Wの軌跡   作:カオスカラミティ

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書きたい事を詰め込んだら、約7000文字に……(汗)

でも、リィン達にフリーゲンの事を少しは知ってほしかったので仕方ない。それに次はそんなにいかない……と思う(汗)


★不審なR、再び・後編

―5月30日・昼頃

 

―ドンドンッ!

 

昨日のオーロックス砦への侵入で得た情報を整理していると、扉が強く叩かれた。

 

フリーゲン「あん?何だ?」

 

ミリアム「開けて良い?」

 

フリーゲン「細心の注意を払えよ。」

 

ミリアム「アイアイサー!どちらさま〜?」

 

フリーゲンに細心の注意を払って開けるように言われたミリアムはそっと扉を開け、隙間から来訪者を確認する。

 

エマ「あっ、ミリアムちゃん!フリーゲンさんはいますか!?」

 

ミリアム「ちょっと待ってね。フリーゲン、昨日のシカンガクインの人達だった〜!」

 

フリーゲン「おう、分かった。」

 

そう言ってフリーゲンはオーロックス砦関係の書類をカバンの中にしまい、扉の方へ向かう。

 

フリーゲン「待たせたな。にしてもどうしたお前ら?やけに焦った表情してるが?それに昨日いたマキアスに、ユーシスだったか?あいつらは?」

 

リィン「その事についてお話したい事がありまして。ただここでは……。」

 

そう言ってリィンが自分達の部屋を見ると、クロイツェン領邦軍が部屋を調べていた。

 

フリーゲン「何かあったんだな?分かった。近くに喫茶店があるから、そこで話を聞こう。」

 

リィン「ありがとうございます。」

 

 

―喫茶店

 

フリーゲンの進言で一行は喫茶店に移動し、各々飲み物を注文するとリィンが意を決してマキアスが先程捕まった事を話し始めた。

 

フリーゲン「何だと!?マキアスが無実の罪で領邦軍の詰所に連れて行かれた!?」

 

ミリアム「んで、ユーシスの方は実家に呼び出されて不在なんだね。」

 

エマ「そうなんです……。」

 

フィー「罪状は昨日のオーロックス砦の侵入なんだけど、その時は私達と一緒にいたんだよね。」

 

エマ「でも、いくらそう言っても領邦軍の隊長さんは聞き入れてくれなくて……」

 

フィーの言葉にフリーゲンは頭に手を置いて顔をしかめる。当然だ、昨日の砦の侵入はミリアムが行った事。マキアスはそのとばっちりを受けてしまった形なのだ。

 

ミリアム「でもさ、何でマキアスが捕まったの?砦へ侵入の罪なら他の人でもいけると思うけど?」

 

リィン「実はマキアスは帝都知事カール・レーグニッツの息子なんだ。」

 

フリーゲン「やっぱりか。あいつの顔を見た時、どっかで見た事あんな〜とは思ってたけど。」

 

ミリアム「あれ?知事さんの事、知ってるの?」

 

フリーゲン「軍から知事の警護依頼を受けた時にな。だが、これで何でマキアスが無実の罪で捕まったのか分かった。革新派への牽制だな。」

 

フィー「どゆこと?」

 

フリーゲンの言葉にフィー以外の全員はやっぱりという顔になるが、フィーは理解出来ていなかったので事細かに説明する事になった。

 

フリーゲン「帝国ではな、〈四大名門〉を筆頭とした〈貴族派〉と〈鉄血宰相ギリアス・オズボーン〉とさっき言った〈帝都知事カール・レーグニッツ〉を筆頭とした〈革新派〉が争ってるんだ。」

 

ミリアム「今は直接戦闘みたいな事にはなってないけど、水面下ではバチバチ睨み合ってるような状態なんだつて。」

 

フィー「なるほど、理解した。〈貴族派〉が有利に立つ為に知事の息子であるマキアスを捕らえたんだね。」

 

フリーゲン「そうゆうこった。」

 

