さて、みんなの情緒を破壊していくとするか(ど畜生)
という訳で閲覧注意です(今更)
「とりあえずお伺いしたい
佐倉慈教諭。貴女はコレをご存じで?」
治孝はそう言ってマニュアルを慈に見せる
「そ、それは」
慈は口籠る。見た事がない
などと慈が言う訳もなかった。彼女が此処に赴任してきた時、先輩教員から教えて貰った『非常用のマニュアル』なのだから
かと言って生徒達に嘘を言えない。いや言いたくない
佐倉慈は紛うことなく善性の人間であった
だが、状況を考えるとそれは悪手であると言わざるを得ない
この状況で見た事があるというのは『中身を理解している』と受け取られかねないのだから
「…中身はご存じで?」
明らかに慈を見る目に敵意と隔意が出てきた悠里と貴依に気を配りながら治孝は問いを重ねる
現在の状況下において、曲がりなりにもこの高校の教員であった慈の存在は交渉の窓口となり得る。
…可能性もあるのだ
治孝自身は慈の事を毛嫌いしているし、なんなら役立たずとして速やかに
いや、同族を不必要に殺すのであれば獣以下の存在と成り果てるだろう
(聞き方が悪かったかも知れんなぁ。とは言え、俺もそこまで精神的に余裕がある訳ではないんだが
…どうしたもんかねぇ)
血に染まった木刀を片手に持ちながらと治孝はその見た目とは裏腹に内心では盛大に愚痴っていたりする
なんだかんだと言って、疲れているのだ
別に奴等を処理するのに疲れたのではない。
基本的に治孝はくるみと関わるだけでほぼ世界は完結していた
それ以外については良くも悪くも無頓着であり、つい最近になってようやくそこに悠里が加わっただけなのだ
言い方は宜しくないが新田治孝という人物は『他人との距離感が上手く測れない人物』砕けて言えば『コミュ障』な部分がある
とは言え、この状況下で何もかも投げ捨ててしまうには治孝は悠里との関わり合いの中で多少なりとも『人の善性』を信じられる様になってしまった為に無理だった
それこそ中学の頃までの治孝ならば此処にいるくるみ以外の全員を殺した上でくるみと2人きりの生活を楽しんだだろうが今は違う
他人にさして興味がない事は変わらない
が、それでも自分に近しい人は守ろうとする意志が彼の中に芽生えたのだ
…それが良い事なのかどうかはさておいて
であればこそ、多少不満があったとしてもそれを飲み込む事くらいはせねばならないと己に言い聞かせていたのである
その代わりにかれらにはその分の鬱憤ばらしをさせてもらう事になるだろうが、まぁ『死者に口なし』とも言う
その辺については相変わらずドライな思考であった
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「…中身はご存じで?」
新田くんの質問に私は素直に答えます
…気のせいかも知れませんが、目の前にある血塗れの木刀を持ったまま無表情でいる新田くんよりも
後ろに無言で立っている若狭さんや柚村さんの方が怖い様に感じます。なんというか、首筋に冷たいものを当てられているかの様な恐ろしい悪寒がする気がするのです
「見た事はありません
非常時に開封しろといわれていたもので」
…恐らく職員室にコレがあった事で彼女達は教員に不信感を持ってしまったのだろう
仕方のない事だが
「では現実を直視して貰いましょうか?
