天井裏から見る世界   作:鞍馬エル

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今朝方何となくアクセス数を見たらお気に入りされててワイびっくり

しかも評価までしてもらえるとは望外の喜びですわ!
さて、前回に引き続き胸糞表現が続きます。ご留意下さい

あと、本作の一部の表現については私の体験を元に描写しております
…え?そんな情報はいりませんか?

とにかく出来たので、どうぞ


 こわれたふたり

 巡ヶ丘高校は明らかにおかしな学校だと思う

 

 

どこの学校に自家発電設備や浄化水装置をつけるというのか?

確かに学校や放送局などは有事の際、非常用の拠点として利用すると私も聞いた事はあるにはある

 

…事実かどうかは知らないけれど

 

しかし明らかにこの高校は普通と思うにはおかしい部分があるだろう

確かに私たちは屋上で今も生きている

 

くるみと私がゾンビ達を始末する事で生存圏を確保できているのは間違いない

が、逆にそれがおかしいと思うのだ

 

 

僅か10名にも満たない人数でこんな極限状態にありながら、普通に生活できているという事が

もしかしたら、高校内にこう言ったセーフティーゾーンめいた場所が他にもあるのかも知れないわね

そんな事を考えながら私は声をかける

 

 

くるみ、ゆきちゃん、佐倉先生

ご飯できたわよ?

 

あー、ごめんな

 

わーいご飯だ!

 

若狭さんありがとうございます

 

 

(能天気なものね)

私はくるみ以外の二人に対して内心で苛つきながら、平静を装う(仮面をつける)

慣れたものだと自嘲する

彼を見捨てた時期から私は学校で仮面を着ける事にした

いえ、着けなければ私は学校生活なんて送れなかったと思うわ

 

(幼馴染)を必死で守ろうとしてくれた(泰知)を私は見捨てたの

私の為なんて言っている連中は『私の為』という言い訳で彼を攻撃する

それにより、連中にとっての共通の敵を攻撃しているという一種の連帯感が生まれるのだろう

傍観している連中も同じだ

 

している側と傍観者

確かに『第三者』から見れば明らかに違うだろう

 

でもね

『被害を受けている側』からすると、傍観者というのは1番タチの悪い者達なの

…勿論私もそうなのだけれど、ね

 

気の毒そうにしながら、でも何もしない

何故なら『自分が巻き込まれるのは嫌だから』

 

別に私の様に教師に訴えるだけでも構わない。事態を知りながらも傍観するというのは彼の様子を見ると、どれだけ残酷なものかを痛い程理解できる

私は中学3年の時に何も対応しない教師に見切りをつけて、教育委員会にこの話を持って行った事があるわ

 

でもね

教育委員会は校長や教頭や学年主任から聞き取りをするだけで、それ以上の事をしようともしなかったわ

 

挙句

内申を下げられたくなかったら余計な事(・・・・)をするなと言われた時は唖然としたわね

 

もうあの時は乾いた笑いしか出なかった

彼の両親は基本家を空ける事が多かったし『学校内の事は学校。子供の世界の事は子供に任せる』って教育方針だったみたいで、日に日に憔悴していく彼については『アイツが助けを求めるまでは何もしない』というスタンスだったの

私の両親も両親で、どうも彼に対して連中は親に対しても『ない事ない事』ばかりを吹き込んでいたらしく、PTAや懇親会などで連中の保護者から話を聞き続けた結果

 

ねぇ、悠里。確かに彼はあなたの幼馴染だけど

彼にも悪いところがある(・・・・・・・・・・・)んじゃないかしら?

と私に言ってくる始末

 

私はその時点で親に期待する事をやめた

私にとって大人なんて『自分の都合の悪いところから目を逸らす』だけの生き物でしかない

勿論私もそうなんでしょうね

 

でも私よりも出来る事があるのに彼等は『他の生徒に示しがつかない』とは『彼だけを特別扱い出来ない』と言ってくる

特別扱いして欲しいわけじゃない

 

ただ彼の傷つく事のない日常を取り戻したい

それだけなのに

 

 

勿論彼は高校進学について難色を示していた

当たり前よね、彼にとって学校なんて良い思い出のある場所ではないのだから

 

でも彼は座学においては学内でも上位の成績だった事が災いした

彼がいうには

 

他にやれる事もないし、アイツらに何もかも負けたままなのは悔しいからな

 

との事。

 

だが、成績優秀者が進学しないとなると

担任の評価にも関わるから彼の担任は必死で進学を薦めたわ

しかも所謂難関校と言われるところばかりを、ね?

