アンケート機能の練習を兼ねて(今後あるとは言ってない)
トレセン学園には学生寮が二つある
一つは『栗東寮』、そして『美浦寮』
同じ学園に通い、同じ練習場を使い、同じ学食の御飯を食べる彼女等だが、時に対立し、互いの寮の威信をかけ、争い始めるのである
気温が上がり始め、蝉の鳴き声が聞こえ始めたとある夏の日
トレセン学園の制服を来た二人のウマ娘が、夏の暑さに負けない闘志の炎を燃やして向かい合っている
「よぉ、分かってんだろうなぁ」
吊り目で背が高く、勝気な表情で出るところが出たスタイルのいい髪の長い黒鹿毛のウマ娘
彼女は美浦寮の寮長を務めている
「ん、そちらこそ、反故はしないよね?」
ウマ娘の平均よりやや高めで、無表情で何処か中性的な雰囲気を漂わせる青鹿毛のボブカットのウマ娘
彼女は栗東寮の寮長を務めている
それぞれの寮長の背後には、それぞれの寮に住むウマ娘達が集まっていた
一触即発
その言葉が当てはまる緊張感の中、二人同時に言葉を発した
「「勝負に負けた方が寮合同流しそうめんの準備と後片付けを行う!」」
仁義なき戦いが、今始まる
たかが流しそうめんだと侮っていけない
トレセン学園には約2000名の生徒が在籍している
そのうち何割かは自宅通い、レースに向けて遠方に遠征中、帰省して療養などと不在だが、成人男性以上の食欲を持つ食べ盛りのウマ娘が大多数のこの学園では、広大なスペース、大量の竹と水、そして茹でても茹でても終わらない膨大なそうめんが必要なのだ
もちろんシフトを引いて、一回あたりの食事をするウマ娘の人数を減らせば負担は減る
しかし、食べれるだけ食べれて準備も後片付けをしなくていいというのは、それはそれは魅力的なことなのだ
「では、お二人のチームメイトであり、自宅通いの私が今回の勝負方法をクジで引かせてもらいます」
対立する寮長の間に立ち、厳かに告げたウマ娘が、持っていたクジ箱に手を入れる
その様子をそれぞれの陣営のウマ娘達が固唾を呑んで見守った
「出ました。勝負内容は……
『手作りオムライス もえ♡もえ♡キュン♡』
対決だぁぁぁあ‼︎」
ワァァァァァァ…‼︎
両陣営から大きな歓声が沸き起こった
尚、二人の寮長は硬直した
「さぁ、両者料理が完成し、続いてはアピールタイムだぁ‼︎実況は引き続きクジ引きを務めた私と」
「引き続き、解説を担当します同じチームのアタシが担当します」
「まずは今回のレギュレーションの一つである、『メイド服』を振り返ってみましょう」
「『もえ♡もえ♡キュン♡』にメイド服は必須。異論は認めない」
「美浦寮長は、赤基調の花柄のミニスカ和メイド服」
「長い袖も、料理中は腕まくりして衛生面もバッチリ」
「手際の良さと振る舞いは老舗の若女将!」
「将来の伴侶は尻に敷かれる、間違いない」
「前寮長ヒシアマ先輩直伝のレシピ集(かわいいイラスト付き)で鍛えたオムライスは完璧です」
「彼女のトレーナーが呟いた、『手料理っていいよね』という言葉が彼女を変えました」
「栗東寮長は、王道なクラシカル、ロングスカートのメイド服」
「王道故に嫌いな者が少ないシンプルイズベスト」
「そつなく料理をこなす姿は名家に仕える完璧なメイド長!」
「影から支え続ける華麗な立ち姿、実に良き」
「何でも出来そうだが実はオムライスは彼女のトレーナーの好物で、隠れて練習した努力の成果」
「他の料理はまだ一般レベル以下、三食失敗オムライスの日々が懐かしい」
「さぁ!皆の者!お待ちかねのアピールタイムだぁ‼︎」
「『もえ♡もえ♡キュン♡』」
「先行は美浦寮長。普段の姉御肌な立ち振る舞いからは考えられないカワイイ完璧なムーブ!」
「ティアラ路線の主役は伊達じゃない。けれど今夜枕に顔を埋めて羞恥に悶えることを知っています」
「これを見るためにクジを操作した甲斐がありました」
「グッジョブ。…おや、美浦寮長こちらを睨んできますね、ナニカアリマシタカ?」
「もえ♡…もえ♡…キュン♡」
「後攻は栗東寮長。無表情で動きも少し硬いか⁉︎」
「顔には出ませんが耳と尻尾がいつもより
「前寮長の振る舞いを逐一書き留めた有志による書、『フジの軌跡』から学んだ何事にも動じない毅然とした姿をなんとか保っている!」
「彼女の貴重な恥じらう姿を見れるのはここだけ。この勝負を計画した甲斐がありました」
「さぁ!アピールタイムしゅぅーりょーう!では、ここまで見てくれた通りすがりのトレーナーさん、ジャッジをお願いします」
「美浦寮長、栗東寮長。今回の勝負、ご指名は…」
「「どっち⁉︎」」
今回の勝者はどちら?
-
美浦寮長
-
栗東寮長
-
選べません!