ようやく書類作業が終わり、窓から外を見れば日が暮れそうな頃。ざっと4時間程度、ですね。軽く背伸びをして、先生を見る。先生もちょうど終わったようで、首を回していた。私は備え付けのポットから紅茶を入れ、先生に差し出す。
「“ありがとう。うん、美味しい”」
「それなら良かったです。友人からお勧めされたので、持ってきて正解でした」
「“そうなんだ。いい友人だね”」
「はい。とても優しいんですよ」
彼女はトリニティの生徒で、最近は忙しく出会えていないけれど、またお茶でもして話がしたいな……けど今は、連邦生徒会長失踪によるキヴォトスの混乱を収めるほうが先決だ。連邦生徒会では統括室首席行政官の七神リンさんが指揮を取り、連邦生徒会長の捜索を行っている。
連邦生徒会長……彼女の失踪は彼女が進めていた政策に多大な影響を及ぼしてしまった。エデン条約しかり、犯罪件数増加しかり。本当に、どこへ行ってしまったのか……。
「“そうだ、どこか食べに行こうか?”」
「えっ、いいのですか?まだ仕事は残っていますが……」
「“大丈夫だよ、もう1割もないしね。いい時間だから、どうかな?”」
このあとに予定はない。私の仕事は昨日のうちに終わらせているし、連邦生徒会の皆からも連絡は入っていないから緊急の要件もない。それに、先生のことをより知るためのいい機会だと思う。よし!ここはお言葉に甘えて、食事にいきましょう!
「では、お言葉に甘えます」
「“良かった。それじゃあ昨日いい店を見つけたから、そこに行こう!”」
「ふふっ。はい」
先生は足取り軽く前を進む。先生はそれなりに華奢な身体なんだけれど、こうしてみると大きな背中に感じる。これが大人の貫禄というものでしょうか?父にも母にもこんなことは感じたことはありませんでした。仲は良いですよ?今でも連絡を取り合っています。
先生は、なんというか不思議な魅力のある方です。凡人の私では到底、届かないような"何か"があるのでしょう。連邦生徒会長やリンさん、その他学園の生徒会長方のようなカリスマ性に似た何か。だからこそ連邦生徒会長も彼を特別指名という形でキヴォトスに招いたのかもしれませんね。
「ああ? おいてめぇ、何見てんだよ!」
「“えっ? いや、見てないけど……”」
「お前姐さんが見れないっていうのか!? ああ!?」
「“えっと、いや、そういうわけじゃないんだけど…”」
おっと。緊急事態ですね。先生は3人の不良生徒に絡まれてしまい、困惑しています。彼女らは武装している為危険。私はすぐに
「今すぐ先生から離れなさい。さもなければ、あなた方を撃ちます」
「あ? ……げぇ! 連邦生徒副会長だ!?」
「い、行くぞお前ら!!」
私が誰か認識した不良生徒たちは慌てて逃げ去った。私はモモトークを開き彼女らの特徴、向かった方向を送信する。余罪がないとは限らないので、こうして警戒しておく必要がある。D.Uでも未だに不良がいるとは……これは調停室、防衛室などに議題として挙げておく必要がありますね。
私が端末とにらめっこし終え、顔を上げると先生がすぐ近くに来ていた。ちょっとびっくりしたのは内緒ですよ?
「“さっきはありがとう。でも、もう少し穏便にできないかな?彼女らは犯罪をしているわけでは無さそうだったし……”」
「しかしながら、恫喝はよくありません。今のキヴォトスは連邦生徒会長の失踪で犯罪件数が激増しているのです…………ここD.U.でさえこの有様です。D.U.の治安が安定するまでしばらくは私達連邦生徒会が先生を護衛します」
「“いや、そこまでしなくても”」
「ダメです。先生に何かあれば私は連邦生徒会長に顔向け出来ません」
先生は、お人好しなんだろう。それでいて善人だ。私達
和食、とても美味しかったです。ごちそうさまでした、先生。きっと守ってみせます。貴方も、キヴォトスの皆も。
ユメ先輩救済は必要か
-
必要ない!
-
救って!
-
番外編かIfルートでやって!