Wの軌跡   作:カオスカラミティ

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園咲琉兵衛役の寺田農さん、御冥福をお祈りします。


劇場版・ビギンズナイト②

デス・ドーパントとの戦闘後、気絶したフリーゲンをクレアが抱えてメーア探偵事務所に戻ってから数時間後。

 

 

エンゲルス「失礼します。フリーゲンさん、頼まれていた物を持ってきました。」

 

クレアの直属の部下であるエンゲルスとドミニクが探偵事務所を訪ねてきたが、フリーゲンは2人に目もくれずに出ていこうとする。

 

ドミニク「ちょっとフリーゲンさん、どこに行くんですか!?調査に行くなら、持ってきた情報を読んでからの方が……。」

 

フリーゲン「そんなもん、もう必要ねぇ。」

 

ドミニク「えっ?」

エンゲルス「どういう事ですか?」

 

頼まれていた物を受け取ろうしないフリーゲンに、エンゲルスとドミニクは戸惑いながらも、理由を訊ねる。

 

フリーゲン「俺は今日限りで、探偵をやめる。」

 

ドミニク・エンゲルス「えぇっ!?」

 

フリーゲン(仮面ライダーもな。)

 

―バタンッ!

 

フリーゲンの探偵をやめる発言に2人は驚き、フリーゲンはそのまま事務所から出ていってしまった。

 

フリーゲンが出ていってから数秒は驚きに固まっていた2人だが、我を取り戻すと上司であるクレアに詰め寄る。

 

エンゲルス「ク、クレア大尉!!彼が言っていた事は本当なんですか!?」

 

ドミニク「うっ、嘘ですよね!?冗談ですよね!?」

 

クレア「いえ、あの目は本気の目でした。恐らく、フリーゲンは本当に探偵をやめるつもりなんでしょう。」

 

ドミニク「そっ、そんな……。」

 

部下2人の言葉に、クレアは俯きながらフリーゲンの言葉は本当だと答える。その返答にドミニクは悲しげな表情になるが……

 

クレア「ですが、安心して下さい。私が首根っこを掴んででも探偵の道に、この事務所に連れ戻しますから。」

 

エンゲルス「私としても、このまま彼が探偵をやめてしまうのは惜しいと思いますので、よろしくお願いします大尉。」

 

ドミニク「そうですよ!彼の探偵としての視点のおかげで、どれだけ助けられた事か!クレア大尉、絶対にフリーゲンさんを連れ戻して下さいね!」

 

エンゲルス「それでは、フリーゲンさんに頼まれていた物を置いていきますね。」

 

クレア「お2人とも、ご苦労さまです。」

 

2人「失礼します。」

 

クレアが必ず連れ戻すと宣言するとエンゲルスとドミニクは頭を下げて、クレアにフリーゲンの事を任せて自分達は、持ってきた情報が入った封筒を置いて職務に戻った。

 

ヴィント「クレアの部下達にも情報収集を頼んでいたんだね、フリーゲンは。」

 

ミリアム「ダメッ!!」

 

リボルギャリーが格納されている部屋から出てきたヴィントはエンゲルスが置いていった封筒を手に取ろうとするが、ミリアムがそれを阻んだ。

 

ミリアム「これを見て、キーワードを探すのはフリーゲンの役目だよ。」

 

ヴィント「だが、フリーゲンは……」

 

クレア「大丈夫ですよ、ヴィント君。私の知っているフリーゲンは甘ちゃんで、ハードボイルド気取りのハーフボイルドですが、諦めが悪くて一度受けた事は最後までやり遂げる男なんです。」

 

前半のクレアのセリフはフリーゲンをおちょくるような物ばかりだが、後半は彼の事をとても信頼している事が伝わり、ヴィントは「フッ。」と軽く笑った。

 

ヴィント「分かった。」

 

 

 

 

―翌日、海都オルディスの沖合

 

フリーゲン「………。」

 

フリーゲンは港にいた小型ボートの船員に頼み込んで、ブリオニア島よりもさらに奥にある、とある島へと向かっていた。

 

フリーゲン「………。」

―ガサッ。

 

とある島――ミュージアムがガイアメモリを製造していた島に到着すると、フリーゲンは送ってくれた船員に礼を言って、船を返す。そして目の前にある半壊したビルを見上げ、持ってきた花束をそっと目の前の岩の上に置いた。

 

ヴィント「墓参りのつもりかい?メーア所長の。」

 

フリーゲン「お前、どうして……。」

 

ヴィント「あれさ。」

 

声がした方を振り返ると相棒のヴィントが立っており、フリーゲンはどうやって来たのか訊ねる。するとヴィントはある方向に視線を向ける。そこにはハードスプラッシャーが停泊していた。

 

ヴィント「死体も見つからないのに、気休めだな。ハーフボイルドな君らしい。」

 