フリーゲンとミリアムの説明でようやく理解したフィーは、次にとんでもない爆弾発言を言い放った。

 

フィー「なら、領邦軍の詰所に忍び込んでマキアスを奪還するしかないね。」

 

エマ「フッ、フィーちゃん!?」

 

フィー「考えてもみて。市内の詰所なら、まだ侵入出来る余地はある。でも、マキアスが昨日の砦に連れて行かれたら、救出の可能性はかなり低くなる。」

 

リィン「確かにフィーの言う通りだな。腹を括ろう。」

 

エマ「奪還するにしても秘密裏にした方が良いですね。」

 

フリーゲン「そうだな。元々、免罪なんだから、いつの間にかいなくなっていたという風にすれば、奴らも強くは出られないだろう。奪還した後はバリアハートから出れば、何とかなる。」

 

ミリアム「でも、領邦軍の詰所にどうやって侵入するの?」

 

5人がどうやって領邦軍の詰所に侵入するか悩んでいると、カウンターでコーヒーを飲んでいた青年と喫茶店のマスターの話し声が聞こえた。

 

青年「そういえばマスター。最近、地下水道の魔獣はどんなもんだい?」

 

マスター「ああ、お前さんが入ってから3ヶ月位は経ってるか。よく知らんが、またぞろぞろと湧いてるんじゃないかな?領邦軍は放置してるからな。」

 

青年「やれやれ、麗しの公都の足下の魔獣を放置しているとはね。」

 

マスター「またそんな話が聞こえてきたら、連絡してやるさ。」

 

青年「サンキュー、マスター。また美味いエスプレッソ、期待してるぜ。」

 

マスター「ああ。レグラムに戻る前にでも、また寄ってくれ。」

 

そして青年は会計して店を出ようとした時、リィン達が目に止まって声をかけた。

 

青年「ん?へぇ、珍しい格好だな。赤い制服……どこかの学生さんかい?」

 

リィン「はい。トリスタにある〈トールズ士官学院〉の者です。バリアハートには実習で来ていて……。」

 

青年「へえ、あの有名な士官学校か!」

 

リィン「あの、さっきの地下水道の話なんですけど……。」

 

青年「ん?ああ…。バリアハートの地下には、昔の水道が張り巡らされていてな。魔獣も徘徊してるんだが、以前は遊撃士が退治してたんだ。まっ、ここのギルドが畳まれちまってからは、領邦軍が管理してるらしいが割と放置されてるみたいだ。」

 

フィー「その地下水道ってどのくらいの広さ?」

 

青年「そうだな。ちょうど……駅前辺りから貴族街の辺りまでになるな。」

 

フリーゲン「そうか。色々と教えてくれてサンキューな。」

 

青年「気にすんな。バリアハートはいい街だが、面倒な事も多い。実習、頑張れよ。」

 

そう言って青年は店から出ていき、地下水道から領邦軍の詰所に侵入する事にした。

 

フリーゲン(っていうか、あいつ絶対〈紫電〉に頼まれてここにいただろ。頭の回る奴は頼りにされて大変だねぇ〜。)

 

 

―バリアハート地下水道

 

無事に地下水道へと入った一行。(ちなみにミリアムは見張りとして置いてきたbyフリーゲン)そこは地下水道と言ってもキレイに整備されていたが、やはり魔獣は徘徊しており、倒しながら先へと進んでいく。

 

すると、リィン達が入ってきた入口とは反対の方向から誰かが歩いてくる。その人物は実家に呼び出されていたはずのユーシスだった。

 

リィン「ユーシス!?」

 

エマ「良かった、ご無事でしたか!」

 

ユーシス「フン。屋敷に戻るなり、行動を制限されるとは思わなかったが、何とか抜け出してきた次第だ。それより、だいたいの事情は把握しているし、ここの地下水道の事も兄上に聞いている。領邦軍の詰所まで先導する。」

 

エマ「ユーシスさん、1人でマキアスさんを助けに行こうとしてたんですね。」

 

