救いはある方だと思います
治孝の事?
や、美人な奥さんと綺麗どころの娘3人いるやつにかける情けはねぇですわ
私たちは巡ヶ丘を離れ、今は私達を知る者の殆どない山奥で生活している
…それ自体に不満はない
母さんに妹の圭と美紀。それにお父さんもいるのだ
少しばかり古い家だけど、その分敷地面積は広く5人家族が生活するとなると少しばかり持て余す部分もあるくらいだ
巡ヶ丘から救出された私たちは暫く隣の市に用意された住宅?アパートの方が正しいのか
に保護される事になった
寝る時気を張り詰めないで良いってのがどれだけありがたいのかをアタシは久しぶりに実感できた気がする
今更だけど、やっぱり同い年の男の人をお父さんって慕うのはおかしいのかもな
…それにアタシも女だから、最近父さんの何気ない仕草にドキッとする事がある
圭や美紀とも話した事があるけど、やっぱり2人ともそうらしい
なんだけどなぁ
余りにも母さんが強すぎるんだよ
てか、何だよー
父さんは一応剣道の有段者だから分かるけど、その父さんと楽しそうに打ち合える母さんはどんだけなんだって
母さん強すぎだろ
アタシと他の2人もはっきり言って母さんと父さん以外を信用する事が出来なくなってしまっている
母さんの姿が1時間見えなくなると不安になる
父さんの姿が30分見えなくなると泣き出しそうになる
今でこそ多少改善したけど、それでも2人が居なくなる
なんて考えたら、アタシは多分耐えられない
あの巡ヶ丘での生活のままで良かった
そうアタシや圭に美紀は少なからず思っている。あの時アタシ達は歪んでいたとしても、確かに満たされていたのだから
----
ある日は美紀が不安になったと父さんを1日独占し、母さんから射殺さんばかりの視線を向けられ
また別の日は心細くなった圭がやはり父さんに甘えた事で母さんの父さんとの一日が奪われ、母さんはしきりに
ある時はアタシは父さんと朝から晩まで物理的に離れる事を嫌がったり
色々あった
…その度に母さんが無茶苦茶怖かったけど、父さんがいつも何とかしてくれた
愛されていると嬉しくなったし、それでもアタシ達を娘として愛してくれた母さんからの確かな愛情を感じたのだ
まぁ、美紀の奴がドギツい『女性向け小説』を持ち込んできた時の母さんの顔はマジでトラウマものだけどな!
というか、アレで美紀の奴結構被虐趣味があるんだから反応に困ると思うけど
ア、アタシはどっちかというと甘えたい方かな?
圭はいつも通りの感じで良いらしい
母さん?
んな事聞かなくても分かるだろ?
父さん相手なら、どんなプレイでも満面の笑みで受け入れるさ
…でも『親子プレイ』だけは受け入れられないらしい
別にアタシ達として、
そうしたら、アタシ達も父さんを狙う事が出来るだろうし
それでも母さんは母さんだと思うけどな?
----
引っ越しするまでにアタシや圭、美紀には結構な数の養子縁組の話が来た
だが、無理だ
アイツら父さんの事を悪し様に言うのだから
中には露骨にアタシ達の事を
吐き気がした
あんな気持ち悪い目を向ける奴にどうしてアタシ達が頼ると思ったのか。そういうのは父さんから向けられるならアタシ達は大歓迎だけど、他の奴等からはごめんだ
ま、当の父さんは母さん以外にそういった視線を向ける事はないけどさ
…いやホントアタシ達も年頃の乙女なんだから、それはそれで傷つくんだけどなぁ
ん?でもそれってつまり
『父さん』に傷ものにされたっていえるじゃないか!(言えません)
それを理由に迫るってのもアリじゃないか!!(ないです)
くるみはこんらんしている!
----
そう話したら美紀は割と乗り気だったけど、圭に
くるみ姉さん。ごめん
現実見よ?
