崩れゆく理性と常識
その中で少女達は何を見る?
屋上に鍵をかける
佐倉先生はそう言った
危険を遠ざける為なのはわかるのだけど、良いのかしら?
それはつまり
今屋上にいない人達を見捨てるという事なのに
まぁ、私としては異論などありはしない
元より此処で親しい人なんて新田くんくらいのもの
気にするつもりなんて、ある訳がないものね
ただ、その選択の重さに佐倉先生が耐えられるのかどうかは気になるところ
私は学校にも教師にもそこまで期待していない
確かに生徒の為を思って日々努力されている教師もいる
別に私は学校や教師全てに役立たずとも思わないけど、少なくとも私の知る限りの学校や教師はマトモとは言い難いものだった
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私はあまり認めたくもないが、異性から見るとその手の感情を持たれる様な容姿らしい
仕方のない事ではあるとはいえ、生徒だけならいざ知らず教師の中にもそれを隠しきれない者がいた
良くある話かもしれないが、体育教師に中学の時指導の名目でお尻や胸を執拗に触られた事すらある
勿論私は抵抗したし、その後担任にも相談した
でも何も変わらなかったわ
翌年その教師は他所の学校に転勤になったが、それを聞いた私は愕然としたわね
「彼には厳重注意をして、今後改善すると約束させた」
校長からそう聞いた僅かひと月後には同じ様な事をした人物だ
そんな教師が別の学校に行ったからとて自身の行ないを改めるとは思えない
その時点で私は学校や教師に期待する事の無意味さをはっきりと理解したの
此処巡ヶ丘の教師達は私からすればはっきり言えば胡散臭い事この上なかった
佐倉先生はその中では
そもそも教師が生徒の視点から学校を考えようとするのは素晴らしい事だが、何事にも限度がある
『教師は教師』であり、生徒達に注意したり教えるのが役目
めぐねえなどと呼ばれているが、それは決して生徒達の好意からだけのものではない事を彼女は理解しているのだろうか?
確かに佐倉先生を慕い、それ故にそう呼ぶ生徒もいる
しかし、その一方でそうではない生徒もいる
つまり
「佐倉先生
そういった侮りの考えだ
確かに佐倉先生は教師としては少しばかり頼りない部分があるのも事実
しかしそれでも彼女は教師なのだ
この場合、佐倉先生の立ち位置と生徒の甘い考え双方に問題があるとも受け取れる
が、子供というのは良くも悪くも大人の日頃の態度などを良く見ているものだ
言い方は決して好ましくないが
『隙を見せる方が悪い』
といえなくもないのだろう
佐倉先生は善性の人物である事は私にも分かる
だからこそ
(こりゃダメだ)
と言わんばかりに肩をすくめている
「佐倉先生、良いんですか?
鍵を閉めるって事は此処にいる生徒以外を切り捨てる事になりますよ?」
と新田くんは佐倉先生に残酷な現実を突きつける
「そ、そうかも知れません
でも私は先生なんです。本当はみんなを助けられれば良いのは分かっています
…私にそれだけの力があれば、ですが
後でどれだけ批判や非難されようとも構いません。先ずは此処にいる人達の安全を最優先にします」
「…仕方ないですね。分かりました
自分と若狭さんは屋上の設備がどれだけ使えるか確認してきます
丈槍さんは」
「ゆきでいいよ?私もハーくんって呼ぶから」
今まで完全に聞き手に回っていた丈槍さんは新田くんにそう言った
…これはまたとない
「なら私の事も悠里と呼んでほしいわ
多分直ぐに収まるとも思えない。なら出来る限り仲良くすべきじゃないかしら?」
「…解せぬ」
まさかの私からも要求されてしまい、新田くん
いえハルくんは顔を顰める
でもこの状況下でお互いの距離を詰めることがどれだけ望ましい事かを考えたのだと思う
「分かった
とは言え、慣れるまで時間が欲しい」
「うん、よろしくね。はーくん」
「ええ、それで良いわ
よろしくねハルくん」
ふふ
余りあてにしてなかった丈槍さんのお陰でまた一つハルくんとの距離を詰められたわ
…もしかしたら、丈槍さんは
「じゃあ、私これからりーさんって呼ぶね」
「ええ分かったわ。それじゃ私はゆきちゃんって呼ぶわね」
…考え過ぎかしら?
