いつも貴方がいてくれた事に疑問を持たず、感謝もしなかった
近くにあって、失って初めて気付く
貴方が私にとって、どれだけ大切でかけがえのない
だからこれは罰なのでしょう
貴方と共にいたいと言いながら、貴方を守れなかった私への
治孝は目を覚ました
既に一階は制圧し、そして出入り口は封鎖した
無責任な大人達が溜め込んでいた物資があれば、悠里とその友人達は生きていられるだろう
俺の役割は、人生という長い旅路は終わったのだ
顔見知りがいたとしても、それらを手にかける事に俺は躊躇うつもりもないし、後悔する気もない
だが、自身の汚れた手で悠里を
若狭悠里という少女は新田治孝にとって、光であったのだから
既に血に狂った自分は彼女に相応しくない
寧ろいるだけ、彼女にとって重荷になる
俺は知っている
悠里は俺に構わなければ、もっと『良い高校』や『良い人生』が送れた事を
小中学時代何度も言われた事だ
お前なんかが、若狭さんのそばにいるから
若狭さんを自由にしてあげなさいよ!
若狭さんはもっと良い進路もあったのに、どうして巡ヶ丘を受験するのかしら?
掃き清めた
などというつもりはない。そこまでの余力は既にないのだから
ああ、でも
もしも、俺がもっと悠里に相応しい男だったのなら、或いは
でももう、疲れたんだ
ごめん、ゆうり
俺は最期にそう呟くと、自身の腹を刺した後3階の窓から飛び降りた
万が一にも奴らになりたくはないから
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私はくるみの手を引いて、用務員室に向かった
もう彼女は保たない事が私にも理解出来たから
彼と会って、くるみを落ち着けたかった
でも私のその願いが果たされる事はなかったの
用務員室に彼はいなかった
彼の匂いが布団や枕などに染み付いていた事から彼が此処にいたのは間違いない
だけど、彼は此処にいない
り、りーさん
これって
何かしら?
くるみが何かに気付いたらしく私に声をかけてきた
これは
これを読んでいる時、既に俺は死んでいると思う。でも悔いも恨みもない。この学舎の1階部分の昇降口を始めとした奴らが出入りできる可能性のある場所についてはそれなりの防備を施した。相手が常識外れの火力でも用いない限り突破される事はないと思う。現在外部から侵入出来る可能性のあるのは外部の非常階段からのアクセスのみ。それについても3階の出入り口は封鎖、扉の裏側には即席のバリケードを構築しているので確認して欲しい。2階のみ外部への出入りが出来る様に鍵を保持している。鍵のありかはこの手紙の裏に貼り付けてあるので利用してもらいたい。なお、本学園の地下には大量の食料品や医療品が備蓄してあるので、確認されたし。当学園の教員の一部はこの事態を想定していたと思われる痕跡があり、当学園の校長がこの事態になってすぐ自殺していたのを確認した
教員を盲信するのは危険であると思われる。頭の隅にでも置いておいて貰いたい
3階の女子トイレに彼等に襲われながらもゾンビ化しなかったと思われる女生徒の遺体がある。叶うならば土に還してあげて欲しいと願う
…最期に個人的な頼みとなるが、もしも頼めるのであればお願いしたい。私の幼馴染である若狭悠里が恐らく生存していると思われる。叶うならば彼女を守ってもらいたい
これは完全な個人的感傷に過ぎず、読むに値しないものかも知れないとも思う。必要な事項についての伝達は以上なのでこれより先のモノは全て無意味で無価値なものになる可能性は高い。必要を感じないのであれば、ここで読むのを止めてもらっても一向に構わない
ゆうり、きみはいきてくれ。できればぼくのことなんてわすれてどうか、しあわせに
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どうして!?どうしてなの!?私は貴方がいないとダメなのに!!
