そう、光という道標が
今回致命的とも言える改変要素が含まれます
悪しからずご了承の上でお読み下さいます様
私と美紀は走る
燃え盛る
美紀、どうしたの?
さっきまでしつこいくらいにドアを叩いていた音がしなくなったあたりで美紀の顔が青褪めた
圭、逃げよう
私の想像が当たってたら大変な事になる
何が何だかよく分からない
でも、こういう美紀の考えって悪い方向に限って外れる事はないのを私はよく知っている
そうして、私と美紀は裏手にある勝手口からそのまま生垣を越えて隣の家の敷地へと入り、そこから道路へと出た
…丁度おじさんの家とは正反対のところになる
私は思わずおじさんの家を振り返ろうとすると
ドン!
そんな嫌な音がした
そして私達は走っている
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当たって欲しくない事程当たるものだ
私はおじさんの家が火に包まれる瞬間を見てしまった
…あの優しかったおじさんの苦労も何もかもが失われていく
でも私達は生きないとダメだ
おじさんだって死にたくなかったはず。あの時の警備員さんだってそうだろう
私達は誰かの犠牲の上に今を生きている
…泣くのも悲しむのもあと
圭っ、逃げよう!
…美紀、分かった。急ごう!
多分ゾンビ達は群がってくるだろうし、下手をすれば生存者だって見に来るかも知れない
早くこの場を離れないと
私と圭は急ぎ足でその場を離れた
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へぇ?随分と可愛い子達じゃないか
…でも残念だ。少し好みではないな
そんな2人を遠くから見つめている者がいる事など、美紀と圭が知る由もなかった
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開けてくれない
だから今自分は命の危機にある
女は自分を見捨てて助かろうとする家の住人に殺意すら抱いた
だが、どれだけ泣こうが喚こうが最早車の向こうにはゾンビが数多くある
幸いと言うべきか、扉を開ける知能は無いだろうから女が直ぐに襲われる事はないだろう
しかし、それがどうしたというのか?
一般的な住宅であれば、玄関前から敷地内を通って裏手に回れるだろう。が、此処の家主は余程の変わり者か、玄関前はそれのみで独立しており、裏手に回る為には一度敷地外から裏手に向かう為の扉をくぐらなければならない
勿論車庫についても同様だ
つまり自分が助かるには、家の中に入るか車の近くに群がるゾンビ達がどこかにいく必要がある
…実のところ、彼女が持っている携帯なら防犯ブザーなりを上手く使えばこの状況を打開できる
しかし、彼女はゾンビから隠れて逃げる事に注力していた為に彼らの特性などカケラも理解していなかった
いや、寧ろこの状況で機転を効かせられるならば最初からこんな状況に陥るはずもないのだが
結果彼女は自身が『詰んだ』と思い込んでしまい、そこで思考が停止してしまっていたとも言えるだろう
だが、彼女とて
ただでは死なない
それは車の給油口
そして彼女の彼氏は
デートの際に彼が割とライターを忘れる為、彼女も一応持っていたのだ
彼女に悪魔が囁いた
どうせ死ぬなら、自分を見殺しにした奴等も道連れにしようと
そして彼女はその誘いに迷う事なく従った
アンタ達も道連れよ
そう彼女は呟くと開けた給油口の中にライターを放り入れたのだ
これが美紀と圭のいたおじさんの家が燃えた理由だった
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聖イシドロス大学は地獄と化していた
大学にも生存者がおり、過激派と穏健派で一応棲み分けが出来ており双方思想面での対立こそあるものの、原則非介入との暗黙の了解の元仮初めとはいえども平穏な生活を送っていた
だが
ぐぅっ!
タカヒトッ!
こいつら、イカれてやがるっ!
彼等過激派が想定しているのは『常識の範囲内の武装』をした人間やゾンビ化した彼ら相手の戦闘であり
銃火器で武装した連中との戦闘など想定している訳もない
れんくんっ!
よくもっ!
っ!よせ、シノウ!
恋人を撃たれたシノウと呼ばれた女性は怒りのままに攻撃しようとするが
バーカ
パンッ
…あ
アイスピックを手に挑んできた死にたがりなど彼等にとって敵ではない
おいおい、女は殺すなよ
馬鹿言うなよ。あんな女怖すぎて飼えるかって
だな。手錠で拘束したとしても油断すりゃあ噛み殺されかねない
防衛側の悲壮感など知った事ではない。そう言わんばかりに彼等は呑気に話をする
がっ
おいおい、お前ら気を抜きすぎ
クロスボウなんて面倒なもん持ってる奴がいるならさっさと殺せよ
襲撃側の1人が恋人であるシノウを殺されて、怒りを露わにしたコウガミを撃ち抜いて仲間達を促す
くそっ、このままじゃどうにもならないっ!
タカヒト、どうする?
