまたまた同じく義賊・すたすたのシャディク。

 

この三人こそ義賊、その名は剣劇人!

 

ではでは三人の暴れっぷり、あ、とくとご覧あれ~~!!

 

「ぐわっ!!」

 

「ぎゃあっ!!」

 

野蛮なる黒犬の悪者達相手にチャンバラ繰り広げる三人。グエルの前へ現れましたは背の小さいこざかしい魔物ども。こやつら黒獣のOVAで言えば第二章にて聖女達を辱しめてアリシア様を脅した外道ども!そんな奴らへグエルは高々にこう言った!

 

「寄らば……斬るぞ!!」

 

「ぐ……くそぉ!!」

 

「ぶっ殺せぇ!!」

 

迫る外道な魔物ども!しかしグエルは恐れもせずにその二刀流で一人また一人とぉ!

 

「ぎゃああっ!!」

 

「がぁぁぁっ!!」

 

「ぐぎいいいっ!!」

 

あ、バッタバッタと斬り捨て御免!!

 

「ち、ちくしょー!!」

 

最後に迫るは一番台詞の多かったあの魔物だ!これもまたグエルは………

 

こやつを唐竹割りと袈裟懸けであっという間に斬り捨てましたというわけさ!

 

「ぎゃあぁぁぁ!!」

 

絶叫あげて外道な魔物は仰向けにぶっ倒れて、あ、お陀仏よ~~!!

 

これまたその近くでは鳶口使って迫る悪党バシバシたたきのめすは早縄のエラン!歌舞伎役者のように構えて一言言いはなったぁ!

 

「あ、おととい来やがれぇ!!」

 

そして取り出したるは火消しの縄!カウボーイのように縄を投擲したらこれまた不思議!周りの悪党どもの首にしっかり巻きついた!

 

「うぐっ!?」

 

「ぐっ!?」

 

これを凄まじい力で走って引っ張り引きずり回して止まったら一気に締め上げる!

 

「「「「「ぐっっ!!」」」」」

 

一瞬のうめき声をあげてから悪党どもはあっという間に息絶えた!地獄へご案内だぁ!!

 

さてすたすたのシャディクの目の前に現れたるは一つ目のサイクロプス!こやつは「五の砦」を守護するハーフリング族の若き長であるルー・ルーへ対して乱暴狼藉を働いた極悪非道の暴れ者!あ、しかぁし!!シャディクはサイクロプスの一撃かわして大跳躍!その槍をサイクロプスの目へと突き刺したぁ!!

 

「うぎゃああああああああっ!!!」

 

サイクロプスは思わぬ一撃にわめきなからもがき苦しむ!そこへシャディク、更に心臓へ一突き!!サイクロプスの叫びがどんどん消えていき、大きな音を立てて倒れ、息絶えたり!シャディク、槍を引き抜き一言!

 

「ふっふっふ……ぁバぁカぁめぇぇ~~~!!」

 

「さ、サイクロプスがやられたぞ!!」

 

「くそがぁ!!ふざけやがって!!」

 

三人へとじりじり迫る黒犬の悪党ども!

 

そこへシャディク、煙玉を一つ地面へ投げつける。

 

「「うわっ!?」」

 

煙が立ち込める中、悪党どもの目の前には……

 

「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」」

 

驚いて腰を抜かす悪党ども!目の前にはそれは大きな蝦蟇のハリボテが!これこそ妖術「大蝦蟇の術」なり~~!!

 

「「「はっはっはっはっはっはっはっはっ……!!」」」

 

大きく高笑いする三人はそのまま夜の闇へと消えていきましたとさ!

