正しくあろうとする者
諦観の中で命を落とす者
自身の歪みを自覚して尚進もうとする者
思惑は交錯し、舞台の幕は上がる
これより始まるは
それとも
これより始まるは
時は少しだけ遡る
「あら?新田くん
また手伝ってくれるのかしら?」
「暇だしなぁ。図書室に籠るより若狭さんみたいな美人と一緒にいた方が有意義だと思って来た」
「そうなのね
…ねぇ、新田くん。私は別に構わないけど、そういう事を貴方は口にする様な人だったかしら?」
「どうだろうなぁ
まぁ色々あったからって事にしといて欲しいんだが」
「ふふっ、私としては園芸部に入って欲しいのだけど。無理強いは出来ないわ
それに入部してないのにそれでも手伝ってくれる新田くんの事、頼りにしているのよ?」
放課後、治孝はくるみの部活が終わるまで暇だったので、園芸部の手伝いをしていた
…まぁ、正直な話としてはくるみを待つ時間自体が無駄でしかないと思っていたりするが、まぁそれもあと2年程度の話だ
そう思えば
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家にいたところで、母や妹が煩いだけの事
学校と然程変わりはしない
…いや、寧ろ肉親であるからこそ、余計に腹が立つ。ともすれば苛立ちも限界に近くなる事もある
許されるのであれば、既に
唯一俺を見ているであろう親父は所謂『出張族』と言われる人であり、家にいるのは精々半年どころか一、二か月程度
母はそれを気にしてない風を装っているが、本気で気にしていないだけだろう
妹は部活や友人と遊びに行くから知らないだろうが、良く『男を連れ込んでいる』のを俺は知っている
それを俺が妹や親父に言うのを恐れてか、母は妹に対して俺の悪い所ばかりを言っている様だ
元々多感な年頃である妹だ
アイツがまだ小学生の頃は良くゲームなどで一緒に遊んでいたものだが、まぁその辺は仕方ないと諦めよう
妹が俺の事を嫌えば、幾ら俺が妹に何を言おうとも信じようとはしないだろうからな
親父とて、妻からだけならまだしも、娘からも俺の悪評を聞けば態度が変わる
はっきり言って
それでも、まだアイツらよりマシなのだから本当に嫌になる
母も妹もくるみも
そして何よりも
それだけ不満を持っていながらも、それを口に出そうともしない
植物は良い
手をかけた分、キチンと返ってくるから
仮にそれで戻ってこなかったとしても、それは育てる側に問題があっただけの事
だから俺は園芸に興味を持った
偶々図書室で園芸についての本を読んでいた時の事
「ねぇ、もしかして園芸に興味があるのかしら?」
そうあの日若狭さんは俺に声をかけてくれたのだ
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『高校を出ないと就職にも厳しい』
そう言われたから、俺は近所の此処を受けた
地味に敷居の高い此処なら、中学の時色々とやってくれた連中が入ってくる事はまずないだろうからな
何せ嬉々として俺をいたぶっていた連中だが、担当の奴は論外だったが他の教員やよそのクラスの連中は見ていた訳で
当然そいつらの内申点は『見るも無惨』の一言だったらしい
本来3年間担任は変わらないのが出身中学の基本だったが、3年の時担任が変わった
聞けば『自主退職』との事だったが、んな往生際の良い教師でない事など俺はよく知っている。クビになったんだろうさ
学年主事に問いを重ねると
「…君には本当にすまない事をしたと思っている
謝ったところで何一つ解決するわけでも、君の傷が癒えるわけでもないだろうが
…すまなかった」
と頭を下げてきたものだから正直驚いた
「別にもう気にしてないですよ
どうせウチの母に言ったとしてた無駄に騒ぐだけですし、俺が態々大騒ぎするつもりはありません」