悠里は膝をつき、慟哭する
彼と一緒に過ごす為に必要なものを悠里は取りこぼす事なく習得してきた
全ては彼と共に過ごす未来の為
家事全般も護身の為というには少しやり過ぎとも思える力を手に入れたのも。土地の改良から適切な作物を作り、土壌に余計な負担をかけない農業法を勉強したのも
親の元を離れて、世間からも隔離された生活を送る為のもの
だった
悠里は高校を卒業したら、親元を離れて治孝と一緒になるつもりだった。既に知り合いの農家の人達から悠里は仕事の手伝いなどを頼まれてそれなりの資金を稼いでいた
勿論それだけで足りるとは悠里も思っていない
しかし、地方創生と農業従事者を増やす為に自治体によっては破格ともいえる補助金を出すところもあると聞いている。悠里も治孝も車の免許を取得する為の勉強は怠っていない
地方において車が必須である事を農家の人達から聞いていた悠里としても車の免許は欠かす事の出来ないものとして認識していた。それに悠里としても彼と一緒に行ったことの無い所へ出掛けるというのは今まで無い経験となる筈だった
既に卒業後の生活に向けて少しずつだが、動き始めていた
それが悠里の心からの願いだった
若狭悠里という人間のそばには新田治孝という男性がいるからこそ、色づくのだ
そして、この時若狭悠里の世界から色が消えた
それは二度と戻る事はない
彼女の命が尽きる、その時まで
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その後、明らかに精神に異常をきたした悠里をくるみや由紀、何とか持ち直した恵らは支えた
後に合流した圭と美紀とは
「それは、逃げているだけだと思います」
「美紀っ!」
「そんな事、アタシたちが一番知ってるにきまってるだろ!?」
「ねぇ、みーくん。大切な人が死んでて、それを直接見たりーさんの気持ちは多分誰にも理解できないと思うよ?
だってみーくんは何も失ってないもんね?」
「直樹さんの言うことも分かります
でも、今それを口にするという事がどれだけ危険な事かあなたにはわかりませんか?」
美紀はそう言われて口を閉ざすしかなかったのである
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若狭悠里は新田治孝と共に
何故かくるみや由紀に佐倉先生、見知らぬ後輩達は痛ましいものを見る様な視線を向けてくるが悠里と治孝にとってはそれも日常だった
ねぇ、ハル?今日は何をしようかしら?
そうなの?じゃあ今日は私のファッションショーをするのね?
ふふっ、ハルにしては珍しい。どんな私をハルは見たいのかしら?
水着!?
え、ええ。勿論構わないけど、なんていうか積極的なのね、ハル
別に嫌と言うわけではないの、寧ろ私の事を女として見てくれていると分かったから嬉しいわ
え、由紀ちゃん持ってきてくれたの?
ありがとう!
待っててね、すぐ着替えてくるから
…それとも私の全部を見たいのかしら?
ふふっ、冗談よ?流石に私も恥ずかしいもの
でもいつかはハルと一緒になりたいと思うわ。ハルはどう思うかしら?
今はまだ早い、か
そうね。高校を卒業したら何処か遠いところで誰も貴方を知らない、そんな所で貴方と2人静かに暮らしたいと思うの
悠里は幸せだった
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そして、くるみ達は救助された
生存者は
救助隊の隊長が悠里の状態を見て
…本部へ報告
救助したのは6名。うち1人については帰還後報告する
と言ってくれなければ、恐らく悠里は更に壊れてしまっただろう
そして救助されて僅か2日後、若狭悠里の死体が彼女の入院していた病院の裏手にある花壇の中で見つかった
…屋上から飛び降りたらしく、即死だったと思われる
しかし、その死に顔はその凄惨な状態とは裏腹に笑顔だった
ごめんなさいね、ハル。待ったでしょう?
そんな悠里の声をくるみ達は聞いた気がした
光「少し長期休暇取るわ」
闇「仕方ねぇな。仕事するか」
という訳でりーさんとハルが再会する事なく死に別れたバージョンです
この場合、りーさんがゆきちゃん化してしまい何も正常に認識できなくなります
元々この路線で考えていたのは内緒ですが
湿度マシマシのIFルートりーさん見たい?
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見たい
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怖いから勘弁
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ジェジェノサイドでなければ