 

……そんな腰を抜かした残りの悪党どもの前にまた別の男が現れた。

 

「こ、今度は誰だ!?」

 

体格のいいその男は…こう名乗った。

 

「山田朝右衛門……。極悪人どもを成敗致す。」

 

山田朝右衛門…公儀の御試御用首切り役。そして、仕事人の一人。

 

斬首用の白大刀を抜刀する。残りの黒犬の手下達はそれを囲んだ。しかしそこまでだった。

 

一人、また一人が朝右衛門へ仕掛けるが、躱され、朝右衛門の一太刀で返り討ちにあうのがオチである。

 

「ひっ……!!うわぁぁぁぁぁ!!」

 

最後の一人が自棄になって剣を振り回すが、朝右衛門はそれを弾き飛ばす。男は朝右衛門へ対して土下座をする。

 

「ゆ、許してくれ!!な、なんでも言うことを聞く!!助けてくれぇ!!」

 

しかし、朝右衛門はゆっくりと斬首の時と同じ構えをとるとその一太刀で最後の一人の首を斬り落とした。朝右衛門がその場から立ち去ったその後には、外道どもの屍しか残されていなかった…。

 

……………

 

とある館。それはコンティとポンティの豚人兄弟にして、宮廷御用商人のモルタデッラ兄弟。二の砦を裏切り、その姫君であるプリムを辱しめた卑劣な奴ら。彼らはそのプリムが突然姿を消してイライラしていた。兄のコンティがイライラしながら部屋を出て暗い廊下に灯りを灯そうとした時だった。

 

楽器の音…三味線の音だ。

 

「なんだ……?」

 

耳を澄ましつつ辺りを警戒するコンティの目の前に、三味線を手にした一人の若い少女が姿を現した。

 

「だ、誰だ?」

 

「モルタデッラ兄弟のコンティさんですね?私…スレッタ・マーキュリーといいます。貴方に用があって来ました。伝言があります。」

 

赤毛の少女…スレッタはそう言いながらコンティへ近づく。コンティはスレッタの美しさに生唾を飲み込みながら尋ねた。

 

「ほほう…そ、それはそれは。それで?私めに誰からの伝言で?」

 

スレッタは答えた。

 

「……東洋の国にいる…閻魔様という地獄の人からですよ。」

 

「何!?」

 

驚いたその一瞬、鉄をも切り裂く鋭い三味線のバチがコンティの喉元へ突き刺さった。

 

「うぐっ!!?」

 

「貴方を裁くから早く地獄へ来いって……閻魔様が言ってましたよ…。」

 

仕事人…スレッタは一回、さらにもう一回と三味線のバチでコンティの喉元を切り裂いた。

 

「がぁぁぁあっ!!」

 

喉元を押さえ、苦しみながら、やがてコンティはその場に倒れて死んだ。スレッタはゆっくりと来た道を戻り、闇へと消えていった。

 

一方、その暗い廊下に入れ替わるようにして今度は長い髪の少女が現れた。彼女の右手の薬指には指輪が嵌め込まれている。輝きを放つその縦長の水晶は先端が鋭く、掌の方を向いていた。弟のポンティが兄を待っている所へコンコンと扉を少女がノックした。

 

「誰かね?」

 

「夜分遅くに失礼します。私、ミオリネ・レンブランといいます。」

 

長い髪の少女、ミオリネは扉を開けてゆっくりと会釈する。ポンティの口許に笑みが浮かぶ。ミオリネの美しさに興味をそそられたのだ。

 

「これはこれは夜分遅くにわざわざ……ミオリネ様は…その身なりだとどこかの令嬢でしょうか?」

 

「いいえ……。」

 

「ほう?ではどこのどなたで?」

 

ミオリネは顔を上げた。その目は殺しの……殺し屋の目つきだった。彼女はかつて「渡し人」として、そして今は「仕事人」として暗躍する女である。ミオリネは答えた。

 

「あんたのようなゲスを地獄へ送る…三途の川の渡し人よ。」

 

「えっ!?」

 

まさかの答えに驚くポンティへミオリネは指輪を振りかざす。鋭利な水晶の刃が煌めき、次の瞬間にはミオリネはその指輪の水晶の刃でポンティの頸動脈を一瞬にして切り裂いた。

 

「うぐっっ!!」

 

目を見開き、ゆっくりとポンティは倒れた。頸動脈のある首筋はぱっくりと傷口が開いていた。すでにミオリネは部屋を出てどこかへ消えて、部屋にはポンティの死体のみが残されていた。

 

……………

 

サーという老紳士がいた。かつてダークエルフの女騎士であるクロエを調教していた元の飼い主…変態的な性癖を持つ老紳士だ。その近くにいるのがキーンという男で、黒犬傭兵団の参謀を務める知的な男だ。