「…何故かね?」
「元より期待してないんですから、今更ですよ」
俺の言葉を聞いた学年主事はかなりショックを受けた様だったが、謝らなかった
既に3年目となる生徒側からすれば、いつもの事
だが、当然クラスのやり方が歪である事を理解している新しい担任は幾度となく『注意を呼び掛けた』
勿論、俺と態々話をする機会を設けてまで
流石に『受験を控えた』とあって女子どもはあっさりと手を退いた。まぁ『担任が変わる』なんてこれ以上ない警告だからな
勿論形ばかりの謝罪は受けたけど
「へぇ、謝って済むと思ってんだなお前ら
じゃあ誰か一人俺が受けた仕打ち受けてみろよ?…そうだな、それを1ヶ月でも耐えれたなら
と言った時のアイツらの顔は見ものだったなぁ
当然俺の言葉に『俺が全く許してない事』に漸く気付いたのか、必死で謝り続ける奴もいた
言うまでもなく、前任の
当然過去2年間のクラス内の事の洗い直しが担任や学年主事が中心となって行なわれた
他のクラスからすれば、それこそ『不愉快極まりない事』だった様で出るわ出るわ
下校中に俺が受けた仕打ちまで学校側に判明したらしく、校長室にまで呼び出されて丁寧に謝罪された
ま、そりゃそうだろうよ
『
1番問題のあった元担任は放逐したらしいが、俺が少しでもその口を開いてしまえば、
生徒側は知っていた
なのに学校側は知らなかった
んな頭の悪い言い訳が通るはずもない
別にそんな
当然学校側からのウチのクラスのこの件に関わっていた連中に対する心象は最悪
部活などで結果を残していた連中もいたが、その部活の顧問もかなり問題にされたらしい
「どうなるんだろうな、ハル」
「あ?散々火種や油を撒いて回ったのはアイツらだ
まさかいざ受験の時になったら帳消しになるとでも思ってたなら、とんだ笑い種だろうよ?
さぞや大きな火炙りが見られる事だろう」
勿論、その燃料はアイツらがこの2年間でしてきた事
身体中に纏わりついてて、取れる事は決してない。あるとすれば『俺が許す』事だが、生憎とやられた側は怨みつらみを
自分達が見せ物になる気分ってのをしっかり噛み締めると良い
結局、連中の中に成績優秀者も何人かいたが誰一人として『推薦枠』に入る事はなかったそうだ
部活に打ち込んでいた連中は『結果を出したんだから学校推薦は固い』と思っていたらしく、勉強の方は完全に手抜きであった
元々成績の良かった者達は怯えながら、俺に進路を聞いてきた
そりゃそうだ
せっかく高校に進学しても
ま、尤も
「なんでお前らに教えなきゃならんの?」
となる訳だがな
何せそいつらは成績優秀者。本来『学校推薦が取れてもおかしくない』成績を残している
…となれば、受験される側も不思議に思うだろう
「なんでこの子推薦で
と
そうなると恐らく調べるだろう
何せ『成績が優秀なのに推薦出来ない理由』があるという事でもあるのだから
高校側としても『問題のある生徒』を好んで受け入れたいとは思うまい。それ故の面接だ
加えて、受験ともなれば『親も無関心ではいられない』
家でどれだけ良い子にしていようとも、学校で
まして、知らなかったとは言え2年もの間放置していたのだ
それはそれで面倒ごとになった訳だがな
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「どちら様ですか?」
「…この子の母です
本当に申し訳ありませんでした」
どうやら余程堪えたらしく、クラスメイト殿は顔を上げる事すら出来ないご様子
その母親は必死で
(いやホント
謝って許してもらえるなんてカケラも思ってないだろうに、それでも頭を下げ続けなきゃならん。しかもこんなガキに)
受験を控えた夏休みの終わり頃から、この手の呼び出しが増えていた
何せ俺自身が
「別に母に謝罪しても構いませんよ?
