ウマ娘の新アプリがリリースされました   作:たかなしゆういち

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11/23 サブタイトル変更しました


〈外伝〉語り継がれる冠

 「この前は〜、楽しかったですわね〜」

「まさか先輩が最後に大逆転するとは思わなかったッスよ!」

 

 

 夏の合宿前のちょっとしたトレセン学園主導の休暇の旅行先、親友の『ムラクモヒメ(ヒメちゃん)』と観光地を散策していたところ、楽しげに話をする『スピッツチアー(アーちゃん)』と、日傘をさして話し方がのんびりとしたいかにもお金待ちのお嬢様、といったウマ娘とお話してました

 

 

 「魔王様、泣いて喜んでたッスからね、また一緒に配信しましょう!」

「そうですわね〜。今度は、わたくしの父が経営するテーマパークに、ご招待致しますわぁ。是非、お友達と如何でしょう〜?」

「リアルだと配信が難しいかもッスけど…テーマパークは魅力的ッスね!…あっ!レース先輩!ヒメ先輩!」

 

 

 アーちゃんが私たちに気づき、パタパタと駆け寄ってくる

そしてその後ろをのんびりとお嬢様ウマ娘が歩いてくる

 

 「紹介しますね!今日偶然出会った自分が以前一緒に配信した…」

「わたくし、『メジロ…

 

 


 

 

ウマ娘が名乗る名前の決まり方は諸説あるが、『神からのお告げ』という説だったり、ウマ娘に宿るとされる『ウマソウル』によって自然と頭に浮かび上がった、など、ウマ娘本人から名乗る事が多く、第三者から決定される事例が圧倒的に少ない

 

 また、違う家庭から産まれて血が繋がっていないにも関わらず、似た名前を有する事がある

(例 『ナリタ---』、『マチカネ---』、『サクラ---』)

 何故似た名前になるのかの法則性は未だに解明できていない

 

 

 

 名家と言われることが一族からは、人間で言うところの苗字のように同じ名を継承する

(例 『シンボリ---(---シンボリ)』、『ダイイチ---』、『スイーツ---』)

 何故同じ名を有するのかのデータが欲しくてDNAのサンプルを採取すべく協力を要請したのだが、今の所話が進んではいない、別なアプローチでサンプルを入手すべきか

 

 

 

 血で名前が継承される説の線は薄い、何故ならば一般の家庭で血縁関係の薄いウマ娘達の名が似る理由は何だと言う話になるし、かのクラシック三冠ウマ娘とその実姉の名前に共通する部分が見受けられない

 

 

 

 今後も『ウマソウル』の解明のために引き続きデータを集める必要がある

その為にまず………

 

 

---ナインティメモリーのレポートの一部

 

 


 

 

 メジロ家

かつて『トリプルティアラ』の達成、三代続けて『天皇賞(春)』を制した実績のある名家

 

 今『クローバーレース(クレちゃん)』が話をしている方も『天皇賞(春)』を制した凄い方です

 ですが…様々なウマ娘のレース業界に貢献している一方で最近のレースではその家の名前を聞くことはありません

 

 四代続けての『天皇賞(春)』の盾を望む声がある一方で、レースで輝かしい結果を残せない現状に心無い言葉を発する人もいます

 

 

 「……ムラクモヒメさま〜?」

「え、はい?!何でしょうか!」

「おいしいジェラートが買えるお店が近くにあるようですわ、私達も買いに行きましょう〜?」

「あ、はい…行きます」

 

 

 クレちゃんと『スピッツツアー(アーちゃん)』が遠くで此方に向かって手を振るのが見えました

 向かおうとして駆けだして…のんびり歩く彼女の為に振り返って戻りました

 

 

 

 「今日も暑いですわね〜」

「……えぇ、暑いですね」

 

 

 走らせるにもいかないので先に行かせた二人よりLane(無料通話アプリ、緑のアイコン)から私達分のジェラートを買って持ってきてくれる事になったので近くにあるベンチで二人で待つことになりました

 

 「そういえば、オークスでのご活躍、素晴らしかったですわ〜」

「あ、ありがとうございます。見ていらしたんですね」

「はい〜、マックイーンさまも気にしてますわ。クラシックでのG1勝利、きっと、果たすことが出来ますわ〜」

「で、出来ますかね…」

 

 特に関わりのない筈の私のレースをチェックされ、ニコニコと笑いながら褒めるので少しむず痒いです

 

 

 「そうですわ!この夏は、わたくし達の施設でトレーニングしては如何でしょうか〜?」

「ぇえ?!すみません、もう場所も決めてますしコーチも呼んであるので…」

「それは、残念ですわね…」

「あの…どうして気にかけてくれるんですか」

 

 

 「もちろん、ウマ娘界、ひいてはメジロの為ですわ」

「メジロ、の?」

 

 おっとりとした話し方の奥底に、揺るぎない意志が覗いて見えた

 

 

 「えぇ、今がメジロにとって冬の時代であっても、わたくし達はいつかきっと、レースの世界にメジロの走りを示して見せますわ〜」

「メジロの走り…」

「えぇ、再び春の天皇賞の盾を、メジロに。ですが、それよりもまず、メジロとして相応しい振る舞いを、みなさまに」

「『ノブリス・オブリージュ』…ですか?」

「はい〜。春が終わり、夏が過ぎて、秋を経て、冬を乗り越えれば、また春が来ますもの。わたくしは、10年、20年、待ち続けますわ〜」

 

 

 遠くで親友の嬉しそうな声が聞こえてくる

手に持つジェラートには彼女の好みが反映され、大層ご満悦だ

 

 

 「参りましょう?おいしいジェラート、楽しみですわ〜♪」

「…はい」

 

 

 やはりゆったりと歩き始めた彼女を見て、器の大きさ、という物を実感しました

私も歩き始め、彼女の背中を見ながら「食べきる前に溶けて零しそうだな」なんて少し失礼な事を考えて反省した





魔王「良かった…!!パワーで破壊したり謎体質で電化製品をポシャるウマ娘とかじゃなくてホントに良かった…!!」

ガチャ結果はメジロでサンタコスな輝かしい彼女でした(約2週間前)

遅くなりました
仕事が増えて余裕ががが
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