Wの軌跡   作:カオスカラミティ

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本家Wではクリスマスの時期ですが、前回の話の続きで書くのでまだ6月、つまりクリスマスまでは半年ほどあります。

なので、この話ではフリーゲンの誕生日という事にします。


劇場版・ビギンズナイト①

―オスギリアス盆地にて

 

はるか昔に2つの至宝が激突して出来た、オスギリアス盆地。そこに灰色のカーテンのような壁が出現し、その中から1人の青年が出てきた。

 

?「次の世界についたが殺風景だな。にしても……」

 

青年は胸ポケットからある物を取り出した。

 

?「俺の知らない奴がいるとはな。果たしてこの世界で会えるのか……。とりあえず、近くの街に向かうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―6月上旬、メーア探偵事務所にて

 

フリーゲン「〜♪〜♪〜♪」

 

フリーゲンは事務所に飾ってあった帽子を手に取ると、鏡の前まで移動して被る。そしてカッコよくポーズを決めるが……

 

?「こーらっ。」

 

フリーゲン「あっ、何すんだよ所長。」

 

?→メーア「勝手に被っちゃダメって、いつも言ってるでしょ?」

 

フリーゲンの背後から、依頼を終えて帰ってきたメーア所長が帽子をヒョイっと取った。

 

フリーゲン「ちょっと位、良いじゃねぇか。」

 

メーア「ダメよ。男性の探偵が帽子を被るのはね、目元の冷たさと優しさを隠すのが理由なの。貴方には、まだどっちも無いでしょ。」

 

そう言って、メーアはフリーゲンから取った帽子を元の位置に戻す。

 

メーア「もし、またこっそりと被ったらこの事務所から叩き出す事も考えないとね。」

 

フリーゲン「うげっ!?」

 

メーア「嫌なら、ちゃんと言う事を聞きなさい?」

 

フリーゲン「分かったよ。分かりましたよぉ。」

 

笑顔でとんでもない事を言ったメーアに、フリーゲンは顔をしかめる。どうやら、以前にも言いつけを破った事があるようだ。

 

それを思い出したフリーゲンは、素直にメーアの言葉に頷く。

 

フリーゲン「それより所長、今日は何の日か。分かってるよな?」

 

メーア「もちろんよ。」

 

複数の声「ハッピーバースデー!!」

 

フリーゲン「へっ?」

 

ミリアム「おーい!」

 

 

 

 

―バシンッ!

 

フリーゲン「痛っ!……ミリアム!」

 

メーアから複数の声が聞こえ、自分の耳がおかしくなったのかと思ったフリーゲンだが、背後から聴こえた声に振り返る。

 

すると、ハリセンでおもいっきり叩かれ、寝ていたフリーゲンは飛び起きた。しかし、フリーゲンはミリアムの姿を見て慌てていつものイスを見るが、当然そこには誰も座っていなかった。

 

フリーゲン「所長は?」

 

ミリアム「メーア所長?」

 

クレア「メーア所長が帰ってきた夢でも見たのフリーゲン?」

 

フリーゲン「何だ……夢か。」

 

ミリアムとクレアの言葉に、先程の事は全て夢だと分かり、少し落ち込むフリーゲン。するとそこに、情報屋の1人であるデスラルが駆け寄ってきた。

 

デスラル「寝ぼけちゃダメだよぉ!!予約取るよぉ!!」

 

フリーゲン「うわぁっ!!ビックリした!!」

 

デスラル「バーン!チキンは……胸と足とどっちが良い?」

 

グロスト「ムーネ!ムネムネ。ねぇ、フーちゃん。フーちゃん、胸好きだからね。」

 

デスラルがバースデーの予約を取ろうとして、チキンはどっちが良いか聞いていると、またしても情報屋の1人であるグロストが駆け寄り、胸肉を激推しする。

 

フリーゲン「どっちだって良いよ!!」

 

グロスト「裏切り者……。ザ・ムネーズの誓いを忘れたかい?」

 

フリーゲン「何だ、そのチーム名!?そんな誓い、した覚えねえんだよ!!」

 

クレア「というか、グロストさんは今ここで逮捕した方が良いかもしれませんね。放置しておけば、女性を襲いかねませんし。」

 

グロスト「いやいや、ザ・ムネーズって今考えただけだから!!だから、逮捕しないで!?」

 

グロストの胸肉激推しにフリーゲンは叫んで否定する。するとグロストは意味不明なチーム名の誓いを呟くが、またしてもフリーゲンは叫んでそれを否定する。

 

