ウマ娘の新アプリがリリースされました   作:たかなしゆういち

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なんて事のない夏の日

 お盆を前にした最後の追い込みに入った職場にて、私の職場の新人がデスクで項垂れていた

 

 「どうした?何か失敗でもしたのか?」

社会人として一年どころか半年も経っていない彼は、慣れないことに四苦八苦しながらも仕事に取り組んで失敗しては落ち込んでいたが、今日のような落ち込み方は初めてだった

 

 「…先輩」

彼は弱々しく声を出し、顔をこちらに向けた

「……しが」

「?」

「推しが…推しのウマ娘()がぁ…怪我したって…。今週末のレース前だったのに」

 

 涙声になる新人君

上司に叱られながらも仕事を教えられている時よりも落ち込んでいる

 「夏季休暇で実家に帰るついでにレースの応援も出来ると思ったのに…」

「落ち込むな…って言っても厳しいか。」

「先輩は…【ウマ娘トレーニングサポーター】制度でサブトレーナーですけど、怪我を早く治せる手段とか無いんすか?」

「私にそんな技術もないし(つて)もない」

私はただの一般人でしか無い

 「半年の怪我…レースに出るにはさらに遅れを取り戻す練習…はっ⁈約十月十日(とつきとおか)の空白期間、まさか⁈」

「現実とフィクションを混在させるな」

 その後、SNSにてリハビリに懸命に打ち込む情報を見て、普段より仕事に打ち込む様になった

 

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 夏合宿で厳しい練習を乗り越えた本日の夕食はBBQであった

 

 「人参!肉!もっと持ってきて!」

「ヒャッハー!新鮮な魚介類だぁ!」

「はーい、飲み物の補充でーす!あーもー直ぐに無くなりそうですね、追加で持ってきまーす!」

「肉肉肉にくにくニクニクニクニク……」

「はいはいそれまだ焼けてないから、オイコラ肉ばっかり食べるなお前ら!野菜も食べろ今丁度焼けたから…逃げるなぁ‼︎」

 この場は腹ペコなウマ娘達による戦場と化していた

 

 

 「あ…あの、お疲れ様です、三橋(みはし)トレーナー」

「…『ムラクモヒメ』ね。良いのよ、準備も焼くのもトレーナーの仕事の一部だから」

 トレーナー総勢と施設スタッフでウマ娘達のお腹を満たすべく奮闘していたが、どうにか落ち着いてきたので交代で休憩に入っている

そこにムラクモヒメがやってきて、飲み物を渡してくれた

 「んくっ…ふぅ。毎年毎年、この時間は激しいわね…貴女もちゃんと食べたのかしら」

「は、はい…。私のトレーナーが『先に食べてから手伝え』って。先輩方も快く承諾してもらってお先に頂きました」

「相変わらず遠慮がちねぇ…『クローバーレース』も少しは見習って欲しいわ」

「あ、あはは…。それと、私のトレーナーさんが何処に行ったか知っていますか?」

「あの人なら同期のやけ酒に付き合ってあげてるわよ、オンラインでだけど。貴女も頑張り過ぎて怪我しないようにね」

「あの時はご心配をおかけしました…」

「それはあの子にも言ってあげて」

 

 「トレーナー!持ってきましたよー」

「ウマ娘用の串焼きを大量に持ってこられても食べきれないわよ」

 クローバーレースが指の間に串を挟んで持ってこちらにやってきた

一本だけ貰って皿に移し替える

「飲み物担当だった『スピッツチアー』は今、先輩方に捕まって歌わされてまーす」

「だからムラクモヒメが飲み物を持ってきたのね。名前に有名どころのアーティスト名が入ってると大変ねぇ…」

「で、でも本人は割とノリノリですよね」

 併設されていたステージからスピッツチアーの歌声が響いてきた

彼女達が産まれる前にリリースされた曲だが、テレビでもよく取り上げられる有名な曲なので、皆聴きに集まっている(ペンライトやブレードなんて何時用意したのか)

 

 

 

 「えー、明日は学校の課題を含めた勉強をします」

「えー⁉︎合宿まで来て勉強するんですか⁉︎三橋トレーナー!」

一部ウマ娘、主に赤点スレスレ組から苦情が上がった

 

 「トレーナー、ウチは重賞近いからートレーニングが良いと思うんだけどー、主に海で」

 「お前は泳げないからって浮き輪に捕まって浮かんでるだけだろ」

他のチームのトレーナーにも苦情が入るが軽くあしらっている

「そもそも明日はお盆に入るから水辺付近ではトレーニングしないぞ」

「でもお盆云々は迷信なのでは?芦毛の大先輩が早口で泳がない理由として挙げられた一つだったのでは?」

「あの後な、『この時期の海は…惹かれやすいので…帰れなくなりますよ』って話が来てな」

「それって…」

「情報提供者は『マンハッタ「大人しく勉強してまーす‼︎」

 

 無事(?)説得を終えて、明日は合宿場内での勉強となった

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