 

「心配せずともすぐに見つかりますよ。網はすでに張っていますので。」

 

「うむ……。」

 

キーンはヴォルトの命令でサーが探し求めているクロエの行方について報告すると同時に別件で話に来たのだ。すると……

 

「ん?少しお待ちを……」

 

キーンが何かに気づいて警戒しながらその部屋を出て廊下へと出る。彼は気づいていない。その近くに…仕事人である女…ムジナがいる事を。

 

辺りを見渡しつつ警戒するキーンのその近くでムジナは扇子を一つ取り出す。扇子から鋭い刃がゆっくりと顔を出す。音を消し、気配を消す歩き方でムジナはゆっくりとキーンへと近づく。

 

キーンはまだ気づかない。だんだんとムジナとの距離が近くなる。

 

「はっ!!」

 

キーンがムジナに気づいた時には遅かった。ムジナはあっという間に扇子の刃でキーンの首筋を切り裂いた。

 

「ぐっ……!!」

 

太いうめき声と共にキーンはその場に膝をついて、そして倒れた。

 

「!?何の音だ……?」

 

異変に気づいたサーがゆっくりと部屋から顔を出して音のする方向へと目線を向ける。その目線とは逆方向に彼女は…仕事人・新条アカネはいた。部屋を出て音のする方向へと向かうサーを背後からアカネはゆっくりと隠れながら追う。その手にはバルタン星人のお面があった。やがて、サーは倒れているキーンの死体を見つけた。

 

「おい……どうした…?おい……!!お……ひっ!?」

 

サーはキーンが死んでいる事に狼狽する。そして思わず振り向いた所へ…

 

アカネはバルタン星人のお面を投擲する。お面はサーの顔面へ貼りつく。内側に糊が塗られているのだ。

 

「むぐっ!?ぬううっ!?」

 

お面を取ろうともがくサーへ対してアカネは素早く匕首でサーの心臓を深々と突き刺した。

 

「うぐうううっ!?」

 

「ここから先はね……地獄へ逝くんだよ。」

 

大きな呻きと共にサーが事切れると、アカネはそう言ってから匕首を素早く引き抜いてお面を取り、その場を立ち去った。お面の下のサーの顔は歪んだ死に顔であった。

 

……………

 

「まだか!!まだなのか!?まだ見つからないのかぁ!?とっとと見つけろよぉ!!」

 

とある屋敷で怒鳴る貴族の息子がいる。ミシェル・パンティエール……かつて自身をふったマイアに対して執着を見せる男。黒犬に慰みものにされたマイアを自分のペットにできると思った矢先に忽然と姿を消した事に怒り、部屋で一人怒鳴りちらしていた。

 

「失礼します。」

 

「誰だ!?誰も入ってこいとは言ってないぞ!!」

 

男が一人入ってきた。坊主頭で屈強な体つきをしている男だ。男はこう名乗った。

 

「東洋の国で針医をしています…藤枝梅安と申します。」

 

「そんな奴を呼んだ覚えはないぞ!!帰れ!!」

 

「は……。仕掛けを済ませましたらすぐに……。」

 

「仕掛け…?なんだそれは?」

 

「……あなた様への仕掛けですよ。」

 

怪訝な顔をするミシェルが目にしたのは、鋭い仕掛針をゆっくりと咥えて鋭い目つきを向ける梅安の顔だった。

 

「ひっ……!?」

 

ミシェルは一瞬後退り、そして背を向けて逃げようとする。

 

梅安はそのミシェルの背後から飛びつき、後頭部を掴むと近くのベッドへ顔面を押しつける。もがくミシェルを押さえつけながら右手でゆっくりと口に咥えた仕掛針を手に取ると、そのままミシェルの後ろ首へ深々と仕掛針を突き刺した。

 

「………!!」

 

ミシェルは声もあげず、目を見開きそのまま息絶えた。梅安はそのままその部屋から出ていき、貴族の屋敷から姿を消した。

 

……………

 

「くそっ!!どうなってんだ……!!」

 