…ああ、目を背けるのは自由ですよ?」
新田くんはそう言うと
「つう訳でもう拘束せんでもええよ」
と後ろの2人に声をかけます
「わかったわ、ハルくん」
「OK」
私は拘束を解かれ、ソレを見る事になりました
この学校がどれだけ罪深い存在であり、守るべき子供達の事を何とも思っていないのかを私は嫌でも知る事になったのです
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「『視覚、聴覚による他者の精神状態の把握方法』
胡散臭いタイトルだったが、読んでおいて正解だったな」
「…そんな本うちの図書室にあったかしら?」
「なにその明らかに地雷臭のするタイトルは」
マニュアルを青い顔をしながらも、しっかりと読んでいる慈を観察している治孝はふと呟く
それに対して悠里と貴依はそれぞれ思った事を口にする
現状、屋上のメンバーとして実働戦力なり得る彼女達と治孝は話し合った
「この場合何においても危険なのは沈黙だろうな」
「…ええそうね。したり顔で後から「こうすれば良かった」「それは違うと思っていた」などと言われた日には完全に集団としてのまとまりはなくなるものね」
「確かにそれは不味いよねぇ
下手すれば誰かの命がなくなる可能性もあるんだし、意見は出し尽くした方がまだ後腐れなく話が進むだろうし」
治孝はそう切り出すと悠里も貴依もそれに同意する
「自分の意思を示す
それが出来なきゃ多分生き残ることすら覚束ないだろうと俺は思う」
「流されてばかりでは大抵碌なことにならないものね
自分の行動や発言にも責任が伴う。そうしなければ軽率な発言や行動にも繋がりかねないものね
私はそれで良いと思うわ」
「私も言うまでもなく賛成
私自身ことなかれで過ごしていたなら、この場に生きていなかっただろうし」
黙認という言葉がある
沈黙とは、基本的に自らの意思表示を放棄した様なものである。そう少なくとも治孝、悠里、貴依は共通の認識で一致した
故に3人は何かを話す時、必ず言葉を重ねる事としていたのである
まだ由紀やくるみとその辺は話していないが、由紀は貴依が
くるみは治孝が
それぞれ話をする事で何とかなると思われている
悠里?
彼女は慈の
「まぁそれはともかくとして佐倉教諭はどうやら知らなかったらしい。と言うのが俺なりの結論だ」
「…まぁそうよね」
「なんか納得いかないけどね」
治孝の言葉に渋々同意する悠里と貴依
あそこまで顔色を悪くしたり、明らかにストレスから来ているであろう吐き気の兆候もあったのだ
寧ろあれが演技ならば是非ともに銀幕スターでも目指すべきだと3人は思っていた程なのだから仕方ない
治孝と悠里は過去の経験から
貴依はこの様な状況になる事を学校関係者が事前に知っていた可能性が高いという事で不信感を強めていた
まぁ無理もないだろう。貴依はそれこそ本当にギリギリだったのだから
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(こんな、事って)
佐倉慈は込み上げてくる吐き気を何とか抑え込みながら、マニュアルを読み続ける
このマニュアルの製作者であるランダル・コーポレーションは知っていたのだ
この様な事態が起きるであろう事を故に此処を重要拠点の一つとして定め、設備や物資の備蓄をしていたと言うのだ
醜く、悍ましく、そしてなんて身勝手な事だろうか?
生徒達を教え、導くのが自分達教職員の務めではないか?
慈の中で様々やり場のない感情が暴れ回る
…しかし、現実は非情だった
何も出来ない、しようともしない自分はこうして俯いているだけ
その間に新田くんは何度も命をかけて生き残る為の行動をしていた
恵飛須沢さんも命からがら屋上まで来た
何が教師だ
何が大人だ
何一つ責任など果たしていないではないか?
だから慈は決意した
「私も、新田くん
…いえ、治孝くんの様に戦います」
逃げるのはやめよう
誰かに縋り続ける弱い自分を此処で終わらせよう、と
なお
「あ、そういうのは別に良いんで」
治孝からはあっさりと拒否される模様
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あー、そっちの方に振れたのかよ
…面倒くさいなぁ、ホント
治孝は急にやる気を出した慈を見て、心底面倒になったと内心苛立っていた
やる気を出すのは寧ろ歓迎するが、はっきり言って邪魔にしかならないだろうと思っている
躊躇えば死ぬのは自分なのだ
確かに吹っ切れた様にも見えるが、その根底にあるのは『
正しさを求めるならば、残念だがこの状況下では死ぬ他あるまい
一時的には戦力になるかも知れないだろう
が、必ず何処かで
何せ
教員ならまだどうにかなるかも知れないが、
…はっきり言うと、別にそれはそれでこの女の選択の結果だから構わないと言えば構わない
が、既に集団の中の一員として認識されている以上、彼女の離脱は少なくとも丈槍あたりにとってかなりの精神的なダメージとなる可能性はある
くるみは最悪の場合、自分に溺れさせる事で何とかなる
…いや、何とかせねばならないだろうが、丈槍はそうではない
可能性でしかないとはいえども、それによる未来が好ましくないのであれば出来うる限りはそれを避けるべきであると治孝は考えている
故にこの女は前線に出せない
「やる気を出されるのは結構ですが、先ずすべき事をして貰えると助かります」
「すべき事、ですか?」
「ええ。これからの生活が長くなる事は間違い無いでしょう
あの資料で判明した事を共有し、恐らく食糧庫もあるのでしょうからそこへ行って当座の物資の確保などの計画を策定すべきかと」
「…それはそうですね」
不服そうだったが、多少納得したらしい
本当に面倒な女だと思うが、それを表には出さない
「此処の安全を盤石のものとし、此処に物資を蓄える
そうしてやっと明日が当たり前にくる様になると思うのです
悠里と貴依と共にその辺をして貰えると助かります」
…先程の話し合いでいよいよ若狭さんからは呼び捨てで良いと頼まれ、柚村からも
「別にそれで良いと思うけどね?