その代わり、こっちも
今更母親ヅラして学校にあの女が来るなんて、吐き気すらするわ
だから、学校側には釘をさした
それはもう特大のものを
当然学校側を通さねば、俺の連絡先すら分からない
まさか態々調べてまで家に押しかけるなんて事を相手が出来るはずもない
『謝罪する相手』から悪感情を更に買うなぞ、あり得ないのだから
言うまでもないが、今夏中学最後の大会であっても連中のコンディションは控え目に言って最悪だったそうだ
何せ自分達の3年間の努力や結果が殆ど評価されない可能性が高いのだから
…まぁ、全国一とか全国上位とかになれば可能性はあるかも知れないけど
メンタルが安定しないアイツらにできる訳もない
もっとも俺が『許した』としても、アイツらがそれを額面通りに受け取れるはずもないんだがな
夏休み前の期末テストも振るわなかったらしいし、さてどうなるのやら
勿論相手の謝罪の言葉を聞いた上で俺は言ったよ?
「こんな子供相手に真摯な対応ありがとうございます
ですが、私が娘さんを許す事はないと思いますよ?」
とね
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ま、そんなこんなでアイツらはこの高校に通う事は無かった訳だ
夏が終わってからのクラスの雰囲気は控えめに言って
何せ元々俺をいたぶっていた奴に対する他の連中の視線は下手すりゃアイツに穴が空くんじゃないか?と心配になるほどの物だったからな
「クラスメイトの視線を独り占めとか、羨ましいねぇ
…で、どうよ?周りから害意や悪意をぶつけられる気持ちってのはさ?以前俺に言ったみたいに笑えよ、ほら?」
としっかり心配しておいたが
「ああ、それと自殺しようなんて考えんなよ?もしそんな事したらお前が俺にした事全部話すからな?あと半年程の間、
被害者ぶるなんざ認めねぇよ?
お前が俺にした事。それがお前に返ってきただけだ
なぁに、たった半年程度
2年間味わった俺に比べりゃ優しいもんだろう?行き過ぎれば担任も止めるだろうし
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「…あら?何かあったのかしら」
屋上で色々と若狭さんとしていると異常に気がついた
「えらく騒いでいるみたいだな
若狭さんはここに居てくれ。様子を見に行く」
「ダメよ、新田くん。危ないわ」
いやまぁ、若狭さんの気持ちは嬉しいけど
「何も知らないでは、対策の取りようもないだろ?
大丈夫、大丈夫」
「ダメ。それは大丈夫じゃないと思うわ、私」
と若狭さんは俺の手を握って行かせるつもりはないらしい
「だけど」
「あ、りーさんにはーくんだ!
何かあったの?」
…出たよ、この天然ほわほわっ子が
俺が内心脱力していると
「ま、待ってください!」
と慌ただしく屋上へと来た人物がいた
俺は思わず
「はぁ、よりにもよって佐倉教諭か。大丈夫かよ?」
とぼやいてしまった
「…確かに不安ね。佐倉先生ってあまり突発的事態に対応出来るイメージがないし」
更に面倒な人物が屋上に現れた事で思わず口に出た訳だが、それで咎められると思った。しかし、どうやら若狭さんもあまり佐倉教諭に好意的ではないらしいぼやきとも取れる呟きが耳に入ってきた
(大丈夫なのかねぇ?)
ハルとしても大人、取り分け教師というものに然程期待はしていない
が、だからとて『猫の手も借りたい』状況下で態々遊んでいる者などを認めるつもりもない
何も出来ない、しないのてあればそれ相応の対応をさせてもらうだけの事
それで佐倉教諭がら反発されたとしても、それはそれで良し
精々
それが本人にとって何になるのかまでは知らないが
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聞けば佐倉教諭の同僚から「屋上に避難した方が良い」と連絡を受けたらしい
丈槍はその時偶然居合わせたそうだが、ほぼ間違いなく補習だろうとは思う
流石にそれを指摘する気にはならないが
若狭さんもどうやら理解したらしいが、あえて指摘するつもりはないらしい
ま、それを指摘して真実だとしても現状何一つ良い事ないだろうからなぁ。
くるみの奴大丈夫かね?
