「これより…第ニ回、トレセン学園サンタ祭りの…作戦会議を行う」
私、『ムラクモヒメ』は只今、トレセン学園の生徒会室にて一部の生徒会メンバー、臨時コーチとして学園に招かれていた学園OGでもある司会のクリスコーチ、美浦寮長と栗東寮長、そして有志の方々と共に、はたから見れば怪しげな作戦会議に参加しています
「では…進捗を聞こう」
「ん…チキンやピザ、クリスマスケーキなどの外部発注は問題なし。フジ先輩オススメの業社だからトラブルも無いかと。受け取り、配膳は栗東寮組で行う」
私が住む栗東寮の寮長がまず答えます。
前寮長の伝を引き継ぎ、外部企業との調整作業の手腕は私には理解できなくて『スゴイ』という感想しか出ませんでした
「ヒシアマ姐さん直伝の人参ハンバーグやスープ各種の仕込みは順次始めてるよ。料理初心者組の指導込みだから多少遅れてるが…ま、学園のスタッフも居るなら大丈夫だろ」
『
料理上手な前寮長のレシピが受け継がれ、美浦寮ではたびたび料理の奪い合いになるのだとか
「サンタ班が配る、小分けのお菓子もラッピングも含めて終わっています。また、サンタ衣装のクリーニングや微調整も終了していますので後で確認お願いします」
「…分かった」
生徒会のメンバーからも報告が上がります
どの担当部署からも概ね問題なしの報告で、準備万端で当日を迎えられそうです
「では…サンタ班の
クリスコーチがホワイトボードの横に立ち、指示棒を持って説明し始めます
この会議が始まる前からサンタ帽を被っているのですが、誰からも指摘がない上に誰も気にならないようなので、私も何も言いません
「今回の
サンタ班には『背走サンタ』の私を含む、学生の注目を集めるライブ担当、お菓子などを配り歩くプレゼント配布担当など様々なサンタが居ます
全ては『いつの間にかプレゼントがサンタによって届けられていた』という夢を守る為
「現在、学園には…サンタを捕獲するべく…trap…落とし穴、網、くくり罠が設置されている…」
「生徒会メンバーによって往来の多い通りの罠は、設置したウマ娘の担当トレーナーに報告しつつ撤去、茂みなどの隠された場所はある程度は取り除きました」
「サンタ班は…このポイントを避けて逃走するように」
「え、と…質問、宜しいですか…?」
「…発言を許可する」
手を挙げて発言すると、クリスコーチから鋭い視線が向けられましたが、サンタ帽を被った状態では余り怖くありません
「罠を全て除去するのは駄目なのでしょうか?」
「…全て無くしてしまうと…更に罠を設置しようとする…」
「罠が見逃されて残った、って思わせてこちらでコントロールしてるのよ」
「な、なるほど…ありがとうございます」
クリスマスイブのイベントは、読み合い騙し合いの日だったのでしょうか
「それと…撹乱するサンタには…コレを渡しておく…」
「あ…ありがとうございま、す?」
そう言われて自動車免許証のような物を渡されました
それには、『サンタ代行許可証』と書かれ、私の学生証に使われていた写真がプリントされていました
「万が一ウマ娘に捕まった時、コレを見せて下さいね?」
「は、はぁ…」
生徒会の方が横から説明を入れてくれました
が、これで解決するのでしょうか…
「あ、後、もう一つ質問宜しいですか?」
「…許可する」
この集まりに参加してから長らく疑問に思っていた事を今ぶつけます
「クリスマスツリーの下にプレゼントを置く人は、どなたなんですか?」
この作戦の一番の大役、誰にも気づかれずにプレゼントを置くサンタ役。これだけが明かされていません
「それは…top secret 、だ」