と凄く呆れた顔をして言われた
美紀も
圭!?どうして?
って顔をしてたけど、やっぱ無理かなぁ
----
無理だった
どうも美紀がその理屈で父さんに迫ろうとしたらしい
父さんは
美紀、すまん。最近働かせ過ぎたみたいだ
明日から少し休もう、な?
と凄く残念な人をみる様な目で美紀を見て言ったらしい
でも、なんだかんだで久しぶりに父さんと一緒に寝たそうだから美紀的にはOKらしいな
くるみ姉さん、圭
アレはアレでありだと私は思う。姉さん達もやってみたら?
と半ば興奮したのか赤らめた顔でアタシと圭に言ってきた
…なぁ、美紀。別にそれは構わないんだけどさ
アタシはフォローしないぞ?
はぁ?!
ちょっ、お前っ
アタシを巻き込むなよ!?
いやっ、違うんだよ母さん!た、確かに言ったのはアタシだけどさ!?
----
酷い目にあった
母さんからのお仕置きは割とキツイからなぁ、精神的に
今回は小学生の制服コスとか割と母さんの趣味も倒錯しているとしか思えないけど
ああ、美紀なら園児服コスして父さんに甘えてたよ
顔を真っ赤にしてな
…それでも満更でもない顔してんだから美紀も大概だと思うよ、ホント。あとどんな服でもガーターベルトを外そうとしない、その姿勢はここまで来ると逆に凄いと感心するよ
…何で水着の時すらつけてたんだろうなぁ、美紀の奴
(実はただ単に外し忘れていただけという話。でもそれに気付かれたくないから平然としているふりをしていた
なお、治孝と悠里は気付いて生暖かく見守っていた模様)
しれっと圭は母さん手製の少し露出を抑えた服を着て父さんの側にいたのが納得出来ないけどな!
母さんは何というか、アレだったけど
いつも通りなんでスルーするわ
というか、
----
アタシ達が育てている野菜がどうにも人気が出ているらしい
いや、だからどうした?って話なんだけどさ
ウチは結構特殊な事情を抱えた家だから、育てた野菜は地元農協に基本全部納めていた
別にそれで良いと思うんだけどさ
ブランド化も視野に入れては?
何て他ならぬ農協側から言われて、父さんと母さんは困惑していたのを今でも覚えている
いや、したいならそっちで勝手にやれば良い
アタシや父さん、母さんはそう思っていた
でも、圭と美紀はそう思わなかったらしく2人に任せる事になった
何だけど
流石にコレは見過ごせないよな?
----
つまり、なんだ
納入してる所からアタシらに取材したいって事かよ?
そうみたいだよ。しかもかなりしつこかったみたいで
アタシの言葉に圭も嫌悪感を隠す事なく答える
アタシ達はマスコミってのが大っ嫌いだ
父さんの事を面白おかしく報道してるのを偶々テレビで見た母さんはテレビに向かって迷いなく包丁を投擲し、そのディスプレイを割った
それからというものの、アタシ達は電子新聞以外の情報獲得手段を排した
父さんは
ま、悠里みたいな美人を妻にして、これだけ綺麗な娘がいるんだから仕方ないわな
と言っていたけど
美人と褒められるのは良いけど、そんな事で誤魔化されないわよ?
と父さんに褒められたらほぼ無条件で許してしまうはずな母さんが抗議していた
…つまりそれだけ怒っているという事だ
そして父さんに謝る事ひとつしない連中にアタシ達が好意など持てるはずもない
取引をやめるべきじゃ無いかしら?
