ヴァイオレンス・ドーパントを逃がしてしまったフリーゲンは、ハードボイルダーに乗ってトリスタのラジオ局に戻ってくるとラジオ局の前には、今回の依頼者であるミスティが立っていた。
フリーゲン「あっ、ミスティさん。」
ミスティ「待ってたわフリーゲンさん。単刀直入に聞くけど、何で犯人が次に狙う場所が分かったの?」
フリーゲン「ああ〜、それはですね〜……」
ミスティの問いにどう答えるか考えるフリーゲン。そして…。
フリーゲン「説明しますんで、メーア探偵事務所に行きましょう。バイクの後ろに乗って下さい。」
ミスティ「ええ。」
―数十分後・帝都ヘイムダルのアルト通り
メーア探偵事務所に帰ってきたフリーゲンはミスティを招き入れ、お茶を出した後に一言。
フリーゲン「実はですね、ミスティさんが初めてここに来た時に俺の相棒がいたでしょ?あいつ、俺とは違った方法で情報を得るんですよ。」
ミスティ「でも、それでどうやって次に狙われる場所が分かったの?」
すると、リボルギャリーが格納されている部屋からヴィントが出てきた。
ヴィント「キーワードは先日の『2』という数字と、今回の『キレイな炎』。このキーワードはミスティさん、貴女がアーベントタイムを始めてから一週間後の特番ラジオの最後で答えたアンケートの内容です。」
ミスティ「確かにそうだけど……。」
ヴィント「『キレイな炎』とは、寝る前に灯すアロマキャンドルの事。犯人はガレリア要塞から炎の海にして、巨大なアロマキャンドルのように見立てようとした。」
フリーゲン「確かに、巨大なアロマキャンドルを見せるには大量の火薬がいる。この近くでそれが出来るのは、ガレリア要塞だけってわけか。」
ヴィント「そうだ。つまり、犯人はミスティさんが特番で答えた事を現実に起こしているんだ。」
締めくくったヴィントの言葉にミスティは絶句し、言葉が出なかった。
数分後、絶句していたミスティは我に返ってヴィントの言っていた言葉の意味を考える。
ミスティ「つまり、犯人は私がアンケートで答えた事を行っているという事?どっ、どうしましょう!?このままだと、またどこかに被害が!!」
ヴィント「それは大丈夫ですよ。」
ミスティ「えっ?」
フリーゲン「そうですね。こっちにはアンケートに答えたミスティさんがいるんです。なら、奴より先回りは出来るはずですよ。」
ミスティ「な、なるほど……。」
その後、フリーゲンとヴィントはミスティからアンケートに答えた内容を聞き出した。
フリーゲン「残りのアンケートの答えは2つ。『好きな食べ物は?ガルニエ地区にある屋台のクレープ』と『好きな景色は?夕方に見るバルフレイム宮』か。」
ミスティ「あっ、でも……。」
ヴィント「そうなんですか。ミスティさん、この後の予定は?」
ミスティ「えっと、生放送で帝都にある有名どころの飲食店を巡る予定よ。」
フリーゲン「念のために同行しても?」
ミスティ「もちろんお願いします!」
―1時間後・帝都ヘイムダル駅前にて
ミスティ「はい!こんにちは、皆さん!アーベントタイム特別編が始まりました!今回は、帝都にある有名どころの飲食店を巡ります!」
◇1軒目・ヴァンクール大通りの百貨店内
ミスティ「はい!まずは帝都に来たら、皆さんご利用するヴァンクール大通りの百貨店に来ました。ここの2階の飲食店はコーヒーが絶品なんですよね。私もオフの日はよくコーヒーを飲むんですが、ここはまだなんですよね。それではお願いします!」
ミスティの掛け声で店主はコーヒーとアップルパイを出し、ミスティはそれを食していく。
ミスティ「う~ん!!アップルパイの甘味とコーヒーの僅かな苦味がベストマッチしますね!!メニューを見ると、まだまだ美味しそうな物がいっぱいありますね。いつか、このメニューを全部制覇しようかな?」
◇2軒目・帝都まんじゅう