フィー「先月の実習とは大違い。」

 

ユーシス「父のやり方に納得がいかないだけだ。それに今頃、奴は心細くてベソをかいているに違いない。それを目撃出来るだけでも助けてやる価値はあるだろう。」

 

地下水道に詳しいユーシスが加わったおかげで、迷う事もなく進んでいく一行。するとリィンがフリーゲンの方を見て一言。

 

リィン「それにしても、フリーゲンさんって私立探偵なのに剣を使うんですね?」

 

フリーゲン「ああ、まぁな。本来ならいらねぇんだが、クレアが今回は持っていけってうるさくってよ。」

 

ユーシス「我流にしては基礎は出来ているみたいだな。」

 

フリーゲン「あったりめぇだろ。なんたって俺も〈トールズ士官学院〉の卒業生なんだからよ。」

 

エマ「えっ!?そうなんですか!?」

 

フリーゲン「ああ。お前らより、5期先輩だな。」

 

そんな話をしながら進んでいくと、領邦軍の詰所の内部に入る事に成功し、さらに進むと牢屋部屋へと出た。すると地下水道に繋がる通路のすぐそばの牢屋にマキアスが捕らわれていた。

 

エマ「マキアスさん!」

 

ユーシス「フン、無事だったか。」

 

マキアス「君達、どうやってここに!?まさか、忍び込んできたのか!?」

 

フリーゲン「んな事より、今はここを脱出だ。……と言ってもこの錠はそう簡単に開く代物じゃねぇな。どうすっかな?」

 

フィー「私に任せて。」

 

そう言って、フィーは牢屋の錠に何かを貼り付け、その後、自身の武器である双銃剣(ダブルガンソード)を取り出す。そして……

 

フィー「〈起爆(イグニッション)〉」

 

―ズガンッ!

 

そう呟いて双銃剣(ダブルガンソード)のトリガーを押すと、貼り付けられた物が爆発して錠は壊れた。しかし、それを見た全員は呆然としていた。

 

マキアス「なあああっ!?」

 

フリーゲン「おい、今のって爆薬だよな?(汗)」

 

フィー「うん、携帯用の高性能爆薬。こういうのにピッタリ。」

 

リィン「フィー…普段の身体能力の高さといい…。君は一体何者なんだ?」

 

フィー「士官学院に入る前、私は〈猟兵団〉にいた。爆薬も銃剣(ガンソード)の扱い方も全部そこで教わった。ただ、それだけ。」

 

マキアス「〈猟兵団(イェーガー)〉……」

 

リィン「一流の傭兵部隊……。そうだったのか。」

 

ユーシス「信じられん。“死神”と同じ意味だぞ…。」

 

フィー「私、死神?」

 

ユーシスの言葉にフィーは頭をコテンッと傾けて聞いてくる。

 

マキアス「あ…」

 

ユーシス「いや……そうだな、名に囚われる愚は冒すまい。」

 

「おい、何の音だ!?」

 

全員がフィーの出自に驚いていると、牢屋の奥から領邦軍隊員の声が聞こえてきた。

 

フリーゲン「よし、さっさとずらかろうぜ。」

 

全員「はい。/ああ。/OK。」

 

その後、様子を見に来た隊員はマキアスが入っていた牢屋の鍵が壊されているのを発見し、隊長に報告する。すると隊長は…

 

隊長「“獣ども”を解き放て!!あの学生どもを実験台にしてくれる!!」

 

そう言って“あるもの”を解き放ち、フリーゲン達を追わせた。

 

 

―地下水道

 

―ガアァァァッ!!