すると、そのやり取りを聞いていたクレアが鋭い視線でグロストを睨み、とんでもない事を言った。その状態のクレアを見て恐れたグロストは慌てて今までの言葉を否定する。

 

デスラル「ピー、ボーン!」

 

グロスト「アアッ!」

 

デスラル「足、レッグ、フットが良い人?」

 

クィーン、エリザベス、ミリアム「は〜い!!」

 

クィーン「足派の勝ち〜」

 

グロスト「食べちゃうぞ〜!」

 

すると、デスラルがグロストに向けてビームを出すような仕草をすると、グロストはうめき声を上げて沈黙する。

 

そして、グロストが沈黙するとデスラルは自分の足を指さして足の肉が良い人を聞く。すると圧倒的多数で足派が勝利した。

 

それを見たグロストは学生の情報屋であるクィーンやエリザベスに襲いかかる。

 

―ピンポ~ン

 

その時、事務所のインターホンが鳴るが、中ではギャアギャアと騒がしいので聞こえてなかった。

 

―ピンポン。ピンポン。

 

今度は連続で鳴るが、やはり中が騒がしい為、聞こえない。するとインターホンを鳴らした人物はドアの取っ手を掴んで開き、中に入る。

 

しかし、そこには誕生日パーティーの準備をしているメンバーがおり、わちゃわちゃしているで気付かない。1人を除いて……

 

クレア「皆さん、静かに!!依頼人ですよ!!」

 

全員「あっ……。」

 

依頼人「あっ、すいません!探偵事務所と間違えました!」

 

全員「あぁぁぁぁっ!!探偵事務所です!!」

 

依頼人「ですよね!」

 

 

 

その後、情報屋達が居つつも依頼人である姉妹デュオのアサミ&マスミのアサミさんの話を聞くと、何と依頼内容は海難事故で死んだはずの姉―マスミさんを探してほしいとの事。

 

フリーゲン「お姉さんって確か、海難事故で……」

 

アサミ「はい。でも、その姉が5日前に……。」

 

アサミが仕事を終えて帰ろうとすると、ファンの人達に囲まれるが、その時に遠くに姉の姿を見たと言うのだ。

 

フリーゲン「ユウレイを探せって事なのかい?」

 

アサミ「姉はまだ遺体が見つかって無くて……。死んだと思いたくないんです……。」

 

アサミの『遺体が見つかってない』という言葉にフリーゲンは1年前のビギンズナイトの時を思い出した。亡くなったメーア所長の遺体も、いまだに見つかっていないからだ。

 

アサミ「お願いします、姉を探して下さい。」

 

クレア「パーティーはまた今度ですね。」

 

情報屋達&ミリアム「え〜〜〜!!」

 

エリザベス「せっかくヴィント君と仲良くなれるチャンスだったのにぃ!!」

 

クィーン「ほれほれ、行くよ。」

 

ヴィント「死者が生き返る!!そんな事、あり得ないな。これは調べてみる必要がある。」

 

クレアの今日のパーティーは無し発言に、情報屋達は不満タラタラだが、ヴィントは死者が生き返った事に興奮し、早く調べたくてしかたないという感じだった。

 

フリーゲン「この街は俺の庭だ。安心して待ってな。」

 

そう言って、フリーゲンは愛用している〈ル・サージュ〉の帽子を被り、調査に乗り出し、情報屋達も協力して色々と情報を集めていく。

 

フリーゲン〈ヒットチャート常連だったアサミさんは、悲しい事故が起こった後も、健気に頑張って1人で曲を作り続けている。俺は彼女が見たユウレイの正体を突き止めてやりたいと思った。〉

 

フリーゲン〈もしそれが、他人の空似か何かでも……。だが、予想外の事が分かってきた。〉

 

 

 

ーヴァンクール大通り・百貨店

 

ミリアム「あっ、クレア、フリーゲン!!こっちこっち!!」

 

ミリアムが重要な手かがりを掴んだと言うので、百貨店内の喫茶店に来たフリーゲンとクレア。

 

ミリアム「ねぇねぇ、さっきの話をこの2人にもしてあげて。」

 

 

 

ヴィント「死人還り?」

 

フリーゲン『ああ。』

 

ミリアムや他の情報屋達が得た『死人還り』という情報を事務所で待機しているヴィントに、スタッグフォンで伝えるフリーゲン。

 

 

 

フリーゲン「死んだ人間が遺族と会っていたっていう話が、あちこちでウワサになってんだ。」

 

ヴィント『それって、アサミの姉もそうって事かい?』

 

 

 

