もしもJK星歌ちゃんだったら。   作:三十路スキー

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ぼっちちゃんやさしい②

「は? お前ギター弾けなかったのか?」

 

 喜多は事情を洗いざらい話してくれた。だから合わせ練習、頑なに避けてたってわけか。いや、あたしもなんとなく気づいてたけど、現実から目を逸らしてたわけで。初ライブやれること自体に浮かれてたからなぁ。

 

「あの……私……」

 

「まあ、気づかなかったあたしたちにも問題があったわけだし……もう怒ってないよ」

 

 これほど真摯に謝られたらこっちも恐縮する。少なくても真剣に謝罪したいって気持ちはあたしにも伝わった。

 それにあたしも強引すぎてあいつを追い詰めてたのかも。でも歌が上手くてルックスがアイドル並みの後輩が来てくれるなんて、やっぱテンション上がっちゃうし。   

 つーかこんなすごい娘が、できるって言ってたギター全くできないのに嘘ついてるなんて思わないじゃん?

 

「心配してた。死んだかと思って最近は毎日お線香あげてた」

 

「いや、勝手に殺すなよ!」

 

 またリョウが妙な事言ってる。でも、あいつがこんなこと言う時は上機嫌な証拠だ。……案外気にしてないのか?

 

「でも、結果的にはこいつに会えて、ライブできたしな」

 

 隣に座るぼっちちゃんの肩を引き寄せる。ぼっちちゃん、まーたすごい顔してる。そろそろ少しは仲良くなったつもりなんだけど……まだあたしにビビってる?

 

「でも、それじゃあ私の気が収まりません! 何か罪滅ぼしをさせてください!」

 

「いや、そんなこと言われても……」

 

「じゃあ、今日1日ライブハウス手伝ってくれないかな? 今日のライブは忙しくなるんだよね」

 

 さっきまでパソコンで作業していた姉貴が割って入ってくる。

 

「それだけじゃ罪滅ぼしには……」

 

「あぁ。ならちょっと待っててね。荷物取ってくるよ。私と星歌ちゃんの家、ライブハウスの上なんだよね」

 

 そう言い残すと、姉貴はそそくさと階段を上って行った。

 

 

 

 

 

「さあ、みんなこれに着替えて。恥ずかしい恰好するのがお仕置きだよ」

 

 自宅に戻った姉貴が衣装4着抱えて戻ってきた。相変わらずパワーあるよな。あたしとリョウには黒いスーツ。漫画とかの執事キャラが着る燕尾服ってやつか? 中性的なリョウには似合うかもな。ぼっちちゃんと喜多にはメイド服! ロングスカートで本格的なやつだ。

 

「な、なんであたしたちまで! 喜多だけじゃないのかよ?」

 

「連帯責任ってやつ。星歌ちゃんはムリヤリでも練習をやるなり、事情を聞くなりするべきだったよね? バンドリーダーとしての自覚が足りないよ。リョウちゃんもそれを多少でも勘づいてたくせに言わなかった。意外とヘタレだよね。ぼっちちゃんは……うーん? まあ、自己管理がなってないかな。今日まで休んでたし。とりあえずみんなさっさと着替えなさい。拒否権はないよ?」

 

 むう……。あたしたちは、まだ無人の楽屋へ向かう。罪滅ぼしの張本人である喜多がノリノリでうれしそうなのがなんかムカつく。リョウも満更でもなさそうだし。……ぼっちちゃんがんばれ、まだ仕事始まってないのに満身創痍だ。

 仕方ない、さっさと着替えよう。他の3人はともかく、あたしはコスプレなんかしても需要無いだろうし……いつもと変わらないよ。




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