天井裏から見る世界   作:鞍馬エル

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 ひとまずの完結となります

こうして完結まで漕ぎつけられたのも、これを読んでくださった皆様やお気に入りや評価をして下さった方々のおかげです
ありがとうございました

では最終話となりますが、宜しければどうぞ


 しぬまでいっしょ

ねぇ、圭

 

どうしたの?

 

私は若狭先輩について行きながら圭に小声で訊ねる

どうして先輩の苗字が違うのか?と

 

 

ごめん、それは私にも分からないよ

そう圭は答える

 

 

うっ

私は内心込み上げる吐き気と闘わねばならなかった

 

2階の廊下は赤いペンキをぶち撒けた様に紅く染まっている

そして、日光の当たる部分は黒ずんでいたのだから

 

 

この紅が何なのか、嫌でも分かってしまう

死体こそないものの、逆を言えばそれだけだ

 

よく見てみると、所々に細かい肉片かま散らばっている

 

 

そんな中を何一つ動揺する事なく、歩き続ける目の前の人物が

 

どうしても美紀には同じ人間に思えなかった

 

 

そして美紀は不思議に思うのだ

何故(友人)はそんなに平然と彼についていけるのか?と

 

 

 

美紀の中にいい知れぬ不安が残り続けていた

 

 

----

 

 

(ふーん)

治孝は密かに二人の様子を観察していた

 

元々学園内でも孤立していた彼である

他人の顔色を伺う事など造作もない事だ

 

 

ましてや、彼女達は危険から遠ざかったと思って油断(・・)している。足取りや表情、視線の動きなどから仕入れられる情報は山ほどあるのだから

 

そして、どうやら直樹美紀とやらは危機感を覚えている様であるとも理解できた

 

 

(残念だが、遅いんだよなぁ)

治孝は彼女の行いを嗤う

 

 

最初から信用しろ

などと治孝も言うつもりはない

そんな事は不可能なのだから

 

 

だが、疑ってかかる人物を態々助けようとする程治孝や悠里は奇矯な人間ではない

 

治孝や悠里にとっての至上命題は

 

家族(治孝、悠里、くるみ)を守る事

それ以外については余力があれば(・・・・・・)守る程度の意識しか持っていない

 

 

仮に佐倉教諭や丈槍由紀とやらとくるみのどちらだけを救えると言われたなら、治孝と悠里は迷う事なくくるみを選ぶ

 

くるみが二人を助けて欲しいと願うのであれば、また変わるかも知れないがそれでもその優先順位が覆る事は決してない

 

 

辛かったのだろう

苦しかったのだろう

別れも恐らく経験したのだろう

 

 

 

だが、それがどうした?

 

 

そんな法も秩序も崩壊し、倫理観など足枷にしかならぬ世界で全てを助けるなど不可能

 

やりたければ自分達だけでやれば良い

 

 

 

若狭治孝の世界は若狭悠里と若狭胡桃だけで完結できる程度の広さしかない

 

この校舎の1階部分を何とか守れる様に出来たのは、治孝自身がそれで死んでも良い

と考えて動き回ったからに他ならない

もう一度やれと言われても恐らく不可能だ

 

その前に力尽きるだろう

 

 

くるみや悠里みたくシャベルで一撃必殺といければ理想なのだが、生憎と治孝はそこまで自分の実力に自信はない

元々治孝が天井裏に潜んでいたのも、彼らの動きや習性などを早期に発見する事で悠里を見つけやすくする為だった

 

故に彼は彼らとの戦いで何とか生き残ることが出来たし、彼等を効率よく処理できる様にもなっただけ

仮に彼らと事前知識なく遭遇したならば、彼は

 

オワタ\( ˆoˆ )/

と内心諦める事だろう

 

諦める事に関して彼はプロ中のプロであると実は思っているくらいなのだから

だからこそ、彼は『身の程を弁えて行動する』

それは徹底的にリスクを回避する行動に他ならない

 

無論悠里とくるみが絡むならば、彼は自分の命すら賭してでも守り切るつもりだ

 

 

それ以外については

 

 

俺の管轄外、なんで

 

と切り捨てる

あくまで後ろの二人を受け入れたのは祠堂圭が危なっかしい人物だった事を偶々記憶していたから

 