母さんはそう言った
アタシもそれに賛成だ。別に買いたければ農協に頼めば良い訳でアタシ達からすれば『売れたら良い』
別に有名になる必要なんてない。寧ろトラブルを招きかねないくらいだろう
でも、それだと道の駅にも申し訳ないと思います
美紀は今まで通り販売を続けるべきだと言う
私も美紀に賛成、かな
圭もそうらしい
こういう時父さんは発言しない
何せ話し合いの意味がなくなるからな
でもねぇ、わざわざ此方から届けるのは止めるべきよ
そうだよな。アイツら無駄に熱意だけはあるし、自分勝手な解釈は大好きだから下手したらウチまで着いてきかねない
それは、嫌かな
嫌だよね
今度イシドロスの人達も来るみたいだから、更にリスクは上がると思って良いわ。…美紀、圭
それでも続けたいのかしら?
…そういう事なら仕方ないですね
流石に私達より下手したら目立つと思うし
イシドロスの人達はいっときTVで取り上げられていたらしいからなぁ。観てないから知らないけどさ
ただ担当の人から聞いたのが
アレ以来彼女達につきまとう者も増えたそうで
既に何回か警察が動く事態になっています。…もしもあなた方が世間に知られればその比ではないと思いますが
との事
勿論担当さんやこっちの自治体としては協力してくれるらしいけどさ。アタシとしては、全くあてにしてない
こうなったらいっそ荷物をまとめて無人島で生活でもしようかしら?
母さんはそうぼやいた。が、アタシから見てもそれは結構魅力的な案にも思える
はっきり言って今の生活は楽しいし充実している
けど、そこに父さんへの誹謗中傷が加わるのであればその時点でその生活にアタシは価値を見出せない
勿論、無人島なら今までと違い大変なんてレベルでない事は覚悟した上での話だ
これには圭や美紀も賛成している
絶海の孤島なんてロケーション。意外とない様であるものだ
なら別にそこに移住するのも選択肢の一つにしても良いと思うのだ
いやホント煩わしいと思う
放っておいて欲しいよ
----
引っ越す事が家族全員一致で決まった
ウチに電話で取材の話がきたからだ
ウチの電話番号を知ってるのなんて、担当か此方の役所の人間か農協、若しくは道の駅の人間か
殆どあり得ないと思うけど、イシドロスの人達って事もあり得る
父さんも
仕方ないかぁ
と担当氏に連絡を入れていた
----
連絡を受けた担当の人物はブチギレた
それはもう盛大に
せっかく彼女達も精神的に少しずつ落ち着きを取り戻してきたと思ったのに、それを無駄にされたのだから
当然担当役所に
担当の本音を言えば
誰だ!!余計な事をしやがったのは!!!
というものであった
節操のない連中は処置なしとしても、農協やあちらの役所には強く、強く
にも関わらずのこの体たらくだ
これで彼女達が自分達を信じる事はもう、ないだろう
----
それから半月後、アタシ達は太平洋に浮かぶある島に来ていた
どうにもお役所側もアタシ達を持て余したのか、こういう場所を用意してくれる事となった
電気などは発電施設があるそうだ
聞けばあのランダルから接収したものらしい
ま、いいけどな
ご丁寧にアタシ達が巡ヶ丘で使用していたやつ
暫くは乗ってきたクルーザーに積んである食糧で繋いで、
なんでもこの島は政府がランダルから取り上げたものの一つらしい
何かあれば専用の無線機で連絡してくれ
との事だ
…ホントあいつ等とは縁があるもんだとは思う
嬉しくなんてないけどな
----
それからの事は然程語る事はない
父さんと母さん、それにアタシと圭に美紀
たった5人だけの歪で、それでも楽しい生活
もうアタシ達を追いかけてくる者も、縛るものもない
そりゃあ、現代社会の生活に比べたら少し不便だけど慣れたら大した事はない
アタシ達はそうやって生きるんだ
此処で死ぬまで
という訳で家族仲良く彼女達『だけ』の世界で過ごしましたとさ
役所とかその他のことは彼女達にとって、どうでも良い事なので
スルーです
湿度マシマシのIFルートりーさん見たい?
-
見たい
-
怖いから勘弁
-
ジェジェノサイドでなければ