夏休み効果かツイッター効果か?
それともなにか別の……。
8/5の日刊ランキング載っただと!(最高22位?)
ありがとうございます!
ランキング見てないから気づくの遅れた。
スクショしとけばよかった……。
「じゃ、これお返し」
あたしからぼっちちゃんに唐揚げを食べさせてやる。
「あむっ……お、おいしいれす」
やっぱ口いっぱいに頬張るとこ、かわいいな。つーか、あたしたち木陰の下でふたりカラダを寄せ合ってお互いの弁当を食べさせ合ってる。
つまりこれって……。
「あ、あとは自分で食べますね」
ああ……幸せな時間が終わってしまう!
「駄目だ、ぼっちちゃん!」
「ふぁい!?」
つい大声が出た。久々にぼっちちゃんをビビらせてしまった。
「急に大声出してごめん。でも今、あたし達デート……の練習してるんだからさ」
「え? 星歌ちゃん何を言って……」
ぬぅううううん! なんでそんなテキトー言うんだバカ星歌!
「ほら! これはあたしたちに、いつか恋人が出来た時の練習なんだよ!」
「わわわ、私に! こ、恋人なんてむむむ、無理です!」
「楽器と一緒だよ。やっぱ練習しないとさ! 一流のバンドマンになるには、モテモテになって大人のオンナにならなきゃ。リョウや喜多ちゃんに負けたくないだろ?」
負けたくないのはあたしなんだけど。
「え、いや、最初から勝ち目とかないです……」
「大丈夫! あたしがついてるから! それに、よ、陽キャはこういうのみんなやってる! らしい! ぼっちちゃんも陽キャになりたいだろ?」
……何が大丈夫なんだ。ゴメンぼっちちゃん。あたし嘘つきだ。そもそも陽キャでもないし。
「は、はい! なりたいです! 陽キャ!」
「よし! 一緒にがんばろう!」
我ながら、こんな嘘をペラペラ言えたもんだ。
「じゃあ、まずはお弁当の続き。あーんして」
「あ、はい。あむあむ……」
まずは弁当を最後までお互いに『あーん』し合って食べきった。
「えーと、こうやって手を繋いで……ほら恋人繋ぎ」
なんとなくうろ覚えでやってみる。
「あ、手汗酷くてすみません。こ、こういうの初めてで……」
ぼっちちゃん顔が真っ赤だ。
「そんなに、は、恥ずかしがるなよ。あたしも恥ずかしくなるし。バンドと同じで何事も経験、練習あるのみ!」
うぅ、こっちから言い出しといてやっぱ恥ずかしい。
「は、はい! がんばりましゅ……」
「よし、このままスターリーまで帰るぞ」
「むむむむ……やっぱり無理!」
「んー? ここで諦めるようじゃぼっちちゃん、陽キャになれないな? あたしはそれでもいいけどさー」
「な、なりたいです! 陽キャに! やります!」
「じゃ、行こうか!」
ぼっちちゃん、陽キャに憧れすぎだろ。あたしだって喜多ちゃんみたいな娘を羨ましく思うことはあるけどさ、あれはあれで大変そうだとも思うんだよね。ま、とにかくこれでデート続行だ。
「……」
「……」
また気まずい沈黙。歩きながら少し考えを巡らせる。
最近ぼっちちゃんを意識することがますます増えた。なぜかあの娘のことを考えると胸が苦しくなる。もしかしてこういうのが……恋ってやつだったりするのか?
ぼっちちゃんと恋人なんて、あたし何考えてんだ……女同士でさ。そりゃ最近はそういうのも珍しくないけど。でもぼっちちゃんはあたしをどう思ってるのかわからねーし。あたしの片思いが、ぼっちちゃんの負担になるんじゃないかって思ってしまう。
「着いたぞ、スターリーの前。じゃあ手を放して」
「あ、はい」
シュっとぼっちちゃんの手が離れる。え?手放すの早くない?もう少し余韻というものがあっても……。
「……まあ姉貴たちにこれを見られるわけにはいかないし」
特にリョウにでも知られたら、何言われるか分かったもんじゃないしな。
「な、なんで?」
「わかってねぇな、ぼっちちゃん。これは秘密の特訓なんだよ。陽キャへの道は一日にして成らずだ。続きはまた今度!」
あたしは、左手を腰に当て、右手でぼっちちゃんをビシっと指差す。
「は、はい!」
「いい返事だ。じゃあ、戻ろうか」
これでいいんだ。……今はこれで。
……正直な気持ちを打ち明けるのは怖い。もし告白でもして、万が一ぼっちちゃんに嫌われたら、軽蔑されたらって思うと耐えられない。
もちろんぼっちちゃんは優しいから、拒絶の言葉なんか、直接口に出したりしないだろうけど。
それにぼっちちゃんにとってあたしは『初めて出来た友達』なんだ。その大事な友情を壊したくない。
やっぱ怖いんだ、あたし。でも、いつか必ず――。
ぼっちちゃんと『秘密の特訓』をした日の夜、なんか寂しい。
そうだ、今夜は久々にぬいぐるみを抱いて寝よう。最近新しくお迎えしたこの子がいいな。ピンクの丸っこくてカワイイぬいぐるみ。メンダコとかいう深海の生き物をモデルにしたキャラクターらしい。
……名前は『ひとりちゃん』にしよう。よろしくね、ひとりちゃん。
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