 

彼とて、流石に目の前で後輩が車に轢かれるのを放置する程にそこまで見ず知らずの後輩を恨んでいる訳ではなかった

彼とて、若狭悠里に失望されたくない

と思う程度にはカケラほどの倫理観も持っていたから

 

 

なお、これが同級生であった場合は全く事情が変わってくる

彼は間違いなく放置する事だろう

 

 

その辺の線引きが悠里以外から全く分からない。そんな点も彼が孤立を深めている理由だったりする

正直な話として、美紀を受け入れたのは

圭と親しそうだったから

程度の理由しかない

 

なので、明らかに不信感全開の美紀の内面を見てとった彼は

 

 

(…さっさと殺すか?)

と割と洒落にならない事を真剣に考えていたりする

 

不信感を持つのは良い

寧ろ持ってない方がおかしいだろう

 

だが、それを隠しもしない人間は不和を招き、何れそのグループは瓦解すると彼は思っているのだから

 

 

因みに悠里と会わせて、もしも美紀が余計な事を言ったなら彼は何の躊躇いもなく美紀を追い出すだろう

もしそれに圭が抗議したのなら、圭すらそうする

 

勿論、夜が明けて日が昇ってからだが

 

 

(ま、好きにすれば良いさ。死ぬも死なぬも自分達で決めれば良い)

俺はそれを止めるつもりも咎めるつもりも、ないのだから

 

 

 

----

 

 

…そう

 

私がハルから聞いた話を聞き終わって返したのはそれだけだった

別にいる事自体には不満もない

此処は私達の家でもないのだから、好きにしたら良いと思う

個人的には祠堂圭という彼の擦り切れていたはずの良心を引き出した子については気になる程度

 

 

あと、私達の関係を明らかに非難している目で見ている直樹美紀とは仲良くなれる気がしない

くるみの精神を守る為などと言ったとしても、他に解決策があるのかも知れない

 

同級生と親子の関係になるなんて、普通に考えれば異常以外の何者でもないだろう

批判は甘んじて受け取ろうと思う

 

でも彼女と私達は恐らく言葉を重ねようが、時間をかけようが分かり合う事は恐らくない

 

彼を見る目を見れば分かるもの

あれはあの女と同じで

 

『人を殺した事を責める』目なのだから

 

 

逆に祠堂さんはどうやら、必要なら手を汚す事を躊躇わない様に見えるわね

…同じ人を殺した事がないはずなのに、随分考え方に差があるみたいね

 

 

邪魔さえしなければ、それでも良い

…そろそろくるみを起こして屋上に戻ろうかしらね

 

さて、現実から逃げ続けているあの女がどうなっているか、見ものね

 

 

私はそう考えるとくるみを起こして、彼と2人を連れて屋上に戻る事にした

 

 

----

 

 

りーさんと、くるみちゃんが帰って来ない

 

めぐねえはめぐねえで何やら塞ぎ込んでいるみたいだけど、私としては少し困る

多分下の階に行っていると思うけど、何故か私は下に行こうと思わない

 

 

何でだろう?

めぐねえも顔色を悪くして止めてくるし、何かあったのかなぁ

 

そう言えば一度めぐねえ下に降りたみたいだけど、何かおかしな事があったのか気になる

 

 

----

 

 

私は、私達はなんて事をしてしまったのだろうか?

『教員用緊急マニュアル』

勇気を出して二階にある職員室にその存在を思い出して見に行くと、机の上に無造作にまるで投げ捨てられたかの様にして放置されていた

 

と言う事はくるみさんか若狭さんが恐らく読んだのだろう

 

 

くるみさんは怒るだろうか?

こんな事になる事を今まで黙っていた私達(大人達)

 

若狭さんはどうなのかしら?

いつもみたいにどうでも良さそうに私を見るのだろうか?