ミスティ「次は帝都まんじゅうのお店です!!まんじゅうというのは東方ではメジャーな食べ物なんですが、帝国では珍しいんですよね。ですが、この店は帝都では知らない人はいない名店なんですよ!!では早速お願いします!」
ユイ「は~い!」
ミスティの掛け声で奥から現れたのは、マネー・ドーパント事件でミリオンコロッセオに入り浸っていたユイ・マーレだった。
そう、ここはマーレ一家が経営する帝都まんじゅう店なのだ。そしてユイはミスティに帝都まんじゅうを出した後にフリーゲンの側に来る。
ユイ「お久しぶりですフリーゲンさん。あの時はご迷惑をおかけしました。(小声)」
フリーゲン「おう、久しぶりだな。楽しくやってるみたいだな?(小声)」
ユイ「はい。一生懸命、頑張ってお店の手伝いしてます。時々、鉄道憲兵隊の方も買いに来て下さるので、借金もだいぶ少なくなってきました。(小声)」
フリーゲン「そりゃ、良かったな。俺も近いうちにまた買いに来させてもらうぜ。(小声)」
ユイ「はい、お待ちしてます。(小声)」
ミスティ「ゴホッゴホッ!」
フリーゲンとユイが小声で話していると、ミスティが急に咳き込み、水を要求した。どうやら、まんじゅうがのどに詰まったようだ。
ユイ「ああ!大丈夫ですか!?どうぞ、水です!!」
ミスティ「ゴクッゴクッ。プハッ!ああ〜、死ぬかと思ったわ。」
スタッフ一同「アハハハハハッ!(笑)」
◇3軒目・ガルニエ地区の屋台のクレープ
ミスティ「さて、次で最後です。ガルニエ地区に屋台を構えるクレープ屋さんです!!ここのクレープは絶品ですよ!!女学院の皆さんや帝都士官学院の女生徒の皆さんもぜひ、食べてみて下さい!!」
すると、クレープを作り終えた店主がミスティにクレープを渡す。
ミスティ「はい!ここの一番人気のクレープ、スペシャルチョコバナナクレープが来ました!早速いただきましょう!あ~む。」
クレープにかぶりついたミスティは目を見開いて解説を始める。
ミスティ「ん〜〜!!物凄く美味しいですね!!生クリームはあっさりでしつこくなく、チョコは少し苦みのあるビターチョコを使い、それに対抗する為に甘味が強い品種のバナナを使ってますね!!生クリーム、ビターチョコ、バナナの旨味が上手く混ざり合って最高です!!これはデートの時に絶対食べた方が良いですよ!」
フリーゲン「今度、クレアとデートする時にここに連れて来るか。」
ミスティ「さて、アーベントタイム特別編ももう終わりですね。もし、今回の企画が好評だったら第2弾があるかもしれないので、お便り待ってま〜す!帝都ヘイムダルよりミスティでした〜!」
ディレクター「はい、OK!良かったよミスティちゃん!」
ミスティ「ありがとうございますディレクター。皆さんもお疲れ様でした!」
スタッフ「ミ、ミスティさん。これ……。」
ディレクターのOKでアーベントタイム特別編は無事に終了した。しかし、このまま終わるはずもなく、スタッフの1人がミスティに1枚のハガキを持ってきた。
ミスティ「来ましたか。……っ!!」
フリーゲン「失礼、ミスティさん。『貴女の好きな景色を送ります。』やっぱりな。おい、ヴィント。」
ミスティに例のハガキが来て、それを見たフリーゲンはスタッグフォンでヴィントに連絡する。そしてすでに本棚に入っていたヴィントは……
ヴィント「なるほど。やはり、犯人はあの人だったようだ。」
フリーゲン「ああ。俺はバルフレイム宮に向かうぜ。それじゃ、ミスティさんはここにいて下さいね。」
ミスティ「ええ。お願いしますね。」
―ドライケルス広場にて
「さあ、始めるか。」
〈ヴァイオレンス〉
広場にコートを着た男が現れ、左手の手袋を取ると手の甲には、メモリを挿入する為の生体コネクタがあった。
そして男はコネクタにメモリを挿入し、例の筋肉ムキムキのヴァイオレンス・ドーパントとなる。それを見た広場にいた人々は逃げ、バルフレイム宮を守っていた帝都憲兵隊が応戦しようとした時……
W「オラァッ!!」
―ズガンッ!