そして私は聞いてしまったのよ

 

あんな面倒な生徒を1年間受け持ったんだ

ならせめて()くらい取らないとやってられんよ

 

 

という彼の担任の言葉を

でも彼は薄々気が付いていたみたいで

 

ま、そんなものだろ

 

って言っていた

彼にとって教師に期待するものなんて何も無かったのね

 

 

難関校であるここを受ける事になったのだけど、受験に合格したらしたで彼や私は大人の汚さを改めて実感する出来事が待ち受けていた

 

卒業を控えたある日、私に一本の電話がかかってきた

 

 

 

こちら〇〇指導塾の者ですが、若狭悠里さんでしょうか?

 

そうですけど。…あの、塾の勧誘ならお受けできません

 

何故受験シーズンが終わった時期に塾から連絡が来るのか、私には理解出来なかった

 

実はですね

中学を卒業するまでの間、ウチの塾に在籍して欲しいんですよ。勿論塾に通う必要も費用も必要ありませんので

 

それは

私は絶句したわ。つまりそれは『塾の成績を上げる』小細工に他ならないのだから

 

 

私は丁重に断ると、彼の元に向かった

彼も同じ高校に行く以上、そう言った電話がくると思ったから

 

そして、私は見た

表情を一切消したまるで能面の様な無表情で、壊れた電話機を見つめる彼の姿を

 

高校に入っても、彼を取り巻く環境は大して変わらなかった

難関校であろうとも、地元から程近い場所

どういったルートがあるのか知らないが、彼の悪評がこの高校にまで届いていたのだから

 

 

だから生徒に親身なんて言われている目の前の女(・・・・・)は私にとって嫌悪し、憎悪の対象でしかない

 

もう一人の能天気な女については、まあ苦手意識こそあるが、別に危害を加えたいとまでは思わない

彼に対して何故か

 

馴れ馴れしいのは許し難いけども

 

 

 

大したものは出来てないけどね?

 

水もある

電気もある

それに加えてまだガスすら生きている

 

 

屋上から見える世界

昨晩私は確認したけど、高校周辺の住宅やその近辺の街灯は灯っていなかった

つまり、ライフラインは寸断されていると見て良いだろう

住宅については住民がゾンビになっていれば点くはずもない

が、街灯については時間か照度か何か知らないけど、基準があり点灯すると思っている

私の家の側にある中層マンションは暗さを検知して自動的に照明がつくとマンションの着工工事前の説明会で説明があったと両親が言っていた気がするわね

 

そのマンションはいつも暗くなれば照明がついていたのに、昨晩はついていなかった

勿論その一帯だけが停電している可能性もあるでしょうけど、高校付近まで灯りが点いていないなら大規模な停電が起きている可能性は高いのではないかしらね

 

昨晩、私達は雨が降っていなかったから屋上にブルーシートを敷いて眠ったけれど、いつまでもそれで体力や精神が保つとも思えない

そうなると、どうしても電気を使う事になると考えて間違いないでしょう

果たしてそれが誰かに見られた(・・・・・・・)場合、良からぬ事態を招く可能性もあるでしょうね

 

私は人間というものの善性なんて、かけら程にも信じていない

 

 

人は生まれた時こそ無垢であるが、育っていくにつれて悪性に振れていくと私は思っている

こんな極限状態だからこそ、人はあっさり道を外れるだろう

 

人は理由さえあれば、どこまででも残酷になれる事を私自身良く知っているのだから

 

 

その時、私は躊躇わないと思うけど、くるみはどうなのかしら?

尊敬する先輩を殺した事でタガが外れたなんて私は思っていない

 

ゾンビだから、守る為だからこそくるみは武器を振るえる

相手が人間なら、どうなるのかしら?

 

 

そう思いながら私は食事を食べることとした

 

 

 

 

 

----

 

 

…どうにも1日明けて思ったのが、ゾンビ達の行動に規則性があるのではないか?