 

 

若狭悠里さん

 

教員間では優等生でありながらも問題視されていた生徒

成績優秀で、品行方正

だけど、彼女は私達教員に向ける目がとても恐ろしいと一部の教員から言われていた

教師暦の長い先生達は逆に若狭さんを心配していた様だったけど

 

噂では同じクラスの新田治孝くんと仲が良かったらしい

 

 

新田治孝くん

 

職員室内で彼の名前が出る事は殆どない

成績は若狭さんと同じく優秀。だけど体育の教師からは『やる気がない』といつも愚痴を聞いていた気がする

彼は夏であっても薄手の長袖をいつも着ており、生活指導の教員などは相当目の敵にしていたとも聞く

 

教員の中には

余りにも協調性がない

事から退学にすべきではないか?との意見もあったくらい

 

 

 

正直な話として、どうして彼が若狭さんと仲が良いのか理解している教員はいなかった

寧ろ若狭さんが新田くんに脅されて言う事を聞く様に強要されているのではないか?

という意見もあったりしたそうだ

 

 

ある教員はその為若狭さんと個人的に話をしたそうだが、彼女は決してそれを認めなかったらしい

私はそれでもと彼女と話をした事がある。分かることなど何もなかったが

 

 

 

聞いた話では若狭さんは中学の時に一度大きな騒ぎを起こした事があるらしい

なんでも教育委員会が出てくるほどの事になったとか

 

 

もしかしたら、若狭さんの中で教師や大人は信じられるものではなかったのかも知れない

私はそんな考えて思い至って、私なりに何かをしようと再び2階へと降りて何かをしようとした

 

 

 

それが大きな間違いであった事を私は知らないで

 

 

 

既に2階の廊下や教室に生存者がいない事を私は確認して、それなら隠れやすいトイレを見るべきだとトイレに向かった

気付くべきだった

 

あれだけおびただしい血が流れておきながら、その遺体が何一つなかった意味に

 

 

結局私は何もわかっていなかったのだ

 

 

そして私は見てしまう

 

絶望の表情のまま息絶えていた袖村さんの死体を

 

 

 

あ、ああ

 

私の中で声がする

 

 

 

あなたが早く助ける事をしなかったから

 

生徒達ばかりに任せて、自分は安全な所から他人事の様にしていたから

 

生徒を助けたいといいながら、お前が何もしなかったから

 

 

だから柚村さんは死んだのだ

 

 

う、あ

声を出してはダメだ

 

ゆきさんに気が付かれるかも知れないから

私は女子トイレの床に膝をつき、頭を抱え声を押し殺す様にして泣いた

 

 

それは柚村さんの遺体に向かって懺悔している様に思えてしまい、その自分の浅ましさは更に私の心を抉った

 

 

 

 

そして、何とか屋上に戻った私だが、もう今の私が立っているのかどうかすらはっきりしないくらいに意識がぐちゃぐちゃになっている

 

 

丈槍さんに言わないと

でも彼女を傷つけたくない

 

何故彼女に言う必要がある?

それはお前が楽になりたいだけだ

 

ならお前は戦えるのか?

無理だ。生徒だった人達を傷つけるなど出来ない

 

相反する感情が私の中で声を上げる

 

 

ならばお前は何の為に此処に居る?

何の為か分からなくなる

 

 

そして思い出すのだ

 

安全な所から綺麗事を言える大人って素晴らしいですね

という言葉を

 

 

あの時よりも更に絶望していた慈にその毒はあまりにも強すぎた

 

 

 

佐倉慈はもう立ち上がる事はない

言われるままに動くだけの人形と成り果てたのだ

 

 

 

 

----

 

屋上に到着したのは良いが、余りにも空気が死んでいる件について

 

 

佐倉教諭はごめんなさいと繰り返すだけの壊れた人形になっているし、それを見つめる女生徒、恐らく丈槍由紀だろうが

その人物の目も雰囲気も死んでいると言える程に沈鬱だ

 

 

それに驚く直樹と祠堂

逆にそれを冷静に見つめる悠里とくるみ

 

 

控え目に言って地獄だな

どうやら佐倉教諭は女子トイレに残していた遺体を見たのだろうとは思う

 

一応悠里が過ごす事を考えて廊下や教室にある奴等の死体はほぼ落としたのだが、流石に彼らとなっていない遺体はできるならば土に還してあげたいと思っていたのだが、最悪の事態を招いたようである

 

ま、3日も経つのに死体一つも見てない責任感ある大人(・・・・・・・)なんて妄言にも程があるので気にする必要はないだろうが、な?