ヴィント「バカを言っては困る。当時の事故を検索したが、生存者がいる可能性はほぼゼロだ。死者が生き返る事はない。」

 

フリーゲン「そりゃあそうだが、どうしても気になるんだよ。」

 

ヴィント「キミ特有の直感か。」

 

フリーゲン「死人還りは、故人に縁のある場所で起こりやすいってウワサだ。ちょっと調べてくる。」

 

クレア「待って、フリーゲン。」

 

そして、通信を終えたフリーゲンはマスミに縁のある場所に行こうとするが、クレアが呼び止めた。

 

クレア「マスミさんのお墓に行ってみませんか?」

 

フリーゲン「墓に?」

 

クレア「何かの手がかりになるかも。」

 

フリーゲン「そうだな。行ってみるか。」

 

ミリアム「えぇぇぇっ!?」

 

クレアの意見に賛成し、ヒンメル霊園へと向かう事にした3人。ミリアムは嫌々、ついて行ったが……

 

 

 

ーヒンメル霊園

教会の神父に頼んで、マスミさんのお墓へと案内してもらった3人は持ってきた花を手向ける。

 

神父「遺体はありませんが、ご遺族が作られた墓です。」

 

ミリアム「死体が入ってないんなら、ここからは出てこないね。」

 

フリーゲン「ミリアム、もう少し声のトーンを落とせ!(小声)」

 

神父「死人還りですか?」

 

3人「えっ?」

 

ミリアムの身も蓋もない言葉にフリーゲンは焦るが、神父は例の噂を知っていたようだ。

 

神父「非常に不愉快です。死とは、人間にとって厳粛(げんしゅく)な絶対の瞬間なのに。」

 

フリーゲン「ですよねー!」

 

クレア「大変、失礼しました。」

 

神父に謝罪した2人は、ミリアムを引っ張ってその場を後にする。すると、そのタイミングでクレアのARCUSに着信が入る。

 

クレア「もしもし?あっ、アサミさんですか。えっ?」

 

ミリアム「どうしたの、クレア?」

 

クレア「アサミさんが依頼を取りやめたいって……」

 

2人「ハアァァァァッ!?」

 

何と依頼者のアサミさんから、今回の依頼の取りやめの通信だった。それを聞いたミリアムは……

 

 

 

―霊園から帝都に向かう街道にて

ミリアム「冗談じゃないよ〜〜〜!!」

 

フリーゲン「待て待てミリアム!!」

クレア「ミリアムちゃん、落ち着いて下さい!!」

 

2人「っ!?」

 

アガートラムに乗って、アサミの元へ行こうとするミリアムを必死でなだめる2人。しかしそれが止まり、2人とも驚いた表情で同じ方向を向いているので、ミリアムもそちらを見る。

 

するとそこにいたのは……

 

フリーゲン「見つけた……。」

 

クレア「あれは間違いなく……。」

 

ミリアム「ゆ、ゆ、ゆ、……ユウレイ!?」

 

亡くなったはずのアサミの姉、マスミだった。3人は真相を確かめる為に追いかけるが、全く追いつかない。

 

そして街道から外れた高台まで来ると、空が急に暗くなった。

 

フリーゲン「何だ?」

 

クレア「フリーゲン、あれを!」

 

フリーゲン「ん?」

 

デス「ホッホッホッホッホッ。我が名は“デス”。死の世界の支配者。愛する者を失った人々の悲しみをうめてやる事の出来る唯一にして、最高の救世主だ。」

 

クレアが指さす方を見ると、モヤのような物が現れ、それがボロ布を纏い、顔から下はいくつものガイコツが重なったドーパントに変わった。

 

フリーゲン「やっぱりドーパントがらみだったか。いくぜ、ヴィント。」

 

 

 

ヴィント「ああ。」

〈サイクロン〉

 

 

〈ジョーカー〉

 

2人「変身!」

 

〈サイクロン〉

〈ジョーカー〉

 

ダブルドライバーを装着した後、ヴィントから転送されてきたサイクロンメモリを再装填し、その後、ジョーカーメモリを装填した後、ドライバーを開いて仮面ライダーWに変身した。

 

変身完了後に吹き荒れる風でデス・ドーパントはWのすぐ側に落ちてきた。

 

「仮面ライダーだったのか。ウァァァァァッ。」

―ビュンッ!ビュンッ!

 

W「オラッ!ハッ!」

―ドガッ!バキッ!