 

全員「っ!?」

 

フリーゲン「背後から何か来るぞ!!」

 

ユーシス「かなり速いな!!急げ!!」

 

しかし、追ってきた“あるもの”――2体の軍用魔獣はあっという間にフリーゲン達を取り囲んだ。

 

フィー「囲まれた。」

 

エマ「あくまで退路を塞ぐ気ですね。」

 

マキアス「獣のくせに知恵が回るな。」

 

ユーシス「フン。せいぜい躾けてやる。」

 

フリーゲン「俺も、及ばずながら協力するぜ!」

 

リィン「ありがとうございます。いくぞ、トールズ士官学院〈Ⅶ組〉・A班!!協力者の力も借りて、何としてもこの場を突破する!!」

 

全員「おおっ!!」

 

そして軍用魔獣との戦闘が始まったが……

 

フリーゲン「くらえっ!」

―ブンッ!

 

「グウッ!グアァァァァッ!!」

―ビュンッ!

 

フリーゲン「危ねっ!」

 

エマ「フリーゲンさん、援護します!ARCUS、駆動!」

 

フリーゲンは剣を真一文字に振るうが、相手はそれを避けて巨大な爪で攻撃してくるが、フリーゲンは間一髪で避けた。

 

それを見たエマはフリーゲンを援護する為にARCUSを駆動するが……

 

フィー「エマ!後ろ!」

 

エマ「っ!?」

 

フリーゲン「危ねえ!!」

 

―ドガンッ!!

 

フリーゲン「ドワァァァッ!!」

 

背後から迫っていたもう一匹の軍用魔獣が爪を振り下ろそうとしていたので、フリーゲンが咄嗟にエマの前に立って剣で爪の攻撃を防ぐが、あまりの衝撃でフリーゲンは通路の向こう側へと吹っ飛んでしまった。

 

エマ「フリーゲンさん!?」

 

マキアス「エマ君、今はこっちに集中するんだ!!」

 

ユーシス「敵に背は向けるなよ!」

 

リィン(2体同時に挟まれるのは厳しいな。どうすれば……)

 

「グガアァァァッ!!」

 

リィン「っ!?しまった!?」

 

フィー「リィン!!」

 

この状況をどう突破するか思案していたリィンだが、それが(あだ)となって隙が出来てしまい、軍用魔獣が襲いかかってきた。

 

〈サイクロン〉

〈トリガー〉

 

―ズガガガガンッ!

 

「ガウゥゥンッ!」

 

ユーシス「なに!?」

マキアス「今のは!?」

 

W「危なかったな。」

 

リィン「貴方は!!」

 

軍用魔獣がリィンに襲いかかろうとした時、通路の向こう側から〈サイクロントリガー〉になったWが現れ、トリガーマグナムから発射された風の弾丸で軍用魔獣を攻撃し引き離した。

 

エマ「リィンさんの知り合いの方ですか?」

 

リィン「以前話しただろう?ケルディックでお世話になったクレア大尉の協力者だ。」

 

W「あの時とは違うメンバーみたいだから、改めて自己紹介するぜ。俺は仮面ライダーW。悲しみの涙を拭う2色のハンカチさ。」

 

マキアス・ユーシス「……。」

エマ「えっと……。」

フィー「キザだね。」

リィン「いや、これはハードボイルドらしくて……。」

 

W「それより、集中しろ。」

 

「「グガアァァァッ!!」」

 

5人「っ!?」

 

W「片方の軍用魔獣は俺が引き受ける。残りは頼んだぜ?」

 

リィン「はい!」

 

そして、Wは引き離した軍用魔獣の前に立ってトリガーマグナムを撃ちまくる。

 

W「さあ、どんどんいくぜ!」

 

―ズガガンッ!ズガガンッ!

 

「ガッ!ガウッ!」

 

ヴィント『さすが軍用魔獣だね。鎧を装備されているから、肌が露出している所以外は効きにくい。』

 

W「なら、こいつに変えるか。」

 

〈ヒート〉

 

〈ヒート〉

〈トリガー〉

 

W「『ハアッ!』」

―ズドンッ!ズドンッ!

 

「ギャッ!?ギャウンッ!!」

 

マキアス「半身が赤くなった!?」

ユーシス「しかも弾丸が炎に変わったな。」

 

そして軍用魔獣に数十発の炎の弾丸を撃ち終えると、トドメを刺す為にトリガーメモリをマグナムに装填する。

 

〈トリガー・マキシマムドライブ!〉

 

W「『トリガーエクスプロージョン!!』」

 

―ズゴオォォォッ!!