とはいえ余り油断出来る相手ではないかも知れないわね
私は丈槍さんに対する警戒を引き上げて、これからどうするかを考えつつ新田くんの言葉を待った
「あー、んじゃ丈
…いや、ゆきは佐倉先生と一緒に居てくれ
もしかしたら生存者が屋上まで来るかも知れないからな」
「うん!」
「分かりました
でもどう判断するべきなのでしょうか?」
「簡単な問答くらいはしなきゃならんだろうな
下の状況を見るにどうも動きが緩慢に見える
思考もそれ相応に鈍っている可能性は高いんじゃないか?」
「だから簡単な問答なのね」
慣れるまで時間を稼ごうといたハルくんだったけど、どうも丈槍さんにはそれが通じないらしい
ハルくんは丈槍さんと呼ぼうとしたみたいだけど、彼女の『私不満です』と言わんばかりの表情に彼が折れた
…なるほど
ハルくんはやはりというべきか押しには弱いらしい
(侮れないわね、彼女)
また一つハルくんの事を知る事ができた事に内心では喜びながらも、一方で彼女がもしかしたら脅威となり得るのではないか?との疑念が更に高まった
私は少しだけ悩みながらハルくんと共に屋上の設備の確認をする事となった
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やっぱり最初考えた通りに屋上へ1番先にいくべきだった。とアタシは少し前の自分の判断を悔やむ
校舎内には様子のおかしい連中がわんさかいるし、何を考えてるのか悲鳴や怒号がほんの少し前まで聞こえていた
(悲鳴あげたからって助けが来る訳でもないだろうに)
アタシはハルの受けた仕打ちを見て一つ学習した
正しさなんて状況によっては紙屑以下の価値しかないという事を
元々先輩との噂を広めていた連中やアタシの意思なんて関係なく面白半分に話していた連中にそれを静観していた連中
箒で距離を取り、シャベルで頭を殴打する
ハルと会うのに血塗れなんて流石に遠慮したいからな
…まぁ、ハルに
何ならハルと2人っきりで生活するのも悪くないかも知れない
…あー、でも食料とかを考えると辛いか?
アタシとしてはハルの臭いなら大歓迎だけど、流石に汚れたままの自分をハルに見て欲しいとは思えない
「足らないものが多過ぎるのもアレだなぁ」
くるみにとって、世界とは自分と治孝のみが居れば良い
しかし、生活を送るには不本意ながら他者の力が必要なのも理解している
最悪学校自体を封鎖して要塞化すれば当面の脅威には対抗出来よう
しかし、食糧や物資、水や電気などについて何処まで保つのかは不明
「ハルに近づく奴は正直居てほしくないけどなぁ
でも、だからって男子が好ましい訳でもないんだから困りものだよな」
治孝は実際に深く付き合わないとその良さが分かりにくいとくるみは考えている
故に好意を持つという事はそれなりに治孝の事を知っているという事
そうなると離れないだろう
だが、自分に対して汚い欲望の目を向けられるのは嬉しくない
ましてやハルのいるところでそんな視線を向けられたとなれば
そいつを生かしておける自信がない
人手はいる
でも同性も異性も嫌
「…あーあ
ホント面倒な女だよなぁ、アタシって」
くるみは思わず顔を顰める
因みに色々思考を回しているが、彼女の歩みは一切止まる事なく
目的地は屋上
購買や食堂に寄ることも考えたが、それなりの数がいる為に断念
せめて自分の
…余談ではあるが、ハルに
「あーもう
せっかく今年こそは温水プールにハルを誘おうとしてたのにどうしてこうなるんだか」
今年でくるみ達も三年生だ
進路を考えなければならない時期
はっきり言って勉学の点において、くるみは治孝の足元にも及ばない
くるみとて理解している
くるみにとって治孝はなくてはならない存在
だが、治孝にとってくるみがそうであると思っていない
確かに人付き合いは苦手だし、他人を信じようともしない
が、家事全般は人並みには出来るし自炊も出来る
くるみが居なくとも治孝は生活が送れるのだ
焦りは人を容易く狂わせる
ましてや既に日常は崩れたのだ
その毒は少しずつだが確実に人を蝕む事となる
屋上への階段にアイツらの死体があったら困る
主に衛生面で
故にくるみは無理のない程度に片付けながら、屋上への階段を登って行った
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誰も来ないで欲しい
情けないが、それが恵の本音だった
何せ新田くんから突きつけられたのだ
「アンタは他の生徒達を見殺しにするんだ」
と
分かっている
そう口から反論が出そうになったが、彼の目を見てそんな事を言えなくなってしまった
冷ややかな、そしてどこまでも昏い目
学生時代にも教員になってからも見たことがない恐ろしい目だ
その目が言っていた
「アンタは本気で命の選択が出来るのか?」
と
本当なら、私が色々と話をしたり今後の事を考えなければならない。大人で彼等の
…でも出来なかった
出来たのは『
私はそれだけしか出来なかったのに、新田くんと若狭さんは屋上の設備の確認に向かっている
言われたから思い出す
屋上にもそれなりの設備がある事を
そして気になる事が
「めぐねえ、大丈夫だよ
はーくんもりーさんもめぐねえの事を心配してるんだから」
…そうなのだろうか?
「ほら、話をしてみないと何も分からないよ」
「ありがとう丈槍さん
今度話をしてみます」
丈槍さんは私を励ましてくれている
…もっとしっかりしないと
私は内心自分を叱責すると気を引き締め直した
そこに
ドンドンドン!
「誰かいるのか?」
と屋上への扉を叩く声がした
という訳で屋上という舞台に役者が揃い始めました
今のところ致命的な崩壊に繋がる事はありません
…今のところは、ね?
なお、くるみからりーさんへの敵意よりも
りーさんからくるみへの敵意の方が高かったりするのは仕様です
現在りーさんは登場した全ての女子や女性に対して敵意を持っています
どうにかしないと〇れます
湿度マシマシのIFルートりーさん見たい?
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見たい
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怖いから勘弁
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ジェジェノサイドでなければ