何がどうしてこの話ができたのか自分でもよくわからない
突然だけど僕はゴル
休みの日にゴル姉さんが急に現れたと思ったら
「オッス、劇場版の時間だぜ?」
と、言ってあれよあれよとトレセン学園に着いて、変な機械の中に入れられて、気付いたら海の上だった
着ていた服もいつの間にか変わっていて、ゴル姉さんは長い髪を後ろで一つにまとめていて、黒の肩と背中が出たドレス、ドレスには花のような飾りに左足には金の網が巻きついていて、普段のゴル姉さんと(黙っていれば)別人と間違えそうなほど雰囲気が違っていて、この船のキラキラとした空間にも溶け込んでいた
僕も青いジャケットに灰色のズボン、胸には赤い蝶ネクタイの服に変わっていた(何処かで見た服装だ…)
グリちゃんのトレーナーさんは…いつものスーツだった
「安心しなって。時計台の針は逆行しないし、この船が氷山にぶつかる危険なんてねーからな?例え宇宙人がやってきてもアタシが巨大化して追い払ってやるからよ」
「………」
「ア?そんなのそっちの方がオモシレー事が出来るからだよ。テメーを巻き込んだ理由?そこに居たからだよ」
「…!」
「そうカッカすんなってー。ホラ、おフランスなレディがやって来たぜ」
「…⁈」
「心配すんなって、自動翻訳付きだからいつでもゴルシちゃんの魅力を語ることが出来るぜ。…っと」
ゴル姉さんとトレーナーさんが話していると、とてもオシャレなおばあさんがトレーナーさんに、ゴル姉さんには筋肉がムキムキなおじいさんが話しかけてきた
それぞれ自分たちの出身の言葉を喋っていて、少し不思議な感じがする
「やぁ、子羊くん!少し俺の話し相手になってくれないかな?」
二人を眺めていたら、宝石のようなキレイなエメラルドの眼に、赤い髪に真ん中に白い流星?(って皆が言っているけどそう言う理由が分からない)が入ったウマ娘が話しかけてきた
「え、と…いい、ですよ?」
「そんなに固くなるなって、ほら、紅茶にアップルパイも出してあげよう」
そう言って何もない空間から魔法を使ったかのように紅茶のポットと、切り分けられたアップルパイを取り出した
「わわ、ありがとう、ございます」
「ふふっ♪召し上がれ。…船の旅はどうかな?」
「その…まだ良くわからない、知らない人多いし」
「そうか…でも、大事なのは踏み出す勇気さ。今日しか会えない人やウマ娘が居るんだ、是非交流を深めていこうじゃないか。それに、どうやらご指名のようだ」
赤い髪のウマ娘のお姉さんが手招きをすると、一人の女の子が椅子に乗せられて運ばれてきた
「〇△✕…『…幽霊!?ポルターガイスト?!』」
「ごめんね驚かせちゃって、俺は魔法使いだからね?魔法で呼びよせたのさ」
「…『そ、そうなのね?!べ、別に怖くなんて無かったわよ!』」
最初は何を言っているか分からなかったけど、途中から日本語が追いかけるようにして聞こえてきた。これが自動翻訳ってやつなのかな?
「…『そ、それより貴方!それってもしかして名探偵の服なのかしら!』」
「え?!えーと僕が選んだわけでは無いけど多分そう」
「…『やっぱりね!!青いジャケットに灰色のズボンに赤い蝶ネクタイ…でも大事な物が足りないわ!!ねぇ魔法使いさん!!』」
「わかっているさ…これだろう?」
「Bravo!!…『完璧だわ!!』」
赤い髪のウマ娘のお姉さんが指を軽く回すと、僕の顔にメガネが現れた
その後、女の子と二人でパーティ会場を回ることになった
なんと彼女は、先程グリちゃんのトレーナーと話していたおばあさんのお孫さんで、代々フランスでウマ娘を育てるトレーナーの一族だそうだ
…おばあさんからも『その靴でシュートがみたいわ!』なんて言われた
「…『そろそろ余興があるって話だけど…何か知ってる?』」
「ううんうん、知らない…あ、ゴル姉さんなら知っているかも」
「…『お姉様?』」
「なんていうか…近所の面白いお姉さん?ほらあそこの黒いドレスの」
「ふ〜、まさかフランス語かと思ったら南部弁で話しかけられるとは思わなかったぜ。いっそのこと東北にでっけぇ門を拵えてフランスに対抗するか?の前に腹ごしらえだな…」
少し向こうのテーブルでゴル姉さんがテーブルの上にある一口サイズのパイを口にした
そして…
「ぐわぁぁあ゛あ゛アァ゙ !!」
叫び声を上げて崩れ落ちた
…かなり大袈裟でコミカルな動きで
その光景を見たパーティーの参加者は軽い悲鳴が上がったりしたものの、ほとんどの人がゴル姉さんの方を見るだけで大きな騒ぎにはならなかった