 

「ギャアァァァンッ!!」

 

―ドガアァァァンッ!!

 

〈ヒートトリガー〉の必殺技・トリガーエクスプロージョンを受けて軍用魔獣は跡形もなく爆散した。そしてリィン達の戦いも佳境に入っていた。

 

ユーシス「マキアス・レーグニッツ。俺がアーツであの魔獣の気をそらす。その隙に……」

 

マキアス「渾身の一発を入れれば良いんだな?」

 

ユーシス「そうだ。」

 

マキアス「よし、いくぞ!」

 

リィン(今なら戦術リンク、上手くいくかもしれない。)

 

ユーシス「ARCUS駆動。くらえ、エアストライク!!」

 

―ズドンッ!

 

「ギャウンッ!?」

 

マキアス「くらえっ!!」

―ズガガンッ!!

 

ユーシスは風のアーツ・エアストライクを放つが、軍用魔獣はそれを避ける。しかし、それを待っていたマキアスは導力銃のトリガーを引き、散弾を軍用魔獣にくらわせて怯ませた。

 

マキアス「今だ!決めろ、ユーシス・アルバレア!!」

 

ユーシス「はあぁ〜。クリスタル…セイバー!!」

 

―ザンッ!!

 

「ギャアァァァンッ!!」

 

―ドオォォォンッ!!

 

ユーシスのSクラフト・クリスタルセイバーの斬撃を受け、軍用魔獣は跡形もなく消えた。

 

フィー「ふ〜…。かなりの手応えだったね。」

 

マキアス「さ、さすがにもうダメかと思ったぞ……。」

 

ユーシス「フン…たかが獣ごときに遅れを取ってたまるか。」

 

エマ「フフッ。」

リィン「ハハッ。」

 

マキアス「まったく……笑い事じゃないだろう。」

 

ユーシス「フン。そういう貴様こそ、何をニヤついている?」

 

マキアス「き、君の方こそ!///」

 

全員、戦術リンクを繋げる事が出来て軍用魔獣を倒せた事に喜び、歓談していた。しかし、まだ脅威は終わっていなかった。軍用魔獣が来た方向から警笛の音が鳴り響き、領邦軍の隊長と隊員数人が現れた。

 

W「おっと、領邦軍のお出ましか。」

 

隊長「よくもやってくれたな、貴様ら。レーグニッツだけでなく、全員捕まりたいらしいな。」

 

ユーシス「ああ。捕まえてもらおうか。」

 

隊長「ユッ、ユーシス様!?どうしてここに…」

 

ユーシス「実習を再開しただけだ。それよりもどうする?こいつらを逮捕するならば、俺も同罪という事になるが?」

 

隊員「そっ、それは…(汗)」

 

隊長「いっ、いくらユーシス様でも、軍事施設への無断侵入は許されるものでは……。ましてや、勝手に容疑者を逃がすなど……」

 

ユーシス「いい加減にしろ。」

 

隊員達「(ビクッ!)」

 

領邦軍隊長の言葉にユーシスは静かにキレ、怒気を含みながら隊長の言葉を遮り、さらに言葉を続ける。

 

ユーシス「そりが合わないとはいえ、同じクラスで学ぶ仲間――その者があらぬ容疑をかけられ、政争の道具に使われるなど…このユーシス・アルバレア、見過ごせるとでも思ったか!?」

 

W「ヒュー。言うねぇ。」

 

ヴィント『ああ。これぞ、青春というやつかな?』

 

隊長「ぐっ…。こうなったら、ユーシス様ごと武装解除を……」

 

?「その必要はなかろう。」

 

隊長「…?ル、ルーファス様!?」

 

ユーシスが“仲間”であるマキアスを守る為に領邦軍は前に立つが、領邦軍隊長も引かず、武装解除を行おうとした時、背後から声が聞こえて振り返ると、そこにはユーシスの兄であるルーファスとサラ・バレスタインがいた。