 

〈トリガー〉

 

落ちてきたデス・ドーパントは持っていた鎌でWを攻撃するが、Wは簡単に避けて逆に自分の攻撃を確実に当てていく。

 

そして相手の攻撃を避け、一瞬の隙をついてジョーカーメモリを抜いてトリガーメモリを起動し、ドライバーに装填する。

 

〈サイクロン〉

〈トリガー〉

 

W「ハアッ!」

―ズガガガガンッ!

 

「ウオォォォ…」

 

ミリアム「良いぞー!ユウレイなんか、やっつけちゃえー!」

 

サイクロントリガーの高速の弾丸でダメージを負うデス・ドーパントだが、途中で透明になって消えてしまった。

 

ミリアム「あれ?消えちゃった……」

 

クレア「いったい、どこに?」

 

ヴィント『フリーゲン、あれは……。』

 

消えたドーパントを探す為に、周囲を見渡す3人。すると、ヴィントが何かを見つけてフリーゲンに声をかける。それに応える為にフリーゲンは振り返るが、そこにいたのは……

 

―コツコツ。

 

フリーゲン「そんな…。そんなバカな…。」

 

ミリアム「まさか、あの人が…。」

クレア「メーアさん?」

 

そう、メーア探偵事務所の初代所長であるメーアがその場にいた。

 

フリーゲン「所長!!」

 

ヴィント「落ち着けフリーゲン!そんな事はあり得ない。」

 

フリーゲン「そうだ、あり得ねぇ。」

 

目の前に亡くなったはずのメーアが現れて、取り乱すフリーゲンだが、ヴィントの言葉で落ち着きを取り戻す。しかし、それを見越していたかのようにメーアは一本のガイアメモリを取り出す。

 

〈マリン〉

 

メーア「変身。」

 

〈マリン〉

 

それはメーア専用のガイアメモリ―〈マリンメモリ〉だった。そのメモリを起動すると、腰にロストドライバーが出現してメモリを装填するとメーアは青い装甲に身を包まれた〈仮面ライダーマリン〉に変身した。

 

マリン「ハアッ!」

―ズガッ!バキッ!

 

W「所長……!」

 

マリン「フッ!」

―ザシュッ!ザシュウゥッ!

 

W「ウワァァッ!」

 

変身したマリンは一瞬で間合いを詰め、Wを攻撃する。そしてWを蹴り飛ばすと、剣を装備してWを斬りつけていく。

 

マリン「ハアッ!ヤアッ!」

―ドガッ!ザシュッ!

 

W「やめろ!やめてくれ所長!」

 

マリンはさらにWに回転蹴りをくらわせ、その勢いでもう1回転し、剣でWを斬りつける。

 

〈ルナ〉

 

―バシュン!バシュン!

 

フリーゲン「やめろ、ヴィント!」

 

ヴィントの判断でルナトリガーになり、反撃するWだがフリーゲンがその反撃を止める。

 

ヴィント『冷静になれ。このメーア所長は本物ではない。』

 

フリーゲン「マリンになったんだぞ!本物だ!」

 

〈マリン・マキシマムドライブ〉

 

ヴィント『本物のはずがない。なぜなら彼女は、メーア所長は……メーア所長はもう死んだんだ。』

 

マリン「テヤァッ!!」

―バシュウゥッ!!

 

フリーゲン「グワッ!!ウァァァァァッ!!」

 

2人が言い合っている間に剣にマリンメモリを装填し、エネルギーをチャージする。そしてマキシマムドライブを発動すると、エネルギー状の斬撃を放ってWをふっ飛ばし、変身を強制解除させた。

 

それを見届けたメーアも変身を解除し、あまりのダメージでうずくまっているフリーゲンに一言。

 

メーア「勝手に被っちゃダメって、言ったわよねフリーゲン?」

 

フリーゲン「っ!?」

 

メーア「貴方は進歩がない。やめなさい、もう。」

 

それだけ言うと、メーアはこの場から去って行った。すると姿は見えないが、デス・ドーパントの声が周囲に響く。

 

デス「見たか、仮面ライダー。私が死者を自在に復活出来る証拠を。」

 

フリーゲン「くっ…あっ…」

 

クレア「フリーゲン!!」

ミリアム「大丈夫!?」

 

気を失ったフリーゲンのもとにクレアとミリアムが駆け寄るが、あまりの大ダメージに目を開ける事は無かった。




はい!!という事でメーア所長の使用メモリは〈マリン〉でした!!

このマリンメモリは、自分が別サイトで書いていたWの小説のもう1人の主人公が使用しているメモリなんですが、せっかく初代所長の名前が海を意味する名前なんで、使ってみました。

設定の話にメーア所長の挿絵を入れました。

設定に追加しておきました。
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