そして僕の後ろから、ゆっくりとした歩きでトレセン学園の制服を着たゴル姉さんが、ドレスを着て崩れ落ちているゴル姉さんに近づき、しゃがんで調べ始めた
「…被害者の死因は、食べかけのアップルパイから検出された毒による毒殺…」
「だったら犯人は決まっているだろうよ!!この空間と料理を用意した奴が犯人だ!!」
二人に増えたゴル姉さんに驚く暇なく、全身真っ黒な…いかにも私が犯人です、みたいに顔も服も真っ黒な人(?)が叫び、赤い髪のウマ娘のお姉さんを指さした
「…『な、なんてこと言うのよ!!魔法使いさんがそんな事するわけ無いじゃない!!』」
「だが、この料理を用意したのはそこのウマ娘だ!!給仕の俺は料理を取り分ける事しかしていない!」
「へ…オモシレェ…この事件、アタシがゴルッと解決してやんよ。マックイーンの名にかけてなぁ‼︎」
「つー訳でホイっと」
「⁈」
制服を着た方のゴル姉さんは、いきなりグリちゃんのトレーナーの背後に回ると、突然崩れ落ちたトレーナーさんを椅子に座らせた
「…『恐ろしく速い手刀…私で無ければ見逃していたわね…!』」
「…『急にどうしたのお婆ちゃん?』」
「〔皆さん、犯人がわかりました〕」(←変声機なし)
ゴル姉さんがトレーナーさんの座る椅子の後ろに隠れると、声を低くして語り始めた
「〔みんなのアイドルのアタ…ゴルシちゃんを毒殺した人物、それは、
給仕の
「な、何を根拠に⁈」
「〔毒が盛られていたのはフォークの先端のみ。食器を管理していた貴方が毒が盛られたフォークをアタ…ゴルシちゃんに渡すことによって一人だけを狙い撃ちにした〕…オイオイ、どーすんだよ誰かに『あ〜ん』って食べさせたら大問題だぞ‼︎」
「チッ、バレたか!だが捕まってなるものか!」
「…『え⁈空を飛んだ⁈』」
「オイオイオイ!ルパ〜ン並に面白そうなアイテム持ってやがる!ゴルシちゃんにも使わせろよ!」
真犯人の真っ黒な人間が船の外に身を投げ出したかと思うと、両手で何かの機械を上に掲げ、そのまま空へと逃げていった
「なぁに、こっちには奥の手がある!出番だぜ、子供探偵!」
「え、僕?というか無事だったのゴル姉さん(ドレスの姿)⁈」
「へ…リンゴを避けてパイだけ食べたから舌の皮一枚で助かったぜ!」
「それよりもアタシ!!ホシが逃げ切る前に決着をつけるぞ!」
「ガッテン!打ち合わせ通りに頼むぜ女神様!」
「行くよ!子羊くん、そらっ!!」
「え、わぁ?!」
赤い髪のウマ娘のお姉さんに抱えられたと思ったら、思いっきり空へと投げられた
「決めろよ!!トスッ!!」
急な空中浮遊で体勢が崩れているところにゴル姉さんから、サッカーボールが飛んできた…何だが足が熱い
「ぶちかませっ
ファイ〇トルネード !!!」
体が急にグルグルと回り、勢いの付いた左脚で蹴り上げたボールは一直線に犯人へと向かっていき、大きな音と共に巨大な花火を咲かせた
大きな花火と共に、歓声と拍手が沸き起こり、パーティー会場に平和な時間が戻ってきた
「お疲れ様。皆楽しんでくれたようだ。感謝するよ小さな探偵くん」
「あの…僕は何一つ推理してないけど…」
蹴り終わって落ちてきたところを赤い髪のウマ娘のお姉さんに受け止めて貰い、丁寧に椅子に座らせてもらった
すると、女の子が此方にかけ寄ってきた
「…『すごいシュートだったわ!とってもカッコ良かったわよ!』」
「あ、ありがとう。僕もよく分かってなかったけど…え、と」
「…Elisa『エルザよ!、探偵さん!』」
「エルザ、僕の名前はナギトだよ」
「へっ…青春してんな…」
「そうですね。所で皆様への余興でストリートファイトなんて如何がですか?」
「ホッホ〜ウ、このゴルシちゃんに挑むなん…『ムラクモヒメ』?」
「関係者じゃないナギト君に学園の『メガドリームサポーター』を使用させるのは流石にやり過ぎですよ?散々探し回って大変だったんですよ、それにグリちゃんにも被害が及んだみたいですし」
「バカなっ!既に体力バーが表記されてやがる…しかも近代化改装でステがアップのオマケ付き?!待て待て、対人機能なんて無いだろそのゲームはよぉ?!」
「通りすがりの『提督』と名乗る方からこの槍の使い方を教えてもらって助かりました、今からお仕置きしますね?」
「だから酸素魚雷で殴るなって…!あ、槍の追撃はガチでヤバ 」
この後、パーティー会場の真ん中で花火が上がった