部活に出てる時間だろうし、心配ではある
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確かにくるみとの距離は離れてしまったものの、流石にいつまでも
勉強はそれなりには出来ると思っているが、学校というのは妙なもので本分である勉学よりも寧ろそれ以外にひいでている方が何かと衆目を集めやすい
幼馴染であるという贔屓目を抜きにしてもくるみは美少女であり、健康的な魅力に溢れている
その上、なんだかんだ言って面倒見も良い。さばさばした性格ながらに少女としての顔をしばしば覗かせるのだから、ギャップ萌えとやらに該当するのだろう
スタイルについては、…まぁそのなんだ
言わぬが華であろう
個人的にはとても良いと思うのだが
とはいえ、くるみを振り向かせられなかったのは他ならぬ自身の行ないによるもの
くるみが誰かを想う事をどうして止められようか?
彼女を幸せにしたいと大それた事を思わなくもない
が、自分ではまるで足りないのも事実なのだ
…我ながらどうしようもないとは思う
未だ自分との距離が近い事を変えようとしない
本当に
本当にどうしようもない男だ
治孝はそんな己を嫌悪していた
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「で、どうするのさ?」
新田くんはそう切り出した
「…どう、とは?」
佐倉先生は疑問の声を返す
…ああ、駄目ね
不安そうな表情を隠そうともしないなんて
丈槍さんも不安そうな顔をしているのが分からないのかしら?
私と新田くんは多分『他人に対する興味が薄い』
だからさして動揺もしないわ
新田くんも分かりにくいけど、明らかに表情を歪めているところを見ると余程見るに耐えないと見ていそう
新田くんは見ない方が良いと言っていたけど、私って結構視力は良いのよね
だから見たの
人の形をした
衝撃的だとは思ったわ
恐ろしくもね
でもそれだけなの
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私、若狭悠里にとって、ここ巡ヶ丘の生活は特に思う事はなかったの
つまらないとは思わないわ。でもだからといって楽しいとも思えない
将来の為に高校卒業くらいはしないと難しい
だから、通っているくらいだったわ
せっかく園芸部に入ったけどほぼ廃部直前だった。殆どの人には興味すら持ってもらえない
分からなくはない『植物を育てる』というのはことの他根気のいる事であり、あまり人気があるものではないかも知れないのだから
だからこそ、偶々図書室で園芸の本を読んでいた新田くんに思わず声をかけてしまったのだけど
新田くんは幼馴染さんの付き合いで早朝登校する上に放課後も時間があるらしい
ならばとダメもとで話をしてみたところ「正式な部員でないのなら」という話だったけど、活動に参加してくれる事になったの
それでも名簿に名前を書いてくれる上にほぼ毎日参加してくれるのだから、普通に部員じゃないのかしら?とはいつも思っている
新田くんの幼馴染、胡桃さんの事は知っている
…いえ、正直興味はなかったわ。新田くんの幼馴染と知ったからマトモに意識したと言う方が正しいわね
陸上部の先輩に想いを寄せているらしい
…なのに、いつまでも新田くんを振り回している嫌な女
そうでない事くらい、私にも分かる
でもね?
周りに誤解されたままにしているのは間違いなく貴女の落ち度なのよ?
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恵飛須沢胡桃さん
私はまるで興味なかったけど、どうにも学年でもそれなりに人気のある女子らしかった
一応、クラスで孤立しない程度には人付き合いをしているから彼女の話を聞くのは容易かったわね
『いつも明るく活発な女子』
聞いた話をまとめるとこんな話だった
そして、大体話の中に同じ陸上部の先輩に恋心を抱いているという話が付いてくる
…別にそれ自体は構わないとは思う
でも、周りの人達はともかくとして一番誤解を受けては困る筈の新田くんの誤解を解かないというのは正直なところ理解に苦しむ
新田くんからすれば『やる事もないのに』朝早くから放課後遅くまで付き合わされている訳で
それに対しての扱いとは到底思えない
新田くんはしきりに下、正確には陸上部の活動している場所を気にしている様に見える
多分胡桃さんの事を気にかけているのだとは思う
でも、行かせないわ
はっきり言って、この異常事態だ。誰を頼るか?何に縋るか?