「グハッ!?」
すでにWに変身したフリーゲンはハードボイルダーの突撃でヴァイオレンスを吹き飛ばした。
W「こいつは俺がやるから、あんたらは周辺の住民の避難を!!」
憲兵隊1「はっ、はい!」
「クソッ!なぜ俺がここに来ると分かった!?」
W「お前はミスティさんが、アーベントタイムで話したアンケートの答え通りの犯行を行っていた。だが1つだけ、お前はミスをした。」
「ミスだと?」
ヴィント『彼女は好きな景色は?の問いに対して、「それは内緒です。」と言ってラジオでは答えていない。それは彼女自身からも聞いている。』
回想シーン
フリーゲン『残りのアンケートの答えは2つ。『好きな食べ物は?ガルニエ地区にある屋台のクレープ』と『好きな景色は?夕方に見るバルフレイム宮』か。』
ミスティ『あっ、でも……。好きな景色は?の問いの答えはラジオでは言ってないんです。その時は『内緒です』って言ったので。』
回想終了
ヴィント『つまり、ここに来れるのはその時にラジオ局にいた者に限る。そして僕らとミスティさんを除いた全ての関係者には鉄道憲兵隊に頼んで見張りをつけさせてもらった。』
W「その中で、バルフレイム宮に向かったのはあんただけなんだよ。ミスティ嬢のマネージャーさんよ!!」
「グッ!!そこまで分かってるんならしょうがねぇ!!ここで消えてもらうぜ!!」
W「『さあ、お前の罪を数えろ!!』」
〈ヒート〉
〈ジョーカー〉
W「フッ!デヤッ!」
―ドゴンッ!ズガンッ!
「グハッ!ドワッ!」
W「オラアァァッ!!」
―バキィィィッ!!
「クソッ!!」
戦闘が始まってすぐにWはヒートジョーカーになり、炎の拳でヴァイオレンスを何度も殴る。それを受けたヴァイオレンスは、先日の巨大な岩のような姿になってバルフレイム宮へと向かう。
W「逃がすか!!」
「しつこいぞ貴様!!」
―ズガガガガッ!
W「おっと。なら、こいつでいくぜ!!」
〈ルナ〉
〈トリガー〉
「くらえっ!」
―ズガがガガガッ!
W「ハアッ!」
―バシュンッ!バシュンッ!
「グアアァッ!?クッ…!!」
バルフレイム宮に向かうヴァイオレンスを追う為に、Wはハードボイルダーに乗って追いかけるが、それに気づいたヴァイオレンスがつぶてを発射してきた。
しかし、それを見たWは素早くルナトリガーにチェンジしてつぶてを撃ち落とし、さらにはヴァイオレンスにダメージを与えた。
W「これでトドメだ!!」
―ガシャンッ!!
〈トリガー・マキシマムドライブ!〉
W「『トリガースタッグバースト!!』」
―バシュウゥゥゥッ!!
―ズガァァァァンッ!!
マネージャー「グハッ!!ミスティさん……ごめんなさい……。」
W「やれやれ。」
ヴァイオレンスにダメージを与えたWはトドメをさす為にトリガーマグナムにライブモードのスタッグフォンを装着する。
その状態でトリガーメモリを装填し、エネルギーをチャージしてマキシマムドライブを撃つと、いつもの光弾ではなく、2本の光線となりしかもスタッグフォンを装着した事で光線がヴァイオレンスを挟み込むように着弾した。
その後、メーア探偵事務所にて
フリーゲン「『報告書・ミスティ嬢のマネージャーは帝都憲兵隊に連行されていった。クレアから事情聴取の内容聞いたがどうやら、ミスティ嬢のマネージャーとしては自分はひ弱だから、強くなりたい。という理由でガイアメモリに手を出してしまったらしい。強さというのは、何も『力』だけじゃないと俺は思う。あのマネージャーもいつか、それを知ってほしい。』」
フリーゲン「さてと、今日は珍しくクレアとミリアムは遅くなるらしいしな。俺が晩飯を作っといてやるか。」
タイプライターで報告書を打ち終えたフリーゲンは今夜の晩御飯の買い出しへと出かけた。