本編を少しづつでも進めますので
今年も気長によろしくお願いします…
元日
新たな一年が始まった朝、私は『ウマ娘トレーニングサポーター』の制度担当をしている『クローバーレース』と共に初詣に来ていた
今回はトレセン学園に近い神社に来ているが、トレセン学園生徒が多数訪れる為か神社に至る道すがらに屋台や移動販売車が並んで小さな行列も出来ている
「…すごい人数だな」
「そりゃあG1レースに出るようなウマ娘なんて芸能人のような扱いされますからね、そんなウマ娘を近くで見られるチャンスかもって事で遠くから来ている人もいるみたいですよ?」
「成程、警備の人も良く見かける訳だ」
時々見かける青い制服の方々に心の中で労いつつ、境内の外まで続く参拝者の列の最後尾に着く
「〇〇さん!おみくじ引きましょう!おみくじ!」
他愛の無い会話をしつつ今年のクローバーレースの無事を願った後、彼女に手を引かれて御神籤のエリアまで連れて行かれる
「御神籤、二人分お願いします、『マニー』で出来ますか?」
「大丈夫ですよ…はい、どうぞ!」
可愛らしい財布を出したクローバーレースを手で制し、トレセン学園からトレーナーや『ウマ娘トレーニングサポーター』のサブトレーナーに支給される電子マネーの『マニー』で支払う
この近辺はトレーナーも利用することが多いので『マニー』を利用できるので此方の財布が傷まないのはありがたい
六角形の箱を巫女さんから受け取り二人でジャラジャラ鳴らして棒を取り出す
「…『大吉』でした!〇〇さん…は…」
私の受け取った御神籤を覗き込むクローバーレース
その内容を見て笑顔だった顔が無表情になっていく
私の運勢の欄には『凶』の文字
続く内容も当然に厳しい内容が続いていた
「ほ、ほら〇〇さん!交換しましょう!『大吉』ですよ!ほら!」
「いや、大丈夫、必要ない」
「気にしないで下さい!わたしなら多少の不幸なんて蹴り飛ばしてやりますから‼︎」
慌てふためき御神籤を交換しようとする彼女に対して首を横に振る
彼女に肩代わりなどもっての外だと言うのもある
それに…
「むしろこれで良い、人生なぞ上手く行かないことの方が多いのだから、これぐらい厳しめに嗜めてくれた方が丁度いい」
「…え?」
「悪い誘いを振り払い勉学に励むべし…うん、そうだな、本当にやりたい事の為には誘惑を断ち、意欲を集中せねばならないからな」
「〇〇さん…〇〇さん?」
「願望…心の穢れが去らねば衰運…うんうん、最近自分本意の欲望ばかりかもしれない」
「もしもし、〇〇さん?さっきと比べて目が死んでません?」
「縁談…神の助けを待つべし………ふ、ふふ…なんだろう、笑えてきたぞ…!」
「屋台で美味しい物食べましょう!わたしお腹空いちゃったなーっ‼︎」
「あら、貴女は…何時ぞやの…」
「あれ?えっと…『トーラウェイト』先輩!ご参拝ですか?」
「いえ、先輩と一緒に占い屋を開いてまして…良かったら寄って行かれます?」
両手を屋台で購入した食べ物でいっぱいにしながら歩いていると、クローバーレースに黒いフェイスペールを付けたウマ娘が話しかけてきた
「そうですね!〇〇さん!先輩のタロット占いはよく当たるって学園でも有名なんですよ!」
天啓を得た、と言わんばかりの表情をこちらに向けるクローバーレース
私は御神籤の結果なぞ特段毛ほどもこれっぽっちも微塵にも気にしてなどない、無いったら無いのだが彼女のお願いを断る理由も無いので言われるがままに着いていく
クローバーレースの先輩ウマ娘のトーラウェイトと真向かいに座るとテーブルにカードが散りばめられる
隣のお店からはフンニャカハンニャカと何処かで聞いた事がある特徴的な声がしたがトーラウェイトからカードを混ぜるように指示されたのでこちらに集中した
「『愚者』の逆位置……足元が疎か、準備不足、周りがみえていない……少し立ち止まって問題点を洗い出したり自分の地盤を固める…心の余裕を作り出す事が必要なのかもしれません…」
「確かに去年の秋ごろから余裕が無くなってきたな……やりたい事もあるのにやらねばならない事も多いし1日って何故24時間なのだろうな?地固め…か…〈逃げ〉スキル…逃げなのに仕事からは逃げれない…仕事が追い込みをかけて…あぁ仕事が溜まって…」
「〇〇さぁん‼︎落ち着いて!」
「諦めたらそこでレース終了ですわ!!」
「スノウ先輩?!どうしてここに?!」
「お父様とお参りしてきた所ですわ!それよりもあなた達にはお姉様から以前頂いたお言葉をお伝えします!!
『ジンクスは破るもの』!!ですわ!!
悪い結果が出たから何だというのですか!占い通りそんなものひっくり返してやれば良いのです!!」
「スノウ先輩!!それで具体的には!?」
「え?えーとえーと………お父様お願いします!!」
その後、スノウエンゼルの父親に愚痴を聞いてもらうことで少しだけメンタルを持ち直した