 

 

あと現在進行形で直樹とやらの絶望感が酷い

 

無理もないだろう

悠里から

(何の役にも立ててない)教師がいると聞いてそれを頼りにしていた様な感じを受けたからなぁ

 

おおかた

 

血の繋がりもない相手を親として慕うくるみにそれに対して普通に受け入れている俺達はヒトの形をしたナニカにしか見えなかったのだろうから

 

 

だからこそ、佐倉教諭の存在は彼女にとって大きかったのだろう

ま、無理もない

 

 

悠里からの説明を受けた彼女は

 

 

…あの、それは色々とおかしいのではないでしょうか?

とかなり控え目に俺たちの関係性に疑問を投げかけた

 

 

正直、俺と悠里からすれば予定調和でしかないし、寧ろこれを平然と受け入れる方が狂っているとすら考えていたのだが

 

 

くるみが烈火の如く怒り狂った

 

分からなくもない。くるみにとって、この歪の極地ともいえる関係が受け入れられたのはありきたりな言い方をすれば奇跡に近い

それでも受け入れられた事で安心できる居場所を手に入れたのだ。くるみからすれば、それを否定されて失う可能性が再び出てくるなど許容できる話ではないのだろう

 

 

俺と悠里が止めなければ彼女の命はあそこで失われたとしてもおかしくはなかったくらいだ

 

なので彼女の命を危険から遠ざけるには、俺が悠里がくるみを止められる場所にいるか、彼女に俺たちのどちらかが張り付く必要出てきた

 

 

言うまでもなく、後者を選んだ場合くるみは精神的に病む事が確定しているので取れる手段ではない

まぁ、命の危険がある事を理解してしまった彼女が此処を出ていく可能性もあるにはあるが、そこまで高い可能性ではないと思ってはいる

 

もっとも出たいと言うのであれば、止める必要も義理もないが

 

 

 

----

 

私と美紀は少し話をする事にした

 

 

多分美紀は此処にいる事自体にストレスを感じると思う

私個人としてはくるみ達の在り方は歪んでこそいるものの、別に構わないと思ってはいる

別にそれで不利益を受ける訳ではない

 

私達個々人の受け取り方次第なんだから

 

 

でも私はそれで良くても美紀が保たないとも思う

美紀は真面目で現実的なところが多い

 

勿論それは良い事だと思う

 

 

でも、こう言った状況で美紀の生き方は多くの人から受け入れられ辛いものだとも感じる

 

ショッピングモールでの人達も『自分達のルール』の中で動いていた

多分先輩達も大きく見ればそこまで変わらないと思う

 

 

先輩や悠里さんは言ってくれた

 

 

私達のやり方が間違っているとかはそこまで問題じゃない

別に此処で私達と関わりを最低限にして自分達なりの生活を送る分にはこちらとしては気にするつもりはない

 

 

 

 

それで私は良いと思う

 

本当に必要な時以外は関わる事なく、お互いに干渉しない

…問題があるとすれば、先輩達より私達の方だとは思うけど

 

 

先輩達は生活に必要な技術を持っている

悠里先輩はかなり料理が上手いとくるみさんから聞いた

 

 

私達はと言えば、レシピがあればマトモなものを作れるだろうけどレシピ本もないこの状況で『食べられるもの』は作れるだろうが『美味しく食べられるもの』は恐らく難しい

 

それに私と美紀だけで完結した世界に耐えられるとも正直な話思えないのも事実

 

先輩達は『壊れたとしても、踏みとどまられる』だけの強さを持っている。だから制御出来ている

私や美紀は多分一度踏み外したら、佐倉先生みたいに戻って来れないだろう

 

 

どうするの?美紀

 

…正直に言うと私はあの人達が怖い

何であそこまで出来るのかわからないから

 

(やっぱりか)

私は美紀の考えていた事がそこまで予想と外れていない事に複雑な気分になる

 

私達は間違いなく幸運だった

おじさんがもし私達を見て見ぬフリをしていれば、恐らく碌な事になっていないだろう

そうでなくても美紀は目を逸らしていると思う

 

 

《b》おじさんがゾンビだけ(・・)に危害を加えられていない事を

あの時おじさんは確かに噛まれた傷痕はあった

でも、美紀は私を止めるのに必死だったから見えていなかったのかも知れないが

 

おじさんは腹部に大きな鈍器か何かで殴られた様な痕があった

 

 

推測にしかならないけど、普通に考えておじさんが持ち帰った物資量はおじさん一人が過ごすには過剰な量

 

それに電池や食料品だけならその辺のスーパーやコンビニでも調達出来るだろう

しかし、そこに防犯ブザーや服などまで調達するとなると中々難しいと思う

 

そしてそこで『おじさん一人が使うにしては多すぎる量』をかき集めている事を見たものがいたとしたらどうなるだろうか?