キーンと同じ黒犬の古参であるヒックスは動揺していた。サーの所へ向かったキーンが何者かにサー共々殺されていたのだ。何とかしてこの事を頭に知らせに…そう思いつつ夜の道を走る矢先で古びた家を見つけた。

 

「……用でも足していくか。」

 

ヒックスがそう言って家の中へと入る。人は住んでいないが、前の住人の物なのか酒がある。ヒックスは用を足す前に気分転換にその酒を飲む。そのヒックスが入った家の屋根に………

 

総帥にして仕事人…デリングがいた。鋭い目つきで下を眺める。

 

ゆっくりと口を使って三味線の糸を伸ばす。暫くすると用を足したヒックスが家から出てきた。少し背伸びをすると落ち着いたのか再び歩きだそうとした。そこへデリングは伸ばした三味線の糸をヒックス目掛けて投擲すると、あっという間にヒックスの首にしっかりと糸は絡みつく。

 

「うっ!?」

 

驚くヒックスの首をぐいっと糸を引っ張り締め上げながらデリングは天井から飛び降りて着地する。同時にその家の煙突を支柱に、ヒックスを絞首刑のように吊り上げる。

 

「うぐぅぅあああ……っ!!ぐあっ……が……!!」

 

もがき苦しむヒックス。デリングは少ししてからゆっくりと左手を糸へと伸ばし、軽く糸を弾いた。

 

「ぐっ……!!」

 

その瞬間、ヒックスはうめき声を一つあげてから項垂れて死んだ。デリングは糸を引きちぎり、ヒックスの死体が地面へ落ちるのを見ずにその場を後にした。そのデリングの羽織っていた上着には…「南無阿弥陀仏」と金糸で刺繍されていた…。

 

……………

 

グラーヴはクラウディアの師であった。だが、家の存続に執着した。その果てに息子の妻であり、弟子のクラウディアを辱しめて自身の子を生ませようとした。そんな中でのクラウディアの失踪…。グラーヴにとって気が気ではなかった。

 

「何処に行った……あいつめ……。」

 

そんなグラーヴの少し近くに男はいた。橋掛人にして今は仕事人……柳次である。柳次は餓鬼の刺繍された反物から金糸を一本引き抜く。そして、自らの口で丁度良い長さに金糸を切る。

 

「ん……!?」

 

グラーヴの足元に餓鬼の……地獄絵図の刺繍された反物が敷かれてきた。

 

「誰だっ!?」

 

剣を引き抜き叫ぶグラーヴへ隠れながら柳次は答える。

 

「あの世への……橋を掛けて差し上げましょう。」

 

「何ぃっ!?」

 

グラーヴが一歩踏み出した瞬間に柳次は反物を一気に引っ張る。

 

「うわっ!?」

 

グラーヴが転倒し、うつ伏せに倒れた所へ柳次は一気に接近して金糸を数回振り回すとその勢いにのせてグラーヴの首へ金糸を絡ませ、締め上げる。

 

「うぐうぅ……!!がっ………ああ……!!」

 

首を締め上げられ、剣を手にしようにももがき苦しみ、剣を掴めないグラーヴ。やがて柳次は一気に金糸を締め上げてトドメを刺した。

 

「う゛っ……!!」

 

目を見開きながら呻き、グラーヴは死んだ。金糸を外すと、柳次はその場から立ち去った。

 

……………

 

「ん……?」

 

「蟲使い」の異名を持つ傭兵団の一員であるシャムハサは気配を感じた。自身が執着しているカグヤの気配とは違う。

 

「誰だ………!!」

 

そこには一人のただならぬ気配の男がいた。

 

「貴様は………」

 

「カグヤはここには戻らない。貴様はここで地獄へ逝くからだ。」

 

「何!」

 

「貴様は……いや、貴様ら傭兵団はやり過ぎた。自分達の卑しい欲望を満たす為だけに多くの女達を傷つけ、大切なものを奪い、壊していった。」

 

「説教など聞くつもりはない……ここで死ぬのは貴様っ……!?」

 

シャムハサは自身の異変に気づく。自分の意思とは逆の方法で蟲を操る術を行使しているのだ。

 