だって新田、此処のリーダーみたいなものでしょ?」
と押し切られた
…解せぬ
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くるみちゃんはゆっくりとはーくんとの思い出を聞かせてくれた
だから離れたくないし、自分だけを見て欲しいって
いつもは凛々しいくるみちゃんだけど、今は本当に触れただけで壊れそうな危うさがあると思う
私は難しく物事を考えるのが少し苦手だ
だから貴依ちゃんには本当に感謝しているし、りーさんやはーくんにも感謝している
めぐねえについては、本心では微妙だとは思っているけど流石に誰からも慕われないのは辛そうだから
私ははーくんみたいに戦えないし、りーさんや貴依ちゃんみたいに色々考えるのも苦手
…だからせめて私なりに出来る事をキチンとするんだ
あの日々は戻ってこないけど、私達は生きているのだから
私はそう思いながら、くるみちゃんの話を聞き続ける
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「…行った、よね?」
「…多分」
私と美紀はお互い顔を見合わせて、安堵のため息をついた
さっきの人達は明らかに危険だった
だから何とかして逃げなくてはならなかったけど、そのせいで時間を大幅に使ってしまったのも事実
もう日は落ちてしまい、
「ねぇ、圭
これ以上このまま進むのは危ないかも」
「そうだよね
何処かで休むべきなんだろうけど」
美紀が心配するのもわかる
…でも何処が安全なのかが全く把握できない
それよりも学校へ早く向かうべきではないかと私は考えている
それに
「…ねぇ、美紀
おかしいと思わない?」
「どうしたの?」
「…だって、あれだけいたのに今は殆ど居ないんだよ?」
そう
日中あれだけ居たはずの彼等はこの時間になると姿を消していた
…なら
「今なら、学校まであまり時間をかける事なく行けると思う」
「そうかも知れない
なら、急ごう圭」
私達は周囲に気を配りながら駆け足で学校へと向かって行った
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「日も落ちたし、そろそろ深夜だ
俺が見張っているから、建屋の中で寝た方が良いと思う」
「でも大丈夫なの?寧ろハルくんの方がキツイと思うのだけど」
「そうだよね、治孝はかなり疲れていると思うけど」
「出来るなら治孝くんには先に休んでもらいたいのですが」
「一応初日だしな
万一生存者がいた場合此処にくる可能性もある
武力制圧要員はいた方がいいだろ?」
俺の言葉に
「…そうね、でも無線機は持っているから何かあったら直ぐ連絡して欲しいわ
勿論睦言なんかでも大歓迎だけど」
「あのさ、悠里。そういうのはどうかと思うんだけど」
「あら、良いじゃない
ハルくんだって疲れているのだから多少なりとも気を抜かないと」
「だからと言って睦言は無いと思いますが」
「まぁ、悠里の言ってる事は冗談として」
「冗談じゃないのだけど」
「悠里、アンタねぇ」
ぐだぐだだな、ホント
まぁ悠里は多分俺をリラックスさせようとしてくれたのだろうが(混じり気のない本心です)
とは言え、悠里と貴依が多少なりとも気兼ねなく話が出来る様になったのはかなり大きいな
佐倉教諭もキチンと話に入ってきてるし
…つうか、無線機ってあーた
完全に真っ黒じゃねぇか、この学校