その選択を間違えたなら、命はないだろう
…いいえ、命が無くなるなら
あまり嬉しくはないどころか、嫌悪感しか抱かないのだけど男子生徒や教員の中にもさり気なく私の胸を見てくる人達がいるのを知っている
こういう極限状態に陥った場合、人は容易く倫理観や常識を『
新田くんもそういう視線を私に向けた事がないとは言わないわ
でも、彼の人となりを知っているだけ私は気にするつもりなんてない
結局のところとして、そういう感情を抱かれて不快に思うか思わないか?
それだけの事だと思っているわ
そう、私は新田くんに他の男子に対する気持ちと異なる気持ちを抱いている
本当なら、ゆっくりと少しずつ距離を詰めていくつもりだったけど
『予定は未定』とはよく言ったものね
…先ずは2人程邪魔になりそうな人がいるけど、どうしようかしら?
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なんだってんだ!?
みんな正気を失ったみたいにふらふらと!
なのに足音を立てたりするとそっちにゆっくりと近づいてくる
アタシは今学校内でハルを探して回っている
しまったと今更ながらに思う
アタシが部活動している間、ハルが何をしているか?
それについてそこまで深く聞いた事がなかったから
ハルの性格上、教室はあり得ない。となると図書室かと思ったが、居なかった
…そういや園芸部?だったか、そこでハルの姿を見たって話があった様な気がするな
けど、今更校庭に戻るのは
「…流石に難しい、よな」
無理とは思わないが、嫌な予感がするのは事実
創作の世界ではこの手の状況において、様子のおかしくなった連中に噛まれたり傷をつけられるのは感染のリスクがあるとされる事が多い
勿論、現実と創作が同じとは思わないがそれても参考にするべきだろう
くるみはまだ人でいたいのだから
「…そういや屋上でも活動してるって言ってた、ような?」
くるみにとって、春先の部活動紹介はさして興味のない話であったからそこまで真面目に聞いていた訳ではない
が、意外だったので記憶に残っていた
「仕方ない、とりあえず行くか
誰もいなかったとしても上から見ればハルを見つけられるかも知れないしな」
くるみは幼馴染のハルが死んでいるなどとは思わない
いや、思いたくない
もし、最悪彼が死んでいたり既におかしくなっていた場合は
「ま、そん時は一緒に死んでやるさ
いっつも振り回してばかりだったんだ。そのくらいはしないとな」
既に部活のメンバーの事など頭の隅にしかない
寧ろ、陸上部のメンバーは自分とハルの仲を引き裂こうとする敵に見えてきていたのだからくるみからすればどうでも良かった
「しっかし、どうするんだ。これ?」
明らかにマトモではない状況。既にその辺にあった箒で彼等を何度か振り払ってはいるが動きこそ鈍いものの、しぶとい
階段から叩き落とす事も考えたが、その場合階段の踊り場などに死体の山ができてしまう事を考えるとどう考えてもヤバそうに思えた
が、かといって倒さないと中々進めないのだから、面倒な話でもあるのだ
「…くそっ、どこにいるんだよ」
はっきり言おう。くるみにとって、こんな訳のわからない状況になって一番最初に頭に浮かんだのは家族でも部活の友人達でも先輩でもない
幼馴染であり、傷付けた治孝の事だった
いや、それ以外なんて思い浮かぶ事すらなかったとさえ言える
恐らく他人からすれば自分勝手以外の何者にもみえないだろう
くるみだって、こんな身勝手な人を見れば顔を顰める事間違いない
でも
それでもくるみはハルが好きなのだ
くるみ自身不器用故にそれをキチンと伝えきれていないが
だから
「ハル、無事でいろよ」
くるみはハルを探すのだ
周りの有象無象など気にもかけない
邪魔なものは誰であろうと何であろうと
殺すだけなのだから
愛を求めた少女
愛を諦めた少年
非日常の中で絡まり、歪む
行き着く先は破滅か
それとも
湿度マシマシのIFルートりーさん見たい?
-
見たい
-
怖いから勘弁
-
ジェジェノサイドでなければ