天井裏から見る世界   作:鞍馬エル

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 タイトルに漢字が入ってるので『もしもの話』です

りーさんにくるみが完全に依存するとどうなるか?というお話


短いですが、それでもよければどうぞ


 微睡(まどろみ)の中で

 若狭悠里はありとあらゆる方法を用いて

 

くるみを自身に依存させ

慈の精神を壊し

ゆきの精神をも砕いた

 

此処巡ヶ丘高校は悠里が看守人を務める巨大な牢獄と化したといえるだろう

 

バリケードも1階と2階を繋ぐ階段に設置し、更に防火扉をも使う事で彼らの侵入を完全に拒んだ

更に彼女は既に自身の犬と化した慈より、『緊急災害マニュアル』の存在を聞き出す

 

いや、あれは既に

飼い主の気をひこうとする可愛らしいペットの様であった

 

 

あの、悠里さん

 

あら?どうしたのかしら

 

実は悠里さんに話をしておく事があるんです

 

…そう

いい子ね?

慈はキチンと私に何もかも話してくれるのだから

 

…はいっ!

 

悠里はゆきと慈を連れて3階の女子トイレに向かった

 

 

そこにいたのは

苦悶の表情を浮かべたまま、事切れていた柚村貴依の姿があった

 

 

諦めないゆきに現実を教えよう

救いなんてない事を

 

この女に現実を突きつけよう

お前がもたもたしている間に助かるはずだった生徒がまた1人死んだのだと

 

 

ゆきは暫く呆然とした後、静かに涙を流すだけ

慈は狂った様にもう息のない貴依に声をかけ、ひたすら喚く

 

当然そんな事をすれば『彼ら』を呼び寄せる事になると分かっていながら

 

戦えるのは悠里だけ

ただ涙を流すだけのゆきに何もできる訳もない

女は次々と群がってくる彼らに怯え、恐怖するだけ

 

 

悠里は群がってきた彼らを皆殺しにして

 

 

もう保たないわ!早く屋上に戻りましょう!!

と無理矢理ゆきの手を引き、屋上に戻った

 

あの女は顔色を真っ青どころか土気色にして何とか屋上まで戻ってきた

 

 

くるみは大慌てで私の心配をし、ゆきの心配もした

そして

 

何やってんだよ、めぐねえ!

大声なんて出したらアイツらが寄ってくる事くらいめぐねえでもわかるだろ?

 

とあの女をキツめに非難した

当然だろう

 

くるみは彼らといつも命懸けで戦っている

彼らの恐ろしさと戦うことの難しさを知っている彼女からすれば

 

不用意に私やゆきを危険に晒したあの女に不快感を持ったとしても何もおかしくない

 

 

だが、既に精神的に限界に近かったあの女にそれは効き過ぎた

 

 

ご、ごめ、ごめんなさいっ!

 

涙を流しながら謝り続けたのだ

壊れたレコードの様に

 

 

当然くるみは困惑し

 

ど、どうしたんだよめぐねえ

と狼狽える

 

どうしたのかしら?

と悠里は素知らぬ顔をする

 

(予想通りね)

悠里は慈の内心の動きを理解していた

自分が助けられなかった生徒。それにショックを受けたゆき

そして、自分の軽はずみな行動が私を危険に晒した事

 

それだけであの女の情緒はぐちゃぐちゃになる

そして、最後の一押しがくるみからの非難

 

 

今あの女は強烈な自己否定の念にかられているだろう

 

 

だが、生憎と悠里はそれで終わらせるつもりは、ない

 

今のままでは元々役立たずなあの女がただの足手まといになるだけで何一つメリットはない

 

 

 

現実から逃げようとするのは勝手だ

でも、現実というのはいつだって残酷なまでに平等で、無慈悲なもの

 

 

 

 

既に様子がおかしくなったゆきについては、警戒は必要だろうが恐らく大丈夫だろう

 

なにやら混乱前の日常を思わせる様な言動が多くなった事で地味にあの女に対してダメージを与えている。これは中々に結構な事だと悠里は思っている

 

 

壊れてしまったゆき

嘆くだけのあの女

 

さて、くるみは耐えられるかしら?

 

 

くるみは恐らく『自分しか闘えないのなら無理矢理奮起してでも戦うだろう』

 

が、その為に悠里は戦う事を選んだ

 

 

くるみにとって、若狭悠里という人物は『相棒』となり得る相手となっている事だろう

 

この現状に1番心を痛めているのはくるみだ

 

 

 

だからこそ、その心に寄り添っている私は

 

 

 

 

悠里はくるみを愛おしそうに見つめた

(さぁ、くるみ。貴女はどうするのかしら?)

 

 

----

 

あたしは様子がおかしくなったゆきとめぐねぇに疲れてしまっていた

 

りーさんはゆきの事を心配して、話をしようとしているけどどう接して良いかわからないみたいだ

 

 

 

きっかけはりーさんの様子が少しおかしかった事だと思う

 

それを気にかけた佐倉先生が無茶を言って、何を考えたのかゆきも行くと言い始めた

 

 

遊びじゃないんだ!!