焦るリーダー、タカヒトにバールを持った男タカシゲは問いかける
あとアヤカくらいか、こちらの戦力は
…いや、アヤカもあそこにいる
タカヒトの言葉にタカシゲは目を伏せてある場所を指す
そこには頭を撃ち抜かれた女性の遺体があった
こうなりゃ、最後の手段しかない、な
…まさか人間同士で殺し合いしないといけないなんてな、クソッタレが
2人は覚悟を決める
あと2人くらいか
さっさと片付けようぜ
一応門は閉じた。チェーンで固定したから奴らが入ってくる事はないだろう
ほれ、給弾終わったぜ?
よしさっさと終わらせるか
襲撃側のリーダーは銃を片手に獰猛に笑う
いくぞ!
あっちでまたバカやるか!
タカヒトとタカシゲの2人は物陰から飛び出すと、ジグザグに走りながら敵に向かう
バカか?
死ねっ!
無謀な賭けに出た2人を撃とうと銃を構えた男は異常に気が付いた
バカな!弾が出ねぇだと!?
パーン
がっ!
て、テメェ
パンッ!
ぐっ
リーダーともう1人も撃たれる
背後から
いやぁ、お疲れさん
お陰で銃は手に入ったし、食料もある
更に安全な拠点も手に入れられたよ
グループの中でいつも雑用ばかりしていた男が邪悪に笑う
じゃあ、死ね
いやホント馬鹿揃いで助かった
男はタカシゲとタカヒト、それと仲間だった男を撃ち殺すとのんびりタバコを吸っている
彼は警察署に向かう事を提案して、武器を確保
その際銃の取り扱いマニュアルがあった事を隠して、あたかも給弾が
他の者達も給弾出来なくもなかったが、『面倒くさい事は彼にさせる』という事が既にグループ内で決まっていた事から彼に任される事となる
彼はリバーストロンシティにおいて
さーて、生存者がゼロって事はないだろう
精々また上手く取り入るとしますか
過激派と自身のグループを失った事に
しかし彼は穏健派が女性ばっかりであった事から敷地内での滞在の許可だけ貰うとキャンバス内で生活を送る事となる
焦る事はない
別に動くのは今すぐである必要などないのだから
仲間達を殺した男は平然と穏健派達と距離を測りながら生活する
彼女達が決定的な隙を見せる、その時まで
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ゔあ"あ"あ"っっ
わたしは内心悶えている
だってそうだろ?
同級生の女子と話を殆どした事のない男子。それも話をしてから1時間も経ってない男子に甘えるとかどう考えてもおかしいだろ!
…おかしいんだけど、なぁ
わたしは内心ため息をつくと膝枕してくれるあの人を見上げる
顔ははっきり言って好みとだいぶ離れてると思う。野球でいうならボール球も良いところ
のはずなんだけど、なんか落ち着くんだよなぁ
あー、ダメになりそう
しかも、わたしがあの人を見ると柔らかく笑ってくれるんだよ。それでわたしの頭とか顔を撫でてくれる
もう別にこの人をおとうさんと呼んでも良い気がしてくる
わたしが寝ている間にシャワーを浴びたのか、寝る前みたいな血まみれの格好でないし、りーさんとは違うけどなんかいい匂いがする
…なぁ
どした?
わたしはこの人に聞いてみる事にした
わたしがアンタの子供になりたいって言ったら、どうする?
それがくるみの望みなら、別に構わないと思うが
悠里も喜ぶだろうしな
だよなぁ。でも凄く心地良いんだ
りーさんも本当に優しいし
とはいえ、それはあくまでくるみが決める事だろう?
俺達はそうでなかったとしてもくるみと一緒にいるが
…ホントこの人は卑怯だと思う
そっか、どこかりーさんにこの人は似てるんだ
わたしは何でこの人に安心感を覚えたのかをようやく理解した
似た者夫婦と良くいうけど、りーさんは陽だまりみたいな優しさでこの人は少し違う気もするけど、でもわたしにとってはもう手放せないものになった
ねぇ、
一つお願い事があるんだけど
だから、わたしは『今までのわたし』を捨てるんだ
そうしたら、本物の家族になれると思うから
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どうしようかしら?
悠里と俺は痛む頭を抱えた
『言葉もない』とは多分こういう時に言うのだろうとは思う。しかし、だ。流石に虚を突かれすぎたといえるだろう
くるみからの提案について、考えなければならないから
まさかくるみが
だよなぁ
というかその場合俺と悠里も考えないといけないのではなかろうか?
俺の言葉に悠里は目を丸くして少し驚いた顔をする
誠に遺憾である
俺とて悠里との関係が変化するのであれば、俺自身の変化も許容するぐらいの器量はある、と思う
あるといいな?
あるよな、悠里?
ふふっ、そんな顔をしなくても私は貴方の良さをたくさん知っているわ。世界中の誰よりもあなたの事を知っていると断言出来る程に、ね?
悠里は俺の内心などあっさり見抜いた上で、微笑んだ
更にその上、ウインクのおまけ付きである
(俺の悠里、やっぱり最高じゃないか!)