「一応俺も男だからな
ある程度決まるまではこのシフトで行くべきだと思ってる」
「流石のハルくんも複数相手だと保たないものね」
「…なんか言葉の選び方おかしくない?悠里」
「あら?何の事かしらね」
「(真っ赤)」
絶対からかってるな、悠里の奴
あと、そこの耳年増さんが顔を真っ赤にしておられるぞ
…うーん、これはむっつりですな
間違いない
「あらあら
ナニを想像したのかしらね?佐倉先生は」
「ま、この歳にもなって浮いた話一つないなら仕方ないんじゃない?」
「あ、扱いが雑ではありませんか?」
ありゃりゃ
ほんのり涙目になってら。助け舟を出すか…面倒な
「はいはい
戯れ合うのは建屋に入ってからにしてくれよ?」
「…もう
分かったわ。おやすみなさいハルくん」
「大丈夫なのか不安になってきたよ
とりあえずおやすみ治孝」
「もう2人とも
…すみませんがお願いしますね、治孝くん」
「おやすみ
ちゃんとシャワー浴びてから寝るんやぞ
…特に貴依」
「わ、分かってるって
それじゃ!」
そう俺が言うと貴依は顔を真っ赤にして慌てて建屋へと入って行った
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「うわ、何これ」
「誰かいるんだろうけど、これって」
圭と私はやっとの思いで高校に着きました
道中、放置してあった自転車を確保した事で予想以上に早く到着出来たのは嬉しい誤算です
でも到着した学校に足を踏み入れると、そこは地獄絵図という表現がそのまま当てはまる光景が広がっていました
そこら辺に無造作に打ち捨てられているヒトだったもの
明らかに狙ったとしか思えない程に砕かれた頭部やその残骸
まだ微かに匂う鉄錆の、いえ血の匂い
でも、これではっきりしました
誰かいるんです
しかも、この状況でも諦める事のない人が
危険ではあると思う
でも、まだ学校の関係者なら話は通じるのではないか?とも思ってしまいます
「何処にいるんだろう?」
「…屋上じゃないかな?
あそこなら鍵さえ閉めれば立て篭もらられるし」
「普通は屋上側に鍵なんて付けないと思うけど」
圭の力無いツッコミに私は
「そうだね」
と苦笑を返しました
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「…ん?」
何か聞こえた様な気がして俺は緩んでいた気持ちを引き締める
此処を買って出た理由は色々ある
最悪の場合、見捨てねばならない事や相手によっては実力行使で処理しなければならない
そういう汚れ役は俺の役目だろうから
流石に鉄扉の向こう側の声ともなれば聞き取りづらい
「屋上の踊り場に無線機の子機を仕掛けるべきか?」
思わず独り言を呟く
というか、そうでもしないと結構ヤバい
さて、鬼が出るか蛇が出るか
俺は木刀とバールを握りしめる
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「まさか陽美の友達の2人だったとはなぁ」
「ハル先輩も無事で良かったです」
「でも、治孝さんは大丈夫なんですか?」
治孝は扉を叩いたのが妹の友人であった圭と美紀であった事に驚きながらも2人を迎え入れた
一応悠里には伝えてあるし、貴依と慈にも了解を貰っている
勿論
何かあった場合は責任持って自身が処理する事という条件を治孝は付けたが
「リバース・トロン?