間違いなく諍いの元になる

 

ましてやおじさんは車で言っているのだ

おじさんの車は電気自動車ではなく、ガソリン車

当然排気音などで気付かれる危険性は上がる

 

 

私達はショッピングモールにせよ、おじさんの家にせよ物資の多い所にいたから気にしづらいだろうが、こんな状況では物資調達一つで揉める事もあり得るだろうし、下手をすればそれだけで殺し合いになる事もあるのではないだろうか?

 

 

そう言った時に私や美紀は武器を相手に向ける事が出来るだろうか?

…私は恐らく出来ないと思う

美紀も難しいだろうし、仮に向けたとしても後でそれを悔やむだろう

 

 

聞いた話では此処には大量の備蓄があるとの事

揉めるとすれば先輩達とだろうが、先輩曰く

 

無駄な面倒ごとは要らない

余りに無駄遣いや浪費をすれば文句を言うかも知れんけど、そうでなければほっとくわ

 

との事

 

信用も信頼もする必要はない

お互い利用し合えばそれで良い

 

 

そうも言っていた

多分先輩達が譲れる限界がそこなんだろう

 

既にくるみさんを美紀は怒らせている

先輩達が2人がかりでくるみさんを、えっと、何で言えば良いのか分からないけど甘やかした?から何とか収まった

でもくるみさんは美紀を許さないと思う

 

 

 

結局私と美紀は此処に残り、先輩達とは少し距離をとる事とした

 

 

 

----

 

 

 

その後の事を少し語りたいと思う

 

 

 

史上最悪のパンデミックと呼ばれた災害

それにより破壊され尽くされた社会がその息吹を取り戻すまでに数年の時を要した。何とか政府が統制能力を回復させると僅かながらに残存していた自衛隊や警察などを総動員して各地の治安回復などを行なった

 

巡ヶ丘高校でパンデミックから生き延びたのは僅か7名だ

 

 

 

佐倉慈

 

救助が来た時には既に精神的な消耗が危険なレベルに達しており、即座に医療機関へと送られる事となる

10年以上もの治療の結果、保護下であれば社会活動も出来るところまで回復する事に成功した

 

なお、回復後に教員資格を返納しておりその後は旧巡ヶ丘高校近くに住み無くなった同僚や生徒達の為に祈り続ける

 

 

丈槍由紀

 

救助が到着したきっかけは彼女が提案した『自分達の生存』を伝える為に飛ばした風船であり、ある意味では最大の功労者

かなり精神的に参っていたらしく、『とある時期』から彼女の中では日常に戻っていたそうだ

 

友達や恩師の為にあまり力になれなかった事を悔やんだ結果、恩師でさる慈と同じ教師を目指す事になる

なお学力的にはかなり厳しい進路だったが友人である若狭悠里や若狭胡桃らが積極的に協力した事でなんとかなったそうである

生徒達からは『ゆきねえ』と呼ばれているとかなんとか

 

 

 

直樹(若狭)美紀

 

先輩達とは距離を取り続けたが、翌年精神的な限界を迎えてしまい彼女の親友である圭は若狭夫婦を頼る事になる

一年前の見る影もない程に衰弱しきってしまった美紀を心配したくるみは自分の両親に彼女を妹として迎え入れる事を提案

 

くるみの提案に

 

あら、また娘が増えるのね

悠里(母親)は喜び

 

…いやホント何が何だか

治孝(父親)は困惑していたそうである

 

その後彼女は順調に両親や(くるみ)を頼る様になり、精神面における危機は脱した

 

救助後はパンデミックにより変わり果てた世界にショックを受けつつも家族達と過ごす

 

 

 

祠堂(若狭)

 