フリーゲン「何だと!」

 

ヴィント「フッ。ここで初めて会った時にも、こうやって胸ぐらを掴まれたっけ。」

 

フリーゲン「そうだったな。」

 

すると、ヴィントはフリーゲンとメーアと初めて会った、あの日の夜の事を話し始める。

 

ヴィント「思い出したまえよ、フリーゲン。僕たちが初めて仮面ライダーになった、あの始まりの夜―〈ビギンズナイト〉にあった事を。」

 

フリーゲン「……そうだ。俺がちゃんと言われた通りにやっていたら、あの日、所長は死んでなかった。」

 

 

―回想開始

フリーゲン『〈運命の子〉?』

 

メーア『ええ。この世界の全てを背負ってしまった少年よ。』

 

メーア『敵はこの島で彼の力を引き出し、悪事に利用している。彼を救い出したい。それが私の依頼人の願いよ。』

 

フリーゲン『所長、俺も力になるぜ。』

 

メーア『半人前の力だという事を、忘れないようにね。良いフリーゲン?私の命令は必ず守りなさい。』

 

ミュージアムがガイアメモリを製造しているビルに侵入したメーアとフリーゲンは、物影に隠れながら目的の少年の元へ歩を進める。

 

その最中にメーアが今回の依頼内容を話すと、フリーゲンが得意気な顔で「力を貸す」と言ってくるが、メーアは調子に乗っている彼を叱責する。

 

フリーゲン『チェッ。こんな所にまで来て、いつもの説教かよ。』

 

―ガシッ!

 

メーア『“こんな所”だからよ。』

 

フリーゲン『分かったよ、分かりました。約束するよ。』

 

―ビー!ビー!ビー!

 

メーアの説教に愚痴るフリーゲンだが、メーアは彼の肩を掴み、いつも以上に真剣な顔で睨む。それを見たフリーゲンはメーアの言葉に頷く。

 

そして、2人は再び件の少年を確保する為に動こうとするが、突如として警報が鳴り響く。

 

タブー『出てきなさいコソドロ。それとも、我々〈蛇〉の事を調べている者かしら?どっちにしても、うっかり地獄に迷い込んだ愚か者ね。』

 

フリーゲン『バケモン……。』

 

メーア『フリーゲン、最初の命令よ。これを持ってこの場を動かないように。』

 

フリーゲン『でも、所長……』

 

メーア『良いわね?』

 

隠れた場所の隙間から、空を飛ぶ赤いバケモノが見えたフリーゲンは驚くが、メーアは冷静を保って持っていたケースをフリーゲンに預けてこの場を動かないように命ずると、メーアは赤いバケモノと黒服達の前に姿を現す。

 

黒服1『いたぞ!』

 

黒服1『ハアァァッ!』

 

メーア『フッ!』

―バキッ!

 

黒服1『グハッ!』

 

メーア『セアッ!』

―ドガッ!

 

黒服2『おあっ!』

 

メーア『ハアァァァァッ!!』

―バキィィィッ!!

 

黒服3『ガアァァァッ!!』

 

黒服達の攻撃をかわし、時には反撃して相手を蹴散らしていくメーア。そして、突っ込んできた黒服を視界に捉えたメーアは、その黒服めがけて飛び蹴りをくらわした。

 

しかし、飛び蹴りをくらわした黒服はポケットから大きめのUSBメモリ―〈ガイアメモリ〉を取り出して起動し、自身の首に挿し込むと姿が変わる。

 

しかも、蹴散らした他の黒服達もマスカレイドメモリを使用して再びメーアの周囲を囲んだ。

 

メーア『〈マスカレイド〉。仮面舞踏会の記憶が込められたメモリって事ね。ん?』

 

タブー『強くて美しい女性。素敵ね。でも残念、貴女はここで消えるわ。』

 

―バチバチッ!

 

メーア『お嬢さん。撃って良いのは、撃たれる覚悟がある奴だけよ。』

 

タブー『なに?』

 

周囲を戦闘員に囲まれ、さらには幹部のタブードーパントに攻撃されかかっているにもかかわらず、メーアは冷静にタブードーパントを見据える。

 

メーア『相手があなた達のような人達なら、遠慮なく“これ”が使えるわね。』

 

―カチャ。

 

タブー『ロストドライバーですって!?なぜ、貴女が!?』

 

タブードーパントが驚いている間にも、メーアは青いメモリを取り出して起動し、ロストドライバーに装填する

 

〈マリン〉

 

メーア『変身。』

 

〈マリン〉

 

メーア『さあ、あなたの罪を数えなさい。』

 

変身が完了したメーアは自身のお気に入りの口癖を発し、戦闘を開始した。

 

メーア『ハッ!』

―ドガッ!

 

メーア『セイッ!』

―バキッ!