 

リィン「え…?サラ教官!?」

 

ユーシス「兄上!?帝都に行かれていたのでは…」

 

ルーファス「士官学院の方から昼過ぎに連絡が入ってね。それで急遽、飛行艇でこちらに戻ってきたわけだ。君達の教官殿と共に。」

 

サラ「どうやら、お疲れ様だったみたいね〜。」

 

ユーシスの「なぜここにいるのか?」という問いに答えたルーファスはジロリと領邦軍隊長の方を睨んで一言。

 

ルーファス「事情は一通り聞かせてもらった。ここは私が引き取るゆえ、卿らは戻るがいい。」

 

隊長「はっ、はい!第2中隊撤収!!」

 

ルーファスの登場で、何とか難を逃れたリィン達。

 

その後はサラがとある筋から早めに連絡をもらって急いでルーファスに連絡を取った事や、ルーファスが〈トールズ士官学院〉の常任理事の1人だという爆弾発言を聞いたりしていた。

 

その様子を見ていたWは無事に事件が解決したと理解し、(きびす)を返して立ち去ろうとするとルーファスとサラに呼び止められた。

 

サラ「チョット待って。ケルディックに続いて、今回も助けてくれてありがとう。」

 

ルーファス「私からも感謝を。今回は弟とその学友の為に力を貸してくれてありがとう。謝礼を渡したいのだが……」

 

W「いらねぇよ。今回の依頼の報酬は、もう貰っているからな。」

 

サラ・ルーファス「?」

 

W「あいつらが繋げた絆さ。見事なもんだったぜ。じゃあな。」

 

そう言って、Wは通路の向こう側へと消えていった。

 

 

―地下水道・入口付近

 

フリーゲン「フウ〜、これで一件落着だな。後は…」

 

〜♪〜♪〜♪

 

リィン『はい、リィンです。』

 

フリーゲン「リィンか、フリーゲンだ。」

 

リィン『フリーゲンさん!?ご無事だったんですね!』

 

フリーゲン「おうよ。まあ、軍用魔獣にふっ飛ばされて気を失ってたがな。だが、お前達と仮面ライダーが軍用魔獣を倒すちょっと前に目が覚めてな。しっかりとお前達の勇姿は見せてもらったぜ。」

 

リィン「あはは…。それで今はどこに?」

 

フリーゲン「地下水道の入口付近だ。もう俺の出番は無さそうだしな。先にミリアムとかえらせてもらうぜ。」

 

リィン『分かりました。色々とありがとうございます。』

 

フリーゲン「ああ。そんじゃぁな。」

 

スタッグフォンにリィンから聞いたARCUSの番号を入れたフリーゲン。通話口にリィンが出ると、少し話して通信を切って地下水道・入口から出ていった。

 

ミリアム「あっ、お帰りフリーゲン。どうだった〜?」

 

フリーゲン「何とかなったぜ。さっ、帝都に帰ろうぜ。」

 

ミリアム「了解〜!」




帝都に帰ってきたフリーゲンとミリアム。ミリアムはオーロックス砦で得た情報をギリアス・オズボーンに報告する為に途中でフリーゲンと別れ、皇城へと向かい、フリーゲンはそのまま探偵事務所に戻っていつも通り、タイプライターで報告書を書き始めた。

―メーア探偵事務所にて
フリーゲン「【報告書・ミリアムの仕事を手伝う為にバリアハートに行ったが、そこでもまた領邦軍の横暴にあった。やはり〈貴族派〉と〈革新派〉の水面下の対立が激化してんだろうな。他にも貴族派随一の切れ者と言われるルーファス・アルバレアもヤバそうな奴だ。だが、ヤバい事ばかりじゃない。〈トールズ士官学院・Ⅶ組〉の面々だ。あいつらなら、帝国の闇を照らす光になれるんじゃないかと俺は思っている。】」
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