仮にくるみが此処にいなければ、間違いなく悠里と
第〇〇回、甘やかし勝負
を即開催していた事だろう
もうなんて言うか、悠里しか勝たん!と俺は断言できるわ
料理もできるし、家事全般もOK
気配り上手で時に甘やかして、甘えてもくる
しかも、自分の身を護る手段も持ち合わせているときた
勿論悠里に近づこうとする野郎は俺が叩き潰す(物理)
いやホント俺の悠里は最高なんですわ!
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(…もう)
私は明らかにテンションの上がっている彼を見て、むず痒い気持ちになっている
恐らく彼の事
私がどれだけ凄いのかを噛み締めているのでしょうけど、私からすればその私を導いてくれたのは他ならない彼なのだから、少し困るわね
相変わらずの無表情に近い顔でも私からしたら、彼の考える事なら誤解なく理解できるわ
それだけの間、彼と共にいたのだから
本音を言うと、今すぐにでも彼と
でも先ずは解決しないと困る問題があるのも事実なの
だから
ハル。先ずばくるみの話をしましょう?
多分これでまた一つ私にとって良い事となる
そんな確信が不思議とあった
くるみのお願いは
私か彼の苗字を名乗りたい
という事だった
つまり恵飛須沢の苗字を彼女は捨てるつもりなのだろう
それだけ私やハルに依存したいのか?それとも過去を忘れたいのか?によって私達は対応を変える必要があると思うのだけど
どっちもだろうなぁ
余程思い詰めていたんだろう
…そうね
ハルの言葉に私は心底同意する
元々こんな事になる前は彼女が部活の先輩に恋心を抱いているという話は割と有名だった
あまり積極的に周りの人達と話をしようとしない私ですら知っていたくらいだ
そんな彼女がその先輩を手に掛けたのだ
その精神的負担は凄まじいものだっただろう。その上で彼女は守る為にその手を血に染める事すら決意した
私みたいに完全に割り切ればそこまでの負担はない
でも、彼女は私みたいに交友関係が狭くないし心優しい。恐らく、いや間違いなく今まで倒した彼らの中に彼女の知り合いもいただろう
私が柚村さんの遺体について彼女に隠しているのも、彼女の精神的な負担を考えての事
袖村さんの死に様はゾンビ化してない分凄惨なもの
恐らく彼女がそれを見てしまえば
なんであたしは助けられなかったんだよ
と自責の念に駆られる事だろう
それは余りにも危険すぎるのだ
それだけでも危険なのに
私があの女に辛く当たる理由の大半はハル関係だが、それ以外にもこうやって『後ろから刺す』様な事を一向に改めない事もある
くるみは必死になって
だが、あの女はいつもいつもくるみに救いようのない現実を突きつけるのだ
繰り返すが、くるみはとても優しい
だから、その痛みを自分自身だけで抱え込んでしまうのだ
そうしてくるみは『
私やハルはなんだかんだで時間をかけて壊れていった
だから、歪んだ中にも『通すべき芯』はキチンとある
だがくるみは僅か数日のうちに過度のストレスを『自身が望む望まない』に関わらず受け続けている
しかも、最も精神に負担のかかるであろう『人殺し』
当然だが、彼女がそれに適応出来るはずはない
本当なら、ゆきが気遣いを見せているからそれによって少しでも彼女の精神が癒される
はずだった
が、その日常の中にもあの女がくるみの精神に負荷をかけ続ける
傷が癒える前に、その傷の上に更に傷をつけるのだ
癒えるはずも治るはずもない
だからこそ、彼女の傷を忘れさせる為に私や彼に溺れさせようとしたのだ
せめて、温かな夢の中で過ごして心を癒してほしいと願った
勿論私と彼の幸せの為にくるみを利用したのは否定しないわ
でもまさか此処までくるみの傷が深くなっていたなんて
個人的には新田胡桃は微妙だと思うが、どうよ?
じゃあ、若狭胡桃かしら?
あら?意外とありそうね
…となれば、俺も若狭治孝となる訳か
悪くないな
私は思わず呼吸が止まるかと思った
だって、あれだけ私との関係を足踏みしていた彼が今確かに
…それは私と結婚してくれる、そういう事でいいのよね?
私は念の為に確認する事にする
…くるみが俺の事をおとうさんと呼んで、悠里の事をおかあさんと呼んだ
そういう事だろう
ようやく、漸く8年にも及ぶ私の努力が報われたわ!
こうなったら、くるみを娘としてしっかりと甘やかさないといけないわね!!
私は最高の結果を手に入れた事で舞い上がってしまった
なお、くるみが起きてから話をして
今後くるみは
悠里は治孝という光を見つけた
治孝は悠里という光に焦がれた
胡桃は悠里と治孝という光に魅せられた
由紀は光を見失った
慈は光を奪われた
女は美紀と圭から光を奪って闇に消えた
美紀と圭は闇の中で光を求めて彷徨い続ける
誰もが皆闇の中
明日をも知れぬ我が身と知りながらも歩み続ける
湿度マシマシのIFルートりーさん見たい?
-
見たい
-
怖いから勘弁
-
ジェジェノサイドでなければ