「な、なんだ……!?これは!?」

 

「貴様はすでに……死の香りに囚われている。」

 

「なんだと……!?な、何をした!?」

 

そう、その男……薫は闇調香を施した香りを使うオキシトシンを応用した方法でシャムハサをコントロールした。そう……蟲を自分自身に使うように。

 

その蟲は鋭い牙を持ち、強い猛毒を持っている。その蟲が動く。操られたシャムハサの命令により、シャムハサ自身の首筋に噛みつくように。

 

「よ、よせ!!やめろっ!!言うことを……言うことを聞けぇっ!!やめ……」

 

蟲がシャムハサの包帯ごしに首筋へ食らいついた。猛毒が回り始め、シャムハサを蝕み始めた。

 

「うぐあぁぁぁぁぁっ……!!あがっ……がぁぁあっ…!!」

 

「貴様のような奴は自分で自分を罰するのがふさわしい……。後は……地獄の匂いを味わえ。」

 

猛毒により、自らの操る蟲によって命を絶たれた恐るべき蟲使いの哀れな死体がそこには残されたのみだった。

 

……………

 

「大臣!!」

 

「な、なんだ!!」

 

兵士が突然、大臣の部屋へ駆け込んで報告する。

 

「アリシア様が見つかりました!!」

 

「なに!?本当か!?」

 

大臣はアリシアの行方を探させていた。自らが裏切り、この手でなぶり尽くしてやったアリシアの事を。歪んだ笑みを浮かべながら大臣は部屋を出ようとした。その時だった。

 

「はっ!?」

 

二人の兵士が大臣へ銃を突きつけた。この時代には存在しない銃を。

 

「な、何をする!?」

 

「アリシアが見つかったと言ったな……。」

 

「あれは嘘だ。」

 

どこかで聞いたことのあるような台詞を言いながら兵士は甲冑を脱ぎ捨てた。二人はここの兵士ではない。

 

セインツ……または聖人たちと呼ばれる処刑人。その双子、マーフィーとコナーの二人だ。

 

「な、なんだ貴様らは!?私を誰だと思っている!?」

 

「姫様裏切って犯しやがったクソジジイ。」

 

「右に同じく。」

 

「き、きさまら……うわっ!!」

 

コナーが大臣を蹴飛ばして床へ転がす。

 

「だ、誰かっ!!誰かおらんのか!!曲者だぁぁ!!」

 

「残念ながらてめーの兵士は臨時休暇でお出かけ中だ。」

 

「な、なんだと!!」

 

パニック状態になる大臣の上半身を起こし、マーフィーとコナーは後ろから銃を突きつけ、あの言葉を言い始める。

 

「「我らが主よ、あなたが我に与えし尊き御力を以て、主の命を実行せん。川は主の元へ流れ、魂は一つにならん。」」

 

「はーーっ……はぁぁーーっ……!!」

 

大臣の息づかいは荒くなる。アリシアを犯した時の性的興奮とは違う。死への確実な恐怖である。

 

「「父と子と精霊の……」」

 

兄弟が同時に撃鉄を下ろした。

 

「頼む!!わかったぁ!!アリシアの事はもう関わらん!!助けてくれぇっ!!」

 

限界を迎えた大臣は命乞いをした。しかし兄弟のやる事はもう決まっている。

 

「「御名において。」」

 

銃声が響き、無様な命乞いの果てに射殺された大臣が自身の血の海に溺れたのは当然の結果だった。

 

………………

 

「なんだ………こりゃあ……!!」

 

ヴォルトは声を失った。あれから数時間後、自身が奪い取ったダークエルフの城に届けられたもの。それは自分の手下や協力者たちの死体。変わり果てた姿だった。

 

「くそ……くそっ!!くそがぁぁ!!あいつらぁぁっ!!」

 

目を血走らせ怒り狂うヴォルトは死体の入った棺桶を蹴り飛ばした。

 

「………!?」

 

ふと、横を見て気づいた。冷たい殺し屋の目線を向けるスレッタ、ミオリネ、そしてデリングの姿を。

 

「誰だ!!てめぇら!?」

 