 

あたしは2人に言いたかった

真剣かもしれないけど、真剣になった程度でどうにかなる話でもない。彼らに武器を向けられない2人なんてお荷物でしかない

 

あたしはりーさんに着いていくと言ったけど、私が昨日結構無理をしている事をりーさんはやんわりと指摘してきた

 

 

ねぇ、くるみ?

くるみが頑張り屋さんなのは私にも分かるわ。でもいつも命懸けで戦っているとどこかでそれが切れてしまわないのか私には不安なの

大丈夫、私があの2人をキチンと守るから

大丈夫なの。だからくるみはしっかり休んで?

 

とあたしの頭を胸に抱え込んで、りーさんはあたしに言う

さらに片手であたしの背中をポンポンとリズム良く優しく叩きながら、落ち着いた優しい声であたしに語りかける

 

 

…あたしはこれがいつからか大好きになっていた

 

 

陸上部で良い成績を出しても、みんな口では褒めてくれたけど内心ではそうじゃない事をあたしは知っていた

部活内で人気のあった先輩に淡い想いを抱くあたしに良い感情を持つ同性はいない

男子はどうにも男勝りなあたしに対して複雑な感情を抱いていたみたいで、あたしと必要以上に話そうとする男子はいなかった

 

確かにあたしは陸上部の同級生の中では結構いいところまでいけるくらいには足が早かった

けど、それこそ小学校から陸上一筋でやっている連中には敵わないし、あたしか陸上部に入ったのは先輩がいたから

 

それを知っている同級生や先輩からよく思われているはずもない

 

両親も応援はしてくれるけど、いつまでも大会に出ることの出来ないあたしを褒めてくれる事は少なくなっていった

陸上部の活動をしつつ、高い成績を出す。というのはあたしにとってハードルが高すぎたから

 

 

佐倉先生もゆきもあたしを頼りにしてくれる

…でも、あたしを褒めてくれるのはりーさんだけなんだ

 

 

同い年の女子に甘えるなんておかしいだろ?

でもさ、日常が非日常になり、非日常こそが日常となった今

 

常識なんて意味があるとあたしには思えない

 

 

人を傷つけてはいけない

物を盗んではいけない

 

 

ああ、そうだろう

でもそうしないと今あたし達は生きられないんだ

 

 

 

 

 

 

りーさん。気をつけてくれよ?

 

あたしは先輩を殺した。同級生だったものもたくさん殺した

だからこんな事を願うなんておかしな話かも知れない

 

でもあたしはりーさん(あたしを褒めてくれる人)を喪うなんて耐えられないんだ

…もし、これでりーさんが傷ついたり、死んだとしたら

 

 

 

 

あたしは躊躇いなく2人の背に刃を突き立てる事になるだろう

 

 

 

 

 

 

りーさんは帰ってきた。それは素直に嬉しい事だ

でも許せない事がある

 

 

あの女が泣き喚いてりーさんを危険に晒した事だ

 

 

あたしは浅い眠りについていた

そして意識を戻すと、階下であの女の泣き叫ぶ声が微かに聞こえてきた様な気がした

 

 

あたしはすぐに服を着ると、シャベルを片手に階下に降りようとしたんだ

 

 

でもりーさんは帰ってきた

その前身を血塗れにしながら

 

 

あたしは半狂乱になりながら、りーさんに縋りついた

 

 

りーさんは

 

私は大丈夫よ、くるみ

 

と言ってくれたがあたしの感情はもうぐちゃぐちゃだった

 

 

 

困ったわ、今の私じゃくるみを抱きしめてあげられないのだけど

 

あたしはそう言うりーさんに抱きついて泣き叫んだ

りーさんは困った顔をしながら私の背中をさすってくれた

 

 

 

この時あたしは確信したんだ

 

あたしはりーさんがいないと、もう耐えられない事に

 

 

 

 

りーさんが言うなら、あたしはどんな奴だって殺してやる

りーさんが願うなら、あたしの命だって捧げる

 

だから、お願いします

 

 

 

あたしを愛してください

わたしを見てください

 

わたしを残して死なないで

 

 

 

 

それから暫くして、りーさんは1人の男子を連れて来た

見覚えのある様な男子だったが、別に構わないわ

 

りーさんが楽しそうに笑って、その人も楽しそうに笑う

りーさんとその人はわたしを愛してくれるのだから

 

 

りーさんとその人が一緒に寝ると言っても、わたしは構わない

でもその人はたまにわたしも一緒に寝る事を提案してくれるの

 

 

わたしはくるみ

 

りーさんとあの人の守る刃で、2人の娘だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒錯的で、退廃的な生活は続くだろう

学内に食料がなくなるまで

 

 

そして3人は眠る様に最後の時を迎えるだろう

 

 

彼女達は夢の中で、楽しかった思い出を抱えて死ぬのだから

 

 




 りーさんに甘えたい人生だった

束縛されるとしても凄くどろどろに甘やかしてくれると私は信じます

もしも、もう少し詳しい描写が読みたい方がいればお蔵入りにしているものを近日中に上げますが、どうでしょうね?
そのお話では悠里と治孝にくるみが依存して、2人の娘として自身を再定義する事になります

めぐねえ?ゆきちゃん?

さて?(ハイライトオフ)

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湿度マシマシのIFルートりーさん見たい?

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