親友の美紀が若狭夫妻の娘になった事を受けて、彼女もまた若狭家の一員となった

基本的に活動的な性格の為か姉であるくるみとの仲はとても良かったそうである

余談ではあるが、どちらが父親と一緒に寝るか?という一点においてくるみと壮絶なバトルを繰り広げていたそうだ

なお、美紀の姉として過ごす

 

救助後も若狭家の一員として過ごし、近所からはかなり奇異の視線を向けられていたものの、気にする事はなかったらしい

 

 

 

 

恵飛須沢(若狭)胡桃

 

若狭夫妻の長女にして『両親に甘える事を妥協しない姉』

悠里が料理を作っていれば手伝おうとし、治孝が暇そうにしていると膝枕やハグを積極的に求めてくる

偶に高校へと害意を持つ者が来ていたが、父親手製の弓矢を使って相手を殲滅する事をしばしばしていた

なおそんな日の夜は悠里が治孝と一緒にシャワーを浴びて、両親と共に眠りにつく

 

そんな幸せを享受していた

なお、母親よりも父親に懐いていた為に稀に悠里としばしば喧嘩になったらしい

 

救助後は役所に正式な申請をした事で公的にも若狭夫妻の娘との認識をされる事になる

生涯独身を貫き通し、言い寄ってくる男性に対しては

 

や、父さんよりも弱い奴に興味ないから

と残酷な返事を返していたらしい

 

非常に活動的であり、人当たりも良かった為か性別問わず人気があり、それこそ引く手数多だったが、母親である悠里と共にのんびり農業に勤しんだそうである

 

 

 

若狭悠里

 

パンデミック時における巡ヶ丘高校の中心的人物

彼女がいなければ生存者はさらに数を減らしたのではないか?との意見もある

一方で現実に対して必要ならば冷酷ともいえる判断を下す事もあったそうだ。戦闘、日常ともに欠かせない人物であり若狭家の主柱と言っても決して過言ではない

 

後にランダルコーポレーションの人物と会った際に一悶着あったそうだが、本人曰く

 

私がとやかく言うつもりはない

 

との事らしい

 

救出後はその活躍から巡ヶ丘復興の組織に入ってもらえる様にアプローチもあったそうだが、それを謝辞

娘達と共に自分達なりに復興に協力する事となった

夫の墓守として彼女が病に倒れるまで1日として墓参りなどを欠かす事はなかったという

 

 

 

新田(若狭)治孝

 

若狭悠里の想い人であり、彼女を深く愛していた人物

彼女を危険に晒させない為に彼らひしめく校舎の2階と1階部分を単騎で制圧する

加えて生存の為に必要な物資を用意し、それを集積

1階部分の出入り口全てを遮断すると言う形で巡ヶ丘高校の安全圏を作り出した

 

人柄はその人物に対する精神的距離によってまるで異なり、若狭悠里を何よりも1番に考え行動していた

更に娘が増えると彼女達も守る対象となり、安全圏が確保された後は高校に害意を持つ者が来訪した場合は問答無用で手に掛ける

 

救助後、その苛烈ともいえる判断や対応を問題視され、保護観察処分を言い渡されるが救助から僅かひと月余りの間で急激に衰弱。そのまま還らぬ者となった

のちの検査では精神的に限界を迎えていたのを無理矢理繋ぎ止めていたところに漸く救助が来たことでその糸が切れた反動ではないか?との見解を示されている

 

 

天井裏から出てきて見た景色は最高だった

 

と最期の言葉として家族達に遺した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 という訳で救いのある話になったのではないかと個人的には思っています

悠里達にとっては辛い話になりましたが、治孝くんにとっては『守りたい家族』を守り切れたので恐らく満足して逝ったのではないか?と思います


とりあえず仕事で両手の爪がやばい事になったので、番外編やIFルートなどはのんびり書いていこうと思います

黒いりーさんを書こうとしたはずなのに、最終的にJSR(ジェノサイドりーさん)を書けらなかった事は少しばかり悔いの残る結果となりました

その内書くと思いますが


この様な作品を見ていただき、皆様の貴重なお時間を頂けた事に改めて感謝申し上げます

湿度マシマシのIFルートりーさん見たい?

  • 見たい
  • 怖いから勘弁
  • ジェジェノサイドでなければ
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