ウマ娘の新アプリがリリースされました   作:たかなしゆういち

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様々の人が描く物語の一つ



〈外伝〉無数にある物語の終わりの一つ

 いやー今日で卒業ですかぁ

この校舎を見ることが無くなるのは感慨深かい物がありますなぁ

 

…何泣きそうな顔をしているんですか

G1を勝たせてあげられなかった事、まだ悔やんでいるんですか?

 

ダメですよ〜そんな顔をアタシの後輩に見せちゃ

トレーナーなんだからドシっと構えててくれないと

いつかG1を獲るって約束、トレーナーさんはまだ有効なんですからね?

 

 これまで色んな事がありましたね…

キラッキラな主人公様が居て、なんとか喰らいついてやろうって挑んだ『菊花賞』は勝負にならなかったり

あの後もどうにかG1を!って挑んでも負けばかり

いきなり短距離の高松宮記念に出るって言った時は遂に壊れたか!?

って思っちゃいましたよ

あれ、中距離でしたっけ?

やば、この歳でボケるのか…!?

 

 全く勝てなかったのに何度も有馬記念に出してもらって、応援してくれるファンには感謝、感激、雨あられですなぁ

 

…3の呪いがここまで強いとは思いませんでしたよ

いや、だいぶ贅沢なことを言ってるって自覚ありますからね?

年末のあの舞台で踊れるのはほんの一握り

そこにどうにか滑り込んだみたいで…え、卑下すること無いって?

 

 

 まぁ引退するって決めて、後は卒業するだけってなった後もファンレターが届く程愛されているんですねアタシって

大体が商店街の人たちからですけどね

ウチに来ないかって各地から引っ張りだこですよ

 

 そうそう、引退したウマ娘の就職支援の法人団体に就職することに決めたんですよ

走ることばっかり考えている私達が、いざ働け!って言われてもサーッパリですからね

それをどうにかしようっていう団体で色んな名家からの支援もある信用できる場所ですよ

…そんな仕事場に社会人としてはペーペーなアタシがスカウトされたのがよくわからないんですけどねぇ

 

まぁでも、いっちょやりますか!な位で行ってきますよ

 

 

…アタシは恵まれてましたよ

周りより長く現役生活出来たんですから

 

このトレーナー室ともお別れですね…

え、せっかくだから何か残していけば?

 

まーた突飛な事を言って…

急に言われても寮内の荷物は送ったし手持ちも少ないですし

…写真?うわ、チェキ、懐かし!

チームの皆で色々撮ってましたねぇ

…ってツーショット!?

待った!流石に恥ずいって!

いや、一人は一人で恥ずいけどツーショットは心の準備がうにゃぁあ!

 


 

 「…あら、今日は早いのね、クロー…アルバムを見てるの?」

「…あ、トレーナーお疲れ様でーす」

「実家のごとく(くつろ)ぎながら挨拶するのは止めなさい。せめて此方を見て…」

「わかりましたお母さん」

「絶対わざとでしょ!」

 

 「このアルバムって前任の人のですか?」

「そうよ、何かと写真ばっかり撮ってた人よ。トレーナーとしてはまだ若かったのに、急に『北海道に骨を(うず)めることにした!』って言ってチームを押し付けられたのよ。ほぼ卒業間近なウマ娘ばっかりだったから混乱も少なかったけど…」

 

 開かれたアルバムには『N.N』と書かれたタグと、赤と緑のメンコを付けたウマ娘の写真が貼られており、その中の一番新しい日付には、トレーナーらしき人物がウマ娘に手を回し、ウマ娘の方は顔を真っ赤にしてトレーナーの方を向いた写真が飾られていた

 




急ぎ届ける祈り
ウマ娘から入った自分より、もっと前からのファンの喪失感はどれ程か

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