次話投稿です
ここは、見覚えのある場所。そう、あの人と最後に会った場所。夕日に照らされる町並みがきれいで、静かな場所。そこに立っているのは私と、あの人と2人だけ。彼女と話した、最後の記憶。あの時のことは、あまり良く思い出せない。夢とは、違う記憶のはず、だから。
「ど、どうして……」
「…………」
「……なん…………で……」
彼女は何も答えない。悲しそうな、残念そうな顔のまま、ただこちらを見ている。いつもそうだ。この夢はいつも私の問いかけには答えてくれない。どんなに詰め寄っても、触れても。ただ、返ってくる言葉は一つだけ……。
「……さようなら」
「う……あ…………まっ……まって……」
私は今にも倒れそうになりながら、呼吸だって荒いままで、手を伸ばす。その手は終ぞ、彼女には届かなかった……。
「………」
目を覚ませばもう朝の5時。また、こんな夢。もうここのところ毎日のように見ている。毎回、私が手を伸ばして、届かなくて、そこで目が覚める。はぁ……汗が気持ち悪い、シャワーに行こう……。
シャワーで汗を流し、制服に着替える。そこでふと、自分の顔を見る。そこには目の下に酷いクマを作った顔色の悪い少女が睨みつけるように映っていた。こんな顔をしていると良くない、良くないけれど………。
「はぁ……酷い顔………」
素早く化粧でクマや顔色を隠す。ここのところ毎日この繰り返しで、嫌になる。朝食を水とゼリー飲料で済ませ、家を出る。誰もいない家を見返し、呟く。
「行ってきます」
それは、誰の耳にも届くことはなく、静まり返った室内に消えていった。
「“ふぅ……とりあえずはこのくらいかな”」
残っていた書類をすべて処理し、一息つく。昨日はココアのお陰であまり時間もかからなかった。やっぱり話し相手がいると捗るね。作業もココアはとても早かったし、頼りになる。ただ、少し気になったのは、調子が悪そうだったことくらいかな。ちゃんと休んでほしいな。
そう考えながら、コーヒーを淹れていると、携帯端末が震えた。見てみればココアからモモトークのメッセージだ。内容はシャーレの施設に関するもので、居住区にあるコンビニが明後日開店するということ、足りなかったり破損していた様々な家具や機材などが運び込まれるということだった。1人信頼できる生徒を派遣するらしい。
「“いったいどんな生徒が来るんだろう?”」
来客を知らせるベルの音が鳴る。これはシャーレの入口にある端末に正規のアクセスがあったときに鳴るもので、そうでなければ非常アラームがなり、警備ロボットが行動を開始する……ここまでしなくてもいいとは思うんだけどね……。
エレベーターでロビーへ行き、ソファに座っている少女の方へ足を向ける。その少女はこちらに気付き、立ち上がりお辞儀をする。礼儀正しい子だなと思いつつ、私もお辞儀を返す。彼女が着ているのはたしか………。
「初めまして、先生!ヴァルキューレ警察学校の
ひどく明るい声音で自己紹介をした彼女は、ヴァルキューレ警察学校の生徒のようだ。しかし、着ているのはヴァルキューレの制服じゃない。それが違和感だったので、聞いてみる事にした。
「“よろしくね、シャーレの先生だよ。ところで、一つ聞いていいかな?”」
「はい、何でしょうか!」
「“その制服はたしかヴァルキューレの物ではなかったと思うんだけど、違ったかな?”」
「ああ……」
シーラは少し困ったように苦笑いを浮かべ、顔を反らした。言いづらそうにしながらも、答えてくれる。
「実は編入したばかりで、まだ制服が支給されていないんですよ。私、元々SRTの生徒だったので」
「“そうだったんだね”」
SRT……たしかSRT特殊学園、だったかな。閉鎖が決まっているって書いてあったと思う。
このとき感じた違和感に、早く気付いていれば、あんなことにはならなかったかもしれない。
ユメ先輩救済は必要か
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必要ない!
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救って!
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番外編かIfルートでやって!