 

タブー『ハアァァ……ハアッ!』

 

メーア『っ!!フッ!』

 

『グワアァァァッ!!』

 

メーア『セヤアァァァッ!!』

―バシュウゥッ!!

 

タブー『ウアッ!!クッ……。』

 

先程の生身の時と同じように、無駄の無い動きでマスカレイド達を蹴散らしていく。

 

その時、背後からタブードーパントが複数の光弾を撃ってくるが、メーアは掴んでいた2体のマスカレイドを盾にして数発の光弾を防ぎ、追撃の光弾は剣を装備して斬っていく。

 

そして、剣から斬撃を飛ばしてタブーの肩を斬りつけ、斬りつけられたタブーは一旦退却していった。

 

フリーゲン『ん?』

 

メーアの戦いを見て、呆気に取られていたフリーゲンのふと視線の端に1人の少年が映る。その少年は一直線に目的の部屋へと向かっていった。

 

フリーゲン『もしかしてあいつが……?』

 

フリーゲンは今の少年が例の〈運命の子〉だと分かり、保護しようとするが、先程のメーアの『この場を動くな。』という言葉を思い出し、動きを止める。しかし……

 

フリーゲン『いや、ここであいつを保護すれば、所長も俺の事を見直すぜ。』

 

そう呟いて、フリーゲンはメーアの言いつけを破って〈運命の子〉を追いかけてしまった。

 

 

 

フリーゲン『おい、お前が〈運命の子〉か?』

 

運命の子(ヴィント)『誰だい?組織の人間じゃないね。組織に選ばれるような知識があるようにも、見えない。』

 

フリーゲン『なんだと!!』

 

運命の子に話しかけるフリーゲンだが、彼のストレートな物言いにキレる。しかし、運命の子は意に介さずに目の前の部屋に入っていく。

 

フリーゲン『おい、年上になんて口の聞き方だ!!……っ!?』

 

運命の子を追って部屋に入ると、そこには色々な機械が置いてあり、さらには目の前のガラスケースには完成しているガイアメモリが置かれていた。

 

フリーゲン『ガイアメモリ?お前が……お前が作ったのか?』

 

運命の子(ヴィント)『……。』

 

フリーゲン『おい、何とか言いやがれ!!』

 

完成しているガイアメモリを見たフリーゲンは運命の子を睨むが、当人は気にする事なく、目の前の機械を操作する。

 

それを見たフリーゲンは怒り、運命の子の胸ぐらを掴むが彼はフリーゲンが持っていたケースに気づき、それを奪い取って開けると、まるで新しい玩具を手に入れた子供みたいに目を輝かせた。

 

運命の子(ヴィント)『これは凄い!!誰が考案したんだい?このドライバーの装着者は、僕と一体化出来る。僕の知識全てを備えた、究極の超人が誕生する!』

 

フリーゲン『なに笑ってやがる?お前らが、ガイアメモリなんてもんを作ったせいでこの街は……この街はな!!』

 

運命の子(ヴィント)『導力銃を作っている工場の人間は犯罪者か?』

 

フリーゲン『は?』

 

運命の子の笑顔を見て、フリーゲンは腹が立って再び運命の子の胸ぐらを掴む。しかし、運命の子は済ました顔でフリーゲンに訊ねた。

 

運命の子(ヴィント)『違うだろ?導力銃を使って犯罪をする奴が悪い。僕はただ、もっと強い力のメモリを見たいだけなんだ。』

 

フリーゲン『黙れ!!』

―ドンッ!!

 

運命の子(ヴィント)『うわっ!?』

 

―キュウゥゥンッ!

 

運命の子(ヴィント)(ガイアタワーに転送されたのか。)

 

何も言えないフリーゲンを見て、ニヤリと笑う運命の子は自分は悪い事はしていないという風に話すと、フリーゲンの怒りは限界を迎えて運命の子を押し飛ばす。

 

すると、部屋の隅にあった装置に運命の子は入ってしまい、建物の中心にあるガイアタワーに転送されてしまった。

 

 

 

マスカレイド達との戦闘を終えたメーアはフリーゲンの元へ来るが……。

 

メーア『何をやっているの!』

―パチンッ!

 

フリーゲン『うっ!』

 

メーア『その少年を確保出来ていれば、今頃は……』

 

彼は自分のしてしまった事を話すとメーアに平手打ちされ、叱責されてしまった。

 

その後、予定とは違ったが運命の子が転送された〈ガイアタワー〉へと向かい、メーアと運命の子はガイアタワーのクリスタル越しに手を合わせると、ヒビが入って何とか救出に成功した。

 

そして、見つかる前にこの厄介な場所から撤退しようとしたが見つかってしまい、敵の凶弾を受けてメーアは亡くなってしまった。




このまま書き続けると、字数がヤバいのでここでいったん切ります。
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