三人は答えずにどこかへと消える。ヴォルトは怒り狂いながら剣を手に追いかけ始める。廊下を走るうちに今度はアカネとムジナがいた。

 

「てめぇら……さっきの奴の仲間か!!」

 

二人は答えずに踵を返して走り出す。

 

「待てぇ!!」

 

叫びながら追いかけるヴォルト。さらに向かえば外に出た。今度は目の前に薫、マーフィー、コナー、柳次がいた。

 

「っっ……!!くそっ!!」

 

これでは不利と感じたのか城の庭園らしき場所へ出た。さらにそこには梅安、朝右衛門、エラン、シャディク、そしてグエルがいた。

 

辺りを見渡せばいつの間にかヴォルトは遠くからとはいえ囲まれていた。闇の処刑人達に。

 

「てめぇらが……てめぇらがやったのか…!?くそがぁぁぁぁぁっ!!誰もいねえのかぁっ!?」

 

叫ぶヴォルトへ答える男が一人いた。

 

「もう皆逝っちまったぜ。……地獄の底へよ。」

 

振り向いたヴォルトの目の前には刀を抜いた男がいた。

 

「なんだ……なんなんだてめぇらは……!?」

 

「それに対しちゃ言うことは一つだ。

 

聞きたきゃとっとと……地獄へ堕ちろぃ……!!」

 

男……八丁堀…南町奉行所同心にして仕事人である中村主水が、極悪非道の黒犬傭兵団の頭目・ヴォルトへ言い放った質問への答えだった。

 

「く……くく……ははは………死ねえええええっ!!」

 

力なく笑った次の瞬間、狂ったような叫びと共にヴォルトは主水へ剣を振り下ろしたが、主水はこれをかわして横一閃にヴォルトの胴体を鎖かたびらごと切り裂く。

 

「うぐっっ!!がぁぁぁぁぁっ!!」

 

それでも死に物狂いで襲いかからんとするのを主水はヴォルトの胸へ深々と刀を突き刺した。

 

「ぐあぁぁぁあっ……!!」

 

主水はそれを上へと引き抜くとそのまま唐竹割りでトドメを刺す。

 

「ぎゃあああっっ!!」

 

野蛮で欲望に忠実で何人もの純潔なる人々を辱しめ、傷つけた恐るべき極悪非道の男は…凄腕の仕事人のトドメに苦痛に満ちた叫びをあげて仰向けに倒れた。その顔は苦悶に歪んだ死に顔だった。主水は一振りして血をはらうと、刀を鞘へ納めた。

 

………………

 

それから1ヶ月、大陸は少しずつ復興へと向かっていた。二人のエルフ……セレスティンとオリガは話していた。あの黒犬達を一人残らず殺した者達の事について。その時、二人のエルフへ姿を見せずに声をかけた謎の声があった。

 

『闇の処刑人さ。』

 

「!?」

 

「誰じゃ!?」

 

セレスティンとオリガは辺りを見渡すが誰もいない。謎の声は話を続けた。

 

『法で裁けぬ悪を制裁する聖人たち…馨師…さらに人の晴らせぬ恨みを晴らして人でなしどもを消す殺し屋…仕掛人、渡し人、橋掛人、そして……仕事人さ。彼らがあんたらの……いや、あんたらだけじゃねえ。あいつらのせいで深く傷ついた人達の無念と恨みを晴らしたのさ。』

 

「何ですって……?」

 

「姿なき者よ……貴様もその闇の処刑人か?」

 

『さぁね?ただひとつ言えること。もしまたこの世界や他の世界にもあいつらのような外道が現れれば、また時空を越えてまで集まるだろうね…闇の処刑人達は…。この世に法で裁けぬ外道いる限り…彼らの存在も消えないのさ。それじゃ…。』

 

「………闇の……」

 

「処刑人………。」

 

謎の声はもう聞こえなくなり、そこには二人のエルフの女王がその脳裏に謎の声の言う闇の処刑人達の事が焼きついていた。

 

時を越えて、次元を越えてでも

 

彼らが闇の処刑人

 

今宵もまた………

 

 

「それで今日はどこのどいつを殺ってくれとおっしゃるんで?」

 

 




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