「サポート科からのご報告です」
「うむ」
トレセン学園理事長室
白と青の三角こ帽子を被り、右手に畳まれた扇子を持った小柄な女性が緑色の制服を着た秘書より報告を受けていた
その内容に目を見開き、報告が終わると扇子を秘書に向けて宣言した
「躍進ッ!この機を逃してはならない!今すぐに放送室へと向かうぞ!」
「わかりました。向こうには事前にお伝えして準備は整っています」
「流石だな、たづなよ。…うむ、
平日の授業中、緊急の放送がトレセン学園に響き渡り何事かとざわついたが、トレセン学園理事長の言葉に学園全体から割れんばかりの歓声が上がった
〈朗報ッ‼︎この夏、トレセン学園は『
「それで、『大豊食祭』ってなんですか
「入ってきて一、二年目のあなた達はそりゃ知らないわよねぇ…」
チーム〈モサラー〉のチーム部屋で壁際のソファーで寝そべっている『クローバーレース』が質問をしてきた
「約10年前に理事長自ら耕していた畑に、ある時三女神の啓示が降り、奇跡とも呼べるような栄養価も糖度も高い人参が発見されてから、トレセン学園から最高級品の野菜や果物が産まれたって話よ」
「へー!理事長自ら畑を耕すなんてすごいアグレッシブですね」
「それに振り回されてる理事長秘書は大変だけどね…」
最近はある程度自重したとは先輩たちの談である
「ウマ娘のファン達にも振る舞えるぐらいの大量の最高級品の野菜ができた年に『大豊食祭』の開催を宣言するそうよ」
「自分も風紀委員の先輩から聞いたッス!見回りは大変だけどスんごく美味しい料理が食べられるって!」
「ワタクシもルームメイトのチュリネさんからお聞きしましたわ!なんでも先輩方はチームで畑仕事やお料理をしてファンに振る舞ったとか!」
同じくチーム部屋で思い思いに過ごしていた『スピッツチアー』と『スノウエンゼル』も初めて体験するイベントに興奮気味だ
まぁ、私も初めて体験するので美味しい料理は少し気になる
「という訳で明日は朝5時に畑集合よ貴女達。終わった後はそのまま朝練よ」
「えっ⁈いきなり明日からですか⁈」
「ワタクシ!小さい頃お近所のおじ様、おば様の手伝いで経験があるのでお任せくださいまし!」
「流石に急すぎじゃないッスかね…」
「食べ物や食事を作る人たちへの理解と感謝、将来自立した時の料理技術の習得に切磋琢磨による向上、自分で作った事によるモチベーションアップやチームメンバーの連帯感強化…過去のデータから有効性は認められてるから乗らない手は無いのよ」
そう言ってチームメンバーに畑の担当場所、水場、道具置き場、その他注意事項などをまためた電子データを共有する
ミーティングを終えて解散する前に一つ、釘を刺す
「キッチンには入らないようにね、クローバーレース」
「ダメッスよ、先輩」
「どうしても入らなければいけない時は私達を呼んでくださいまし!」
「皆んなヒドイッ‼︎」
クローバーレースには申し訳ないが、心を鬼にしてキッパリと言い渡した