そりゃまた良く帰ってこれたなぁ」
「時間はあったので」
「疲れたけどね」
治孝は美紀と圭にミネラルウォーターとタオルを渡しながら話を聞いている
「あっちはダメだったか」
「最後までいませんでしたけど、厳しいと思います」
「難しいと思う」
話の合間に治孝は2人から外の状況も確認するのは忘れない
「しかしまぁ、お互い凄い事になってるな、こりゃ」
「そうかも知れませんね」
「あはは
ハル先輩だからあまり気を遣わなくていいですけど、初対面の人なら流石に気にしますよね、これは」
治孝の制服にはところどころに血がついているし、美紀と圭は汗だくだ。が、別ににその辺を気にする程3人の付き合いは短くなかったりする
くるみみたいに治孝のそばで着替える事は流石にないが
「しかし良かったのか?中にシャワーあるんだが」
「お気遣いありがとうございます、治孝さん
でも今は少し落ち着きたいので」
「ありがと、ハル先輩
でも美紀が言う様に少し先輩と話をして落ち着きたいかな?」
そう2人は笑った
「そう言えば美紀と圭との付き合いもそれなりになるんだったな」
「ですね。私は引っ越して来てからですから小学6年から」
「私は受験の時に陽美から誘われて先輩に勉強を教えてもらった時からですね」
くるみと治孝の妹陽美は仲が悪く、陽美がいる時にはくるみがいる事は殆どなかった
くるみ不在の時に美紀と圭は治孝と関わりを持っていたのである
なお、美紀だけの秘密だが
彼女の愛用しているガーターベルトは治孝が興味を示していた事から使用を決めていたりする
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圭にとっては頼りになる先輩であり、美紀にとっては困った時力になってくれた恩人であり、兄と思える人物であり、そして〇〇な人物でもあった
故に彼女は陽美から相談を受ける前から治孝の敵を何とかしようとしていたりする
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「…ところで、美紀ちゃんや」
「何ですか?治孝さん」
治孝は苦笑いしながら美紀に問う
「男の膝枕なんて嬉しいか?」
「はい、勿論です」
「…」
治孝は視線で圭に助けを求めるが
「(首をふるふる)」
どうやら圭からの援護はないらしい
なお、美紀としては治孝のお腹に顔をうずめたいのだが、流石にそれは圭から
普段は理知的な美紀であるが、治孝と2人きりの時や陽美がいない時スキンシップを積極的にしようとしていた
まぁ、治孝が微妙な顔をするので諦めていたがどうやら今は行けるらしいと美紀はチャレンジして初めて成功した形だ
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直樹美紀には許せない人が2人いる
恵飛須沢胡桃
治孝さんをずうっと束縛していたのに、自分の都合で治孝さんを傷付けた女
そして
新田陽美
治孝さんの妹なのに、素直になれないからと心無い言葉や態度をぶつけていた嫌な女
私は治孝さんの事が好き
治孝さんは確かにそこまで良い見た目ではないだろう
それは認める
運動も得意ではないし、基本的に内に籠るタイプの人
でも、それがどうしたというのか?
治孝さんは確かにぶっきらぼうな態度を取るけど、話をすればそれなりに聞いてくれる
本気でマズい時には真剣に、誠実に対応してくれるのだ
ガーターベルトを愛用しているのも
『
今すぐなんて贅沢は言わない
いつかあの人が私を見てくれればそれで良い
…そう思っていた
でもよく分からないままに世の中はおかしくなった
多分人口もかなり減ったのでないだろうか?
今日本は『一夫一妻』が基本となっている
だから私は一歩引いていたが、邪魔者は居なくなったし忌々しいアイツも動けないと聞く
治孝さんは無理をしている
しなければならないから
だからせめて私だけはこの不器用な人の支えになりたいのだ
「おい美紀ちゃん」
「…美紀?」
私は起き上がると、治孝さんを抱きしめて
「…おーい」
その頭を私の胸の中に抱え込み
「治孝さんはいつも無理しすぎなんですよ
…大丈夫ですから。治孝さんが頑張っているのは私が良く知っています。貴方を独りにはしません
…だから、私を頼って下さい」
先輩の背中を軽く叩きながら、優しく語りかける
「貴方は私を助けてくれた
今度は私が貴方を助ける番です」
「…」
治孝さんは黙り込みます
「泣いたって良いんです
弱くたって構いません。たとえ貴方がどれだけ汚れていたとしても、私は
直樹美紀は貴方の事を愛しているんですから」
私は自分の想いを治孝さんに伝えた
狭い視界から見えぬものがある
遠くから機会を待っているだけの少女はその秘めた想いを告げる
人は容易く人を裏切り、絶望する
だが、手を取り合い協力する事も選べるのだ
湿度マシマシのIFルートりーさん見たい?
-
見たい
-
怖いから勘弁
-
ジェジェノサイドでなければ