ハイエルフはオラリオにて生を愉しむ   作:H-13

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どうも。


お手紙は唐突に。

リヴェリア・リヨス・アールヴ

 

 

言わずと知れたロキ・ファミリアの副団長。そして間近に迫った遠征の為に書類の山に囲まれる毎日を送るハイエルフでもある。

 

部下の教育、酒癖の悪い主神の折檻。幹部会議…etc。

 

遠征前の数日は自分の為の時間が作れるとはいえ多忙を極めているという言葉が似合う状態である。

 

そんな日を終え、漸く湯浴みと就寝という安らぎが訪れようとした時。自室の扉に見掛けない封筒が挟まっていた。

 

不審そうにソレに触れれば、疑問の瓦礫と新たな疑問が積み重なった。

 

故郷の香り、そして上質なコレは王族が良く使うソレ。宛名は無いが誰が見てるか分からない廊下で開けるのは躊躇われた。

 

部屋に滑り込めば椅子に腰掛け丁寧に封を切った。

 

『久しぶり。森での生活に飽きたからちょっとそっちに行くから宜しく~。ロート』

 

その他にもここまで活躍が聞こえて来てるだの色々と雑多に書かれながらも読みやすく丁寧に書かれた文に頬が緩まる。それと同時に緊張が走る。

 

ロート・リヨス・アールヴ

 

リヴェリアの叔父に当たる人物でありアールヴを名乗ることが許されている王族。それもリヴェリアとは違い王位継承権を持つ正真正銘のエルフの王子である。

 

王子…とは言えどリヴェリアの叔父。その歳は170位。端数は数えていなかったりする適当具合である。

 

故郷を飛び出したリヴェリアの理解者にして、精霊の寵子。リヴェリアが知る限りでの最強の魔導師。それがロートであった。リヴェリアが森から飛び出した時にお咎めが無かったのも彼の取り成しだと後に知ったのだ。

 

Lv6となり今のオラリオで上澄みの実力者となったリヴェリアですら優劣を競った場合勝てると断言出来ないのである。

 

それが、来る。書き方から察するに飛んでくるのだろう。

 

アルヴの王森では最早当たり前となっていたロートの飛行もオラリオでは違う。そして待ち合わせもクソも無いためにリヴェリアの魔力の色を目標にして来るのだろう。

 

「朝一にエイナ…いや、ロイマンの所に足を運ぶか。」

 

混乱は必至。オラリオ中…オラリオ外からもロートを拝みにエルフが殺到するだろう。防げるとは思わないが事後報告になるよりはギルドもマシだろう。

 

30年近くオラリオに居るリヴェリアでも未だにエルフ達からの対応は完全には柔らかくないのだ。ロートに向けられる感情は「信仰」の域に達するだろうことは容易に想像が出来るのだ。

 

楽しみで、少し不安で。寝付けたのは1時間後のリヴェリアであった。

 

 

 

 

 

 

「ロート…様が、来ると…?」

 

遅番であったロイマンを早朝に叩き起したのがリヴェリアで無ければ要件すら聞かないような寝ぼけ眼はリヴェリアからの一言で吹き飛んだ。震える手でリヴェリアから渡された手紙を見て更に震え上がる

 

「おひとりで…?」

 

「飛んでくると書いてある通りだ。私が言えた話では無いが…絶対に混乱は起きる。事後報告よりはマシだと来たのだ。」

 

「………いつ、到着…」

 

「早くて今日、遅くて明日中にはという具合だろうな」

 

ロイマン、撃沈す。如何に強欲で肥太ったエルフの恥ではあるがハイエルフ自体が信仰地味た存在対象である認識には変わりない。優秀だからこそ、ロートの価値をある程度正確に把握している1人でもある。

 

「豚が舞う」

 

その日、その光景を目にした神は口々にこう呟き、新しい娯楽の気配を感じたのであった。

 

 

 

 

 

 

そんなオラリオの一部の存在がドタバタ大騒ぎしている3日前に遡る。

 

 

アルヴの王森。その中心。王宮の様なソコ。王族の住処でありロートも例外なくそこを生活の中心にしていた。

 

「ロート様、お茶をお持ちしました。」

 

「ありがとう、リオ。ちょっと待ってね~?よし、出来た。」

 

「何方宛ですか?」

 

「リヴェリア…オラリオに居る姪にね。遊びに行くんだから先に出さなきゃね?」

 

「………は?森から出られるのですか?」

 

「あははは。あー、えーとー、そうだねー。ここに居るのも飽きちゃったからね。ほら、兄が居るからそこら辺は大丈夫でしょ。」

 

「ですが!」

 

「大丈夫、父上は説得したから。1000年ほっつき歩いてる訳でも無いしたまには帰ってくるからね?」

 

 

付き人のリオ。現在150歳近いエルフはロートの後輩で昔むかしからの仲である。ロートに真正面からしっかりと向き合える人物だとして長く付き人兼護衛としてここまで仕えてきた。

 

「先輩のそれは交渉じゃ無くて脅迫じゃないですか」

 

「武力も大事な交渉材料の一つだぜ」

 

 

立場を弁えながらもある程度軽く接することの出来る数少ない同族の一人であった。

 

「は~…。それじゃ俺もついて行きます!」

 

「飛んで行きたいんだけど?」

 

「背負っていってください!」

 

「ボクシンジャウ」

 

「昔沢山担いで飛んでくれたじゃないですか!」

 

「俺らがガキの頃じゃん。もうやってないじゃん。」

 

長い耳をピコピコと上下に動かしながら、じゃれ合う様に良い歳の男共が巫山戯る。そんな明るい雰囲気に釣られたか、手紙がふわりと浮かび上がる。

 

「よしよし。手紙には1人でって書いちゃったけどこれで良いか。よし!リヴェリアの所まで届けてくれよ!」

 

窓から自然と飛び出し強風と共に空へと舞い上がる封筒に入った手紙。それは風に乗り、アルヴの森からオラリオに向かって流れ始めた。

 

「リオ!行く準備はしとけよ!」

 

「やったー!!!」

 

持ってきてくれたお茶はちゃんと美味しく頂きましたとさ。




【ロート・リヨス・アールヴ】
身長:178
年齢:170歳(端数は忘れかけてる)
性別:♂
立場:王位継承第2位、リヴェリアの叔父、エルフ最高戦力
装備:精霊のローブ、大聖樹の大杖

コンセプト:最強のLv1

【リオ・アリステラ】
身長:185
年齢:150前後
性別:♂
立場:ロートの付き人兼護衛、ロートの後輩
装備:大聖樹の双剣
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