という事だ

 

 

あれだけ日中はいたゾンビ達だったが、夜中になった今では殆ど校内に居ない様な印象を受けた

徘徊しているゾンビは恐らく用務員の人だろう

 

勿論申し訳ないが、始末させて貰った

別に恨みがある訳ではない

 

…いや、あるか

ま、それも最早どうでも良い事になっただろうが

既にゾンビ達は『人の形をしただけ』の敵でしかない

 

元より学内の人間の殆どに殺意しか持っていなかった俺からすれば、想像の中で無惨に殺していた事が現実になっただけの事

大差ない

 

 

 

どうやら校内に生存者がいる様にも見える

息の殺し方がなってない

女子トイレに誰かいる様な気配を感じた俺は思わずそう考える

 

毎日の様に殴られ、蹴られ罵倒され続けるとそのうち人の気配に対して敏感(臆病)になる

隠れるのだって嫌でも上手くなるからな

 

 

…女子トイレか

どう見ても面倒でしかない

そして、正直な話として俺は女子という生き物に好意的な感情を抱いていないし、劣情を抱いてもいない

 

生物としておかしいと言われるかも知れないが、小中学で散々嫌がらせされてきた俺にとっては暴力よりも精神的にダメージを与えてくる女子の方が余程キツい

肉体的損傷はどうしても一定のラインで止まらねばならない。それを踏み越えるとやっている連中もただでは済まなくなるからな

だが、精神的に与えるダメージなどにそんな制限はない。同じ意味だとしても言葉を変えるだけで相手の精神に多大なダメージを与える事が出来るのだ

しかも、大人達にバレる事なく

 

何せ『言った言わない』となれば母数の多いあちらに勝つのは不可能だ。相手は『口裏を合わせる』だけでこちらを『被害妄想の強い人物』に仕立て上げる事が出来るのだから

そんな事を3年以上受け続ければ、『女性不信の強い人間』の出来上がりだ

 

プールの時期になると決まって『女子更衣室からの盗難』の疑惑が俺に向く

教師に訴えれば良いものをアイツらはそれをせずに俺のせいと決めつけてくれる

そしてアイツらは言うのだ

 

教師に言われたくなかったら黙っていろ

 

何度己の持つバットや木刀でアイツらの頭を砕いてやろうと思った事か

今となっては何の躊躇いもなく振り下ろしてやったが

 

 

 

俺がこの世で信じる異性は悠里だけ

でも悠里に迷惑をかけたくないから、アイツを遠ざける

その癖アイツが俺を家に帰ったら治療してくる事は拒まない

 

我ながら度し難いものだ

 

 

今生きているのも死ぬのが怖い事もあるが、万に一つ悠里が生きている可能性があるからだ

 

とはいえ、再び逢える可能性など皆無に近い

こんな状況になって無事な姿で悠里と再会出来るなどそれこそ俺が最も嫌う『奇跡』とやらでしかないだろう

 

 

…さて長々と現実逃避したが、どうしたものかと考える

助ける義理も義務もない

 

放置したとして誰が俺を謗ろうか

仮に

もし仮に助けたと仮定しよう

 

その場合、俺にメリットはあるか?

女子トイレにこもっているとなると十中八九女子だろう

男子であれば逃げる事を優先するだろうし、俺みたいな外れ者ならもう少し隠れる場所を選ぶだろう

 

トイレは確かに水があるという一点では悪くない選択に見える

 

が、その場合『トイレの水を飲む』という中々にハードルの高い事をクリアせねばならない事になる

はっきり言ってしまえば、その程度の事すら出来ないなら死んだ方が俺はマシだと思うが

奴等にとっては悪ふざけだとしても実際にやられた方からすれば命の危機だ

 

連中は俺の醜態をバカ笑いしていたが、中々によい趣味をしているものだと心底軽蔑し、機会があれば同じ目に合わせてやろうと思ったものだ

 

その機会はどうやら訪れる事なく終わりそうだが

 

 

さて、一応声をかけてみるか

それで無視するなら放置すれば良い。どのみち此処で留まっていても先などありはしないのだから

 

 

 

----

 

私はトイレの中でひたすら震えている

何が起きたのか分からない。でもいきなり校庭の方で悲鳴が上がって、私は急いで階段を駆け降りようとした

でも、その時点で階段の下の階に悲鳴や怒号が響いた

 

だから急いで外からの接触を遮断できる所を探そうとして、トイレの個室にこもっていた

 

外からどれだけ助けを求める声が聞こえても、うめき声が聞こえてもあたしはただひたすら耳を塞いで目を閉じていたんだ

 

 

そうしてトイレの窓から見える光景から夜だと分かった私だけど、あまりの恐怖から動く事すら出来ずにいた

このまま此処にいても何もならない事を知っているのに

 

 

そして

 

 

誰かいるんだろ?

 

声が聞こえた

 

 

----

 

誰かいるんだろ?

それだけだ

 

別にこれで出てこないならそれ以上する必要はない

(ったく何やったんだろうな?俺は)

はっきり言って我がごとながらに意味不明だ

 

助ける理由なんて無いに等しい

寧ろ要らない枷が増えるだけ

 

なのにどうして

 

 

(治孝)

悠里の顔が浮かんでくるのだろう

 

 

 

 

声をかけた事で少し反応したみたいだが、それだけだった

つまり相手は話す事すら拒否した

 

なら俺のする事はない

そう思い、トイレを後にした

 

 

 

 

 

----

 

声を掛けてきた人物にアタシは心当たりがある

新田治孝

同じクラスの男子で何故か男子と女子からとてつもなく嫌われている男子だ

 

 

何を言われようが、何をされようがただひたすらに無反応

何もかもがどうでも良いみたいな態度から『Mr.パペット』なんて言われている男子

はっきり言って不気味な奴だとアタシは思っている

 

授業中は口を開く、けど必要な会話以外は全く話をしない

噂だと女子更衣室の物を盗んだって話もある

正直こんな状況でなかったら話をしようとすら思わない相手

 

でも、掛けられた声には相手を気遣う様な響きがあったと思うのはアタシの気のせいなのか?

そう戸惑うアタシなんて知るわけもなく

 

コツコツ

 

アイツがこの場を離れていく足音が聞こえてくる

このまま此処にいても多分アタシは早々に死ぬだろう

 

でもアタシは声をかける事が出来なかった

 

 

 

----

 

その後俺は学食や売店を回り、ある程度の物資を確保したのち、再び天井裏に身を潜める事とした

 

 

間違いなく、あの生徒は死ぬだろう

が、別にそれ自体を嘆く気も悲しむ気もない

 

元よりその感情は悠里にのみ向けられるべきもの

それ以外のモノなんぞに価値はないのだ

 

 

 

 

 

 

俺自身も含めて

 




 実は最初書いてたプロットでは助かるルートだったのですが

いやコイツが人助けとか解釈違いも甚だしい。そう思い直しましてこうなりました


彼の残り僅かな善性は全て幼馴染の為に消費されるべきものですからね!(マジキチスマイル)
なお、本作におけるりーさんの地雷は『責任から逃げる大人』です


いやまぁ、言ってみただけで他意はありませんよ?ホントダヨ
では今回もマスクデータの一部を更新して公開します

…需要あるのかねぇ?













新田治孝
スキル 剣道1(初心者に毛が生えたレベル。長物があればゾンビ達と戦える程度)
 建築1(素人よりマシ程度。とはいえ、ダクトの開け方とか石膏ボードの特徴などは把握しているので天井裏に避難できた模様)
人間不信5(親兄弟すら信じられない状態。唯一悠里の存在で辛うじて正気を保っていられる)
依存5(特定の人物、彼の場合若狭悠里となる。に対して異常ともいえる執着と献身を見せる状態。仮に病院で診察されたら即座に入院レベル)


若狭悠里
スキル 料理5(治孝に食べてもらう為に、笑顔になってもらいたいとの強い想いから磨き続けた末に辿り着いた境地。が、あくまで彼相手に発揮するものであり、他の人物相手だと好感度に応じた程度の料理しか出さない)
栽培4(ナニカを育てるスキル。なお、成長の方向性については保証しないものとする)
人間不信6(大き過ぎる自制心により、辛うじて他人と会話が出来る状態。彼以外全てが等しく無価値であり、そこに例外はない。もし彼に彼が死亡すれば躊躇いなく周囲を地獄に変えた後後を追うだろう)
依存%(2\¥3(¥5+7「¥95¥ .2\5+¥5¥・3¥5¥・3¥>5+○々($○8(°65°,2\5+○635+%(〆(+¥6)○〆(544(5¥5+4(39)

湿度マシマシのIFルートりーさん見たい?

  • 見たい
  • 怖いから勘弁
  • ジェジェノサイドでなければ
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